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ファーマーズラボラトリー。
ファーマーズラボラトリー⑦
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そのやり取りを見て、ルーカスが噴き出した。
「あっはっは。何だよ、レオの奴!!嬢ちゃんにフラれてやんの。
お前、夜は何度もおかわりを強要して、そりゃぁもう、朝までしつこそうだもんなぁ。」
あっ、鋭い。
その上、図星か・・。
レオとチラッと目があった。
気まずいので私は咄嗟に目を反らした。
豪快に笑うルーカスに、レオも私も引きつった表情を浮かべていた。
「シア、僕は一般的だと思うけど。
シアの要望があれば、頑張っちゃうからね!!」
そこに、私目掛けてウィンクしながら割り込んできたユヴェールに、
レオが激怒して更にややこしくなることになったのだった。
「おい!!お前、ユヴェールっ・・!!!
シアにその淫らな視線を投げるな!!絶対に、俺が生きてる内は・・。
いや、死んでもだ・・!!シアにそんな事はさせないからな!!」
「えーっ、だって、レオはシアに嫌がられてるんだろ?しつこくし過ぎて・・。」
「ばっ、・・断じて違う!!シアは、その・・。恥ずかしがり屋なんだよ。
素直になれないだけだ!!いつも気持ちよさそうに・・・。」
パーーーン!!
「・・・馬鹿レオっ、最低!!ちょっと2人とも、もう、やめてよっ!!」
レオの頭を思い切り叩いた私は、真っ赤な顔で2人を睨む。
神力のテストと、神獣のテストはクリステンが目覚めた後でとなった。
恥ずかしさと、怒りでいっぱいの私は
2人を無視して、ガラスや鉢植えが粉々になった床をひたすら掃きまくっていた。
こうなったら午前の予定は、ひたすらラボの掃除ね・・!!
昼過ぎに目を覚ましたクリスは事の顛末を聞いて、私に感謝した。
「シアさん、本当にごめんね。
君のテストを行う予定だったのに。
それに、色々と有難う・・。
悪いんだけど僕、全然覚えてないんだ。」
「・・・でしょうね。」
予め予想はついていたので、間髪入れずに同意した。
弟のアレックスで免疫があった私は、扱いに慣れてる旨を説明すると、
クリスは驚いたように赤い瞳を輝かせて尊敬の念を浮かべた。
綺麗なルビーのような瞳は、何だか不思議な色を浮かべているようだった。
「でも、クリスの瞳って綺麗ね!
エーテルによく似てるわ。
真っ赤な宝石みたいだけど・・。
赤ってより、なんだろう金茶ぽくも見えるけど。」
「ああっ・・!!!
ごめん、つい直視しちゃったぁぁぁ!!
シアさん、大丈夫???
レオの婚約者なのに・・。ああぁっ!!どうしよう!!」
その言葉に意味が解らない私は、首を傾げた。
「・・その瞳がどうかした?
珍しいし、綺麗だとは思うけど。
別にそれ以上でも、それ以下でもないわ。」
その言葉に、後ろで薬草をいじっていたルーカスと当事者のクリスが驚いた。
「マジか、嬢ちゃん。クリスの魅了の瞳が利かないのか???!男の俺でも、時々危ないのに。」
魅了の瞳・・・。
・・何のことかしら??
「別に、何とも。全然、何も起こらないけど・・。えー、もっかい見せて!!」
顔を引っ張って近場でよく観察してみた。
「うわっ!痛いですよ・・!!
同性のルカが危ないのは、絶対に問題だ。吐きそう!!
気持ちが悪いから、なるべく僕を見ないでくれ。」
「クリスよぉ、失礼なこと言うなよー。傷つくじゃねぇか。
嬢ちゃん、クリスの瞳は直視すると、それはもう心底惚れちゃう魅了の神力が込められていてなぁ。
生まれた時から、こいつはずっと女に追い回されて苦労してきたんだよ。」
魅了の神力・・・。
私はハッとした。
「まさか・・。レオにもあるんじゃないの、それ??」
「もちろん、あいつは強ぉい魅了も持ってるし、防衛も、攻撃も移動もオールマイティだぜぇ。」
なるほど・・。
遂に、蛍光灯王子の謎が解けたわ!!
