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最終章 希望を託されし女神
下僕視点13
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セルランの声を聞いたおかげなのか、クロートはゆっくり体を起こして立ち上がる。
彼もセルランだけには負けたくないと思っているのだ。
フラフラとしているがすぐにしっかり立った。
その目はしっかり敵を見据えている。
「少し休憩しただけですよ。無事だと思っていましたよ」
やせ我慢をして虚勢を張っているがクロートはまだ戦える。
セルランがいるならあっちは大丈夫だ。
たとえ、一万の騎士が攻めてきても彼なら返り討ちにしてくれると信じている。
「馬鹿な、お前は確かにジョセフィーヌの城で始末したはずだ」
「わたしはお前なんぞ知らん」
「そいつはアビ・フォアデルヘだ!」
アビが魔物に化けるところを見ていたのはぼくらだけだ。
もしぼくらが敗北しても彼らなら仇を取ってくれる。
「そういえばアビ・フォアデルヘはトカゲの姿をしていると言っていたな。あの時を知っているということは姉上と攻めてきた仮面の男か」
そこでセルランは少し見下した態度を取る。
不遜な彼の態度にサタンはどう思うのだろうか。
「城が倒壊した程度で安心するなど二流だな。あの程度で死ねるならもうとっくに死んでいる」
「ぐぬぬぬ、いい気になりおって。あの女め、次から次へと失敗しよってからにぃぃい!」
思った通りにいかないことにサタンも苛立っている。
しかし、すぐにその映像を消し去った。
「ふん、たかが人間一人増えたところで変わらん。お前らを消してから、わしが自ら殺してこよう。そして役に立たないヨハネ共々ガーネフ、貴様も神へ捧げてやる」
「させませんよ」
クロートは身体強化を加える。
そしてブレスレットに魔力を滞空させて、自身へさらに魔力を加える。
「わたしにセルランにしたようにしなさい」
「そ、それは流石に無茶じゃ……」
「あの男が三倍ならわたしは四倍だ。マリアさまはこいつのせいで神に捧げられた。このトカゲとの因縁にわたしが決着を付ける」
ぼくはガントレットに身体強化の魔力を乗せて、クロートへ送る。
「ぐぅぅぅぅうぁ!」
身体強化の魔法が四倍となり、彼の筋肉が悲鳴を上げる。
筋肉が活性化していくので、人間の身で化け物となるのだ。
かなり無茶だが、彼しかこの化け物は倒せない。
「風の神シェイソーナガットは奏者なり」
ぼくがクロートへ魔法を送っている間にガーネフも魔法を唱え始めた。
「貴方に義姉上は勿体無い。もし彼女の叡智を以てしても上手くいかなかったのなら、それを従わせていたお前が無能なだけだ」
「生意気な口を聞くな!」
サタンは再度黒い玉を出現させる。
また雷撃を使って攻撃してくるつもりだろう。
「大空を支配するため駆け回りて、大神に想いを捧げるものなり。我は源を送ろう。我は感謝を捧げよう。汝の運命を紡がんために」
突如として暴風が舞った。
サタンを包み込み、そしてさらにマリアさまが出したような大男が風で作られた。
しかしマリアさまとは違い細く、今にも消えてしまいそうな感じがした。
大男は黒い玉を自身の体で覆い被さる。
黒い玉から凄まじい音がした。
大男が外へと出さないように風で制御している。
しかしこれが続けばガーネフの魔力が持たない。
ぼくがガーネフを見ると、必死に下唇を噛んで気絶するのを耐えている。
魔力の急激な消耗はかなり体に負担が掛かり、時には吐き気や頭痛を起こす。
足がふらついているので、彼にもその症状が来ているはずだ。
「もう準備は大丈夫です」
クロートは目を血走らせて、人間の限界を超えた。
声が聞こえてきて。ガーネフも気が抜けたようで魔法を解除した。
そしてバタンと倒れた。
しっかりあの黒い玉にある雷撃は使い果たしていた。
