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124. 宴会は大変です①
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「フィーナ様、殿下に何をしましたの?」
私がアイセア様達のところに行くと、イリーナ様からそんなことを聞かれた。
「今更謝っても遅いですよって伝えただけですわ」
「それにしては辛そうにされてますわね……。もしかして心の弱いお方だったのかしら?」
「そうみたいですわ」
イリーナ様の言葉に頷きながら、頭を抱えるアイセア様。
アイセア様のお父様ーーノートリア公爵様は宰相だから、あの王子を見て頭が痛くなってしまうみたい……。
「いったんこの話は終わりにして、別のお話にしませんか?」
雰囲気が悪くなっていたから私がそう提案すると、2人は「そうですわね」と頷いた。
「フィーナ様ってグレイヴの方と婚約されているのですよね?」
期待に満ちた目で私を見てくるイリーナ様。
「ええ。もしかして、会いたいのですか?」
「よく分かりましたわね? 明日お会いしに行ってもよろしいですか?」
「そんな期待するような目で見られたら分かって当然ですよ……。急だからお父様に確認しないと。少し待っててください」
「なら、私の分もお願いしますわ!」
「分かりましたわ」
そう答えて、私はお父様の姿を探してみたところ、驚くことに4人いる公爵様全員とお話をしていた。
そんなところに話しかけることどころか、近付くことすら恐れ多い私は足を一歩踏み出したまま固まってしまった。
「ど、どうしましょう……。公爵様しかいない場所に近付ける気がしませんわ……」
「お父様は私以外には優しいので大丈夫ですわ」
「私のお父様も、私以外には優しいですから大丈夫ですわよ?」
「それでも私一人では近寄り難いですよ⁉︎」
「あんなの、私も近寄れませんわよ! アイセア様もそうでしょう?」
「当たり前ですわ」
そんな話をしていたら、お父様がこちらの方を見て誰かを手招いていた。
それだけでなく、アイセア様とイリーナ様のお父様を似た動きをしている。残る2人は私達とは違う方向を向いて誰かを手招いていた。
「「呼ばれてしまいましたね……」」
声をそろえる私達の周りは、重い空気が漂っていた。
重い空気を漂わせたままお父様のところに行くと、揃って苦笑いをされた。
「そんなに緊張しなくてもいいぞ?」
「説教をするために呼んだわけではないから安心しなさい」
「そんなに怖がってどうしたのかな? まさか、また何か良くないことをしてしまったのかな?」
私のお父様、イリーナ様のお父様、アイセア様のお父様がそれぞれそんなことを口にする。
「緊張しなくてもいいと言われましても、無理がありますわ……」
「ここにいる全員、フィーナと同じ歳の頃には友人だったから少しの無礼は見逃してくれる。だから大丈夫だ」
「そうだったのですね。少し肩の力を抜くことにしますわ」
そんな会話をしていると、4つある公爵家の家族全員と私の家族全員が集まっていて、何事かと周りの注目を集めていた。
そして、お父様がこんな言葉を口にした。
「この度、陛下より公爵位を賜ることが確実になりましたので、改めて私の家族を皆様に紹介させていただきます」
それからは、少しの間自己紹介の時間になって、そのあとは公爵家の方々にダンスに誘われたりして過ごした。
****************
ここまでお読みくださりありがとうございます。
みなさん、良いお年を!
私がアイセア様達のところに行くと、イリーナ様からそんなことを聞かれた。
「今更謝っても遅いですよって伝えただけですわ」
「それにしては辛そうにされてますわね……。もしかして心の弱いお方だったのかしら?」
「そうみたいですわ」
イリーナ様の言葉に頷きながら、頭を抱えるアイセア様。
アイセア様のお父様ーーノートリア公爵様は宰相だから、あの王子を見て頭が痛くなってしまうみたい……。
「いったんこの話は終わりにして、別のお話にしませんか?」
雰囲気が悪くなっていたから私がそう提案すると、2人は「そうですわね」と頷いた。
「フィーナ様ってグレイヴの方と婚約されているのですよね?」
期待に満ちた目で私を見てくるイリーナ様。
「ええ。もしかして、会いたいのですか?」
「よく分かりましたわね? 明日お会いしに行ってもよろしいですか?」
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「なら、私の分もお願いしますわ!」
「分かりましたわ」
そう答えて、私はお父様の姿を探してみたところ、驚くことに4人いる公爵様全員とお話をしていた。
そんなところに話しかけることどころか、近付くことすら恐れ多い私は足を一歩踏み出したまま固まってしまった。
「ど、どうしましょう……。公爵様しかいない場所に近付ける気がしませんわ……」
「お父様は私以外には優しいので大丈夫ですわ」
「私のお父様も、私以外には優しいですから大丈夫ですわよ?」
「それでも私一人では近寄り難いですよ⁉︎」
「あんなの、私も近寄れませんわよ! アイセア様もそうでしょう?」
「当たり前ですわ」
そんな話をしていたら、お父様がこちらの方を見て誰かを手招いていた。
それだけでなく、アイセア様とイリーナ様のお父様を似た動きをしている。残る2人は私達とは違う方向を向いて誰かを手招いていた。
「「呼ばれてしまいましたね……」」
声をそろえる私達の周りは、重い空気が漂っていた。
重い空気を漂わせたままお父様のところに行くと、揃って苦笑いをされた。
「そんなに緊張しなくてもいいぞ?」
「説教をするために呼んだわけではないから安心しなさい」
「そんなに怖がってどうしたのかな? まさか、また何か良くないことをしてしまったのかな?」
私のお父様、イリーナ様のお父様、アイセア様のお父様がそれぞれそんなことを口にする。
「緊張しなくてもいいと言われましても、無理がありますわ……」
「ここにいる全員、フィーナと同じ歳の頃には友人だったから少しの無礼は見逃してくれる。だから大丈夫だ」
「そうだったのですね。少し肩の力を抜くことにしますわ」
そんな会話をしていると、4つある公爵家の家族全員と私の家族全員が集まっていて、何事かと周りの注目を集めていた。
そして、お父様がこんな言葉を口にした。
「この度、陛下より公爵位を賜ることが確実になりましたので、改めて私の家族を皆様に紹介させていただきます」
それからは、少しの間自己紹介の時間になって、そのあとは公爵家の方々にダンスに誘われたりして過ごした。
****************
ここまでお読みくださりありがとうございます。
みなさん、良いお年を!
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