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第二章 馬頭 六節
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「ハイヨー、ダニーボーイ♪」
私と猫君は、捕虜にした小馬頭に乗り、草原を疾駆していた。ちなみに、名前は語感で付けたので、深い意味はない。
「打ち負かされた子分は、親分へ泣き付きに帰る。どうやら君の持論は正しかったみたいだね、白枝君?」
「ああ、予想通り良く出来たゲームで良かったよ・・・それにはしても、背中に乗ってるプレイヤーへのリアクションが未実装で助かった。歩くより格段に楽が出来るからね」
「まさか、乗馬まで出来るとはね・・・此方も、猫からコイツへ移行した方が役立つのかな?」
「乗馬? 悪いけど、ロデオマシーンにしか乗ったこと無いよ? というか、猫君は変えないで! 唯一の制汗剤なんだ!」
「・・・清涼剤の間違いでは?」
「おっと? あはは・・・疲れてるんだよ、きっと」
「・・・無理は禁物だよ、死なれたら元も子もないからね」
「そうだね・・・でも、この装備なら勝てる気がするんだ・・・それも簡単に」
「それは・・・思い上がりじゃないのかい?」
「う~ん・・・一度殺されたからじゃ、駄目?」
「・・・・・・分かったよ。危なくなったら、逃げるんだ。ここのボス戦は、逃走可能なんだからね?」
「・・・了解」
やがて、前方の風景に変化が訪れる。草原が終わり、広く深い森林地帯が始まろうとしていた。あれが次のエリアだとするなら、ボスは目前という事になる。
「・・・ふぅ」
私は意を決し、ダニーボーイの背の上に立ち上がった。気分はまさにサーフボード、ちなみに猫君はマントに備え付けられたフードの中に居る。
「藤園さん! 勝負は一瞬だ、危ない時は上手く逃げてくれよ・・・猫君を頼む!」
「ん? ああ、分かってる分かってる」
会話の温度差について気になりはしたが、既に私はボスの姿を肉眼で捉えていた為、深く追及は出来なかった。
「よし・・・・・・行くぞ!」
ダニーボーイは走る、群れが全滅させられた事を報せに。
ボスの馬頭も、駆け寄るダニーボーイに気付いた。正確に言えば、その背に立つ私の存在に。
「MeeeeZoooo!!」
馬頭は、槍を肩に担ぐ様に振りかぶると次の瞬間、ダニーボーイ目掛けて投擲してきた。残念ながら、報告を優先しているダニーボーイは回避行動を取れない。
私は彼の背を蹴り、投擲された槍とすれ違うようにして、前方へと躍り出た。背後から、ダニボーイの断末魔の叫びが聴こえた気がする。
「ダニーボーイ!!」
そう慟哭しながら、私は慣性の法則による前方への運動エネルギーに従い、スライディングの体勢で馬頭の股下を潜り抜けた。
「アキレスッ!」
片膝立ちの体勢となり、急ブレーキを掛けた後、身体をくるりと180度回転させ、背後にあった馬頭のアキレス腱へ刀を抜き付けた。そして、硬い腱を断ち切る手応えを感じたと同時に、もう片方の足へと走る。
「んぁ~~アキレスッ!!」
今度は袈裟斬りで、もう片方のアキレス腱を断ち切る。すると、馬頭は絶叫しながら地面に膝を付き、四つん這いとなった。
好機、私は垂れ下がる馬頭の尻尾を駆使し、奴の背へ飛び乗った。目指すは頭部、馬頭は手を伸ばして私を捕まえようとするが、背中となると見えない上、自由も利かない為にそれが叶うことは無い。
背中をがむしゃらに駆け抜け、頸椎の目前へと到った私は刀を大上段に構え、頸椎に一太刀浴びせようとしていた。しかしその寸前に奴の手が襲い掛かってきたので、私は進路を変えて肩口から飛び上がった。
「ふんっ!」
馬頭の頸椎へ向けて、高く舞い上がる。そして、落下エネルギーを上手く乗せつつ、渾身の一太刀を奴の頸椎へ届かせた。
「くっ!?」
やっと事で届かせた一撃、しかし馬頭の骨は予想よりも硬く、斬り抜く事が叶わなかった。地に足が着いてない状態において、刀身の軽い太刀では威力が足らなかったのである。
どうにかしなければ、馬頭の両手がぎこちないながらも、迫ってきていた。
「これなら、どうだ!」
頸椎へ食い込み、動けなくなった刀の柄にぶら下がっていた私は、鉄棒の要領で柄にに逆立ちする体勢へと移行、全体重を乗せたまま刀身の峰へと着地し、刃をさらに食い込ませた。
「Meeee!? Zoooooooo・・・」
刃は見事に馬頭の頸椎を断ち切った。それに伴い、動脈も寸断された事で馬頭はシステム上、死亡と判断される。私が地面へ着地する頃には、奴の身体は灰塵に帰し、脆くも崩れ去っていた。
