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引きこもりと攻略組、すれ違う
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「ふんふーふふふーん♪」
鼻歌を歌いながら、花子は上機嫌でタローを走らせていた。
タイポイを出た花子はプロレシアへと辿り着くとタローを戻し、中へと入る。
街の様子を見た花子は開口一番、言った。
「相変わらずシケとるなー」
道行くプレイヤーたちの顔を見ながら歩く花子は、彼らのどんよりとした生気のない目にうんざりした顔をした。
花子はデスゲームに閉じ込められた当初のことを思い出していた。
人々は混乱し、泣き叫び、恐慌は伝播し、花子は堪らず街を飛び出した。
幸いにして戦闘型だった花子はモンスターを狩り続け、それなりの実力者となり、そしてプロレシアには戻らなかった。
自分まで恐怖に飲み込まれそうだったからだ。
それからしばらくして、花子はプロレシアへふらりと立ち寄った。
その時、恐る恐る覗き込んだプロレシアの街は流石に平穏を取り戻していた。
だが、彼らの目は今と同じような淀んだ目だった。
生きる事を諦めたような、生気のない目。
「でも、あんな子らも出てきおったんやなぁ」
花子は嬉しそうに呟く。
絶望の中、居残りしたプレイヤーたちはもう二度とこのゲームをやらないと思っていた。
だが、ヴァットやエイスのような者もいる。
よく見れば、道行く人々《プレイヤー》の中にも、目に光がある者もいた。
「うんうん、これはゲームで遊びなんやから、楽しまへんとな!」
街の様子を一通り見て終わると、花子はプロレシアを出るのだった。
■■■
小川を超え小山を超え、小冒険の後に花子は攻略組の屯する街に辿り着く。
「ふぃー、ヤバかったー。久々にプロレシアに行っとったから、戻ってきたら感覚狂うなー」
ようやく街に辿り着いた花子のHPはかなり削れ、赤くなりかけていた。
油断してダメージを食らいすぎたのだ。
それなりにレベルの高い花子はプロレシア付近のモンスター程度ならいくら攻撃されても死ぬ事はないが、この付近では違う。
普通に戦えば手ごわく、純粋な戦闘ジョブではない花子では瞬殺は難しい相手ばかりだ。
先刻、倒すのが面倒で無理やり突破しようとしたらモンスターに囲まれてしまい、死にかけたのだ。
「安全第一で行かんとなぁ。これはゲームであってデスゲームなんやから」
花子はHPを回復すべく、ポーションをぽちぽちと叩く。
10個ほどポーションを使ったあたりで、突如もりっと回復した。
「お? 間違うて変なもん使ってもーたかな?」
使ったのは、先日ヴァットが礼にと渡したポーションである。
だが花子はそれに気づくこともなく、まぁいいかと流した。
無理もない。彼女に限らずプレイヤーの多くは回復薬を重要視しておらず、まともに管理していないのだ。
拾ったり貰ったりしたポーションをひとまとめにして適当に叩くのが、多くのプレイヤーの使い方である。
「やぁ花子」
そんな花子に声をかけてきたのは攻略組のアレフだ。
「おいっすアレフー! 久しぶりやんなー」
「そうだね。花子は新しい頭装備を買ってきたのかな?」
「ちっちっ、買ったんやない。交換やでー。タヌキ帽子! 可愛いやろコレー」
そう言って花子は鞄からタヌキ帽子を取り出し、装備した。
特徴的な模様の顔と、後ろには尻尾がついている。
これはプロレシアに戻ったついでに交換したものだ。
エイスの話を聞いて、自分も欲しくなったのである。
ドヤ顔で頭の上にタヌキを乗っけている花子を見て、アレフは愛想笑いを浮かべる。
「はは、確かに。可愛いね」
「せやろー……ってあからさまに興味なさそうな顔やんけ!」
ぺしっ、と花子は裏手でアレフの胸を叩く。
見事なノリツッコミであった。
「ごめんごめん。悪かったよ」
「ったくぅー、アレフが興味があるんはポーションの事やろ。残念ながらそんなもんなかったで。ここから各街を辿り、プロレシアの露店市まで見てきたけど、どこにもな。そもそも露店を出しとるプレイヤーすらほとんどおらへんかったわ」
「あー……そっか」
花子の言葉にアレフはあからさまに落胆した顔を見せた。
「やはり野良で使い手の錬金術師なんて、そうはいないか」
「そらなー、錬金術師すらほとんどみーへんしなぁ……あぁせや」
ふと、花子はヴァットの事を思い出し口にする。
「タイポイ付近で狩りしとる錬金術師なら見たでー。レベルはかなり低いっぽかったけどな。見込みはありそうやったかなー」
「ふむ、興味深い話ではあるが……低レベルなら今すぐ使えそうな話でもなさそうだ。それに狩場にいたということは、戦闘型なのだろう?」
「恐らくな。攻撃スキル出しとったしな」
花子には錬金術師のスキルに詳しくはない。
いや、殆どのプレイヤーが詳しくはないのだ。
何せログアウト出来ないこの状況、ネットで調べることも出来ないし、ゲーム内に錬金術師自体が少ないので情報も得られない。
ベナムポーションによる毒の泉を、単なる攻撃スキルと勘違いするのも無理のない話だった。
「残念だなぁ。やはりポーションは見込めないか。大人しくレベルを上げて装備を整える事にするよ」
「残念やなぁ。ウチはその辺フラフラしながら可愛い頭装備でも集めるわ」
「あぁ、気を付けろよ。花子」
「とーぜんや。てか自分ら攻略組やろ。アレフこそきーつけや」
「はは、そうさせてもらうよ」
