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騎士団との旅立ち。
遠征の旅路。⑥
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「・・・えーと。
だから、井戸を浄化して欲しいんだけど??」
「ブキュウゥィ??キュアワ??」
ガブッ・・。
エリザベートは首を傾げたまま私の腕をがぶりと噛んだ。
「いっ・・!?ちょっとぉ!?何で噛むのよ?!
・・・全然駄目じゃん!!神獣無双見たかったのに・・!!」
「アレクシア様、お下がりください。ここは私にお任せくださいませ。」
「放しなさいよっ・・!はえっ!?」
肉の塊だと錯覚したのか、エリザベートに美味しそうに腕に噛みつかれたままの私は涙目でエーテルの声に振り向いた。
「出でよ・・。我が神獣シルヴィア!!」
エリザベートを叩き落とした瞬間、私の前にエーテルの神獣が現れた。
ルカと同じくらいの長身の馬がヒヒィーンと声を上げた。
一角の金色の角を持つ、美しい金色の鬣と円らな瞳が美しい神獣だった。
紫のユニコーンの美しさに私は再度口を開けたまま驚いた。
「紫!!?しかも、ユニコーンなのね!?
エーテルすごいわっ!!」
ニコリとエーテルが微笑むと、紫のユニコーンは大空を駆けて井戸の側で角を振り金粉が水の中へと
何層にも広がり飛び散っていた。
水は一瞬、更に透明度が増したように光り輝いてまた元に戻った。
「すごい・・・。これで、浄化出来たのかしら?」
「恐らく。シルヴィアは浄化の神力においては兄の銀狼を凌ぐやもしれませんわ。
・・・ゴクン。ほら、大丈夫です!!ゴホッ・・ゴホッ。」
えっ、咽ただけよね・・?
私も恐る恐る井戸水を桶から手に掬い取って飲んだ。
・・ゴクン。
普通に甘く美味しい水が喉に流れ込んできて安心を得た。
他のファーマシスト達も恐る恐る水を口にしていた。
「本当だ、美味い水じゃねぇか!!・・あ、おかわりぃ。」
「・・・ハァ、呑気なの?」
ルカの言葉に、呆れた表情のエーテルがキッと睨みつけた瞬間、私はエーテルに思い切り抱き着いて喜んだ。
「やったわぁ!!すごいじゃないの、エーテルも、貴方の神獣のシルヴィアも最強だわ!!
これでこの村は救われる。
わたし、今日からエーテルのこと神獣無双先輩って呼ぶわ!!」
「・・・あの、アレクシア様!?
神獣無双先輩って・・。何でしょうか??」
3箇所の浄化を終えて、戻ってきたシルヴィアが地上へとスラリと長い脚で降り立った。
エーテルの元へやって来ると、褒められながら撫でられて幸せそうに喜んでいた。
「うーん・・。神獣と、主って・・。
これが通常なのよね?」
わたしの隣で大の字で横になって休日のおっさん姿勢になっている私の神聖獣とは天と地との差なんだけど!!
腹かくなよ・・。
「ねぇ、エリザベート。貴方は浄化の神力は使えないの??」
「ブキュゥゥィ・・。ブブッ。」
「・・あっ、そう?
貴方は何が秀でてるのかしら?
早食いなの!?それとも、手当たり次第の破壊発動な訳?!・・・ちょっとはやる気出しなさいよ!!神聖獣なんでしょう!?」
「アレクシア様、神聖獣様はまだ生まれた経てなので・・。これから主従関係が育ちますわ。
・・多分。」
「嬢ちゃん、気にすることねぇよ。
見ろよ、うちのバイコーンのアヴァンなんかよぉ。
シルヴィアを襲いにいっちゃって帰ってこないぜぇ・・。あいつ、雌見ると見境ないからなぁ。」
「・・はぁ!?ちょっ、ちょっと・・。
うちのシルヴィアに触らないでよっ、汚らしい!!飼い主そっくりね・・。」
シルヴィアに、鼻息を荒く必死に襲い掛かってるアヴァンが黒い体で必死にマウントを取ろうとしていた。
「おいおい。よく見ろよエーテル・・。
シルヴィアも満更じゃなさそうだぜ?
ありゃあ、飼い主にそっくりだな。
素直じゃないところがよぉ・・。」
その言葉に、青筋立てたエーテルがアヴァンを氷剣を出して引き離しに向かった。
ルカと、エーテルはまだ喧嘩を止める気配がなかった。
私は膝を折って座るとエリザベートに話しかけた。
「ねぇ、エリザベート・・。
貴方は、何が得意なの??
この国を一緒に救って欲しいのよ。貴方の大好きなレオを一緒に助けようよ・・・。」
その言葉に、一瞬目を大きく見開いたエリザベートは私と見つめ合った。
「キュウ、ブキュブキュウ。」
(どうでもいい。ご飯まだ?)
「はいはい。今、あげますよ・・。」
私は、頷いて自分の鞄に入っていた自分のお昼ご飯用の
おにぎり大をエリザベートに食べさせた。
大方の治療と井戸の浄化が終わり、私は騎士団とファーマシスト達を
集めて対策を講じることに成功した私達は数名の治療班と、警備班を残すと急いでロージアナへ向かった。
だから、井戸を浄化して欲しいんだけど??」
「ブキュウゥィ??キュアワ??」
ガブッ・・。
エリザベートは首を傾げたまま私の腕をがぶりと噛んだ。
「いっ・・!?ちょっとぉ!?何で噛むのよ?!
