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49. 竜王国の王都①
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パーティーが行われる日に1日余裕を持って王都に到着していたので、翌日は自由に過ごして良いことになっていた。
とはいっても、やることが思い浮かばなかった私は朝になってジーク様にこうお願いしてみた。
「ジーク様、王都を案内していただけませんか?」
「それはデートの誘いか?」
全く考えてもみなかったことを言われて、恥ずかしさとかで私は一気に混乱した。
「で、デート……⁉︎ わわ、私はそんなつもりじゃ……」
「デートの方が俺としては嬉しかったんだけど、フィーナがそう言うなら我慢しよう」
ジーク様は残念そうにしているけど、私の心が恥ずかしさでもたないと思ったから、言い直すことはしなかった。
「どんなところに行きたい?」
「何があるのか分からないので、おすすめのところでお願いしますわ。
空から見た塔の近くも見てみたいです」
「塔は王宮にあるから、明日嫌でも見ることになる。だから、他のところに行こう」
まさか、崩れる危険のある塔が王宮の中にあるとは思わなかった。
「そういうことなら、今日は行かなくて大丈夫です」
「助かるよ。塔に行ってたら時間が足りなくなるからね。準備はどれくらいかかる?」
そう訪ねてくるジーク様の中には、既に計画が出来上がってるみたいだった。
デートじゃないのに、なんでこんなに嬉しそうなのかな……?
殿下に王宮の案内をお願いした時に面倒そうにされたから、案内は嫌がられると思っていたけど、そうではないみたいね。
「10分あれば大丈夫ですわ」
「分かった。10分後にエントランスで待ってる」
「分かりましたわ」
私はそう答えて部屋に戻って、王都を回るのにちょうど良さそうな簡素だけど可愛らしいデザインのドレスに着替えた。
まだ手持ちがほとんど無いから、迷うことはなかった。
ドレスを着替えた後は、日焼け止めを塗ってティアナさんに髪を結ってもらったりした。
余計なお飾りとかは無いから、10分かからずにエントランスに行くことが出来た。
「お待たせしました!」
「馬車の準備は出来てるから、出発しよう」
そう言って右手を差し出してくるジーク様。
手を繋ぎたいのかなと思った私は、彼の手に自分の手を重ねた。
「デートは楽しみか?」
「デートじゃないです……」
そう反論しながらエントランス前に止まっている馬車に乗る私。
ジーク様も乗り込むと、見送りの使用人さん達が声を揃えた。
「「行ってらっしゃいませ!」」
「行ってきます」
「行ってくる」
私達がこう返すと、ゆっくりと馬車が動き出した。
出発からしばらくして、お洒落なお店が立ち並ぶ道で馬車が止まった。
「何かありましたの?」
「いや、何もないよ。ここが目的地だからね」
そう言って馬車を降りるジーク様。
私もジーク様の手を借りて馬車を降りたのだけど、特に目立つものが無いこの場所で降りる理由が分からなかった。
とはいっても、やることが思い浮かばなかった私は朝になってジーク様にこうお願いしてみた。
「ジーク様、王都を案内していただけませんか?」
「それはデートの誘いか?」
全く考えてもみなかったことを言われて、恥ずかしさとかで私は一気に混乱した。
「で、デート……⁉︎ わわ、私はそんなつもりじゃ……」
「デートの方が俺としては嬉しかったんだけど、フィーナがそう言うなら我慢しよう」
ジーク様は残念そうにしているけど、私の心が恥ずかしさでもたないと思ったから、言い直すことはしなかった。
「どんなところに行きたい?」
「何があるのか分からないので、おすすめのところでお願いしますわ。
空から見た塔の近くも見てみたいです」
「塔は王宮にあるから、明日嫌でも見ることになる。だから、他のところに行こう」
まさか、崩れる危険のある塔が王宮の中にあるとは思わなかった。
「そういうことなら、今日は行かなくて大丈夫です」
「助かるよ。塔に行ってたら時間が足りなくなるからね。準備はどれくらいかかる?」
そう訪ねてくるジーク様の中には、既に計画が出来上がってるみたいだった。
デートじゃないのに、なんでこんなに嬉しそうなのかな……?
殿下に王宮の案内をお願いした時に面倒そうにされたから、案内は嫌がられると思っていたけど、そうではないみたいね。
「10分あれば大丈夫ですわ」
「分かった。10分後にエントランスで待ってる」
「分かりましたわ」
私はそう答えて部屋に戻って、王都を回るのにちょうど良さそうな簡素だけど可愛らしいデザインのドレスに着替えた。
まだ手持ちがほとんど無いから、迷うことはなかった。
ドレスを着替えた後は、日焼け止めを塗ってティアナさんに髪を結ってもらったりした。
余計なお飾りとかは無いから、10分かからずにエントランスに行くことが出来た。
「お待たせしました!」
「馬車の準備は出来てるから、出発しよう」
そう言って右手を差し出してくるジーク様。
手を繋ぎたいのかなと思った私は、彼の手に自分の手を重ねた。
「デートは楽しみか?」
「デートじゃないです……」
そう反論しながらエントランス前に止まっている馬車に乗る私。
ジーク様も乗り込むと、見送りの使用人さん達が声を揃えた。
「「行ってらっしゃいませ!」」
「行ってきます」
「行ってくる」
私達がこう返すと、ゆっくりと馬車が動き出した。
出発からしばらくして、お洒落なお店が立ち並ぶ道で馬車が止まった。
「何かありましたの?」
「いや、何もないよ。ここが目的地だからね」
そう言って馬車を降りるジーク様。
私もジーク様の手を借りて馬車を降りたのだけど、特に目立つものが無いこの場所で降りる理由が分からなかった。
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