寝所で撃退する為の参考になるじゃないの!!
ラッキー。
「あー・・。確かに、レオの魅了で、耐性でも付くものなのかな?
そんな話、聞いたことはないけど。
本気でシアさんの事を落とそうとしてるだろうから。
魅了を全力全開で、使ってそうだもの。・・レオ、腹黒いから。」
全力の魅了?
・・・何それ?
怖すぎる。
クリスは妙に納得したように頷いた。
「ところでクリス!!今度暴れた場合、遠慮しないで催涙スプレー使っていい?」
「それは勘弁してくれるかな?実はまだ手足に痺れが残ってる。
頼むから、調合見直して見てよ・・・。」
困ったような表情を浮かべたクリスに、ルーカスが豪快に笑っていた。
「あー、でも、楽になったな!!女の人と働くなんて恐怖だったよ。
でも、シアさんは調薬技術も素晴らしいし、一度嗅いだら同じの作れるし
優秀だから・・。あとは、この瞳だけが心配だった。」
「シアさん、ファーマシストして一緒に働くことになった女性が君で良かったよ。」
安心したように、私を見て笑った。
なんだか懐かしい感じ・・。
私は、可愛いアレックスを思い出していた。
「光栄だわ。改めて宜しくね、クリス!」
赤い瞳が細められ、銀糸の髪は美しい夜を静かに照らす月のようだった。
それはもう、この世のものとは思えない位に美しい笑顔だったのだ。
「本当に良かったよなぁ、クリス。
後は2人きりになった時の俺にだけ、気をつけろよー。」
「あははは・・・。気持ち悪い。いつか殺すよ?ルカ。」
・・・こんな感じでいつも和気あいあいとした雰囲気で過ごしている。
ファーマシトとして医薬品を作るこのラボは、植物、農産物全てを扱うファーマーズラボと呼ばれている。
この研究棟の人材は、・・かなり個性的だった・・。
「あっはっは。何だよ、レオの奴!!嬢ちゃんにフラれてやんの。
お前、夜は何度もおかわりを強要して、そりゃぁもう、朝までしつこそうだもんなぁ。」
あっ、鋭い。
その上、図星か・・。
レオとチラッと目があった。
気まずいので私は咄嗟に目を反らした。
豪快に笑うルーカスに、レオも私も引きつった表情を浮かべていた。
「シア、僕は一般的だと思うけど。
シアの要望があれば、頑張っちゃうからね!!」
そこに、私目掛けてウィンクしながら割り込んできたユヴェールに、
レオが激怒して更にややこしくなることになったのだった。
「おい!!お前、ユヴェールっ・・!!!
シアにその淫らな視線を投げるな!!絶対に、俺が生きてる内は・・。
いや、死んでもだ・・!!シアにそんな事はさせないからな!!」
「えーっ、だって、レオはシアに嫌がられてるんだろ?しつこくし過ぎて・・。」
「ばっ、・・断じて違う!!シアは、その・・。恥ずかしがり屋なんだよ。
素直になれないだけだ!!いつも気持ちよさそうに・・・。」
パーーーン!!
「・・・馬鹿レオっ、最低!!ちょっと2人とも、もう、やめてよっ!!」
レオの頭を思い切り叩いた私は、真っ赤な顔で2人を睨む。
神力のテストと、神獣のテストはクリステンが目覚めた後でとなった。
恥ずかしさと、怒りでいっぱいの私は
2人を無視して、ガラスや鉢植えが粉々になった床をひたすら掃きまくっていた。
こうなったら午前の予定は、ひたすらラボの掃除ね・・!!
