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第一章
14、一兎追って、確実に食す
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──ここでお前を孕ませる?
半壊し、人の気配が全くしないとはいえ、こんな街中で? しかも白昼堂々?
無理やり犯されるだけでも我慢ならないというのに、その上、野外でだなんてとんでもない。
「い、いやっ、離して! やだっ、やだぁ!」
アクアは足をバタつかせて拒絶を示すが、セルジュは意にも介していないようだった。熱く滾った己の欲望を尻肉に埋めたまま、いずこかへと歩いていく。
「抜かせ。発情しきっているくせに」
「はっ、発情なんて……! んっ、んんっ……!」
どこぞの路面店のショーウィンドウに背を押しつけられたかと思ったら、アクアの薄桃色した唇が、セルジュの唇で覆われた。始めは啄むように軽い口づけだったものが、次第に荒々しいものへ──言うなれば、情熱的なものへと移行する。上唇を食み、下唇を舐め、舌を舌で絡め取り。
逃れようと頭を動かしても、そうはさせないと言わんばかりにセルジュは追随してくる。執拗なキスにまともな呼吸をする間も与えられず、アクアの肺は酸素を求めて大きく上下していた。
まだ咥内を犯されているだけなのに、忘れかけていた性欲が沸々とぶり返してきた。このままでは、全身が快楽に溺れてしまう。
「ふぁ……やめ、てっ……」
アクアは蕩けた顔でセルジュに訴える。しかし当然、それでセルジュが止まってくれるわけもない。
大きな掌が、アクアの右胸をやわやわと揉みしだく。遠慮がちだったのは最初のほんの数秒だけで、すぐに指がバニースーツの中に忍び込んできた。無骨な指なのに、ぷっくりと熟れた乳頭の先端を、円を描くようにゆっくりとなぞる所作は繊細で、もどかしくすらある。
胸への愛撫が加わっただけなのに、脳が溶けていく。媚薬で昂った身体に追い打ちをかけられて、アクアは白い肌をぷるぷると震わせながら、願ってしまった。
(気持ち良くなりたい……)
口を塞がれているのは、ある意味幸運だったのかもしれない。
一度でも達することができれば、この生き地獄のような肉欲はきっと治まってくれる。そう思っても、自分の手ではどうしても果てることができなかった。それがいま間近にまで迫ってきている。
こんな青空の下だけど、相手は倒すべき敵だけど、今は一刻でもはやく解き放たれたかった。
そしてアクアの無言の願いは、聞き届けられた。
セルジュの右手が、アクアの陰部に伸びてくる。骨ばった指が迷った風もなくクロッチをずらし、陰核を掠めながら蜜で溢れかえった膣内に忍び込んできた。
「んッ……! んぁ……ふあぁっ」
秘裂のごく浅いところと、張り詰めた肉刺を容赦なく嬲られて躰が跳ねる。腰が砕けて崩れ落ちそうになるのを、セルジュが許さない。その立派な体躯とショーウインドウでアクアを挟み、しっかと支えている。それでいてアクアの全身を愛でる性戯は続けたままなのだから、逞しすぎる。
前頭葉が痛い。目の前が白くなってきた。それは、込み上げてくる絶頂感に、脳と視界が圧迫されていく証拠に他ならない。
そしてそれは、予想以上の快楽を伴ってもたらされた。
「んぐっ……んん────!!」
達する瞬間、アクアはセルジュの黒装束をぎゅっと握りしめていた。快感にびくんびくんと打ち震える自分の身体がどこかへ行ってしまいそうで、必死に縋りつく。
アクアが昇りつめたのを察してか、セルジュの手はようやく止まったが、唇だけは長いこと解放してもらえなかった。オーガズムの余韻で脳が痺れているのに、舌は激しいキスに応えようと勝手に蠢いてしまう。
永遠にも感じる口づけが終わった頃、アクアは戦慄いた。
確かに、最高の快感を得たと思ったのに。アクアの躰が、再び情欲の火に炙られ始めた。
躰の奥底から、じりじりと熱が迫ってくる。それは血流に乗り、あっという間にアクアのすべてを蝕んだ。肉体も脳漿も、更なる絶頂を与えてくれと主張して淡く疼いている。
「躰が疼いて堪らんのだろう」
セルジュの声に、アクアは気だるげに頭をもたげた。
囚われてからセルジュの顔をまともに見るのは、これが初めてだったように思う。
世にも美しい男のその顔は、欲情した雄そのものだった。熱に浮きつつも、未だ瞳だけは猛獣のような荒々しさに満ち、まっすぐにアクアを捉えている。
「お前は、身籠るまでずっとそのままだぞ」
そう告げられて、アクアは頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。言葉そのものは理解できても、その意味を受け入れることを脳が全力で拒否している。
「な、なにを言って……」
「お前に飲ませた薬だ。あれを服用すると、子を成すまで強制的に発情し続ける」
セルジュに飲まされた薬。催淫効果と、妊娠を促進させる効果があるという、あの。
薬のせいで身体に異変が起きているのはわかっていたが、それが妊娠するまで続く?