・・・全然駄目じゃん!!神獣無双見たかったのに・・!!」
「アレクシア様、お下がりください。ここは私にお任せくださいませ。」
「放しなさいよっ・・!はえっ!?」
肉の塊だと錯覚したのか、エリザベートに美味しそうに腕に噛みつかれたままの私は涙目でエーテルの声に振り向いた。
「出でよ・・。我が神獣シルヴィア!!」
エリザベートを叩き落とした瞬間、私の前にエーテルの神獣が現れた。
ルカと同じくらいの長身の馬がヒヒィーンと声を上げた。
一角の金色の角を持つ、美しい金色の鬣と円らな瞳が美しい神獣だった。
紫のユニコーンの美しさに私は再度口を開けたまま驚いた。
「紫!!?しかも、ユニコーンなのね!?
エーテルすごいわっ!!」
ニコリとエーテルが微笑むと、紫のユニコーンは大空を駆けて井戸の側で角を振り金粉が水の中へと
何層にも広がり飛び散っていた。
水は一瞬、更に透明度が増したように光り輝いてまた元に戻った。
「すごい・・・。これで、浄化出来たのかしら?」
「恐らく。シルヴィアは浄化の神力においては兄の銀狼を凌ぐやもしれませんわ。
・・・ゴクン。ほら、大丈夫です!!ゴホッ・・ゴホッ。」
えっ、咽ただけよね・・?
私も恐る恐る井戸水を桶から手に掬い取って飲んだ。
・・ゴクン。
普通に甘く美味しい水が喉に流れ込んできて安心を得た。
他のファーマシスト達も恐る恐る水を口にしていた。
「本当だ、美味い水じゃねぇか!!・・あ、おかわりぃ。」
「・・・ハァ、呑気なの?」
ルカの言葉に、呆れた表情のエーテルがキッと睨みつけた瞬間、私はエーテルに思い切り抱き着いて喜んだ。
「やったわぁ!!すごいじゃないの、エーテルも、貴方の神獣のシルヴィアも最強だわ!!
これでこの村は救われる。
わたし、今日からエーテルのこと神獣無双先輩って呼ぶわ!!」
「・・・あの、アレクシア様!?
神獣無双先輩って・・。何でしょうか??」
3箇所の浄化を終えて、戻ってきたシルヴィアが地上へとスラリと長い脚で降り立った。
エーテルの元へやって来ると、褒められながら撫でられて幸せそうに喜んでいた。
「うーん・・。神獣と、主って・・。
これが通常なのよね?」
わたしの隣で大の字で横になって休日のおっさん姿勢になっている私の神聖獣とは天と地との差なんだけど!!
腹かくなよ・・。
「ねぇ、エリザベート。貴方は浄化の神力は使えないの??」
「ブキュゥゥィ・・。ブブッ。」
「・・あっ、そう?
貴方は何が秀でてるのかしら?
早食いなの!?それとも、手当たり次第の破壊発動な訳?!・・・ちょっとはやる気出しなさいよ!!神聖獣なんでしょう!?」
「アレクシア様、神聖獣様はまだ生まれた経てなので・・。これから主従関係が育ちますわ。
・・多分。」
「嬢ちゃん、気にすることねぇよ。
見ろよ、うちのバイコーンのアヴァンなんかよぉ。
シルヴィアを襲いにいっちゃって帰ってこないぜぇ・・。あいつ、雌見ると見境ないからなぁ。」
「・・はぁ!?ちょっ、ちょっと・・。
うちのシルヴィアに触らないでよっ、汚らしい!!飼い主そっくりね・・。」
シルヴィアに、鼻息を荒く必死に襲い掛かってるアヴァンが黒い体で必死にマウントを取ろうとしていた。
「おいおい。よく見ろよエーテル・・。
シルヴィアも満更じゃなさそうだぜ?
ありゃあ、飼い主にそっくりだな。
素直じゃないところがよぉ・・。」
その言葉に、青筋立てたエーテルがアヴァンを氷剣を出して引き離しに向かった。
ルカと、エーテルはまだ喧嘩を止める気配がなかった。
私は膝を折って座るとエリザベートに話しかけた。
「ねぇ、エリザベート・・。
貴方は、何が得意なの??
この国を一緒に救って欲しいのよ。貴方の大好きなレオを一緒に助けようよ・・・。」
その言葉に、一瞬目を大きく見開いたエリザベートは私と見つめ合った。
「キュウ、ブキュブキュウ。」
(どうでもいい。ご飯まだ?)
「はいはい。今、あげますよ・・。」
私は、頷いて自分の鞄に入っていた自分のお昼ご飯用の
おにぎり大をエリザベートに食べさせた。
大方の治療と井戸の浄化が終わり、私は騎士団とファーマシスト達を
集めて対策を講じることに成功した私達は数名の治療班と、警備班を残すと急いでロージアナへ向かった。
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