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93. 決めました

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 クラウス殿下がお帰りになられたということで、私達はアトランタ領にあるお屋敷に帰ることになった。

 王都にいる間は何故か私宛にパーティーの招待状が沢山届いてせいで毎日パーティーに参加していた。
 王国にいた頃もそんな感じの日々を送っていたから慣れていたはずなのだけど、今の私は疲れ切ってしまっている。


「無理して参加しなくても良かったんだぞ?」

「少し前まで毎日社交界に出てたから大丈夫だと思ったの……」

「毎日⁉︎ よく倒れなかったな……」


 驚きの声を上げるジーク様。それもそのはず、グレイヴでは多い人でも週に3回しか社交会に行かないから。
 ローザニアでは令嬢令息なら週3回以上が普通で、地位の高い人ほど色々なパーティーに招待されて回数が多い傾向があった。

 だから、そのストレスで使用人に当たる人がかなりいる。
 私はそんなことしたことは……一度だけあるけど、それ以外は楽しいことをして発散していた。


「その時は慣れていたから大丈夫だったの」

「もう慣れなくても大丈夫だからな」

「うん……」


 話をしながら私の髪を弄るジーク様。
 ちなみに、今の私はソファーに横になっている。

 疲れているのを一瞬で見抜かれてしまって、ジーク様の誘いを断れなかったのよね。
 ジーク様の足を枕にするのはなんだか申し訳なくて恥ずかしいけど、嬉しそうにしてるから良いのかな……?



 翌朝、朝食を終えた私達は玄関前に集まっていた。
 目の前では竜達が伏せていつでも乗れるように待機してくれている。


「我々は全員準備出来ました」

「分かった。フィーナ、準備は大丈夫?」

「うん。いつでも平気よ」

「そろそろ乗ろう」


 そう口にして私の手をとるジーク様。
 そのまま横に並んで歩いてアルディアさんのところまで行って、ジーク様に転ばないように支えてもらいながら乗った。


「行ってきま~す!」

「「行ってらっしゃいませ!」」


 こうして、私達は使用人さん達に見送られながら出発した。



 それから2日、アトランタ領にあるお屋敷に着いた私はとある物を渡されて頭を抱えた。


「何かあったのか?」

「見た方が早いよ……」


 そう言いながら手紙と一緒に入っていた紙を渡す私。
 それに目を通したジーク様は嫌そうな顔をしていた。


「あの王子がいるところに行って欲しくはないけど、フィーナに辛い思いをさせた令嬢に罰を与えるには出るしか無いと思うよ。
 もし行くなら、王子がフィーナに接触出来ないようにするよ」

「そんなこと出来るの?」

「もちろん。何人かうちの国の諜報部隊が行ってるからな。
 即ソーラス様にバレたらしいけど」

「そ、そうなのね……。それなら裁判、行ってみるわ」


 ジーク様との出会いのきっかけを作ってくれたとは言っても、私が辛い思いをする羽目になった元凶だから、レイラ……貴女にはしっかり罰を受けてもらうわ!
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