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高熱
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頭の辺りがひやっとして、目を開けると枕元で何かしているあかりと目が合った。
「ごめんね。起こしちゃった?」
「だいじょうぶ。」
言葉を発してみて自分が今、全く舌がまわっていないことに気づいた。
それに気づいてからなんとなく体がだるいことや悪寒がしたりすることにまで気がついた。
あかりが僕の額に濡れタオルを置いてくれたこと考えると熱があるのだろう。
でもあまり思い当たる節がない。今は夏で、夏風邪もひかないとは限らないが、何せ、心当たりがない。
「どうしたの?」
黙りこくってしまった僕を不思議に思ったのか僕に体温計を差し出しながらあかりが聞いてきた。
受け取りつつ答える。
「いや、こころ、あたりがないなぁ、、と。」
昨日はあかりと家でゆっくり過ごした。夕方、買い物に行って夕飯の具材や切れかかっている日用品などを買った…
そこまで思い出して、ようやく心当たりを見つけた。
「あ、」
「どした?」
「こころあたりが」
「見つかった?」
あかりの問に頷くことで答える。
ちょうど体温計がなって、数字を見たら辛くなると思うから、見ないようにあかりに渡した。
あかりも僕の発熱には心当たりがないようだったので、気になっているようだった。
「かいもの、」
「行ったね。いつものとこ。」
「そこで、」
「うん。」
「いっしゅんだけ、とりつかれた。」
そう言うとあかりは納得したような顔をしてすぐ心配そうな顔に戻った。そんなに心配しなくても、取り憑かれたとかの類なら時間がきたら治るのに…
ただ薬は効かないから発症中は辛いけど、まあ終わりの目処が立つから普通の病気よりはマシだ。
「というか、38.6度って、キツいでしよ。」
「…」
空気を読んで欲しいところだった…
自分の数字を聞いて、さっきからだるくて、気力で喋っていたけど、それすらも辛くなってきた。
「あかり、、」
「ん?」
「みず、ちょうだぃ」
「はい。」
あかりは僕の背を支えて状態を起こしてくれた。
水を入れたコップはプラスチックで取っ手付きの、小さい子が使うようなものだった。
それを受け取ろうとして、手を伸ばしたけど、あかりはその手にコップは持たせてくれなかった。
「ごめん。僕が体温言った瞬間さっきより、しんどそうな顔したから。。」
「ん…」
「辛いでしょ。僕が飲ませてあげる。」
コップを軽く傾けて、僕の口に流し込んでくれた。
飲み込んだけど、飲み込みきれずに口の端から流れてしまった分もあった。
あかりは親指でそれらを拭き取った後再び背を支えてベッドに戻してくれた。
「あかり…」
「…ごめんね。」
「ぎゅ、って、して」
普段はどっちが求めるとかあまりない。自然と相手の望む行動に出ている。
つい出てしまった言葉に一瞬びっくりしたあかりだったけど、すぐに布団の上からぎゅっと抱きしめてくれた。
布団越しに伝わってくる体温が、すごく安心して、終わりの目処が立って楽だけど、それでもやっぱり熱が出ると人肌恋しくなるなぁと少し他人事のように思いながら、僕は襲ってくる眠気に身を委ねた。
「ごめんね。起こしちゃった?」
「だいじょうぶ。」
言葉を発してみて自分が今、全く舌がまわっていないことに気づいた。
それに気づいてからなんとなく体がだるいことや悪寒がしたりすることにまで気がついた。
あかりが僕の額に濡れタオルを置いてくれたこと考えると熱があるのだろう。
でもあまり思い当たる節がない。今は夏で、夏風邪もひかないとは限らないが、何せ、心当たりがない。
「どうしたの?」
黙りこくってしまった僕を不思議に思ったのか僕に体温計を差し出しながらあかりが聞いてきた。
受け取りつつ答える。
「いや、こころ、あたりがないなぁ、、と。」
昨日はあかりと家でゆっくり過ごした。夕方、買い物に行って夕飯の具材や切れかかっている日用品などを買った…
そこまで思い出して、ようやく心当たりを見つけた。
「あ、」
「どした?」
「こころあたりが」
「見つかった?」
あかりの問に頷くことで答える。
ちょうど体温計がなって、数字を見たら辛くなると思うから、見ないようにあかりに渡した。
あかりも僕の発熱には心当たりがないようだったので、気になっているようだった。
「かいもの、」
「行ったね。いつものとこ。」
「そこで、」
「うん。」
「いっしゅんだけ、とりつかれた。」
そう言うとあかりは納得したような顔をしてすぐ心配そうな顔に戻った。そんなに心配しなくても、取り憑かれたとかの類なら時間がきたら治るのに…
ただ薬は効かないから発症中は辛いけど、まあ終わりの目処が立つから普通の病気よりはマシだ。
「というか、38.6度って、キツいでしよ。」
「…」
空気を読んで欲しいところだった…
自分の数字を聞いて、さっきからだるくて、気力で喋っていたけど、それすらも辛くなってきた。
「あかり、、」
「ん?」
「みず、ちょうだぃ」
「はい。」
あかりは僕の背を支えて状態を起こしてくれた。
水を入れたコップはプラスチックで取っ手付きの、小さい子が使うようなものだった。
それを受け取ろうとして、手を伸ばしたけど、あかりはその手にコップは持たせてくれなかった。
「ごめん。僕が体温言った瞬間さっきより、しんどそうな顔したから。。」
「ん…」
「辛いでしょ。僕が飲ませてあげる。」
コップを軽く傾けて、僕の口に流し込んでくれた。
飲み込んだけど、飲み込みきれずに口の端から流れてしまった分もあった。
あかりは親指でそれらを拭き取った後再び背を支えてベッドに戻してくれた。
「あかり…」
「…ごめんね。」
「ぎゅ、って、して」
普段はどっちが求めるとかあまりない。自然と相手の望む行動に出ている。
つい出てしまった言葉に一瞬びっくりしたあかりだったけど、すぐに布団の上からぎゅっと抱きしめてくれた。
布団越しに伝わってくる体温が、すごく安心して、終わりの目処が立って楽だけど、それでもやっぱり熱が出ると人肌恋しくなるなぁと少し他人事のように思いながら、僕は襲ってくる眠気に身を委ねた。
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