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2章 魔法使いとストッカー
17 お怒りのマーサ
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「ジェリー先生に変わり、本年度から私が魔法陣を教えます。簡単ですが、私の経歴をお話しします」
お色気ムンムンのマーサに男子達はそわそわしている。授業に身が入るのかな?これ笑。
てか、ミーナ君の様子が変だったのはマーサだったのか。でも、マーサが先生?どうなってるの?
「私は特進科を経て上級学校を卒業しています。専攻は魔法陣です。その後、魔法庁の魔法陣部へ勤めます。まぁ、その後は色々ありまして、最終職歴は魔法庁嘱託研究員。魔法陣研究家です」
男子達はぽわ~んと目がハートマークだ。マーサの話が全く入ってなさそう。
「先生、ジェリー先生は辞められたのですか?」
おずおずと小柄でホワホワした女の子、カミラ君が質問する。
「ええ。ジェリー先生はいらっしゃるんだけど、お年の事もあり今後は監督役になりました。補佐的な感じです。授業は私が担当します」
「はい!先生は、独身ですか?」
勇者、マックス君が顔を真っ赤にしながら手を挙げる。
「ふふふ。そうね。今は募集中よ」
ざわざわ。男子達が『お~!』『やったぜ』と騒ぎ出す。
一方女子は。。。目が死んでいる。。。あはは。
「静かに。質問はもういいですね。では、授業を始めます。教本3ページ」
マーサは先生らしく、教本片手に授業を開始した。シンプルなワンピースに白衣。黒縁メガネが何だかエロく見える。
私はみんなと同じく授業に集中しようとするが、やっぱり気になるよね。てか、マーサの登場の時の『ニヤリ』が気になる。。。うぅ。
終了の鐘が鳴り第1回目の魔法陣の授業が終了した。今日はこれで全ての授業が終了です。
「ジェシカ。この後、放課後、先生の執務室まで来るように。魔法塔の方ね」
マーサはそれだけ言ってさっさと教室を出て行った。
「ミーナ君!」
私はバッとミーナを見る。
「ジェシカ君。すみません。ロッシーニ様に伺った際に内緒にするように指示されていまして。。。私も知ったのは昼食の席で。。。すみません」
私は小声でコソコソ話す。
「そう。。。いいの。わかったわ。マーサと私達の関係はクラスには内緒に」
「えっ?わかりました」
ミーナはハテナになっているが、今の所どうすればいいかわからないから秘匿する方向で行こう。帰ってロダンに確認だ。てか、その前に本人に会うか。。。とほほ。
授業が終わってザワザワするクラスメイト達。主に男子達。みんな顔にウキウキが出まくっている。
「やっぱり男子はバカばっかね。あんな美人。相手にされないっての」
メリッサ君は呆れ顔で愚痴っている。カバンを持っている、もう帰るようだ。
「ふふふ。女性の私でもドキッとするわ。しょうがないわよ」
私も教本など荷物をまとめながら話を合わせる。
「は~。しかし、ジェシカ君。早速呼び出しされてたけど、何かしたの?」
メリッサ君は純粋に私を心配してくれているのかな?。。。いや~、しでかしたって言うか、ねぇ?
