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1章 ロンテーヌ兄妹
75 罪と罰1
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あれから、マーサとも話をした。マーサも泣きながら私の無事を喜んでくれた。
改めて、お兄様とも話をした。アンジェ様の事は一旦忘れるように言われた。
「俺とアンジェのせいで皆が心苦しいのは、俺が一生気に病んでしまう。だから俺の為にも、自分を優先させろ」
と、あくまで俺がと言ってくれる。お兄様の優しさが沁みてくる。
ロック爺も別の部屋にいる事がわかり、お見舞いに行った。すごく泣かれたけどロック爺の顔色がよくなっていて安心した。傷がちょっと痛々しかったけど。ごめんね、ロック爺。
「お嬢様。無理は禁物ですよ。エリは付いて行けませんからね」
エリはハンカチを握ってオロオロしている。
「大丈夫よ。今日はマーサが付き添ってくれるし、お爺様もロダンもいるから」
お爺様とのお話し合いから2日後の今日。私は王城へ行く。
馬車の中でふと思った。
「ねぇ、ロダン。関係者全員が揃うのよね。そうしたら、リットとランドも来るんじゃない?」
そうですね~。とロダンは浮かない返事だ。本当にあれから2人は姿を見せない。心配だなぁ。
王城へ着くと、成人の儀で謁見したあの広間に通された。
王様側は、王様、王妃様、第一王子、宰相様、第一騎士団団長、第一騎士団副団長、第二騎士団団長、大司教様、あとは知らない男性が2人。手に筆記用具を持っているから書記官かな?
会場の右横には口を塞がれた当事者2人のご令嬢と警備の騎士が3人。左側には我が領の領騎士とその妹?かな?小さな女の子、リット、ランドが立っていた。
!!!いるじゃん!
「本日はよく来てくれた、ジェシカ嬢。傷が癒えていない身体に無理をさせるが、記憶が薄れる前に話を聞きたい。今より審議を始める。関係者以外は外に出ろ。ドアを封鎖しろ」
王様が指示すると護衛と従者、侍者が一斉に外に出て鍵をかけた。マーサもいない。グレン第一騎士団長が『檻』を作動させる。
「これより魔法誓約がかかる。また、魔法の物理的攻撃は一切できない。心しておくように。2人の口を解放しろ」
2人のお嬢様は両手を後ろで縛られたままだったが、口布が取られた。何だか大人しい。。。暴れないんだ。
「では、始める。今回の事件の経緯は事前に知っておるな。知っている上で話を進める。まず、加害者フェルミーナ・フォン・グランド、アメリア・ベントン、申し開きはあるか?」
「ありますわ。お父様。なぜ私が縄に縛られるのです?ちょっとそこの令嬢に傷を負わせただけですわ」
フェルミーナ様は死んでないからいいじゃんと言っている。。。何この子、頭痛い。
「私は。。。フェルミーナ様にそそのかされて。。。王族ですし、断れませんでした。。。こんな事するつもりはありませんでした。。うわ~ん」
と、性格とは真逆の演技?でアメリア様は人のせいにして泣いている。。。こっちも頭が沸いている。
『人のせいにするんじゃないわよ!』『わ~ん』と2人で言い合いを始めた。
途端、あんなに気負っていた自分がバカらしくなった。
アホらし。何だこのガキ共は?
「今回原因のリットとランドはどうだ?」
ランドは私が部屋に入ってから一度もこちらを見ていない。
「はい。王様。私は3年前からフェルミーナ様にはうんざりしておりました。王様もご存知かと思います。私は、きちんと言葉にして『迷惑だ』と何度も本人に伝えております。むしろ被害者です。そして、今回はロンテーヌ領のジェシカ様が巻き添いになりました。その事に関しては、私がきちんと処分していなかったのが原因かと思います。申し訳ございませんでした」
と、私たちに向かって礼をしてきたが、目線は床を向いている。
こっちを見ろよ!おい!
