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二年目 恋よ、愛てにとって不足はない
27 見えない瘴気
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あれからユウヴィーとリンクは図書館で会うようになった。互いに何か話すわけでもなく、同じテーブルで黙々と勉強し、決まった時間に解散するというものだった。
そんな日が数日経ち、ハマト国からの使い魔候補の動物が届いたと連絡をエリーレイドから聞かされるユウヴィーだった。
「ユウヴィー・ディフォルトエマノン嬢、学園都市の門で検問に引っかかった動物がいます。行けばわかります、サンウォーカー国の光の魔法を使う者として対処してきてください」
授業中ではあったが、国としての対処しろと公爵家から命令されれば、断る事もできず、案内の人と一緒にその場所へ向かった。
学園都市の壁の外周側にある瘴気に汚染されているか確認する検問所があり、学園から半刻ほど馬車に揺られての移動だった。ちょっとした砦になっている場所で検問が行われており、その砦の中の部屋に通されるとすでにハマト国のリンクが到着していて、腕を組み何か悩んでいた。
使い魔候補の動物である管狐が檻に入れられており、一目でどの動物たちが瘴気に汚染されているのがわかったのだった。また運んできた人たちも瘴気に汚染されており、四肢に瘴気が現れていた、まるでツタが絡みついたように皮膚にべたりとついているように見えた。
運んできた人たちはベッドに寝かされ、頭痛と熱で大分やられているようだった。
「ここに到着して時は何ともなかったのだが、使い魔の様子が変わって、急に彼らも苦しみ始めたのだ」
「リンク皇子、何かご存じですか?」
「これはスニノイ・ココニアと呼ばれる瘴気に汚染された症状だ……我が国の固有の症状だが、なぜここで……?」
ユウヴィーは光の魔法で浄化を試みようとし、手を掲げるが、何か嫌な予感がしてやめるのだった。
「ど、どうした?」
「いったん研究区画の方たちを呼びます。浄化をすれば解決しますが、根本的な解決にならないと私は思います。協力をしていただけますか?」
リンクは即座に頷いた。
「研究区画の方に伝令をお願いします!」
ユウヴィーが近くの人に頼むと、数刻後に研究区画の人が到着し、使い魔候補の動物たちは一時保護される形となった。使い魔たちは特別な瘴気が外に漏れ出さない檻に入れられた。
「では、この方々の浄化をお願いします」
研究区画の人は、特殊な服装をしており瘴気に耐性がある装備をしていた。全身白づくめで透明な仮面をしている。ユウヴィーは研究区画の人に指示されるがままに瘴気に汚染された人たちを光の魔法で浄化し、ツタのような瘴気の痕は瞬く間になくなり、苦しそうにしていた人たちは回復させた。
「ユウヴィー殿、ありがとうございます。いったん研究区画でこの動物の症状と状態を確認し、原因が何か特定します。こちらの方々の瘴気の症状はハマト国特有のスニノイ・ココニアという症状で間違いないでしょうか?」
研究区画の人からの確認にリンクは頷き返す。
「間違いない、スニノイ・ココニアだ」
「わかりました、ありがとうございます。ユウヴィー殿、念のため我々にも浄化をお願いします」
「はい、わかりました。いきますね」
ユウヴィーは浄化をそれぞれ肉体内部にかけた。
「ありがとうございます。それでは私たちは失礼します。連絡ありがとうございます」
研究区画の人は去り、ユウヴィーとリンクは学園に戻る事にした。運んできた人たちは浄化されたことによって健康状態も良好になり、国に戻ることになった。
+
数日後、研究区画の人から連絡があり、ユウヴィー、リンク、ギャル風な婚約者が向かった。
そこで待ち受けていたのは、がりっがりに痩せ、目の下のクマがやばい研究区画の人だった。自己紹介をするとどうやらハマト国から派遣されている人だった。
「原因の特定ができませんでした。というのも、どうやらこの動物たちが瘴気の元になっているわけではありませんでした。何か別のものから汚染されたのがわかりました」
「詳しく、教えてくれますか?」
