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不穏な影
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クリストフとおしゃべりをするため、少しだけ夜更かしをしてしまった。眠くなってきたタイミングで、彼が魔女の覚醒を抑えるため、神聖術を掛けてくれたので朝までぐっすりと寝てしまった。
そして目が覚めるともうすでに彼はベッドにいなかった。
「訓練に行ったのかしら?」
私はのそりとベッドから起き上がって、眠い目を擦りながら紅茶を入れた。
朝はどうしても喉が渇くので、こうやって紅茶を飲むのが朝の楽しみだ。
するとタイミング良くノックをする音が聞こえた。
「ソフィアお嬢様、おはようございます。もう起きていますでしょうか」
リタが来たということはいつもの起きる時間なのだろう。
「起きていますよー」
私は返事をすると彼女は入ってきた。いつもと変わらない無表情な顔をしているが、どこかそわそわとしてる気もした。
「普段とお変わりないですね。てっきり余韻で顔がにやけているのかと思っておりました」
そういえば彼女には初夜になるかもしれないと相談したのを思い出す。結局は何もなかったので取り越し苦労だったのだが。私は苦笑い気味に答えた。
「実はお父様から釘を刺されていたみたいで何もありませんでした」
「そういうことですか。ですがよく殿方のベッドに一緒に寝たのにご無事でしたね」
「うん?」
どういうことだろう。私は首を傾げていると、リタは「これほど危機感が無いとは……」と頭を悩ましげにしていた。
「いくらクリストフ猊下といえども、男性ですのでむやみに欲情を煽るのはよろしくないかと。すぐに呼んでくだされば迎えに行きましたのに」
彼女は私が魔女であることを知らないため、彼の我慢を試したと思われたのだろう。
彼女は私を心配して注意してくれているのだ。
「ごめんね、リタ。ちょっと事情があって彼から神聖術で治療を受けていたの。だからどうしても一緒に寝る必要があったのよ」
するとリタは息を呑んだ。
「左様でしたか。ソフィアお嬢様の事は何でも分かっているつもりでしたが、お身体を悪くしていることに気付かずに申し訳ございません」
彼女は分かりづらいが少しだけ顔を青くしたのに気付いた。これは説明が足りなかったと反省して、私は慌てて彼女に駆け寄った。
「別に貴女の管理能力が悪いわけでは無いのよ! 今は特に悪くはないのですけど、将来的に悪くなるかもしれないから、クリスがその治療をしてくれれているだけ!」
「そうだったのですね。猊下しか治せない病気が何なのか気になりますが、それは旦那様もご存じということでよろしいのですか?」
「うん、お父様も知っているよ」
ようやくリタもホッとしてくれた。だけど今後はそういった隠し事はするなと怒られた。
――恐いよ、リタ……。
一度部屋に戻ろうとリタと廊下を歩いていると、ちょうど訓練を終えて汗だくのクリストフと会った。
「おはようございます」
「おはよう、ソフィー。昨日は遅くまで起きていたが体調は問題ないか?」
「クリスが言いますか……」
彼は私より後に寝たはずなのにそれよりも早く起きて訓練をしているのだ。なのに全く疲れている様子を見せない彼に呆れた、
「其方が一緒に眠る日は不思議と朝の寝起きがいいのだ。それに俺も合間に仮眠を取っているからそこまで心配しなくていい」
いつも多忙な彼はその日々の中で自分に合った生活スタイルを身につけたのであろう。
ただ今回は私のせいで彼も遅くまで付き合うことになったので、次回からは反省してすぐに眠るようにしよう。
「ほどほどにしてくださいね」
「もちろんだ。では後ほど食卓で会おう」
彼と別れ、私も朝の支度をする。リタが今日の服はどれにするか聞いてきた。
「今日は動きやすい服でお願いします」
「かしこまりました。どこかお出かけなさるのですか?」
「うん。ちょっと町に行こうと思いまして」
私の領地にある一番栄えている町がある。王都までの中継地でもあるので行商人もたくさん通る活気ある町だ。
私は動きやすいワンピースを着て、朝食を食べに行く。
もうすでにクリストフは席に着いていたがお父様の姿が無かった。
「お待たせしました。お父様はまだ来られていないのですか?」
「先ほどまでいたのだが、どうやら別の予定が入ったと仰っていたぞ」