「お主は?」
リットも同じ。
「はい。私もアメリア嬢のお父上に『お断りします』ときちんと言いました。しかし『上司である私の命令が聞けないのか?』と脅されましたので、騎士団を辞め、ロンテーヌ領で再就職したのです。お嬢様は完全なとばっちりです。カタを着けずに逃げた私も悪かったと思います。私もきちんと殺っておけばよかったと反省しております。ジェシカ嬢、本当に申し訳ございませんでした」
はいはい。リットさんもこちらを見ない。
「そうか。。。第一副団長、今回の騒動をどう見る?お前の娘だろう?」
ほ~。微妙な質問の仕方するなぁ?腹黒!でも、この返答次第で副団長はどうなるか。王様も結構ひどいな。先に副団長か。。。ピンチじゃん?
「はっ!上司として娘を押し付けた事はございません。また、娘は20歳。城官僚として立派に仕事をしているものと思っておりました」
わっ!バカ!それはダメ。副団長ダメダメだよ。
「ふ~ん。。。ロック・オレゴンはおるか?」
「恐れながら、王様。父ロックは傷がまだ癒えておりません。代わりに息子のロダンが参上致しました」
「ほ~。ロダン参謀の父上だったのか。今回は不運だった」
「いえ。恐れ多い事にございます。オレゴン家はロンテーヌ家の家令です。お嬢様をお守りするのが使命です。王様にお言葉を頂く事ではございません。しかも今回はお嬢様を守りきれませんでした。これは私共の不注意が招いた当たり前の結果。父の事失礼致しました」
「そうか。。。クライス。いい部下を持ったな」
「はい。オレゴン家は何者にも代え難く」
お爺様とロダンは恐縮している。少しロダンは涙目だ。お爺様の言葉がうれしかったのかな。
王様はその様子を見て、うんと頷くと次へ話し出す。
「そこの騎士、妹を人質に取られ、ロンテーヌ領の様子を密告していたそうだな?」
20歳ぐらいの若い騎士が手を震わせながら、胸の前に手を掲げ騎士礼をとる。
「はい。私は自分の妹の命と主人を天秤にかけ使命を放棄しました。処分は甘んじて受けるつもりです。ロンテーヌ領領主様、お嬢様申し訳ございませんでした。それから、リット様、あなたの期待を裏切りました。申し訳ございません。ただ、妹は助けて下さい。お願いいたします」
スパッとして潔い。これだよ!副団長さん!この様子なら王様も無下にはしないだろう。
「して、当の本人はどうだ?」
キタ。。。私の番だな。
「はい。恐れながら発言をお許しください。私は少し戸惑っています。愛情の矛先が私に向いた事を。なぜ、このご令嬢方は自分を棚に上げるのでしょうか?自分のした事の重みが解っていないように思います。邪魔をするのは身分ですか?それとも生まれ持った性格でしょうか?私は正しく法に処して下されば、特に申し上げる事はございません」
頭を下げて王様に礼をする。
先ほどから静かだなと思っていたら、いつの間にかフェルミーナ様とアメリア様はまた口を塞がれていた。。。はは。
「ははははは。何もないと言いながら、結構な事を言いおったな。やはり、お前は度胸がある」
と、王様はこんな空気の中一人笑っている。チッ。
「ジェシカ嬢、法に照らすとなると、王族は例外になってしまいます。落とし所はないのですか?」
宰相様、アダム様はこれではフェルミーナ様を罰せないから、被害者のお前から何か言えと言って来る。
おいおい、私にフルなよ。仕事しろ!
「いいんじゃない?宰相。そこの令嬢が『法に』と言うのであれば、いつも通りフェルミーナは謹慎でいいと思うのだけれど?」
優雅に扇子をパタパタさせる王妃ケリー様はフェルミーナ様を庇っている。あんなんでも娘だもんね。でも、この場でなぜそんなに踏ん反り返っていられるんだ?普通、泣いて許しを請うシーンじゃない?
