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第三章 芸術祭といえば秋、なら実りと収穫でしょ!
閑話ステラの恋愛話9
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晴れやかな天気の中、誰もが心地よい日だと感じているだろう。
そんな中わたくしは悲鳴を上げているのだった。
「いたーーい! ちょっと、ディアーナ、もう少し緩めてください!」
「何を言っていますか! 騎士でしたら少しは我慢してください! そりゃーー!」
コルセットを限界まで締め上げられ、わたくしは同僚に加減するように言った。
だがディアーナは手を緩めるどころかさらに力を入れてくるのだった。
わたしはこの痛みをどうにか耐え抜いた。
「ディアーナさまお手伝いありがとうございます。こういう時ディアーナさまが居ると本当に助かります」
セーラがディアーナにお礼を言った。
セーラ以外の従者を連れてきていないため、人手が欲しいと言うのでお願いしておいたのだ。
本来ディアーナは姫さま専属の侍従で手伝う義理もないが、快く手伝いを許諾してくれた。
「いえいえ、ステラさまの頼みでしたらいくらでも手伝いますよ。いつもマリアさまの暴走を止めてくださいますのでこれぐらい軽いものです」
上品に笑うディアーナを見て、セーラは顔に両手に当てて悶えていた。
「何をしているのです?」
わたしがセーラに尋ねると、どこか夢の世界にいるかのように目がとろけている。
「ディアーナさまみたいなお美しい方が近くに居れば誰だってこうなりますよ。マリアさまもこの世のものとは思えない美貌をお持ちですが、ディアーナさまはこう大人の魅力がありますもの」
たしかにディアーナはしっかりしすぎて、学生でありながらも大人と変わらない落ち着きがみられる。
だがセーラが彼女に言ってはいけない。
「ディアーナは貴女より年下よ」
わたしの的確な指摘に胸を抑え出した。
そしてわざとらしく涙を流すふりをした。
「ひどいです。たしかにディアーナさまの方が何倍もしっかりしているかもしれないですが、少しはわたくしの頑張りも認めてほしいです」
「はいはい。わかったから早くドレスを着せてください」
めんどくさいセーラを躱して、早く仕事をするように言った。
ノってこないわたしに、大きなため息を吐いてしぶしぶといった感じで動き出した。
「ディアーナさまもひどいと思いませんか? いつもわたくしがステラさまを想ってこんなに気を回しているのに、この扱いですよ!」
プンプンと怒りながら、ドレスを持ってきた。
わたくしはドレスを身につけた。
ディアーナはクスクスと楽しげに笑っていた。
「仲のよろしいことですね。普段の仕事ではあれほど凛として綺麗なステラさまがこのような一面をのぞかせてくれるなんて」
「世辞はいいですよ。それに姫さまのお側にいるときには、騎士の模範を示さなければ姫さまの格を落としてしまいますからブスッとしているだけです」
姫さまの護衛騎士が決まってから、数多くの礼儀作法を習わされた。
笑顔の作り方や姿勢、言葉使い、立ち振る舞い、姫さまの存在感を増す立ち位置など、一般の騎士には全く必要のないことが姫さまの騎士には必要なのだ。
あのヴェルダンディだって、仕事中は男性からは憧れられ、女性からもモテるのだ。
「そんなことないですよ。品とは人の内面に宿っているものです。どんなに取り繕っても、いずれはバレてしまいます。ステラさまの品は気高き騎士のものですよ」
ディアーナは椅子を持ってきてわたくしを座らせた。
化粧を施していき、その技術をセーラが一生懸命見ている。
「普段はわたくしがステラさまのお化粧をお手伝いしていましたが、これほど美しいステラさまは初めてです」
何度もわたくしの顔を見て褒めるのでなんだか体がむず痒くなる。
姫さまのお化粧を担当しているからかそういったところでも腕の差があるのだろう。
手鏡を渡されて自分を見たがたしかに別人に見える。
「ありがとう。やっぱりディアーナの腕は一流ね」
「お褒め頂きありがとうございます。どうか水の神の祝福があらんことを」
ディアーナから神への魔力の奉納がされた。
これからわたくしはスフレさまのところへ向かうので、良縁であることを願ってくれたのだ。
馬車に乗って、王都の貴族街へと向かった。
「何をしているのですか?」
セーラが何度も手に何かを書くような素振りと飲み込むふりをした。
「緊張を解くおまじないですよ。こうやると緊張がなくなるらしいですよ」
「どうしてわたくしのお見合いなのに貴女が緊張しているのよ」
「ステラさまもしてたほうがいいですよ。トライードは置いてきているのに、何度も腰を確かめようとするなんて、緊張がみえみえですよ」
頬がカーッと紅くなった。
無意識の行動だったため、指摘されると恥ずかしくなった。
「コルセットがきついから触っただけです」
「そうですかー」
わたしの言い訳を流されて、さらに恥ずかしくなった。
「ステラさまもとうとう結婚か」
「気が早いですよ。まだ会ったことすらないのに」
セーラの早すぎる言葉を即座に否定した。
だがセーラはそう思っていないらしく、にやにやと笑っていた。
その顔にわたしは非難の目を向けた。
「何ですかその顔は」
「だって、こんなに手紙の一枚一枚に右往左往しているのにまだそんな強気の発言するんだって思いまして」
「それは……、しょうがないではありませんか。誰だって殿方から手紙を貰えば嬉しいものです。それも神々を数多く引用された心が揺れ動くものです」
わたしは俯き紅くなる顔を隠した。
