28 / 28
28. その後のお話
しおりを挟む
あれから数ヶ月。
私の周囲の状況は落ち着いて、今では何事もなく過ごすことが出来ています。
妃教育もほとんど終わらせることが出来ているので、今までよりもウィリアム様のお仕事を手伝うようになっています。
「そろそろお茶にしよう」
「ええ」
今はもう夕方ですが、今日の分の執務は全て終わらせることが出来ました。
だから、こうしてテラスに出てお茶をする余裕もあります。
「サウディス公爵家のことだが、次男を跡継ぎにすることになったようだ」
「そうなのですね。取り潰しにはならなくて良かったですわ」
公爵家が取り潰しになると、政治にも領地にも影響が出てしまいます。なので、取り潰しだけは回避しようと私達も動いていました。
それが上手くいったみたいです。
それとは別に、結婚に向けた準備も少しずつ進めています。
学院を卒業したタイミングなので、あと一年以上はあるけれど、ドレスやら装飾品やらは今から決めないと間に合わないのです。
「今日はテラスじゃなくて、庭園に行こう」
「ええ。最近行っていなかったから、楽しみですわ」
ウィリアム様にエスコートされて、庭園に向かっていきます。
三ヶ月も経てば咲く花も変わっているので、すごく楽しみです。
「段差があるから気をつけて」
「ありがとうございます」
庭園に入ると、赤い夕陽に照らされた花々が目に入ってきました。
普段目にする色とりどりの花々も綺麗ですが、こんなふうに赤らんでいるお花もとても綺麗です。
それに、これなら何かあっても頬を赤くしても気付かれません。
だから普段よりも、ウィリアム様の近くを歩いても大丈夫です。
でも、やっぱり。
「すまない、シルフィが可愛すぎてつい……」
そんなことを言いながら、顔を近付けられると、顔が熱くなってしまいます。
ウィリアム様の側にいると実感できるので嫌ではないけれど、やっぱり恥ずかしいのです。
「あれ、熱があるのかい?」
「ち、違いますわ!」
照れ隠しのために、私の方から顔を近付けてみます。
でも、無理でした。恥ずかしすすぎて、動けなくなってしまいました。
「熱じゃないなら良かったよ」
けれども、ウィリアム様はそのままお顔を近付けてきて……。
「……!?」
私の耳元であることを呟くと、何事もなかったかのように元の距離に戻ってしまいました。
何を言われたのかは、恥ずかしすぎるので秘密ですっ!
***********
ここまでお読みくださりありがとうございました。
後日、悪役サイドのアフターストーリーを公開予定ですので、そちらも是非お楽しみに。
お知らせ
『今度は悪役目指します! ~逆行した真面目令嬢は、今度の人生は悪役になって自由に生きる~』
を公開しました。興味のある方は是非、ご一読ください。
私の周囲の状況は落ち着いて、今では何事もなく過ごすことが出来ています。
妃教育もほとんど終わらせることが出来ているので、今までよりもウィリアム様のお仕事を手伝うようになっています。
「そろそろお茶にしよう」
「ええ」
今はもう夕方ですが、今日の分の執務は全て終わらせることが出来ました。
だから、こうしてテラスに出てお茶をする余裕もあります。
「サウディス公爵家のことだが、次男を跡継ぎにすることになったようだ」
「そうなのですね。取り潰しにはならなくて良かったですわ」
公爵家が取り潰しになると、政治にも領地にも影響が出てしまいます。なので、取り潰しだけは回避しようと私達も動いていました。
それが上手くいったみたいです。
それとは別に、結婚に向けた準備も少しずつ進めています。
学院を卒業したタイミングなので、あと一年以上はあるけれど、ドレスやら装飾品やらは今から決めないと間に合わないのです。
「今日はテラスじゃなくて、庭園に行こう」
「ええ。最近行っていなかったから、楽しみですわ」
ウィリアム様にエスコートされて、庭園に向かっていきます。
三ヶ月も経てば咲く花も変わっているので、すごく楽しみです。
「段差があるから気をつけて」
「ありがとうございます」
庭園に入ると、赤い夕陽に照らされた花々が目に入ってきました。
普段目にする色とりどりの花々も綺麗ですが、こんなふうに赤らんでいるお花もとても綺麗です。
それに、これなら何かあっても頬を赤くしても気付かれません。
だから普段よりも、ウィリアム様の近くを歩いても大丈夫です。
でも、やっぱり。
「すまない、シルフィが可愛すぎてつい……」
そんなことを言いながら、顔を近付けられると、顔が熱くなってしまいます。
ウィリアム様の側にいると実感できるので嫌ではないけれど、やっぱり恥ずかしいのです。
「あれ、熱があるのかい?」
「ち、違いますわ!」
照れ隠しのために、私の方から顔を近付けてみます。
でも、無理でした。恥ずかしすすぎて、動けなくなってしまいました。
「熱じゃないなら良かったよ」
けれども、ウィリアム様はそのままお顔を近付けてきて……。
「……!?」
私の耳元であることを呟くと、何事もなかったかのように元の距離に戻ってしまいました。
何を言われたのかは、恥ずかしすぎるので秘密ですっ!