遠征から帰ってきたばかりのため、おそらくは多くの処理があるのだろう。
元々多忙な人で家を空けることも多かったので、一緒に食事を取らないことには慣れている。
少し寂しい日々だったが、お父様のおかげで良い暮らしが出来ているので、こんなことでわがままを言うつもりは無い。
朝食を終えて私はクリストフへおでかけを提案する。
「クリス、もし良かったら一緒に町へ行きませんか?」
「それは俺としても歓迎する。ちょうど俺も行きたいと思っていたのだ」
まさか彼も行く予定があったなんて。しかし彼はどんな目的があったのだろう。
「何か寄りたいところがあったのですか?」
「ああ。少し込み入った話のため、二人だけにしてもらってもよろしいかな」
おそらくは未来に関することだと察しが付いた。
私は使用人達にしばらく部屋から出るように命令した。二人だけになったため話を続ける。
「すまないな。君も気付いていると思うが、あの未来での悲劇は組織に関することだけではない。大きな事件としては二つ」
彼は指を二本立てて一本ずつ下ろしていく。
「一つは未曾有の飢饉、そしてこの国の二大貴族であるベアグルント家とグロールング家の破滅だ。まずはこの飢饉だけはどうにかしたいと思っている」
未来で私のベアグルント家は私の血筋のせいで断絶。そしてもう一つが飢饉によって森から大量の魔物がグロールング領を襲い、ブリジットもまた命を落としたのだ。
「この国の大領地の二つが一斉に無くなったことで、国は大いに荒れた。組織もその混乱に乗じて王族達をかなり脅していたからな」
ボスはそこらへんの戦略は巧みで、行き場を無くした者達がどんどん組織へと加入していったのだ。
そのせいで国が国として機能しなくなる寸前までいっていた。
そんな未来は決して許してはいけない。
「その節は本当に申し訳ございません。聖女様のおかげで目が覚めました」
宗教大国家には聖女と呼ばれる特別な人がいる。その方にリオネス殿下を奪われたと逆恨みしたが、そんなことはなくただの私の勘違いで、さらにはこんな私も受け入れようとしてくれた素晴らしい方だった。
「ふむ。だが今回はなるべくあのお方と接触はしたくない」
「どうしてですか?」
「忘れたのか。聖女様は手で触れば魔女であることを見抜けるのだ」
そういえば私が魔女として決め手になったのは、異端審問された時だったのを思い出す。クリストフは呆れ顔で「其方の運命が決定づけられた日を忘れたのか」とため息を吐いた。
「しょうがないではありませんか。聖女様から確証を言われる前には、私は魔女と決めつけられたいたのですから」
「なんだと? それはどういう意味だ?」
あれ、もしかしてクリストフは知らないのか。あれほど噂が立っていたのだから知っていると思っていた。
「俺はその時、大司教の命でひと月ほど遠征に行っていたから、あまり詳しくは知らないのだ。完全に思い違いをしていたとは……」
「そういうことですか。私が魔女だと最初に広めたのは、リオネス殿下ですよ」
私の言葉にクリストフは眉をひそめた。初めて彼が青ざめた顔をする。
「どこでそれをあの者が知ったのだ……国王との約束は破られていたのか?」
ぶつぶつとクリストフは考えにふけていた。国王との約束とはどういうことだ。
私が黙って彼の考えがまとまるのを待っていると、彼もようやく私が話しに置き去りになっていることに気付いてくれた。
「そういえばソフィーには言っていなかったな。国王陛下と其方の父君である約束がされていたのだ」
「それはもしかして魔女に関わることですか?」
「さよう。王族の血族であれば魔女の子供は生まれない。そのため二人のために、そのことは言わないという盟約がな」
さらっと衝撃的なことを言われた。私の一番懸念していた、私の子供が魔女にならない方法があるなんて。彼曰く、伝承でそのことが書かれているらしい。実際に前のさらに前の国王の妻が魔女だと判明したが、その子供には引き継がれなかったらしい。
「そのため君の父君はかなり王家から無茶振りを受けていたのだ」
「だからいつも家を空けていたのですね……」
お父様は本当に私のために色々と裏で動いてくれていたのだ。
しかし今は感傷に浸っている場合では無い。
「そうなるとあの者はどこでその情報を得てしまったのか……一体いつその情報を得たのか分からないが、今回はまだ知らないことを祈るのみだ」
クリストフは悩んでいたが、すぐに切り替えるように話題を変える。