「そうだよ、ジェシカ君!着いて行ってあげようか?初日に呼び出しなんて心細いだろう?」
マックス君はどうにかマーサに会いのか欲望が駄々漏れている。
「あはは。ありがとう。でも大丈夫よ。多分、編入した関係じゃないかな?1年生の時の授業の事とかの。。。正直わからないけど」
「マックス君。バカだな。そんな簡単にマーサ先生に近づこうとしても無駄だよ。上級生に睨まれるのがオチだ」
フィン君はマックス君の肩に手を落として慰める。
「しかし、すごい美人だったな。あれで元魔法庁だろ?実力で行ったのかな?」
魔法陣研究に興味があるテオ君は、ちょっとマーサの外見によからぬ印象を受けたようだ。
「美人でも頭がいい人はいるわよ。いくら魔法庁でも顔で入庁させないわ。実力もあるのでしょう。。。いいわね、何でも持ってる人は」
メリッサ様はマーサを認めた?のかな?ちょっと羨ましそうだ。
「ふふふ。そうね。私たちもがんばりましょう」
と、ミーナ君が話をまとめたので、今日はこれで解散した。
私はロッシーニとニックを待ってから、みんなで魔法塔へ移動する。
「ロッシーニ、びっくりしたわ。なぜ秘密だったの?」
魔法塔へ行く道すがらロッシーニに問い正す。
「はい。申し訳ございません。私は昨夜知ったのですが、マーサ様よりジェシー様の耳に入れないように言われておりまして」
「そう。。。何で私だけ?」
「さぁ。。。しかし、今からお会いになりますし、直接聞かれては?」
「そうね」
魔法塔の1階に着いた私達は受付に学生カードを提示して2階へ通される。
階段を上ると左側にフロアがあり、応接セットがいくつか並ぶ。右側に部屋がずらっと並んでいる。『マーサ・クルス 魔法陣教諭』のドアを見つけ、ロッシーニがドアを叩いて入室を伺う。
コンコンコン。
「はい。あら?皆さんお揃いで。ふふふ。折角だけど、お嬢様以外は向かいの応接間で待機していて」
「いえ。マーサ様。私は口を挟みませんので、後ろにつきたいのですが」
「ダメよ。内容が内容だから。。。お嬢様にはアレがあるから大丈夫よ。それにここは学校よ。警備も万全よ」
マーサはロッシーニ達を下がらせ、私を中に案内する。
「お嬢様はこちらに。まだ、荷ほどきが出来ていなくて申し訳ないわ」
部屋に入ると、応接用のソファーがあり、奥に机と資料の棚、その奥にはドアがある。
「ええ。マーサ先生?でいいのかしら?びっくりしたわよ」
「ふふふ。ここでは先生でお願いします。私もジェシカとお呼びしますよ。お許し下さいね。でも、びっくりしたのなら成功ね。私はお返しをしたんです。ふふふ」
マーサはお茶を入れてくれて、向かいに座る。
「お返し?私何かしたかしら?」
「まぁ、自覚がないの?私の人生を勝手に決めようとしたでしょう?私、心底びっくりしたのですよ」
。。。まさか、もう話が行っていたのか。。。早すぎる、アダム様。
「そ、それに関してはごめんなさい。アダム様の件よね?」
「ええ。まずはジェシカ、『檻』を。警備は万全でも、万一を考えて。防音も兼ねてお願いします」
私は『檻』を発動した。
「お嬢様、昨日、お嬢様がエルメダ様のお屋敷へ行っている間に、ご主人様の立会いの元アダム様に話を伺いました。私の事なのに。。。青天の霹靂とはこの事ですよ」
「そなのね。私はアダム様がマーサにどのくらい話をされているのかわからないわ」
「あぁ、そうですね。では、昨日宰相様から私の研究レポートをお嬢様から預かった事を聞きました。それで、まず宰相様だけで精査するのに時間がかかるので、少し待って欲しいと言われました。そして、待っている間、王城へ来る事も打診されました。これはわかります?」
しまった。。。エド様の事かな?しかし、アダム様、ストレートすぎでしょ。はぁ。
「あぁ!その顔、やっぱり。お嬢様の仕業ですね。もう!!!私、いきなり『王様の事は男性として見れるか?』って質問されてびっくりしたのですよ。心臓が止まるかと思いました」
「ご、ごめんね。アダム様ったら。。。」
「アダム様はお嬢様の意見とは言ってませんよ。さっきのお嬢様の顔でわかりました。。。もう!」
「すみません。。。マーサの身の安全を考えられる最上が王様だと思ってね。あれでも顔はいいし、年もそんなに離れてないかな~なんて。。。マーサの気持ちも確かめないで、勝手にごめんなさい」
「いいですよ。お嬢様の気持ちはわかりました。ごほん。それで、いきなりそんな事聞かれたので、なぜそのようになったのか聞くと、『この研究が明るみになった際は、後ろ盾や警備の問題が出て来る。あなたの身が危険だ。もし、王を男性として愛せるなら王妃にならないか?または、第二夫人でもいい』と言われたのです」
「そう。。。で?」