「は~。お前は口を開くな。今までフェルミーナを任せろと言うから放置していたが。こんなクズになってしまった娘を、平気で人を傷つける娘を、お前は何とも思わないのか?」
「なっ!」
と、まさか自分に矛先が向くとは思っていなかったんだろう、ケリー様は絶句し、自分を守りたいのか沈黙する。
「父上。いや、陛下。ジェシカ嬢は恐れ多くて言葉に出来ないのですよ。『どんな言葉も咎めない』と、一言言ってあげればいいんじゃないでしょうか?私はどんな処罰を下すか聞いてみたいです」
第一王子がニヤニヤと王様に進言している。似た者親子じゃん。
「そうだな。では、ジェシカ嬢、今後『いかなる発言に咎はない』お前の考える処罰を申してみよ」
よし。言質とったよ!ナイスアシスト第一王子。
「はい。では、フェルミーナ様ですが、どうやら発言の端々を聞いて思ったのですが、悪い事をしても『王族』であるから、いくらでも許されると思っている印象を受けます。私も以前『公爵ごときが』と言われた事があります。今もそうです。『なぜ私が?』と言っています。全く自分が仕出かした事を理解していません。それは『王族』だからどうせ許してくれると、タカを括っているのではないでしょうか?ですので、王族より降下させ男爵の身分に落としご自身で生きるように。王様は親子の縁を切ってください。それだけでいいです」
ダラダラダラ。。。変な汗が流れる。ほんとに言っちゃったよ。大丈夫だよね?ロダンは手を握ってくれた。
「ほ~。平民にはせんのか?」
アダム様は面白がっている。顔がニヤついてるよ。
「はい。こんなわがままお嬢様は平民には迷惑です。ある日突然、ポッとこんなお嬢様が隣に住んだら、たまったもんじゃないと思います。かわいそうです。それに、フェルミーナ様は『王族』と言う特権が好きなのでしょう。ですから、貴族の最下位の男爵に落としてしまえばいいのです。これからはただの男爵。いえ『罪を犯した元王族の男爵』と言う名を、一生背負って社交界を生き抜かねばなりません。これは、本人にとって結構な重い罪になると思います。それに、王様にとっても、貴族位でいてくれた方が監視もしやすいでしょうから」
「ははははは。なるほど。陛下がおっしゃった通り、頭がずいぶん回るんですね。実にいい」
結構、悪質な罰だと思うけどな。。。第一王子、笑ってるよ。。。あんたの妹だよね?
「いえ。少しばかり思うとこがありまして。失礼しました。咎があるのならこの話はお忘れ下さい」
は~。しんど。
改めて、お兄様とも話をした。アンジェ様の事は一旦忘れるように言われた。
「俺とアンジェのせいで皆が心苦しいのは、俺が一生気に病んでしまう。だから俺の為にも、自分を優先させろ」
と、あくまで俺がと言ってくれる。お兄様の優しさが沁みてくる。
ロック爺も別の部屋にいる事がわかり、お見舞いに行った。すごく泣かれたけどロック爺の顔色がよくなっていて安心した。傷がちょっと痛々しかったけど。ごめんね、ロック爺。
「お嬢様。無理は禁物ですよ。エリは付いて行けませんからね」
エリはハンカチを握ってオロオロしている。
「大丈夫よ。今日はマーサが付き添ってくれるし、お爺様もロダンもいるから」
お爺様とのお話し合いから2日後の今日。私は王城へ行く。
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「ねぇ、ロダン。関係者全員が揃うのよね。そうしたら、リットとランドも来るんじゃない?」
そうですね~。とロダンは浮かない返事だ。本当にあれから2人は姿を見せない。心配だなぁ。
王城へ着くと、成人の儀で謁見したあの広間に通された。
王様側は、王様、王妃様、第一王子、宰相様、第一騎士団団長、第一騎士団副団長、第二騎士団団長、大司教様、あとは知らない男性が2人。手に筆記用具を持っているから書記官かな?
会場の右横には口を塞がれた当事者2人のご令嬢と警備の騎士が3人。左側には我が領の領騎士とその妹?かな?小さな女の子、リット、ランドが立っていた。
!!!いるじゃん!
