【R18】女囚体験

さき

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13.収監式

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 一連の収監準備が終わると拘束されたまま別の大きな部屋に連行された。重い鉄球を引きずりながら歩かされる。足を動かすと鈴の音がして恥ずかしかった。

  部屋に入ると私と同じように髪を短く切られ、奴隷服を着て、奴隷紋をされた女囚が拘束されて等間隔に座っていた。みんな奴隷服を着ているもののほとんど裸のようなものだ。横から見ると乳房が丸見えだ。1人ずつ、床から金属の棒が伸びていてそこに鎖で繋がれている。

 奴隷服を着た姿は本当に惨めだ。服としての機能性がまったくないものを身に付けさせられている。大学で習ったアイデンティティの抑圧という言葉が頭に浮かんだ。着用者に屈辱感を与えるためだけの服なのだ。

「ここに座れ。正座!」

 私を連行した看守が命令をする。コンクリートの床に座って正座をした。足枷が足首に食い込んできて痛い。私の手枷も後ろ手に拘束されたまま棒に鎖で繋がれ、動けなくなった。とても惨めな気持ちだった。

 隣を見ると、2m程離れて奴隷番号1705番の刻印をされた女の子が拘束されたまま正座していた。下を見て項垂れている。はじめは気が付かなかったけど、よく見るとその女の子は楓ちゃんだった。眼鏡をしておらず、いつも丁寧に、三編みのおさげにしているロングヘアーが無残に短く切られていて気が付かなかった。

 更に部屋を見回すと、部屋の正面には大きな額縁が飾られていた。”奴隷の心得”と書かれている。内容はこんな感じだ。





 ”奴隷の心得”

1.私達は重罪を犯した犯罪者の奴隷です。家畜以下の雌奴隷として罪を償います。
2.私達は奴隷として服役するに当たり、人権が停止され、一切の肉体的、精神的自由が剥奪されます。
3.私達は奴隷として、すべての行動に看守様の許可が必要です。看守様に許可されたこと以外の行動をすることはできません。
4.看守様の命令には無条件に絶対服従します。私達奴隷には拒否権はありません。下された命令に不満は持ちません。
5.以上の心得に逸脱する行為があった場合、私達は奴隷として必要な懲罰を受けます。





 覚悟はしていたものの、率直に厳しい心得だと思った。もちろんここに書かれていることは基本的なことだけで他に私達奴隷が守らされる細かい規則は無数にあるのだろう。これから2ヶ月の間、この厳しいルールで生活していくことを考えると心が重くなった。

 私の後にもどんどん他の女囚が連行されてくる。みんな哀れで可哀想な格好をしていた。もちろん私も同じ奴隷服を着て屈辱的な姿で拘束されている。

 私達が座っている前方に比較的高齢の女性看守が立って私達を見回した。

「これより奴隷強制収容所の所長がお越しになられる。奴隷は額を床につけ平伏しなさい。初めてなので説明をするが、奴隷は許可なく収容所の所長を見ることは許されない。今後も所長を見たらその場で平伏するように」

 要は土下座をしろということらしかった。私は後ろ手に拘束されている状態で体を前に倒し額を床に押し当てた。何でこんなことをさせられるのか意味がわからなかった。ただただ悔しい。しばらくすると誰かが部屋に歩いて入ってきたのが音でわかった。

「これより収監式を始める。この式は、奴隷刑受刑者の人権を剥奪し、罪を償う覚悟を自覚させるために行うものである。本日、罪を犯し、奴隷刑となり新たに奴隷の身に落ちた者。28名」

 女性看守が宣告をする。私を含め関東から連れてこられたのは10名だったはずだ。残りの人達は他の地域から移送されてきたのだろう。

「はじめに所長の挨拶を拝聴する。所長、お願いいたします」

「奴隷は顔を上げなさい」

 許可が出たので顔を上げると先程は居なかった収容所の所長らしき男性が前に立っていた。

「私は奴隷強制収容所の所長の橋本といいます。お前たちは全員、重罪を犯し、ここに奴隷として収監された身です。受刑期間中は奴隷としてしっかりと罪を償ってもらいます。収容所での奴隷生活はとても厳しいものになるでしょう。しかし、それがお前たちが犯した罪の代償なのです。しっかりと刑期を務めることを期待します」