「もちろん断りましたよ。私は死んだ主人をまだ愛しています。。。生涯で恋をし愛したのはあの人だけですから。そしたら『断られては王城に招く理由がない。今この研究の事がある以上、一時的だが王城に近くて警備が万全な学校へ行ってくれ』と言われて。。。分かってはいます。私が身を寄せているロンテーヌのお屋敷にいるのは領主一族を守る為の領騎士達ですからね。。。それで私は昨日の今日で慌てて引っ越しですよ!大変だったのですよ」
そっか。。。アダム様、第2案まで用意しているとは。。。でもよく先生なんて手配できたよね~。さすが宰相なだけはある。
「それは、ご苦労様。。。でも、あの研究はそれぐらい危険な物になりかねないの。残念だけど。学校なら色々な人の目があるし警備上でも安心ね。アダム様考えたわね。しっかし、マーサ、白衣が似合っているわ。男子生徒がメロメロになってたわよ。ふふふ」
「はぁ~。もう、お嬢様は。。。それで、今後ですが私は研究結果について『放棄』しようかと思っています」
「えっ!どう言う事???」
「ですから、世に出るのなら『発案者は私』と言うのを王様に譲ろうかと思いまして」
何で!!!私はびっくりしすぎて声が出ない。
「ふふふ。長年行き詰まっていた研究は完成し良い結果が出ました。でも、これはお嬢様やランド様がいて完成したようなものです。それに王様、国が主権を握って王族に帰した方が、兵器ではなく良い方に活用してくれると思うんです。。。それに私はやっぱり3食屋根付きの研究三昧なロンテーヌ領が大好きなのですよ。生涯、ロンテーヌ領に骨を埋める覚悟があるのです。研究が形になった時に薄っすら考えてはいたんですよ」
マーサは生涯研究と言っていた、大事な大事な子供のような存在の研究結果を手放すと言っている。
「そ、そうなの。。。本当にいいの?これはお兄様は知っている?」
「いえ。宰相様もご主人様も、誰にも言っていません。お嬢様だけです。宰相様の精査が終われば、多分話し合いが設けられるでしょう?その時に言おうかと思っています」
「わかったわ。今回、私が勝手にアダム様に話してしまったし。。。この事は誰にも言いません。約束するわ」
ええ。マーサは憑き物が取れたようにスッキリな雰囲気になっている。自分の中で区切りがついたのかな?
いや~でも。そっか。。。エド様振られたか。。。は~。どうなるのかな。いい方向に行って欲しいな。
お色気ムンムンのマーサに男子達はそわそわしている。授業に身が入るのかな?これ笑。
てか、ミーナ君の様子が変だったのはマーサだったのか。でも、マーサが先生?どうなってるの?
「私は特進科を経て上級学校を卒業しています。専攻は魔法陣です。その後、魔法庁の魔法陣部へ勤めます。まぁ、その後は色々ありまして、最終職歴は魔法庁嘱託研究員。魔法陣研究家です」
男子達はぽわ~んと目がハートマークだ。マーサの話が全く入ってなさそう。
「先生、ジェリー先生は辞められたのですか?」
おずおずと小柄でホワホワした女の子、カミラ君が質問する。
「ええ。ジェリー先生はいらっしゃるんだけど、お年の事もあり今後は監督役になりました。補佐的な感じです。授業は私が担当します」
「はい!先生は、独身ですか?」
勇者、マックス君が顔を真っ赤にしながら手を挙げる。
「ふふふ。そうね。今は募集中よ」
ざわざわ。男子達が『お~!』『やったぜ』と騒ぎ出す。
一方女子は。。。目が死んでいる。。。あはは。
「静かに。質問はもういいですね。では、授業を始めます。教本3ページ」
マーサは先生らしく、教本片手に授業を開始した。シンプルなワンピースに白衣。黒縁メガネが何だかエロく見える。
私はみんなと同じく授業に集中しようとするが、やっぱり気になるよね。てか、マーサの登場の時の『ニヤリ』が気になる。。。うぅ。
終了の鐘が鳴り第1回目の魔法陣の授業が終了した。今日はこれで全ての授業が終了です。
「ジェシカ。この後、放課後、先生の執務室まで来るように。魔法塔の方ね」
マーサはそれだけ言ってさっさと教室を出て行った。
「ミーナ君!」
私はバッとミーナを見る。
「ジェシカ君。すみません。ロッシーニ様に伺った際に内緒にするように指示されていまして。。。私も知ったのは昼食の席で。。。すみません」
私は小声でコソコソ話す。
「そう。。。いいの。わかったわ。マーサと私達の関係はクラスには内緒に」
「えっ?わかりました」
ミーナはハテナになっているが、今の所どうすればいいかわからないから秘匿する方向で行こう。帰ってロダンに確認だ。てか、その前に本人に会うか。。。とほほ。
授業が終わってザワザワするクラスメイト達。主に男子達。みんな顔にウキウキが出まくっている。
「やっぱり男子はバカばっかね。あんな美人。相手にされないっての」
メリッサ君は呆れ顔で愚痴っている。カバンを持っている、もう帰るようだ。
「ふふふ。女性の私でもドキッとするわ。しょうがないわよ」
私も教本など荷物をまとめながら話を合わせる。
「は~。しかし、ジェシカ君。早速呼び出しされてたけど、何かしたの?」
メリッサ君は純粋に私を心配してくれているのかな?。。。いや~、しでかしたって言うか、ねぇ?