「本日はよく来てくれた、ジェシカ嬢。傷が癒えていない身体に無理をさせるが、記憶が薄れる前に話を聞きたい。今より審議を始める。関係者以外は外に出ろ。ドアを封鎖しろ」
王様が指示すると護衛と従者、侍者が一斉に外に出て鍵をかけた。マーサもいない。グレン第一騎士団長が『檻』を作動させる。
「これより魔法誓約がかかる。また、魔法の物理的攻撃は一切できない。心しておくように。2人の口を解放しろ」
2人のお嬢様は両手を後ろで縛られたままだったが、口布が取られた。何だか大人しい。。。暴れないんだ。
「では、始める。今回の事件の経緯は事前に知っておるな。知っている上で話を進める。まず、加害者フェルミーナ・フォン・グランド、アメリア・ベントン、申し開きはあるか?」
「ありますわ。お父様。なぜ私が縄に縛られるのです?ちょっとそこの令嬢に傷を負わせただけですわ」
フェルミーナ様は死んでないからいいじゃんと言っている。。。何この子、頭痛い。
「私は。。。フェルミーナ様にそそのかされて。。。王族ですし、断れませんでした。。。こんな事するつもりはありませんでした。。うわ~ん」
と、性格とは真逆の演技?でアメリア様は人のせいにして泣いている。。。こっちも頭が沸いている。
『人のせいにするんじゃないわよ!』『わ~ん』と2人で言い合いを始めた。
途端、あんなに気負っていた自分がバカらしくなった。
アホらし。何だこのガキ共は?
「今回原因のリットとランドはどうだ?」
ランドは私が部屋に入ってから一度もこちらを見ていない。
「はい。王様。私は3年前からフェルミーナ様にはうんざりしておりました。王様もご存知かと思います。私は、きちんと言葉にして『迷惑だ』と何度も本人に伝えております。むしろ被害者です。そして、今回はロンテーヌ領のジェシカ様が巻き添いになりました。その事に関しては、私がきちんと処分していなかったのが原因かと思います。申し訳ございませんでした」
と、私たちに向かって礼をしてきたが、目線は床を向いている。
こっちを見ろよ!おい!
「お主は?」
リットも同じ。
「はい。私もアメリア嬢のお父上に『お断りします』ときちんと言いました。しかし『上司である私の命令が聞けないのか?』と脅されましたので、騎士団を辞め、ロンテーヌ領で再就職したのです。お嬢様は完全なとばっちりです。カタを着けずに逃げた私も悪かったと思います。私もきちんと殺っておけばよかったと反省しております。ジェシカ嬢、本当に申し訳ございませんでした」
はいはい。リットさんもこちらを見ない。
「そうか。。。第一副団長、今回の騒動をどう見る?お前の娘だろう?」
ほ~。微妙な質問の仕方するなぁ?腹黒!でも、この返答次第で副団長はどうなるか。王様も結構ひどいな。先に副団長か。。。ピンチじゃん?
「はっ!上司として娘を押し付けた事はございません。また、娘は20歳。城官僚として立派に仕事をしているものと思っておりました」
わっ!バカ!それはダメ。副団長ダメダメだよ。
「ふ~ん。。。ロック・オレゴンはおるか?」
「恐れながら、王様。父ロックは傷がまだ癒えておりません。代わりに息子のロダンが参上致しました」
「ほ~。ロダン参謀の父上だったのか。今回は不運だった」
「いえ。恐れ多い事にございます。オレゴン家はロンテーヌ家の家令です。お嬢様をお守りするのが使命です。王様にお言葉を頂く事ではございません。しかも今回はお嬢様を守りきれませんでした。これは私共の不注意が招いた当たり前の結果。父の事失礼致しました」
「そうか。。。クライス。いい部下を持ったな」
「はい。オレゴン家は何者にも代え難く」
お爺様とロダンは恐縮している。少しロダンは涙目だ。お爺様の言葉がうれしかったのかな。
王様はその様子を見て、うんと頷くと次へ話し出す。
「そこの騎士、妹を人質に取られ、ロンテーヌ領の様子を密告していたそうだな?」
20歳ぐらいの若い騎士が手を震わせながら、胸の前に手を掲げ騎士礼をとる。
「はい。私は自分の妹の命と主人を天秤にかけ使命を放棄しました。処分は甘んじて受けるつもりです。ロンテーヌ領領主様、お嬢様申し訳ございませんでした。それから、リット様、あなたの期待を裏切りました。申し訳ございません。ただ、妹は助けて下さい。お願いいたします」
スパッとして潔い。これだよ!副団長さん!この様子なら王様も無下にはしないだろう。
「して、当の本人はどうだ?」
キタ。。。私の番だな。
「はい。恐れながら発言をお許しください。私は少し戸惑っています。愛情の矛先が私に向いた事を。なぜ、このご令嬢方は自分を棚に上げるのでしょうか?自分のした事の重みが解っていないように思います。邪魔をするのは身分ですか?それとも生まれ持った性格でしょうか?私は正しく法に処して下されば、特に申し上げる事はございません」
頭を下げて王様に礼をする。
先ほどから静かだなと思っていたら、いつの間にかフェルミーナ様とアメリア様はまた口を塞がれていた。。。はは。
「ははははは。何もないと言いながら、結構な事を言いおったな。やはり、お前は度胸がある」
と、王様はこんな空気の中一人笑っている。チッ。
「ジェシカ嬢、法に照らすとなると、王族は例外になってしまいます。落とし所はないのですか?」
宰相様、アダム様はこれではフェルミーナ様を罰せないから、被害者のお前から何か言えと言って来る。
おいおい、私にフルなよ。仕事しろ!