そして私は、うず高く積もった灰の山に、光る槍が突き刺さっている事に気が付く。近付いてみると、人間サイズになってはいるが、馬頭が愛用していた槍であることが見てとれた。これで滅多刺しにされたのだから、見紛うはずもない。
「これは所謂、ボスウェポンだね。これが次のエリアを開く鍵であり、これからの助けにもなる物だよ」
フードの中から、猫君がひょっこりと顔を覗かせた。
「あれ? 逃げてなかったの?」
「あの中へ飛び出した方が危険だったよ・・・それよりも、ボスウェポンを取るんだ。突然消えられでもしたら、取り返しがつかないからね」
「・・・了解」
私は灰の山を登り、光る槍を手に取った。その直後、槍は光る液体へと姿を変え、掌に溜まり、どんどん私の掌に吸収されていっている。
「ちょっ、これ、大丈夫なの!?」
「安心して、白枝君。それは君にアクセス権限が譲渡された証だよ・・・一先ず任務達成、時間も時間だから、謝辞は戻ってきてからにしよう」
「は~い・・・目を閉じれば良いんだよね?」
「ああ、そうだよ」
私がゆっくりと目を閉じてすぐ、ずっしりと重たくなった肉体の感覚がのし掛かってきた。どうやら、無事に帰って来れたらしい。今日は昨日以上に、鉛を乗せられた気分である。やっとの思いで顔を上げると、テーブルの向こうにヘッドセットを付けた藤園さんの姿があった。そのヘッドセット、昨日より物々しくなっており、ゴーグルの様なものが付与されている。
「何、そのゴーグル?」
「大丈夫、気にしないで・・・それよりも、お疲れさま。コンバート2日目でアクセス権限を手に入れるなんて、大きな成果だよ・・・その、ありがとう」
「あはは、何だか仰々しいな・・・まだ最初でしょ? 後いくつ有るの?」
「残りは、あと5つ。このペースなら1週間強でクリアも可能だね・・・させないけど」
「え? させないの?」
「少し、休暇を挟みましょう。君の身体には相当な疲労が溜まっているはずだからね」
「確かにその通りだけど・・・・・・良いの?」
「急く気持ちはあるけれど、君に倒れられたら本末転倒だ。急がば回れ・・・その疲労が抜けた後、君はさらに強くなっているだろう。それまで、身体を休める事に心を砕いて欲しい」
「あ、ああ・・・分かった。じゃあ、次はいつにする?」
「ふむ・・・そういえば明日から休日だったね。とりあえず、連絡先を教えておくよ。回復したら、報せて欲しい」
「了解、なら俺のも教えておかないとね」
その後、我々は連絡先を交換し、駅まで共に下校した。その際、何故か執拗に休日の過ごし方について質問されたのが、この日最後の謎である。
私と猫君は、捕虜にした小馬頭に乗り、草原を疾駆していた。ちなみに、名前は語感で付けたので、深い意味はない。
「打ち負かされた子分は、親分へ泣き付きに帰る。どうやら君の持論は正しかったみたいだね、白枝君?」
「ああ、予想通り良く出来たゲームで良かったよ・・・それにはしても、背中に乗ってるプレイヤーへのリアクションが未実装で助かった。歩くより格段に楽が出来るからね」
「まさか、乗馬まで出来るとはね・・・此方も、猫からコイツへ移行した方が役立つのかな?」
「乗馬? 悪いけど、ロデオマシーンにしか乗ったこと無いよ? というか、猫君は変えないで! 唯一の制汗剤なんだ!」
「・・・清涼剤の間違いでは?」
「おっと? あはは・・・疲れてるんだよ、きっと」
「・・・無理は禁物だよ、死なれたら元も子もないからね」
「そうだね・・・でも、この装備なら勝てる気がするんだ・・・それも簡単に」
「それは・・・思い上がりじゃないのかい?」
「う~ん・・・一度殺されたからじゃ、駄目?」
「・・・・・・分かったよ。危なくなったら、逃げるんだ。ここのボス戦は、逃走可能なんだからね?」
「・・・了解」
やがて、前方の風景に変化が訪れる。草原が終わり、広く深い森林地帯が始まろうとしていた。あれが次のエリアだとするなら、ボスは目前という事になる。
「・・・ふぅ」
私は意を決し、ダニーボーイの背の上に立ち上がった。気分はまさにサーフボード、ちなみに猫君はマントに備え付けられたフードの中に居る。
「藤園さん! 勝負は一瞬だ、危ない時は上手く逃げてくれよ・・・猫君を頼む!」
「ん? ああ、分かってる分かってる」
会話の温度差について気になりはしたが、既に私はボスの姿を肉眼で捉えていた為、深く追及は出来なかった。
「よし・・・・・・行くぞ!」
ダニーボーイは走る、群れが全滅させられた事を報せに。
ボスの馬頭も、駆け寄るダニーボーイに気付いた。正確に言えば、その背に立つ私の存在に。
「MeeeeZoooo!!」
馬頭は、槍を肩に担ぐ様に振りかぶると次の瞬間、ダニーボーイ目掛けて投擲してきた。残念ながら、報告を優先しているダニーボーイは回避行動を取れない。