神妙な表情でその人は説明しだした。ユウヴィーはこの人が過労で死なないか心配だったが、頭を切り替え内容に耳を傾けていた。
瘴気に汚染された動物は何かしら接触する事で汚染を拡大させていくのだが、この感染した動物からは汚染が外に漏れ出しておらず、同じ水、同じ食べ物を別の瘴気汚染されていない動物が口にしても感染しなかったという事だった。
「別の感染してない動物を一緒に過ごさせた場合はどうでしたか?」
「その場合も瘴気の感染が発見できませんでした」
「つまり、この動物は直接の原因ではなかったってこと?」
「はい、そうなります。私もスニノイ・ココニアについて研究して、早期発見された症状の動物で何か原因が解明できるかと思ったのですが、ダメでした。お力に成れず申し訳ない」
研究区画の人はリンクとギャル風な婚約者に頭を下げて謝罪するのだった。
「いや、ありがとう。その使い魔候補の動物たちはもう問題ないのだろう? 浄化して引き取ってしまってもいいかな?」
「うんうん、これで使い魔もてるね!」
「ええ、問題ありません。ご足労ありがとうございます。浄化された後は、ハマト国の王族の館にお持ちすればよろしいでしょうか?」
「ああ、それで頼んだぜ」」
ユウヴィーは、汚染されている使い魔候補の動物たちを浄化した。
リンクたちからユウヴィーはお礼を言われ、その日は解散となった。瘴気がどこからやってきたのか原因がわからない事にユウヴィーは悶々としていた。
(研究区画なら何かわかると思ったけれど、何も出てこないことが不気味で仕方ない。瘴気はウイルス的なものじゃなくて、超常現象的なものだったりするのかな? 乙女ゲームの強制力だったりするの?)
ユウヴィー自身の中で考えていた仮説が違った事と順調にいくと思っていたのを裏切られたような気がし、心の中が不安が渦巻いていた。
それから数日後、浄化した使い魔候補の動物と使い魔契約が出来ず、リンクから相談を受ける事になったユウヴィーだった。それがなぜ使い魔契約ができないのか、彼女は答えを知っているのに気づきもしていなかった。それに気づかされるのはさらに数日後の事になった。
学園内でリンク皇子とギャル風な婚約者と関わった人たちや、彼らが住まう館や従業員たちから瘴気感染が広がっていったのだった。それは瞬く間に噂になり、学園に瘴気を持ち込んだ者として避難の声が各国から正式にハマト国へといった。
ユウヴィーは浄化の要請が自国から入り、瘴気感染した人たちを浄化したが腑に落ちなかった。
(何かがおかしい……)
だが、原因が判明するわけでもなく、彼女は引き続き原因が見つかればと思い図書館で感染経路の酷似しているものがないか調べるのだった。
「いいのですか……その引きこもってなくて」
ユウヴィーはテーブルの反対側に座ってるリンクへ問いかけた。不敬だと思ったが、今の状況からしてあまり外を出歩くのはよくない。現にギャル風な婚約者は、ほとぼりさめるまで引きこもる事にしていたからだ。
「原因解明に繋がる手がかりを探さないとね、やっぱほら明るくいきたいし」
彼はにこやかな表情と大げさに両手を広げていた。
リンクの軽薄さがある行動にユウヴィーはつい感情的になってしまった。
「茶化さないで、心にもない。透けて見えるわ」
「何がわかるっていうんだ」
それでも笑みを崩さず、ユウヴィーに明るい声で返事をした。彼女の不敬ともとれる言動に対し、特に気を留めずに。
「わからないわ、ただ真剣に向き合い解決したいのだけはわかる。ただそんな態度しないで」
「君に何がわかる、何がわかるっていうんだ?」
「わからないわ、私は貴方じゃない。リンク皇子ではない。光の魔法を使えて、浄化ができても、根本的な原因がわからない、ただのユウヴィー・ディフォルトエマノンよ」
「私は、いや……僕は……」
「貴方は本当はどうしたいの」
ユウヴィーはリンクをまっすぐに見た。ユウヴィー自身、自分の仮説が外れてると感じ、八つ当たりのような感情をぶつけていた。ゲームの強制力が働いていると感じ、その不条理さに苛立ちがあり、ぶつけてしまったのだった。
(私って嫌な女だ……)
彼女はリンクに言ったあとに自分の気持ちに気づいた。だが引っ込みがつかなく、ただ目をリンクから逸らすのだった。