「今はそのことを気にしても仕方が無い。俺たちに出来るのは飢饉を止め、その間にソフィーの魔女の力を無くすことだけだ」
「そうですね。もしまた私が魔女だとみんなにバレた時には――」
私を見捨ててください、と言おうとしたが彼が指で私の口を止めた。
「其方を見捨てることはせぬ。そのために俺がいるのだ。いくらでもカモフラージュはできる……俺が其方を必ず幸せにする。だからそんな辛そうな顔をするな」
「はい……」
もしリオネス殿下と結婚したとしたら、私の子供達は何もないであろう。だけど私はおそらくお母様のように破壊衝動が起きる前に殺されていたはずだ。
どっちにしろ私には未来なんて無かったのだ。その事実がとても辛かった。
そして目が覚めるともうすでに彼はベッドにいなかった。
「訓練に行ったのかしら?」
私はのそりとベッドから起き上がって、眠い目を擦りながら紅茶を入れた。
朝はどうしても喉が渇くので、こうやって紅茶を飲むのが朝の楽しみだ。
するとタイミング良くノックをする音が聞こえた。
「ソフィアお嬢様、おはようございます。もう起きていますでしょうか」
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「うん?」
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するとリタは息を呑んだ。
「左様でしたか。ソフィアお嬢様の事は何でも分かっているつもりでしたが、お身体を悪くしていることに気付かずに申し訳ございません」
彼女は分かりづらいが少しだけ顔を青くしたのに気付いた。これは説明が足りなかったと反省して、私は慌てて彼女に駆け寄った。
「別に貴女の管理能力が悪いわけでは無いのよ! 今は特に悪くはないのですけど、将来的に悪くなるかもしれないから、クリスがその治療をしてくれれているだけ!」
「そうだったのですね。猊下しか治せない病気が何なのか気になりますが、それは旦那様もご存じということでよろしいのですか?」
「うん、お父様も知っているよ」
ようやくリタもホッとしてくれた。だけど今後はそういった隠し事はするなと怒られた。
――恐いよ、リタ……。
一度部屋に戻ろうとリタと廊下を歩いていると、ちょうど訓練を終えて汗だくのクリストフと会った。
「おはようございます」
「おはよう、ソフィー。昨日は遅くまで起きていたが体調は問題ないか?」
「クリスが言いますか……」
彼は私より後に寝たはずなのにそれよりも早く起きて訓練をしているのだ。なのに全く疲れている様子を見せない彼に呆れた、
「其方が一緒に眠る日は不思議と朝の寝起きがいいのだ。それに俺も合間に仮眠を取っているからそこまで心配しなくていい」
いつも多忙な彼はその日々の中で自分に合った生活スタイルを身につけたのであろう。
ただ今回は私のせいで彼も遅くまで付き合うことになったので、次回からは反省してすぐに眠るようにしよう。
「ほどほどにしてくださいね」
「もちろんだ。では後ほど食卓で会おう」
彼と別れ、私も朝の支度をする。リタが今日の服はどれにするか聞いてきた。
「今日は動きやすい服でお願いします」
「かしこまりました。どこかお出かけなさるのですか?」
「うん。ちょっと町に行こうと思いまして」
私の領地にある一番栄えている町がある。王都までの中継地でもあるので行商人もたくさん通る活気ある町だ。
私は動きやすいワンピースを着て、朝食を食べに行く。
もうすでにクリストフは席に着いていたがお父様の姿が無かった。
「お待たせしました。お父様はまだ来られていないのですか?」
「先ほどまでいたのだが、どうやら別の予定が入ったと仰っていたぞ」
遠征から帰ってきたばかりのため、おそらくは多くの処理があるのだろう。
元々多忙な人で家を空けることも多かったので、一緒に食事を取らないことには慣れている。
少し寂しい日々だったが、お父様のおかげで良い暮らしが出来ているので、こんなことでわがままを言うつもりは無い。
朝食を終えて私はクリストフへおでかけを提案する。
「クリス、もし良かったら一緒に町へ行きませんか?」
「それは俺としても歓迎する。ちょうど俺も行きたいと思っていたのだ」
まさか彼も行く予定があったなんて。しかし彼はどんな目的があったのだろう。
「何か寄りたいところがあったのですか?」