***********
ここまでお読みくださりありがとうございました。
後日、悪役サイドのアフターストーリーを公開予定ですので、そちらも是非お楽しみに。
お知らせ
『今度は悪役目指します! ~逆行した真面目令嬢は、今度の人生は悪役になって自由に生きる~』
を公開しました。興味のある方は是非、ご一読ください。
28
お気に入りに追加
2,648
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(39件)
あなたにおすすめの小説
家柄が悪いから婚約破棄? 辺境伯の娘だから芋臭い? 私を溺愛している騎士とお父様が怒りますよ?
西東友一
恋愛
ウォーリー辺境伯の娘ミシェルはとても優れた聖女だった。その噂がレオナルド王子の耳に入り、婚約することになった。遠路はるばる王都についてみれば、レオナルド王子から婚約破棄を言い渡されました。どうやら、王都にいる貴族たちから色々吹き込まれたみたいです。仕舞いにはそんな令嬢たちから「芋臭い」なんて言われてしまいました。
連れてきた護衛のアーサーが今にも剣を抜きそうになっていましたけれど、そんなことをしたらアーサーが処刑されてしまうので、私は買い物をして田舎に帰ることを決めました。
★★
恋愛小説コンテストに出す予定です。
タイトル含め、修正する可能性があります。
ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いいたします。
ネタバレ含むんですが、設定の順番をかえさせていただきました。設定にしおりをしてくださった200名を超える皆様、本当にごめんなさい。お手数おかけしますが、引き続きお読みください。
【完結】妹が欲しがるならなんでもあげて令嬢生活を満喫します。それが婚約者の王子でもいいですよ。だって…
西東友一
恋愛
私の妹は昔から私の物をなんでも欲しがった。
最初は私もムカつきました。
でも、この頃私は、なんでもあげるんです。
だって・・・ね
【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。
西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。
路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。
実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく―――
※※
皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。
本当にありがとうございました。
親切なミザリー
みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。
ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。
ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。
こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。
‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。
※不定期更新です。
私には何もありませんよ? 影の薄い末っ子王女は王の遺言書に名前が無い。何もかも失った私は―――
西東友一
恋愛
「遺言書を読み上げます」
宰相リチャードがラファエル王の遺言書を手に持つと、12人の兄姉がピリついた。
遺言書の内容を聞くと、
ある兄姉は周りに優越を見せつけるように大声で喜んだり、鼻で笑ったり・・・
ある兄姉ははしたなく爪を噛んだり、ハンカチを噛んだり・・・・・・
―――でも、みなさん・・・・・・いいじゃないですか。お父様から贈り物があって。
私には何もありませんよ?
【7話完結】婚約破棄?妹の方が優秀?あぁそうですか・・・。じゃあ、もう教えなくていいですよね?
西東友一
恋愛
昔、昔。氷河期の頃、人々が魔法を使えた時のお話。魔法教師をしていた私はファンゼル王子と婚約していたのだけれど、妹の方が優秀だからそちらと結婚したいということ。妹もそう思っているみたいだし、もう教えなくてもいいよね?
7話完結のショートストーリー。
1日1話。1週間で完結する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
コメントありがとうございます。
下書きからそのまま公開したら、完結設定のままになっていましたので、連載中に変更いたしました。
悪役サイドは執筆中ですので、公開までもうしばらくお待ちください。
ピンクや白だと思うのですが、クが抜けています。
予測変換タップで入力しなかった文字が抜ける現象からくる脱字が多いように思います。
コメントありがとうございます。
呪いは極刑になった人間の仕業です。
説明しきれず申し訳ありませんでした。