「そうだよ、ジェシカ君!着いて行ってあげようか?初日に呼び出しなんて心細いだろう?」
マックス君はどうにかマーサに会いのか欲望が駄々漏れている。
「あはは。ありがとう。でも大丈夫よ。多分、編入した関係じゃないかな?1年生の時の授業の事とかの。。。正直わからないけど」
「マックス君。バカだな。そんな簡単にマーサ先生に近づこうとしても無駄だよ。上級生に睨まれるのがオチだ」
フィン君はマックス君の肩に手を落として慰める。
「しかし、すごい美人だったな。あれで元魔法庁だろ?実力で行ったのかな?」
魔法陣研究に興味があるテオ君は、ちょっとマーサの外見によからぬ印象を受けたようだ。
「美人でも頭がいい人はいるわよ。いくら魔法庁でも顔で入庁させないわ。実力もあるのでしょう。。。いいわね、何でも持ってる人は」
メリッサ様はマーサを認めた?のかな?ちょっと羨ましそうだ。
「ふふふ。そうね。私たちもがんばりましょう」
と、ミーナ君が話をまとめたので、今日はこれで解散した。
私はロッシーニとニックを待ってから、みんなで魔法塔へ移動する。
「ロッシーニ、びっくりしたわ。なぜ秘密だったの?」
魔法塔へ行く道すがらロッシーニに問い正す。
「はい。申し訳ございません。私は昨夜知ったのですが、マーサ様よりジェシー様の耳に入れないように言われておりまして」
「そう。。。何で私だけ?」
「さぁ。。。しかし、今からお会いになりますし、直接聞かれては?」
「そうね」
魔法塔の1階に着いた私達は受付に学生カードを提示して2階へ通される。
階段を上ると左側にフロアがあり、応接セットがいくつか並ぶ。右側に部屋がずらっと並んでいる。『マーサ・クルス 魔法陣教諭』のドアを見つけ、ロッシーニがドアを叩いて入室を伺う。
コンコンコン。
「はい。あら?皆さんお揃いで。ふふふ。折角だけど、お嬢様以外は向かいの応接間で待機していて」
「いえ。マーサ様。私は口を挟みませんので、後ろにつきたいのですが」
「ダメよ。内容が内容だから。。。お嬢様にはアレがあるから大丈夫よ。それにここは学校よ。警備も万全よ」
マーサはロッシーニ達を下がらせ、私を中に案内する。
「お嬢様はこちらに。まだ、荷ほどきが出来ていなくて申し訳ないわ」
部屋に入ると、応接用のソファーがあり、奥に机と資料の棚、その奥にはドアがある。
「ええ。マーサ先生?でいいのかしら?びっくりしたわよ」
「ふふふ。ここでは先生でお願いします。私もジェシカとお呼びしますよ。お許し下さいね。でも、びっくりしたのなら成功ね。私はお返しをしたんです。ふふふ」
マーサはお茶を入れてくれて、向かいに座る。
「お返し?私何かしたかしら?」
「まぁ、自覚がないの?私の人生を勝手に決めようとしたでしょう?私、心底びっくりしたのですよ」
。。。まさか、もう話が行っていたのか。。。早すぎる、アダム様。
「そ、それに関してはごめんなさい。アダム様の件よね?」
「ええ。まずはジェシカ、『檻』を。警備は万全でも、万一を考えて。防音も兼ねてお願いします」
私は『檻』を発動した。
「お嬢様、昨日、お嬢様がエルメダ様のお屋敷へ行っている間に、ご主人様の立会いの元アダム様に話を伺いました。私の事なのに。。。青天の霹靂とはこの事ですよ」
「そなのね。私はアダム様がマーサにどのくらい話をされているのかわからないわ」
「あぁ、そうですね。では、昨日宰相様から私の研究レポートをお嬢様から預かった事を聞きました。それで、まず宰相様だけで精査するのに時間がかかるので、少し待って欲しいと言われました。そして、待っている間、王城へ来る事も打診されました。これはわかります?」