「奴隷は平伏しなさい」

 看守の指示で所長に対して頭を下げて土下座をする。しばらくするとまた頭を上げるよう指示があった。

「顔を上げなさい。次に奴隷の心得の読み上げを行う」

 看守が奴隷の心得を読み上げる。

「これは、お前達奴隷の心構えが書かれている。毎日、暗唱をするので暗記するように。それでは練習をする」

 看守が順番に私達の顔の防声具を外していく。私のところにもやってきて防声具が外された。

「それでは始めるぞ。始め」

「私達は重罪を犯した犯罪者の奴隷です」

 私も声を出すがそこで止められる。

「声が小さい!やり直し」

 その後も何度も小さいと言われたり、声が揃ってないと言われたりしてやり直しが入る。
 
 6回目にやり直しが命令された時だった。看守が楓ちゃんを詰問した。

「1705番。貴様読んでいないだろう」

「すいません。目が悪いので…」

「口答えをするな!罰として鞭打ち10回!」

 そうか。楓ちゃんは目が悪いので眼鏡がないと奴隷の心得を読むことができないのだ。楓ちゃんは土下座してお尻を高く上げたような姿勢を取らされる。

ビシッ!

 鞭が肌に当たる鈍い音が室内に響いた。奴隷服の形を見たときに予想したとおり楓ちゃんの奴隷服で覆われていないお尻に鞭が入れられる。2、3回目で赤く腫れ上がり、ミミズ腫れのようになってしまう。怖くなって目をそらした。

「読めないのはお前の身体に欠陥があるからだ。何度も読んでいるのだから聞いて覚えろ!どうして奴隷になって眼鏡を没収されているか考えたらそのような言葉は出ないはずだ。鞭の痛みで身体にしっかりと覚えさせろ」

 楓ちゃんは涙を流し歯を食いしばっていた。とても痛いのだろうし理不尽だ。

「すいませんでした…申し訳ありません!」

 楓ちゃんが泣きながら謝る声が聞こえた。その後も練習は続いた。

 読み上げが10回を超えた頃に、再び看守が声が揃っていないと私達の読み上げを止めた。

「無駄な手間をかけさせる。全員に鞭打ち5回」

 連帯責任で全員に鞭打ちが宣告される。余りにも簡単に懲罰が行われるので驚いた。全員が先程楓ちゃんがとったポーズを取らされる。看守が順番に女囚に鞭を入れていく。待っている間、恐怖で震えた。

「1707番。お前の番だ」

 鞭打ちに備えて、全身に力を入れて構えた。移送時に服の上から打たれた鞭より遥かに痛くて悲鳴を上げそうになった。鞭が直接肌に当たる。

「くっ…はぁ…はぁ」

 打たれ終わるとお尻が痛くてズキズキした。

「後5回以内に、大きな声で揃って読み上げられなければ、全員に10回の鞭打ちを追加する」

 看守が言った。みんな声を出していないわけではない。それでも許可が下りない。もっと大きな声を張り上げた。

「よろしい。今は読み上げだったが、今後は暗唱できるようにしっかりと覚えなさい」

 なんとか許可をもらうことができた。鞭打ちの恐怖からか泣いている女囚もいる。
 
「それでは次に首輪取り付けの儀式を行う。奴隷の証として所長から首輪を賜る。刑期を終えるまでこの首輪は外されないので覚悟しなさい」

 1人ずつ所長の前まで歩かされ、奴隷番号、刑期を言って首輪をつけられていく。ここまで何度も罪名や刑期を言わされてきたが、多分それは私達奴隷に罪を自覚させるためなのだろう。私の番が来て看守が私を警棒で突く。

「立て」
 
 看守が鎖を棒から外す。おとなしく命令に従い立つと両横を看守に挟まれ、所長のところへ連れて行かれた。そして所長の前に跪かされた。

「1707番、2ヶ月の奴隷刑です」

 私は自分の自己紹介をした。名前を奪われ本来の名前を名乗ることができなかったことが悲しかった。

「1707番。人権を剥奪します。受刑中は奴隷として生きなさい」

 所長の手で私の首に鉄製の首輪がつけられる。それは先程、身体検査のときに一度外された奴隷刑が決まったときに仮でつけられた首輪より頑丈で重いものだった。首筋に冷たい金属の感覚が伝わりガチャリと鍵がかけられた。

 首輪の装着が終わり、自分の座っているところへ戻ると看守に先程外された防声具を付けられた。どんどん拘束が厳重になっていく。首輪が付けられたことで奴隷になったという気持ちがとても強くなった。身体検査の時、首輪を付けずに収監式で付けるのは奴隷の身に落ちたということを実感させるためでもあるのだろう。周りの女囚は楓ちゃんのように項垂れている人、悔しそうな顔をしている人など色々な反応をしていた。

 全員が首輪を付けられ座ると、また司会の看守が話し始めた。

「これで、収監式を終了とする。所長が退室される。平伏しなさい」

 看守の命令が下る。身も心も奴隷となった私は違和感なく額を床につけ所長を見送った。
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