「ああ。少し込み入った話のため、二人だけにしてもらってもよろしいかな」
おそらくは未来に関することだと察しが付いた。
私は使用人達にしばらく部屋から出るように命令した。二人だけになったため話を続ける。
「すまないな。君も気付いていると思うが、あの未来での悲劇は組織に関することだけではない。大きな事件としては二つ」
彼は指を二本立てて一本ずつ下ろしていく。
「一つは未曾有の飢饉、そしてこの国の二大貴族であるベアグルント家とグロールング家の破滅だ。まずはこの飢饉だけはどうにかしたいと思っている」
未来で私のベアグルント家は私の血筋のせいで断絶。そしてもう一つが飢饉によって森から大量の魔物がグロールング領を襲い、ブリジットもまた命を落としたのだ。
「この国の大領地の二つが一斉に無くなったことで、国は大いに荒れた。組織もその混乱に乗じて王族達をかなり脅していたからな」
ボスはそこらへんの戦略は巧みで、行き場を無くした者達がどんどん組織へと加入していったのだ。
そのせいで国が国として機能しなくなる寸前までいっていた。
そんな未来は決して許してはいけない。
「その節は本当に申し訳ございません。聖女様のおかげで目が覚めました」
宗教大国家には聖女と呼ばれる特別な人がいる。その方にリオネス殿下を奪われたと逆恨みしたが、そんなことはなくただの私の勘違いで、さらにはこんな私も受け入れようとしてくれた素晴らしい方だった。
「ふむ。だが今回はなるべくあのお方と接触はしたくない」
「どうしてですか?」
「忘れたのか。聖女様は手で触れば魔女であることを見抜けるのだ」
そういえば私が魔女として決め手になったのは、異端審問された時だったのを思い出す。クリストフは呆れ顔で「其方の運命が決定づけられた日を忘れたのか」とため息を吐いた。
「しょうがないではありませんか。聖女様から確証を言われる前には、私は魔女と決めつけられたいたのですから」
「なんだと? それはどういう意味だ?」
あれ、もしかしてクリストフは知らないのか。あれほど噂が立っていたのだから知っていると思っていた。
「俺はその時、大司教の命でひと月ほど遠征に行っていたから、あまり詳しくは知らないのだ。完全に思い違いをしていたとは……」
「そういうことですか。私が魔女だと最初に広めたのは、リオネス殿下ですよ」
私の言葉にクリストフは眉をひそめた。初めて彼が青ざめた顔をする。
「どこでそれをあの者が知ったのだ……国王との約束は破られていたのか?」
ぶつぶつとクリストフは考えにふけていた。国王との約束とはどういうことだ。
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「それはもしかして魔女に関わることですか?」
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さらっと衝撃的なことを言われた。私の一番懸念していた、私の子供が魔女にならない方法があるなんて。彼曰く、伝承でそのことが書かれているらしい。実際に前のさらに前の国王の妻が魔女だと判明したが、その子供には引き継がれなかったらしい。
「そのため君の父君はかなり王家から無茶振りを受けていたのだ」
「だからいつも家を空けていたのですね……」
お父様は本当に私のために色々と裏で動いてくれていたのだ。
しかし今は感傷に浸っている場合では無い。
「そうなるとあの者はどこでその情報を得てしまったのか……一体いつその情報を得たのか分からないが、今回はまだ知らないことを祈るのみだ」
クリストフは悩んでいたが、すぐに切り替えるように話題を変える。
「今はそのことを気にしても仕方が無い。俺たちに出来るのは飢饉を止め、その間にソフィーの魔女の力を無くすことだけだ」
「そうですね。もしまた私が魔女だとみんなにバレた時には――」
私を見捨ててください、と言おうとしたが彼が指で私の口を止めた。
「其方を見捨てることはせぬ。そのために俺がいるのだ。いくらでもカモフラージュはできる……俺が其方を必ず幸せにする。だからそんな辛そうな顔をするな」
「はい……」
もしリオネス殿下と結婚したとしたら、私の子供達は何もないであろう。だけど私はおそらくお母様のように破壊衝動が起きる前に殺されていたはずだ。
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