後はクロートに決めてもらうだけだ。
一歩歩くだけでもきついだろうに、彼はトライードを突き出してサタンまで突っ込む。
「魔法が無くとも、この腕は人間ごとき捻り潰すわ!」
サタンは大きく腕を振り上げてクロートを押し潰そうとしてくる。
クロートに出来るのは一撃のみだ。
もしこの腕を吹き飛ばせばそれだけで体力を全て持っていかれる。
だからぼくは動いていた。
「クロート、こっちだ!」
騎獣に乗り空から援護をする。
クロートが上に手を上げるのでぼくがしっかり掴んで、そのまま勢いよく上へと上げ、遠心力を利用して放り投げた。
敵が空振ったことで隙ができる。
クロートはトライードの刀身を大きく伸ばして、サタンの右肩から斜めに切り裂いた。
「ぐぉぉぉぉおお!」
竜の皮膚を簡単に切り裂いて、血が盛大に吹き出した。
致命傷だ、もうどんな生物も助からず、後は床に伏すしかない。
クロートも血を吐いている。
持病と身体強化が相まって体の限界を越えたのだ。
しかし彼は十分仕事をこなした。
「お前だけはぁぁ!」
サタンは口を大きく開けて、口の中に熱を生み出す。
炎のブレスをクロートへ向けるつもりだ。
「させるかぁあああ!」
トライードに全魔力を伝える。
切れ味を最大限まで上げて、下からサタンの口を突き刺した。
前にヴェルダンディがエンペラーにしたことだ。
行き場のないブレスは口の中で暴発した。
衝撃がぼくにも襲う。
背中から思いっきりいばらの壁に激突する。
「……っは!?」
一瞬だが気絶してしまい、急いで起き上がる。
今はまだ戦いの途中だ。
クロートとガーネフが倒れている。
そして赤い竜も倒れ伏していた。
「まだ……終わって……いない」
立ち上がる力が残っていない。
体を引きずって竜の元までゆっくりだが確実に近付く。
これはぼくの最大の幸運なんだ。
赤い竜の体が少しずつ灰となっていく。
高い体温が死んだことにより発火しているのだ。
このままだと完全に消滅する。
だがそれをさせるわけにはいかない。
どうにか竜の元へ辿り着き、鎧の下に隠していた物を取り出す。
「こ、これがあればーー」
注射の針と注射器を使い、サタンから血を抜き出す。
新しい針に差し替えた。
「ぼくが……希望になる。マリアさまの側近はぼくだ」
その血をぼくの中へ注入する。
これでどうにか間に合ったと少しばかり気が抜けた。
次の瞬間、体の底から何かが込み上がってくる。
口から何かが出てきた。
目の前が霞んでよく見えないが、それは真っ赤だということは分かった。
……拒絶反応だ。
考えられるのはそこまでだ。
吐血してから急に身体中が痛くて堪らない。
頭が痛い、喉が痛い、腹が痛い、足が痛い。
全身から悲鳴が上げられる。
何も考えられない
体を暴れさせて少しでも楽にしようとするが、どんどんキツくなるだけだ。
永遠の時間が流れた気がした。
後から思えば、体力の低下と魔力の低下が同時に起こっている時に、人外の魔力を体に入れれば死んでもおかしくはない。
しかしぼくの幸運はまだ続いていた。
徐々に体の痛みが治まっていく。
気付けば誰かの膝の上だった。
「気付きましたか?」
ぼくはゆっくり顔を上げてみた。
まだ頭に痛みが残るが、なんとか見ることができた。
仮面を横にずらしているのは、マリアさまの幼馴染みであるレイナだった。
「ご無事で……二人は?」
「大丈夫です。もう治癒は使っています、すぐに目覚めるでしょう」
前と変わらない様子の彼女をマリアさまが見たら喜ぶだろう。
生きていると思っていても、マリアさまはずっと安否を気にしていた。
マリアさまの蒼い髪が目の前にチラついた。
「レイナ……一つだけ気絶する……前に教えて…ほしぃ」
「どういったことですか?」
「蒼いですか?」
ぼくの質問に彼女は驚き、そして優しく微笑んで見せた。
「ええ、立派な蒼い髪をお持ちですよ」
その言葉を聞いて目をゆっくり閉じた。