「ステラさま、その顔なら落ちない男はいませんよ。わたくしも影ながら応援しますので、頑張っていきましょう」
そんな話をしているうちにスフレさまの屋敷の前にたどり着いた。
そんな中わたくしは悲鳴を上げているのだった。
「いたーーい! ちょっと、ディアーナ、もう少し緩めてください!」
「何を言っていますか! 騎士でしたら少しは我慢してください! そりゃーー!」
コルセットを限界まで締め上げられ、わたくしは同僚に加減するように言った。
だがディアーナは手を緩めるどころかさらに力を入れてくるのだった。
わたしはこの痛みをどうにか耐え抜いた。
「ディアーナさまお手伝いありがとうございます。こういう時ディアーナさまが居ると本当に助かります」
セーラがディアーナにお礼を言った。
セーラ以外の従者を連れてきていないため、人手が欲しいと言うのでお願いしておいたのだ。
本来ディアーナは姫さま専属の侍従で手伝う義理もないが、快く手伝いを許諾してくれた。
「いえいえ、ステラさまの頼みでしたらいくらでも手伝いますよ。いつもマリアさまの暴走を止めてくださいますのでこれぐらい軽いものです」
上品に笑うディアーナを見て、セーラは顔に両手に当てて悶えていた。
「何をしているのです?」
わたしがセーラに尋ねると、どこか夢の世界にいるかのように目がとろけている。
「ディアーナさまみたいなお美しい方が近くに居れば誰だってこうなりますよ。マリアさまもこの世のものとは思えない美貌をお持ちですが、ディアーナさまはこう大人の魅力がありますもの」
たしかにディアーナはしっかりしすぎて、学生でありながらも大人と変わらない落ち着きがみられる。
だがセーラが彼女に言ってはいけない。
「ディアーナは貴女より年下よ」
わたしの的確な指摘に胸を抑え出した。
そしてわざとらしく涙を流すふりをした。
「ひどいです。たしかにディアーナさまの方が何倍もしっかりしているかもしれないですが、少しはわたくしの頑張りも認めてほしいです」
「はいはい。わかったから早くドレスを着せてください」
めんどくさいセーラを躱して、早く仕事をするように言った。
ノってこないわたしに、大きなため息を吐いてしぶしぶといった感じで動き出した。
「ディアーナさまもひどいと思いませんか? いつもわたくしがステラさまを想ってこんなに気を回しているのに、この扱いですよ!」
プンプンと怒りながら、ドレスを持ってきた。
わたくしはドレスを身につけた。
ディアーナはクスクスと楽しげに笑っていた。
「仲のよろしいことですね。普段の仕事ではあれほど凛として綺麗なステラさまがこのような一面をのぞかせてくれるなんて」
「世辞はいいですよ。それに姫さまのお側にいるときには、騎士の模範を示さなければ姫さまの格を落としてしまいますからブスッとしているだけです」
姫さまの護衛騎士が決まってから、数多くの礼儀作法を習わされた。
笑顔の作り方や姿勢、言葉使い、立ち振る舞い、姫さまの存在感を増す立ち位置など、一般の騎士には全く必要のないことが姫さまの騎士には必要なのだ。
あのヴェルダンディだって、仕事中は男性からは憧れられ、女性からもモテるのだ。
「そんなことないですよ。品とは人の内面に宿っているものです。どんなに取り繕っても、いずれはバレてしまいます。ステラさまの品は気高き騎士のものですよ」
ディアーナは椅子を持ってきてわたくしを座らせた。
化粧を施していき、その技術をセーラが一生懸命見ている。
「普段はわたくしがステラさまのお化粧をお手伝いしていましたが、これほど美しいステラさまは初めてです」
何度もわたくしの顔を見て褒めるのでなんだか体がむず痒くなる。
姫さまのお化粧を担当しているからかそういったところでも腕の差があるのだろう。
手鏡を渡されて自分を見たがたしかに別人に見える。
「ありがとう。やっぱりディアーナの腕は一流ね」
「お褒め頂きありがとうございます。どうか水の神の祝福があらんことを」
ディアーナから神への魔力の奉納がされた。
これからわたくしはスフレさまのところへ向かうので、良縁であることを願ってくれたのだ。
馬車に乗って、王都の貴族街へと向かった。
「何をしているのですか?」
セーラが何度も手に何かを書くような素振りと飲み込むふりをした。
「緊張を解くおまじないですよ。こうやると緊張がなくなるらしいですよ」
「どうしてわたくしのお見合いなのに貴女が緊張しているのよ」
「ステラさまもしてたほうがいいですよ。トライードは置いてきているのに、何度も腰を確かめようとするなんて、緊張がみえみえですよ」
頬がカーッと紅くなった。
無意識の行動だったため、指摘されると恥ずかしくなった。
「コルセットがきついから触っただけです」
「そうですかー」
わたしの言い訳を流されて、さらに恥ずかしくなった。
「ステラさまもとうとう結婚か」
「気が早いですよ。まだ会ったことすらないのに」
セーラの早すぎる言葉を即座に否定した。
だがセーラはそう思っていないらしく、にやにやと笑っていた。
その顔にわたしは非難の目を向けた。
「何ですかその顔は」
「だって、こんなに手紙の一枚一枚に右往左往しているのにまだそんな強気の発言するんだって思いまして」
「それは……、しょうがないではありませんか。誰だって殿方から手紙を貰えば嬉しいものです。それも神々を数多く引用された心が揺れ動くものです」
わたしは俯き紅くなる顔を隠した。
「ステラさま、その顔なら落ちない男はいませんよ。わたくしも影ながら応援しますので、頑張っていきましょう」
そんな話をしているうちにスフレさまの屋敷の前にたどり着いた。
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