しまった。。。エド様の事かな?しかし、アダム様、ストレートすぎでしょ。はぁ。
「あぁ!その顔、やっぱり。お嬢様の仕業ですね。もう!!!私、いきなり『王様の事は男性として見れるか?』って質問されてびっくりしたのですよ。心臓が止まるかと思いました」
「ご、ごめんね。アダム様ったら。。。」
「アダム様はお嬢様の意見とは言ってませんよ。さっきのお嬢様の顔でわかりました。。。もう!」
「すみません。。。マーサの身の安全を考えられる最上が王様だと思ってね。あれでも顔はいいし、年もそんなに離れてないかな~なんて。。。マーサの気持ちも確かめないで、勝手にごめんなさい」
「いいですよ。お嬢様の気持ちはわかりました。ごほん。それで、いきなりそんな事聞かれたので、なぜそのようになったのか聞くと、『この研究が明るみになった際は、後ろ盾や警備の問題が出て来る。あなたの身が危険だ。もし、王を男性として愛せるなら王妃にならないか?または、第二夫人でもいい』と言われたのです」
「そう。。。で?」
「もちろん断りましたよ。私は死んだ主人をまだ愛しています。。。生涯で恋をし愛したのはあの人だけですから。そしたら『断られては王城に招く理由がない。今この研究の事がある以上、一時的だが王城に近くて警備が万全な学校へ行ってくれ』と言われて。。。分かってはいます。私が身を寄せているロンテーヌのお屋敷にいるのは領主一族を守る為の領騎士達ですからね。。。それで私は昨日の今日で慌てて引っ越しですよ!大変だったのですよ」
そっか。。。アダム様、第2案まで用意しているとは。。。でもよく先生なんて手配できたよね~。さすが宰相なだけはある。
「それは、ご苦労様。。。でも、あの研究はそれぐらい危険な物になりかねないの。残念だけど。学校なら色々な人の目があるし警備上でも安心ね。アダム様考えたわね。しっかし、マーサ、白衣が似合っているわ。男子生徒がメロメロになってたわよ。ふふふ」
「はぁ~。もう、お嬢様は。。。それで、今後ですが私は研究結果について『放棄』しようかと思っています」
「えっ!どう言う事???」
「ですから、世に出るのなら『発案者は私』と言うのを王様に譲ろうかと思いまして」
何で!!!私はびっくりしすぎて声が出ない。
「ふふふ。長年行き詰まっていた研究は完成し良い結果が出ました。でも、これはお嬢様やランド様がいて完成したようなものです。それに王様、国が主権を握って王族に帰した方が、兵器ではなく良い方に活用してくれると思うんです。。。それに私はやっぱり3食屋根付きの研究三昧なロンテーヌ領が大好きなのですよ。生涯、ロンテーヌ領に骨を埋める覚悟があるのです。研究が形になった時に薄っすら考えてはいたんですよ」
マーサは生涯研究と言っていた、大事な大事な子供のような存在の研究結果を手放すと言っている。
「そ、そうなの。。。本当にいいの?これはお兄様は知っている?」
「いえ。宰相様もご主人様も、誰にも言っていません。お嬢様だけです。宰相様の精査が終われば、多分話し合いが設けられるでしょう?その時に言おうかと思っています」
「わかったわ。今回、私が勝手にアダム様に話してしまったし。。。この事は誰にも言いません。約束するわ」
ええ。マーサは憑き物が取れたようにスッキリな雰囲気になっている。自分の中で区切りがついたのかな?
いや~でも。そっか。。。エド様振られたか。。。は~。どうなるのかな。いい方向に行って欲しいな。
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