昼過ぎに目を覚ましたクリスは事の顛末を聞いて、私に感謝した。
「シアさん、本当にごめんね。
君のテストを行う予定だったのに。
それに、色々と有難う・・。
悪いんだけど僕、全然覚えてないんだ。」
「・・・でしょうね。」
予め予想はついていたので、間髪入れずに同意した。
弟のアレックスで免疫があった私は、扱いに慣れてる旨を説明すると、
クリスは驚いたように赤い瞳を輝かせて尊敬の念を浮かべた。
綺麗なルビーのような瞳は、何だか不思議な色を浮かべているようだった。
「でも、クリスの瞳って綺麗ね!
エーテルによく似てるわ。
真っ赤な宝石みたいだけど・・。
赤ってより、なんだろう金茶ぽくも見えるけど。」
「ああっ・・!!!
ごめん、つい直視しちゃったぁぁぁ!!
シアさん、大丈夫???
レオの婚約者なのに・・。ああぁっ!!どうしよう!!」
その言葉に意味が解らない私は、首を傾げた。
「・・その瞳がどうかした?
珍しいし、綺麗だとは思うけど。
別にそれ以上でも、それ以下でもないわ。」
その言葉に、後ろで薬草をいじっていたルーカスと当事者のクリスが驚いた。
「マジか、嬢ちゃん。クリスの魅了の瞳が利かないのか???!男の俺でも、時々危ないのに。」
魅了の瞳・・・。
・・何のことかしら??
「別に、何とも。全然、何も起こらないけど・・。えー、もっかい見せて!!」
顔を引っ張って近場でよく観察してみた。
「うわっ!痛いですよ・・!!
同性のルカが危ないのは、絶対に問題だ。吐きそう!!
気持ちが悪いから、なるべく僕を見ないでくれ。」
「クリスよぉ、失礼なこと言うなよー。傷つくじゃねぇか。
嬢ちゃん、クリスの瞳は直視すると、それはもう心底惚れちゃう魅了の神力が込められていてなぁ。
生まれた時から、こいつはずっと女に追い回されて苦労してきたんだよ。」
魅了の神力・・・。
私はハッとした。
「まさか・・。レオにもあるんじゃないの、それ??」
「もちろん、あいつは強ぉい魅了も持ってるし、防衛も、攻撃も移動もオールマイティだぜぇ。」
なるほど・・。
遂に、蛍光灯王子の謎が解けたわ!!
寝所で撃退する為の参考になるじゃないの!!
ラッキー。
「あー・・。確かに、レオの魅了で、耐性でも付くものなのかな?
そんな話、聞いたことはないけど。
本気でシアさんの事を落とそうとしてるだろうから。
魅了を全力全開で、使ってそうだもの。・・レオ、腹黒いから。」
全力の魅了?
・・・何それ?
怖すぎる。
クリスは妙に納得したように頷いた。
「ところでクリス!!今度暴れた場合、遠慮しないで催涙スプレー使っていい?」
「それは勘弁してくれるかな?実はまだ手足に痺れが残ってる。
頼むから、調合見直して見てよ・・・。」
困ったような表情を浮かべたクリスに、ルーカスが豪快に笑っていた。
「あー、でも、楽になったな!!女の人と働くなんて恐怖だったよ。
でも、シアさんは調薬技術も素晴らしいし、一度嗅いだら同じの作れるし
優秀だから・・。あとは、この瞳だけが心配だった。」
「シアさん、ファーマシストして一緒に働くことになった女性が君で良かったよ。」
安心したように、私を見て笑った。
なんだか懐かしい感じ・・。
私は、可愛いアレックスを思い出していた。
「光栄だわ。改めて宜しくね、クリス!」
赤い瞳が細められ、銀糸の髪は美しい夜を静かに照らす月のようだった。
それはもう、この世のものとは思えない位に美しい笑顔だったのだ。
「本当に良かったよなぁ、クリス。
後は2人きりになった時の俺にだけ、気をつけろよー。」
「あははは・・・。気持ち悪い。いつか殺すよ?ルカ。」
・・・こんな感じでいつも和気あいあいとした雰囲気で過ごしている。
ファーマシトとして医薬品を作るこのラボは、植物、農産物全てを扱うファーマーズラボと呼ばれている。
この研究棟の人材は、・・かなり個性的だった・・。
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