私は彼の背を蹴り、投擲された槍とすれ違うようにして、前方へと躍り出た。背後から、ダニボーイの断末魔の叫びが聴こえた気がする。
「ダニーボーイ!!」
そう慟哭しながら、私は慣性の法則による前方への運動エネルギーに従い、スライディングの体勢で馬頭の股下を潜り抜けた。
「アキレスッ!」
片膝立ちの体勢となり、急ブレーキを掛けた後、身体をくるりと180度回転させ、背後にあった馬頭のアキレス腱へ刀を抜き付けた。そして、硬い腱を断ち切る手応えを感じたと同時に、もう片方の足へと走る。
「んぁ~~アキレスッ!!」
今度は袈裟斬りで、もう片方のアキレス腱を断ち切る。すると、馬頭は絶叫しながら地面に膝を付き、四つん這いとなった。
好機、私は垂れ下がる馬頭の尻尾を駆使し、奴の背へ飛び乗った。目指すは頭部、馬頭は手を伸ばして私を捕まえようとするが、背中となると見えない上、自由も利かない為にそれが叶うことは無い。
背中をがむしゃらに駆け抜け、頸椎の目前へと到った私は刀を大上段に構え、頸椎に一太刀浴びせようとしていた。しかしその寸前に奴の手が襲い掛かってきたので、私は進路を変えて肩口から飛び上がった。
「ふんっ!」
馬頭の頸椎へ向けて、高く舞い上がる。そして、落下エネルギーを上手く乗せつつ、渾身の一太刀を奴の頸椎へ届かせた。
「くっ!?」
やっと事で届かせた一撃、しかし馬頭の骨は予想よりも硬く、斬り抜く事が叶わなかった。地に足が着いてない状態において、刀身の軽い太刀では威力が足らなかったのである。
どうにかしなければ、馬頭の両手がぎこちないながらも、迫ってきていた。
「これなら、どうだ!」
頸椎へ食い込み、動けなくなった刀の柄にぶら下がっていた私は、鉄棒の要領で柄にに逆立ちする体勢へと移行、全体重を乗せたまま刀身の峰へと着地し、刃をさらに食い込ませた。
「Meeee!? Zoooooooo・・・」
刃は見事に馬頭の頸椎を断ち切った。それに伴い、動脈も寸断された事で馬頭はシステム上、死亡と判断される。私が地面へ着地する頃には、奴の身体は灰塵に帰し、脆くも崩れ去っていた。
そして私は、うず高く積もった灰の山に、光る槍が突き刺さっている事に気が付く。近付いてみると、人間サイズになってはいるが、馬頭が愛用していた槍であることが見てとれた。これで滅多刺しにされたのだから、見紛うはずもない。
「これは所謂、ボスウェポンだね。これが次のエリアを開く鍵であり、これからの助けにもなる物だよ」
フードの中から、猫君がひょっこりと顔を覗かせた。
「あれ? 逃げてなかったの?」
「あの中へ飛び出した方が危険だったよ・・・それよりも、ボスウェポンを取るんだ。突然消えられでもしたら、取り返しがつかないからね」
「・・・了解」
私は灰の山を登り、光る槍を手に取った。その直後、槍は光る液体へと姿を変え、掌に溜まり、どんどん私の掌に吸収されていっている。
「ちょっ、これ、大丈夫なの!?」
「安心して、白枝君。それは君にアクセス権限が譲渡された証だよ・・・一先ず任務達成、時間も時間だから、謝辞は戻ってきてからにしよう」
「は~い・・・目を閉じれば良いんだよね?」
「ああ、そうだよ」
私がゆっくりと目を閉じてすぐ、ずっしりと重たくなった肉体の感覚がのし掛かってきた。どうやら、無事に帰って来れたらしい。今日は昨日以上に、鉛を乗せられた気分である。やっとの思いで顔を上げると、テーブルの向こうにヘッドセットを付けた藤園さんの姿があった。そのヘッドセット、昨日より物々しくなっており、ゴーグルの様なものが付与されている。
「何、そのゴーグル?」
「大丈夫、気にしないで・・・それよりも、お疲れさま。コンバート2日目でアクセス権限を手に入れるなんて、大きな成果だよ・・・その、ありがとう」
「あはは、何だか仰々しいな・・・まだ最初でしょ? 後いくつ有るの?」
「残りは、あと5つ。このペースなら1週間強でクリアも可能だね・・・させないけど」
「え? させないの?」
「少し、休暇を挟みましょう。君の身体には相当な疲労が溜まっているはずだからね」
「確かにその通りだけど・・・・・・良いの?」
「急く気持ちはあるけれど、君に倒れられたら本末転倒だ。急がば回れ・・・その疲労が抜けた後、君はさらに強くなっているだろう。それまで、身体を休める事に心を砕いて欲しい」
「あ、ああ・・・分かった。じゃあ、次はいつにする?」
「ふむ・・・そういえば明日から休日だったね。とりあえず、連絡先を教えておくよ。回復したら、報せて欲しい」
「了解、なら俺のも教えておかないとね」
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