「私は、瘴気の原因を解明したい。私が招いたことでもあるし、私自身が決着をつけたい。それが本心だ。君は……」
「光の魔法を頼らずに解決したいわ」
ユウヴィーはリンクの目を見ずに答えるのだった。
そんな日が数日経ち、ハマト国からの使い魔候補の動物が届いたと連絡をエリーレイドから聞かされるユウヴィーだった。
「ユウヴィー・ディフォルトエマノン嬢、学園都市の門で検問に引っかかった動物がいます。行けばわかります、サンウォーカー国の光の魔法を使う者として対処してきてください」
授業中ではあったが、国としての対処しろと公爵家から命令されれば、断る事もできず、案内の人と一緒にその場所へ向かった。
学園都市の壁の外周側にある瘴気に汚染されているか確認する検問所があり、学園から半刻ほど馬車に揺られての移動だった。ちょっとした砦になっている場所で検問が行われており、その砦の中の部屋に通されるとすでにハマト国のリンクが到着していて、腕を組み何か悩んでいた。
使い魔候補の動物である管狐が檻に入れられており、一目でどの動物たちが瘴気に汚染されているのがわかったのだった。また運んできた人たちも瘴気に汚染されており、四肢に瘴気が現れていた、まるでツタが絡みついたように皮膚にべたりとついているように見えた。
運んできた人たちはベッドに寝かされ、頭痛と熱で大分やられているようだった。
「ここに到着して時は何ともなかったのだが、使い魔の様子が変わって、急に彼らも苦しみ始めたのだ」
「リンク皇子、何かご存じですか?」
「これはスニノイ・ココニアと呼ばれる瘴気に汚染された症状だ……我が国の固有の症状だが、なぜここで……?」
ユウヴィーは光の魔法で浄化を試みようとし、手を掲げるが、何か嫌な予感がしてやめるのだった。
「ど、どうした?」
「いったん研究区画の方たちを呼びます。浄化をすれば解決しますが、根本的な解決にならないと私は思います。協力をしていただけますか?」
リンクは即座に頷いた。
「研究区画の方に伝令をお願いします!」
ユウヴィーが近くの人に頼むと、数刻後に研究区画の人が到着し、使い魔候補の動物たちは一時保護される形となった。使い魔たちは特別な瘴気が外に漏れ出さない檻に入れられた。
「では、この方々の浄化をお願いします」
研究区画の人は、特殊な服装をしており瘴気に耐性がある装備をしていた。全身白づくめで透明な仮面をしている。ユウヴィーは研究区画の人に指示されるがままに瘴気に汚染された人たちを光の魔法で浄化し、ツタのような瘴気の痕は瞬く間になくなり、苦しそうにしていた人たちは回復させた。
「ユウヴィー殿、ありがとうございます。いったん研究区画でこの動物の症状と状態を確認し、原因が何か特定します。こちらの方々の瘴気の症状はハマト国特有のスニノイ・ココニアという症状で間違いないでしょうか?」
研究区画の人からの確認にリンクは頷き返す。
「間違いない、スニノイ・ココニアだ」
「わかりました、ありがとうございます。ユウヴィー殿、念のため我々にも浄化をお願いします」
「はい、わかりました。いきますね」
ユウヴィーは浄化をそれぞれ肉体内部にかけた。
「ありがとうございます。それでは私たちは失礼します。連絡ありがとうございます」
研究区画の人は去り、ユウヴィーとリンクは学園に戻る事にした。運んできた人たちは浄化されたことによって健康状態も良好になり、国に戻ることになった。
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数日後、研究区画の人から連絡があり、ユウヴィー、リンク、ギャル風な婚約者が向かった。
そこで待ち受けていたのは、がりっがりに痩せ、目の下のクマがやばい研究区画の人だった。自己紹介をするとどうやらハマト国から派遣されている人だった。
「原因の特定ができませんでした。というのも、どうやらこの動物たちが瘴気の元になっているわけではありませんでした。何か別のものから汚染されたのがわかりました」
「詳しく、教えてくれますか?」
神妙な表情でその人は説明しだした。ユウヴィーはこの人が過労で死なないか心配だったが、頭を切り替え内容に耳を傾けていた。