成功した。
これでぼくも役に立てる。
もうみんなから馬鹿にされる下僕ではない。
ぼくは王の下僕である。
彼もセルランだけには負けたくないと思っているのだ。
フラフラとしているがすぐにしっかり立った。
その目はしっかり敵を見据えている。
「少し休憩しただけですよ。無事だと思っていましたよ」
やせ我慢をして虚勢を張っているがクロートはまだ戦える。
セルランがいるならあっちは大丈夫だ。
たとえ、一万の騎士が攻めてきても彼なら返り討ちにしてくれると信じている。
「馬鹿な、お前は確かにジョセフィーヌの城で始末したはずだ」
「わたしはお前なんぞ知らん」
「そいつはアビ・フォアデルヘだ!」
アビが魔物に化けるところを見ていたのはぼくらだけだ。
もしぼくらが敗北しても彼らなら仇を取ってくれる。
「そういえばアビ・フォアデルヘはトカゲの姿をしていると言っていたな。あの時を知っているということは姉上と攻めてきた仮面の男か」
そこでセルランは少し見下した態度を取る。
不遜な彼の態度にサタンはどう思うのだろうか。
「城が倒壊した程度で安心するなど二流だな。あの程度で死ねるならもうとっくに死んでいる」
「ぐぬぬぬ、いい気になりおって。あの女め、次から次へと失敗しよってからにぃぃい!」
思った通りにいかないことにサタンも苛立っている。
しかし、すぐにその映像を消し去った。
「ふん、たかが人間一人増えたところで変わらん。お前らを消してから、わしが自ら殺してこよう。そして役に立たないヨハネ共々ガーネフ、貴様も神へ捧げてやる」
「させませんよ」
クロートは身体強化を加える。
そしてブレスレットに魔力を滞空させて、自身へさらに魔力を加える。
「わたしにセルランにしたようにしなさい」
「そ、それは流石に無茶じゃ……」
「あの男が三倍ならわたしは四倍だ。マリアさまはこいつのせいで神に捧げられた。このトカゲとの因縁にわたしが決着を付ける」
ぼくはガントレットに身体強化の魔力を乗せて、クロートへ送る。
「ぐぅぅぅぅうぁ!」
身体強化の魔法が四倍となり、彼の筋肉が悲鳴を上げる。
筋肉が活性化していくので、人間の身で化け物となるのだ。
かなり無茶だが、彼しかこの化け物は倒せない。
「風の神シェイソーナガットは奏者なり」
ぼくがクロートへ魔法を送っている間にガーネフも魔法を唱え始めた。
「貴方に義姉上は勿体無い。もし彼女の叡智を以てしても上手くいかなかったのなら、それを従わせていたお前が無能なだけだ」
「生意気な口を聞くな!」
サタンは再度黒い玉を出現させる。
また雷撃を使って攻撃してくるつもりだろう。
「大空を支配するため駆け回りて、大神に想いを捧げるものなり。我は源を送ろう。我は感謝を捧げよう。汝の運命を紡がんために」
突如として暴風が舞った。
サタンを包み込み、そしてさらにマリアさまが出したような大男が風で作られた。
しかしマリアさまとは違い細く、今にも消えてしまいそうな感じがした。
大男は黒い玉を自身の体で覆い被さる。
黒い玉から凄まじい音がした。
大男が外へと出さないように風で制御している。
しかしこれが続けばガーネフの魔力が持たない。
ぼくがガーネフを見ると、必死に下唇を噛んで気絶するのを耐えている。
魔力の急激な消耗はかなり体に負担が掛かり、時には吐き気や頭痛を起こす。
足がふらついているので、彼にもその症状が来ているはずだ。
「もう準備は大丈夫です」
クロートは目を血走らせて、人間の限界を超えた。
声が聞こえてきて。ガーネフも気が抜けたようで魔法を解除した。
そしてバタンと倒れた。
しっかりあの黒い玉にある雷撃は使い果たしていた。
後はクロートに決めてもらうだけだ。
一歩歩くだけでもきついだろうに、彼はトライードを突き出してサタンまで突っ込む。
「魔法が無くとも、この腕は人間ごとき捻り潰すわ!」
サタンは大きく腕を振り上げてクロートを押し潰そうとしてくる。