二人は顔を見合わせると、ぱしんと手を合わせる。
そして互いに、元来た道を帰るのだった。
鼻歌を歌いながら、花子は上機嫌でタローを走らせていた。
タイポイを出た花子はプロレシアへと辿り着くとタローを戻し、中へと入る。
街の様子を見た花子は開口一番、言った。
「相変わらずシケとるなー」
道行くプレイヤーたちの顔を見ながら歩く花子は、彼らのどんよりとした生気のない目にうんざりした顔をした。
花子はデスゲームに閉じ込められた当初のことを思い出していた。
人々は混乱し、泣き叫び、恐慌は伝播し、花子は堪らず街を飛び出した。
幸いにして戦闘型だった花子はモンスターを狩り続け、それなりの実力者となり、そしてプロレシアには戻らなかった。
自分まで恐怖に飲み込まれそうだったからだ。
それからしばらくして、花子はプロレシアへふらりと立ち寄った。
その時、恐る恐る覗き込んだプロレシアの街は流石に平穏を取り戻していた。
だが、彼らの目は今と同じような淀んだ目だった。
生きる事を諦めたような、生気のない目。
「でも、あんな子らも出てきおったんやなぁ」
花子は嬉しそうに呟く。
絶望の中、居残りしたプレイヤーたちはもう二度とこのゲームをやらないと思っていた。
だが、ヴァットやエイスのような者もいる。
よく見れば、道行く人々《プレイヤー》の中にも、目に光がある者もいた。
「うんうん、これはゲームで遊びなんやから、楽しまへんとな!」
街の様子を一通り見て終わると、花子はプロレシアを出るのだった。
■■■
小川を超え小山を超え、小冒険の後に花子は攻略組の屯する街に辿り着く。
「ふぃー、ヤバかったー。久々にプロレシアに行っとったから、戻ってきたら感覚狂うなー」
ようやく街に辿り着いた花子のHPはかなり削れ、赤くなりかけていた。
油断してダメージを食らいすぎたのだ。
それなりにレベルの高い花子はプロレシア付近のモンスター程度ならいくら攻撃されても死ぬ事はないが、この付近では違う。
普通に戦えば手ごわく、純粋な戦闘ジョブではない花子では瞬殺は難しい相手ばかりだ。
先刻、倒すのが面倒で無理やり突破しようとしたらモンスターに囲まれてしまい、死にかけたのだ。
「安全第一で行かんとなぁ。これはゲームであってデスゲームなんやから」
花子はHPを回復すべく、ポーションをぽちぽちと叩く。
10個ほどポーションを使ったあたりで、突如もりっと回復した。
「お? 間違うて変なもん使ってもーたかな?」
使ったのは、先日ヴァットが礼にと渡したポーションである。
だが花子はそれに気づくこともなく、まぁいいかと流した。
無理もない。彼女に限らずプレイヤーの多くは回復薬を重要視しておらず、まともに管理していないのだ。
拾ったり貰ったりしたポーションをひとまとめにして適当に叩くのが、多くのプレイヤーの使い方である。
「やぁ花子」
そんな花子に声をかけてきたのは攻略組のアレフだ。
「おいっすアレフー! 久しぶりやんなー」
「そうだね。花子は新しい頭装備を買ってきたのかな?」
「ちっちっ、買ったんやない。交換やでー。タヌキ帽子! 可愛いやろコレー」
そう言って花子は鞄からタヌキ帽子を取り出し、装備した。
特徴的な模様の顔と、後ろには尻尾がついている。
これはプロレシアに戻ったついでに交換したものだ。
エイスの話を聞いて、自分も欲しくなったのである。
ドヤ顔で頭の上にタヌキを乗っけている花子を見て、アレフは愛想笑いを浮かべる。
「はは、確かに。可愛いね」
「せやろー……ってあからさまに興味なさそうな顔やんけ!」
ぺしっ、と花子は裏手でアレフの胸を叩く。
見事なノリツッコミであった。
「ごめんごめん。悪かったよ」
「ったくぅー、アレフが興味があるんはポーションの事やろ。残念ながらそんなもんなかったで。ここから各街を辿り、プロレシアの露店市まで見てきたけど、どこにもな。そもそも露店を出しとるプレイヤーすらほとんどおらへんかったわ」
「あー……そっか」
花子の言葉にアレフはあからさまに落胆した顔を見せた。
「やはり野良で使い手の錬金術師なんて、そうはいないか」
「そらなー、錬金術師すらほとんどみーへんしなぁ……あぁせや」
ふと、花子はヴァットの事を思い出し口にする。
「タイポイ付近で狩りしとる錬金術師なら見たでー。レベルはかなり低いっぽかったけどな。見込みはありそうやったかなー」
「ふむ、興味深い話ではあるが……低レベルなら今すぐ使えそうな話でもなさそうだ。それに狩場にいたということは、戦闘型なのだろう?」
「恐らくな。攻撃スキル出しとったしな」
花子には錬金術師のスキルに詳しくはない。
いや、殆どのプレイヤーが詳しくはないのだ。
何せログアウト出来ないこの状況、ネットで調べることも出来ないし、ゲーム内に錬金術師自体が少ないので情報も得られない。
ベナムポーションによる毒の泉を、単なる攻撃スキルと勘違いするのも無理のない話だった。
「残念だなぁ。やはりポーションは見込めないか。大人しくレベルを上げて装備を整える事にするよ」
「残念やなぁ。ウチはその辺フラフラしながら可愛い頭装備でも集めるわ」
「あぁ、気を付けろよ。花子」
「とーぜんや。てか自分ら攻略組やろ。アレフこそきーつけや」
「はは、そうさせてもらうよ」
二人は顔を見合わせると、ぱしんと手を合わせる。
そして互いに、元来た道を帰るのだった。
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