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9. 脅し
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翌日、私は久しぶりに穏やかな学院の空気を楽しんでいた。
「本当にセラフィが休んでくれて良かったですわ」
「ええ。彼女がいないだけで平和ですものね」
何故か教室の全員が頷いている。
「でも、突然来なくなったから、不気味ですわよむ
「昨日の掃除で筋肉痛になったのだと思いますわ」
そう口にするリエルさん。
ちなみに、今の私達はクラスの令嬢全員に囲まれていて、話をしっかりと聞かれている。
元々、聞かれてはいけない話はしないから問題はないのだけど……威圧感がすごいわ。
そんな時だった。
「あの……アレシア様、少し相談したいことがありますの」
まだ話したことのない子爵令嬢が声をかけてきた。
「何がありましたの?」
「実は、セラフィ様に従わなかったら家を潰すと脅されていまして……」
「何か弱みを握られましたのね?」
「それが分からないのです」
理由が分からないから、得体の知れない恐怖に襲われているのね……。
「それで、何を命令されましたの?」
「レシア様のお顔に火魔法を当てるようにと……」
「そうでしたのね……。
これだけは言っておきますわ。伯爵家に他家を潰せる力はありませんから、心配する必要はありませんわ」
「そうでしたのね。ありがとうございます、相談して良かったですわ」
安心した様子で頭を下げられる私。
その直後、教授が教室に入ってきて、私の周りの令嬢達は慌てて自分の席へと戻っていった。
それから数時間、お昼のことだった。
「レシア様と僕が付き合っているという噂を流した人物が分かる方はいませんか?」
1つ上の学年の侯爵令息が私達の教室を訪ねてきた。
「あの噂のせいで、縁談が破断になりかけているんです」
あの噂のせいで彼は困っているようだった。
「ユリウス様、こんなところにいましたのね! レシア様と付き合っていたのは本当でしたのね!」
遅れて聞こえてくるそんな声。あっという間に、修羅場が出来上がってしまった。
そんな時だった。
「「それは誤解ですわ」」
私の周囲の令嬢達が揃って声を上げた。
「私から説明させて頂きますわ。
ユリウス様とレシア様は話をしたことすらありません。そして、あの噂は嫌がらせのために流されたものですわ」
そう伝えるリエルさん。
私が説明しても納得されないのは間違いなかったから、代わりに説明してもらえて助かったわ。
「そうだったのか……」
「勘違いしてごめんなさい……」
「いや、いいんだ。分かってくれれば」
修羅場はどこへやら。一気に甘い空気が広がっていた。
「本当にセラフィが休んでくれて良かったですわ」
「ええ。彼女がいないだけで平和ですものね」
何故か教室の全員が頷いている。
「でも、突然来なくなったから、不気味ですわよむ
「昨日の掃除で筋肉痛になったのだと思いますわ」
そう口にするリエルさん。
ちなみに、今の私達はクラスの令嬢全員に囲まれていて、話をしっかりと聞かれている。
元々、聞かれてはいけない話はしないから問題はないのだけど……威圧感がすごいわ。
そんな時だった。
「あの……アレシア様、少し相談したいことがありますの」
まだ話したことのない子爵令嬢が声をかけてきた。
「何がありましたの?」
「実は、セラフィ様に従わなかったら家を潰すと脅されていまして……」
「何か弱みを握られましたのね?」
「それが分からないのです」
理由が分からないから、得体の知れない恐怖に襲われているのね……。
「それで、何を命令されましたの?」
「レシア様のお顔に火魔法を当てるようにと……」
「そうでしたのね……。
これだけは言っておきますわ。伯爵家に他家を潰せる力はありませんから、心配する必要はありませんわ」
「そうでしたのね。ありがとうございます、相談して良かったですわ」
安心した様子で頭を下げられる私。
その直後、教授が教室に入ってきて、私の周りの令嬢達は慌てて自分の席へと戻っていった。
それから数時間、お昼のことだった。
「レシア様と僕が付き合っているという噂を流した人物が分かる方はいませんか?」
1つ上の学年の侯爵令息が私達の教室を訪ねてきた。
「あの噂のせいで、縁談が破断になりかけているんです」
あの噂のせいで彼は困っているようだった。
「ユリウス様、こんなところにいましたのね! レシア様と付き合っていたのは本当でしたのね!」
遅れて聞こえてくるそんな声。あっという間に、修羅場が出来上がってしまった。
そんな時だった。
「「それは誤解ですわ」」
私の周囲の令嬢達が揃って声を上げた。
「私から説明させて頂きますわ。
ユリウス様とレシア様は話をしたことすらありません。そして、あの噂は嫌がらせのために流されたものですわ」
そう伝えるリエルさん。
私が説明しても納得されないのは間違いなかったから、代わりに説明してもらえて助かったわ。
「そうだったのか……」
「勘違いしてごめんなさい……」
「いや、いいんだ。分かってくれれば」
修羅場はどこへやら。一気に甘い空気が広がっていた。
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