クロートに出来るのは一撃のみだ。
もしこの腕を吹き飛ばせばそれだけで体力を全て持っていかれる。
だからぼくは動いていた。
「クロート、こっちだ!」
騎獣に乗り空から援護をする。
クロートが上に手を上げるのでぼくがしっかり掴んで、そのまま勢いよく上へと上げ、遠心力を利用して放り投げた。
敵が空振ったことで隙ができる。
クロートはトライードの刀身を大きく伸ばして、サタンの右肩から斜めに切り裂いた。
「ぐぉぉぉぉおお!」
竜の皮膚を簡単に切り裂いて、血が盛大に吹き出した。
致命傷だ、もうどんな生物も助からず、後は床に伏すしかない。
クロートも血を吐いている。
持病と身体強化が相まって体の限界を越えたのだ。
しかし彼は十分仕事をこなした。
「お前だけはぁぁ!」
サタンは口を大きく開けて、口の中に熱を生み出す。
炎のブレスをクロートへ向けるつもりだ。
「させるかぁあああ!」
トライードに全魔力を伝える。
切れ味を最大限まで上げて、下からサタンの口を突き刺した。
前にヴェルダンディがエンペラーにしたことだ。
行き場のないブレスは口の中で暴発した。
衝撃がぼくにも襲う。
背中から思いっきりいばらの壁に激突する。
「……っは!?」
一瞬だが気絶してしまい、急いで起き上がる。
今はまだ戦いの途中だ。
クロートとガーネフが倒れている。
そして赤い竜も倒れ伏していた。
「まだ……終わって……いない」
立ち上がる力が残っていない。
体を引きずって竜の元までゆっくりだが確実に近付く。
これはぼくの最大の幸運なんだ。
赤い竜の体が少しずつ灰となっていく。
高い体温が死んだことにより発火しているのだ。
このままだと完全に消滅する。
だがそれをさせるわけにはいかない。
どうにか竜の元へ辿り着き、鎧の下に隠していた物を取り出す。
「こ、これがあればーー」
注射の針と注射器を使い、サタンから血を抜き出す。
新しい針に差し替えた。
「ぼくが……希望になる。マリアさまの側近はぼくだ」
その血をぼくの中へ注入する。
これでどうにか間に合ったと少しばかり気が抜けた。
次の瞬間、体の底から何かが込み上がってくる。
口から何かが出てきた。
目の前が霞んでよく見えないが、それは真っ赤だということは分かった。
……拒絶反応だ。
考えられるのはそこまでだ。
吐血してから急に身体中が痛くて堪らない。
頭が痛い、喉が痛い、腹が痛い、足が痛い。
全身から悲鳴が上げられる。
何も考えられない
体を暴れさせて少しでも楽にしようとするが、どんどんキツくなるだけだ。
永遠の時間が流れた気がした。
後から思えば、体力の低下と魔力の低下が同時に起こっている時に、人外の魔力を体に入れれば死んでもおかしくはない。
しかしぼくの幸運はまだ続いていた。
徐々に体の痛みが治まっていく。
気付けば誰かの膝の上だった。
「気付きましたか?」
ぼくはゆっくり顔を上げてみた。
まだ頭に痛みが残るが、なんとか見ることができた。
仮面を横にずらしているのは、マリアさまの幼馴染みであるレイナだった。
「ご無事で……二人は?」
「大丈夫です。もう治癒は使っています、すぐに目覚めるでしょう」
前と変わらない様子の彼女をマリアさまが見たら喜ぶだろう。
生きていると思っていても、マリアさまはずっと安否を気にしていた。
マリアさまの蒼い髪が目の前にチラついた。
「レイナ……一つだけ気絶する……前に教えて…ほしぃ」
「どういったことですか?」
「蒼いですか?」
ぼくの質問に彼女は驚き、そして優しく微笑んで見せた。
「ええ、立派な蒼い髪をお持ちですよ」
その言葉を聞いて目をゆっくり閉じた。
成功した。
これでぼくも役に立てる。
もうみんなから馬鹿にされる下僕ではない。
ぼくは王の下僕である。
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