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22. フィーナ母side 娘の安否

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 フィーナが罪をかけられて出て行ってしまった翌日、私は熱を出して寝込んでいました。
 お医者様によると普通の風邪なのだそうですが、心労で弱っていたから酷くなっているそうです。


「ソーラス……」


 私は部屋に入ってきた夫の名前を弱々しく呼び、起き上がろうとしました。
 それを「無理しなくていい」と言われてしまいましたわ。

 でも、温もりを感じたくてソーラスの手を借りて起き上がりました。


「必ずフィーナが帰ってこれるようにするから待っててくれ」


 私の手を握りそう口にするソーラス。
 私は微笑みながら見送りの言葉を口にしました。


「分かりましたわ……。お気をつけて行ってらっしゃいませ」

「ああ、行ってくる」


 哀しげな表情になったソーラスと抱擁を交わして、ベッドの上から見送りました。


 夫が王宮に行った後は、侍女に持ってきてもらった軽めの朝食をとってから眠りにつきました。
 フィーナの無事を祈って。



 お昼もあまり食欲がありませんでしたが、料理人さんが私の分だけ食べやすいように別で作ってくれたお陰でしっかり食べることが出来ました。
 そのおかげか、夜にはある程度熱が下がっていました。

 でも、家族には「まだゆっくりしていなさい」なんて言われています。




 翌日、家族や使用人の看病のお陰ですっかり良くなった私は、お茶会のお誘いに参加するとのお返事を送りました。

 もちろん、遊びではなく味方を付けるためです。
 ソーラスが頑張ってるのに私が休んでて良いはずがありませんもの。


 夕方、執事が私に手紙を持ってきました。


「奥様、お嬢様からお手紙が届きました」

「フィーナから⁉︎ 無事だったのね……!」


 受け取った封筒に書かれている宛名は確かにフィーナの文字で、嬉しくて涙が流れてしまいました。


「無事で良かった……うぅっ……」

「奥様⁉︎」


 嬉しくて泣き出してしまい、執事さんが驚きの声を上げました。
 私、普段は涙なんて流さないから余程驚いたのでしょう。

 いつから私はこんなに涙脆くなってしまったのかしら……?



 この後、ソーラスが帰ってきてから使用人と家族全員に手紙の内容を見せました。
 みんな落ち込んでいただけに、大喜びしたのは言うまでもありませんね。


「アトランタ家には感謝しないとな」

「そうですわね。フィーナの命の恩人ですもの」


 交易も盛んなアトランタ家との関係は良好ですし、当主さんとそのご家族は好感が持てる方なので、そこで保護してもらっていると聞いて安心しました。
 それに、フィーナが向こうで落ち着けているのは字を見れば分かりますもの。

 フィーナがここに戻ってこれるように、かけられた罪をなんとかしないといけませんね。
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