「いいんじゃない?宰相。そこの令嬢が『法に』と言うのであれば、いつも通りフェルミーナは謹慎でいいと思うのだけれど?」
優雅に扇子をパタパタさせる王妃ケリー様はフェルミーナ様を庇っている。あんなんでも娘だもんね。でも、この場でなぜそんなに踏ん反り返っていられるんだ?普通、泣いて許しを請うシーンじゃない?
「は~。お前は口を開くな。今までフェルミーナを任せろと言うから放置していたが。こんなクズになってしまった娘を、平気で人を傷つける娘を、お前は何とも思わないのか?」
「なっ!」
と、まさか自分に矛先が向くとは思っていなかったんだろう、ケリー様は絶句し、自分を守りたいのか沈黙する。
「父上。いや、陛下。ジェシカ嬢は恐れ多くて言葉に出来ないのですよ。『どんな言葉も咎めない』と、一言言ってあげればいいんじゃないでしょうか?私はどんな処罰を下すか聞いてみたいです」
第一王子がニヤニヤと王様に進言している。似た者親子じゃん。
「そうだな。では、ジェシカ嬢、今後『いかなる発言に咎はない』お前の考える処罰を申してみよ」
よし。言質とったよ!ナイスアシスト第一王子。
「はい。では、フェルミーナ様ですが、どうやら発言の端々を聞いて思ったのですが、悪い事をしても『王族』であるから、いくらでも許されると思っている印象を受けます。私も以前『公爵ごときが』と言われた事があります。今もそうです。『なぜ私が?』と言っています。全く自分が仕出かした事を理解していません。それは『王族』だからどうせ許してくれると、タカを括っているのではないでしょうか?ですので、王族より降下させ男爵の身分に落としご自身で生きるように。王様は親子の縁を切ってください。それだけでいいです」
ダラダラダラ。。。変な汗が流れる。ほんとに言っちゃったよ。大丈夫だよね?ロダンは手を握ってくれた。
「ほ~。平民にはせんのか?」
アダム様は面白がっている。顔がニヤついてるよ。
「はい。こんなわがままお嬢様は平民には迷惑です。ある日突然、ポッとこんなお嬢様が隣に住んだら、たまったもんじゃないと思います。かわいそうです。それに、フェルミーナ様は『王族』と言う特権が好きなのでしょう。ですから、貴族の最下位の男爵に落としてしまえばいいのです。これからはただの男爵。いえ『罪を犯した元王族の男爵』と言う名を、一生背負って社交界を生き抜かねばなりません。これは、本人にとって結構な重い罪になると思います。それに、王様にとっても、貴族位でいてくれた方が監視もしやすいでしょうから」
「ははははは。なるほど。陛下がおっしゃった通り、頭がずいぶん回るんですね。実にいい」
結構、悪質な罰だと思うけどな。。。第一王子、笑ってるよ。。。あんたの妹だよね?
「いえ。少しばかり思うとこがありまして。失礼しました。咎があるのならこの話はお忘れ下さい」
は~。しんど。
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