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姐さんと呼ばないで!
姐さんと呼ばないで!①
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生徒会室のソファーの上で、スヤスヤと寝息を立ててアレックスが眠りについていた。
レオは、アレクシアによく似たプラチナブロンドの髪を見つめると頬を緩める。
「何でここに、カイルがいるのかな??」
私のお手伝いを買って出たユヴェールが、お盆に乗せたティーカップを運んでいた。
明らかにアクロバティックボール部とは毛並みの違う、すらりとした美男子に向かって微笑んだ。
「帰ろうとしたらロナウンに頼まれたんでね・・。ちょっとした人助けだよ。」
整った美少年が薄く笑ったまま答える。
「カイルの国は、うちの父の取引先の国だから小さい頃から知り合いなんだ・・!!」
ロナウンは、笑顔で紅茶を受け取る。
「へー・・。人助けねぇ・・。」
ユヴェールが半信半疑の様子でカイルを見上げていた。
部屋の中には、優しい苺の紅茶の香りが漂っていた。
「はい、どうぞ。美味しい紅茶が入ったわよ・・。」
私は最後のカップをロナウンの前へと置いた。
「おおっ・・。いい香りだな。」
生徒会室の長机には、アクロバティックボール部キャプテンの「ロナウン=ネイブ=ヘーゲル」
制服姿の男性「カイル=アーシス=メイドン=アル=ザイード」を含む、他部員たち6名が椅子に座っていた。
人数分の紅茶と、焼き菓子を並べた私はみんなに向かって笑顔で礼を言った。
「みんな、有難う。お陰様で、最小限の被害で済んだわ・・!!」
「あれが最小被害なのか・・。理解に苦しむな。・・全体的に。」
レオが、青ざめた表情で私を見ていた。
「この間は温室のビニールハウスを半壊させたのよ?危ないったらありゃしないわ・・。」
「それは・・。ちょっとパワフルだね。流石、シアの弟さんだ。」
ユヴェールは、席に座って落ち着いた笑顔を私に向けた。
「ユヴェール、それは・・。パワフルを通りこして怪物の所業だと思うぞ。」
ズズッと紅茶を啜りながら、レオは顔を顰めていた。
「姐さんが無事で、良かったッス!!俺ら、間に合ったんすね??」
アクロバティックボール部の、縞々模様のユニフォームを着た男子生徒が嬉しそうにほほ笑んでいた。
私は、チッと舌打ちした。
「・・・姐さんて、言うなよ。」
私は、ボソッと呟くとロナウンがうんうんと頷いていた。
「貸した借りは返さねばならないからな・・!!いつもお世話になっているほんのお礼だ!!」
「さっきから、貸しだの、借りだの・・。何のことだ?」
レオが、眉を顰めてロナウンやアクロバティックボール部の面子を睨みつけていた。
「ちょっと答えを見せてもらった・・。ゴホン。えーと、勉強の面で彼女に、助けてもらっているんだ。」
「おい、ちょっと待て・・!!生徒会の役員が、カンニングの片棒を担いだのか?」
「今度赤点だったら、活動停止で大きな大会に出れなくなりそうだったの。
・・ちょっと、教えただけよ。」
「それをカンニングと呼ぶんだろ・・!?どうかしてるぞ。シア。」
頭を抱えたレオに、ユヴェールは平和的解決を求めるように宥める。
レオは、アレクシアによく似たプラチナブロンドの髪を見つめると頬を緩める。
「何でここに、カイルがいるのかな??」
私のお手伝いを買って出たユヴェールが、お盆に乗せたティーカップを運んでいた。
明らかにアクロバティックボール部とは毛並みの違う、すらりとした美男子に向かって微笑んだ。
「帰ろうとしたらロナウンに頼まれたんでね・・。ちょっとした人助けだよ。」
整った美少年が薄く笑ったまま答える。
「カイルの国は、うちの父の取引先の国だから小さい頃から知り合いなんだ・・!!」
ロナウンは、笑顔で紅茶を受け取る。
「へー・・。人助けねぇ・・。」
ユヴェールが半信半疑の様子でカイルを見上げていた。
部屋の中には、優しい苺の紅茶の香りが漂っていた。
「はい、どうぞ。美味しい紅茶が入ったわよ・・。」
私は最後のカップをロナウンの前へと置いた。
「おおっ・・。いい香りだな。」
生徒会室の長机には、アクロバティックボール部キャプテンの「ロナウン=ネイブ=ヘーゲル」
制服姿の男性「カイル=アーシス=メイドン=アル=ザイード」を含む、他部員たち6名が椅子に座っていた。
人数分の紅茶と、焼き菓子を並べた私はみんなに向かって笑顔で礼を言った。
「みんな、有難う。お陰様で、最小限の被害で済んだわ・・!!」
「あれが最小被害なのか・・。理解に苦しむな。・・全体的に。」
レオが、青ざめた表情で私を見ていた。
「この間は温室のビニールハウスを半壊させたのよ?危ないったらありゃしないわ・・。」
「それは・・。ちょっとパワフルだね。流石、シアの弟さんだ。」
ユヴェールは、席に座って落ち着いた笑顔を私に向けた。
「ユヴェール、それは・・。パワフルを通りこして怪物の所業だと思うぞ。」
ズズッと紅茶を啜りながら、レオは顔を顰めていた。
「姐さんが無事で、良かったッス!!俺ら、間に合ったんすね??」
アクロバティックボール部の、縞々模様のユニフォームを着た男子生徒が嬉しそうにほほ笑んでいた。
私は、チッと舌打ちした。
「・・・姐さんて、言うなよ。」
私は、ボソッと呟くとロナウンがうんうんと頷いていた。
「貸した借りは返さねばならないからな・・!!いつもお世話になっているほんのお礼だ!!」
「さっきから、貸しだの、借りだの・・。何のことだ?」
レオが、眉を顰めてロナウンやアクロバティックボール部の面子を睨みつけていた。
「ちょっと答えを見せてもらった・・。ゴホン。えーと、勉強の面で彼女に、助けてもらっているんだ。」
「おい、ちょっと待て・・!!生徒会の役員が、カンニングの片棒を担いだのか?」
「今度赤点だったら、活動停止で大きな大会に出れなくなりそうだったの。
・・ちょっと、教えただけよ。」
「それをカンニングと呼ぶんだろ・・!?どうかしてるぞ。シア。」
頭を抱えたレオに、ユヴェールは平和的解決を求めるように宥める。
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