瘴気に汚染された動物は何かしら接触する事で汚染を拡大させていくのだが、この感染した動物からは汚染が外に漏れ出しておらず、同じ水、同じ食べ物を別の瘴気汚染されていない動物が口にしても感染しなかったという事だった。
「別の感染してない動物を一緒に過ごさせた場合はどうでしたか?」
「その場合も瘴気の感染が発見できませんでした」
「つまり、この動物は直接の原因ではなかったってこと?」
「はい、そうなります。私もスニノイ・ココニアについて研究して、早期発見された症状の動物で何か原因が解明できるかと思ったのですが、ダメでした。お力に成れず申し訳ない」
研究区画の人はリンクとギャル風な婚約者に頭を下げて謝罪するのだった。
「いや、ありがとう。その使い魔候補の動物たちはもう問題ないのだろう? 浄化して引き取ってしまってもいいかな?」
「うんうん、これで使い魔もてるね!」
「ええ、問題ありません。ご足労ありがとうございます。浄化された後は、ハマト国の王族の館にお持ちすればよろしいでしょうか?」
「ああ、それで頼んだぜ」」
ユウヴィーは、汚染されている使い魔候補の動物たちを浄化した。
リンクたちからユウヴィーはお礼を言われ、その日は解散となった。瘴気がどこからやってきたのか原因がわからない事にユウヴィーは悶々としていた。
(研究区画なら何かわかると思ったけれど、何も出てこないことが不気味で仕方ない。瘴気はウイルス的なものじゃなくて、超常現象的なものだったりするのかな? 乙女ゲームの強制力だったりするの?)
ユウヴィー自身の中で考えていた仮説が違った事と順調にいくと思っていたのを裏切られたような気がし、心の中が不安が渦巻いていた。
それから数日後、浄化した使い魔候補の動物と使い魔契約が出来ず、リンクから相談を受ける事になったユウヴィーだった。それがなぜ使い魔契約ができないのか、彼女は答えを知っているのに気づきもしていなかった。それに気づかされるのはさらに数日後の事になった。
学園内でリンク皇子とギャル風な婚約者と関わった人たちや、彼らが住まう館や従業員たちから瘴気感染が広がっていったのだった。それは瞬く間に噂になり、学園に瘴気を持ち込んだ者として避難の声が各国から正式にハマト国へといった。
ユウヴィーは浄化の要請が自国から入り、瘴気感染した人たちを浄化したが腑に落ちなかった。
(何かがおかしい……)
だが、原因が判明するわけでもなく、彼女は引き続き原因が見つかればと思い図書館で感染経路の酷似しているものがないか調べるのだった。
「いいのですか……その引きこもってなくて」
ユウヴィーはテーブルの反対側に座ってるリンクへ問いかけた。不敬だと思ったが、今の状況からしてあまり外を出歩くのはよくない。現にギャル風な婚約者は、ほとぼりさめるまで引きこもる事にしていたからだ。
「原因解明に繋がる手がかりを探さないとね、やっぱほら明るくいきたいし」
彼はにこやかな表情と大げさに両手を広げていた。
リンクの軽薄さがある行動にユウヴィーはつい感情的になってしまった。
「茶化さないで、心にもない。透けて見えるわ」
「何がわかるっていうんだ」
それでも笑みを崩さず、ユウヴィーに明るい声で返事をした。彼女の不敬ともとれる言動に対し、特に気を留めずに。
「わからないわ、ただ真剣に向き合い解決したいのだけはわかる。ただそんな態度しないで」
「君に何がわかる、何がわかるっていうんだ?」
「わからないわ、私は貴方じゃない。リンク皇子ではない。光の魔法を使えて、浄化ができても、根本的な原因がわからない、ただのユウヴィー・ディフォルトエマノンよ」
「私は、いや……僕は……」
「貴方は本当はどうしたいの」
ユウヴィーはリンクをまっすぐに見た。ユウヴィー自身、自分の仮説が外れてると感じ、八つ当たりのような感情をぶつけていた。ゲームの強制力が働いていると感じ、その不条理さに苛立ちがあり、ぶつけてしまったのだった。
(私って嫌な女だ……)
彼女はリンクに言ったあとに自分の気持ちに気づいた。だが引っ込みがつかなく、ただ目をリンクから逸らすのだった。
「私は、瘴気の原因を解明したい。私が招いたことでもあるし、私自身が決着をつけたい。それが本心だ。君は……」
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