「そ、そんなのウソ。ん……はぁ……だって、私、今日のお昼まではなんともなかったのに……」
アクアは初めてセルジュに犯された日から現在までを、つぶさに思い返してみた。確かに薬を飲んだ直後は、今と同じように抗いがたい性欲に支配されていたが、そこから約二日間は普段と変わらぬ日常を過ごしていた。
(あれ、でも、今は……?)
達したのになぜか満たされなくて、身体は熱くなる一方で。セルジュの言う通り、発情しっぱなしだ。
「あんッ」
肩で息をしていたところに、突然セルジュに下腹部を──子宮の表面を擦られて、嬌声が漏れてしまった。おまけに腹を擦っているのは、セルジュの陰茎だ。今にも暴発してしまいそうなほどに膨れ上がった、窮屈そうに黒装束を押し上げている怒張。その先端で撫でられて、アクアの膣襞が忙しなく収縮し始めた。セルジュを内に納める準備が整っているのだと、そう主張するように。
「精液を注がれれば、一時的に発情が治まると聞いている。どういう仕組みかは知らんがな。どのみち、孕まなければ根本的にはなにも変わらん」
セルジュから明かされた事実の、なんとおぞましいことか。
だが、腑に落ちることもいくつかあった。
ゲームセンターで膣内に精液を出された直後は、確かに性欲が治まっていたように思う。今日、セルジュがアクアと出会うや否や、受精に至ってないだの孕ませるだの口走っていたのも合点がいく。
しかし、到底受け入れられる事柄ではない。避妊なしに性行為をしなければ、身を焦がすような淫欲を解消する方法がないなどと。
妊娠するか、しなかったとしても、膣で精液を受け止めなければならないなんて、まるで淫魔ではないか。
あまりにも酷い現実に呆然としていたアクアだったが、それもすぐさま性的興奮へと上書きされてしまった。セルジュが下衣から取り出した、雄々しい剛直に目が釘付けになって。
晴天の下だと、その凶悪さがより際立って見える。張り出す亀頭は赤黒く、天に向かってびくびくと跳ねる竿には数多の血管が浮かび、ガマン汁がしとどに流れ。
アクアは知っている。セルジュのこの肉槍で貫かれたら、それこそ天に召されるほどの快感を味わえるということを。
期待からなのか、愛液がとめどなく溢れ、白い腿を伝って落ちていく。それをセルジュの陰茎に掬い上げられて、背筋に電流が走った。
そしてそのまま、先端を秘密の入り口に這わされ──アクアが我に返ったときにはもう、なにもかもが手遅れだった。
膣口を割り開いた雁首が、肉襞を激しく擦りながら子宮口を突き上げる。
「……っあッッ!!」
アクアは瞬時に弾けた。脳全体に火花が散っている。痛いような気持ちいいような、それでいて熱いような。全身の骨が溶ける錯覚に侵されている。もはやショーウインドウに寄り掛かるだけでは立っていられなくなり、アクアはセルジュの首に両腕を回した。セルジュもアクアの両膝裏に腕を通し、身体を抱えて腰を打ち付けてくる。
図らずとも、駅弁の体位になってしまった。自分の体重による負荷と、セルジュの力強い腰使いが相乗効果となって、達したばかりの身体を再び絶頂へと導いていく。
「いやぁっ、ふかいっ……! 抜いてっ、おねがいっ……セルジュさん、やだぁっ……!」
「……そんな顔と恰好で、よくいう」
セルジュの瞳に映るアクアは、相も変わらず発情しきっている。それは男からすれば、優秀な遺伝子との交わりを待っているように見えるだろう。不可抗力とはいえセルジュに抱き着いている様からして、精液を注いでもらうことを望んでいるようにしか思えない。
「誰彼構わず誘うような顔をぶら下げているお前に、俺以外の種なんぞ植えられては堪ったものではない」
絶対にアクアを孕ませる。セルジュの無遠慮な抽挿からは、そんな確固たる意志さえ感じられた。
「んっ、やあぁっ……! あんっ、あっ、あっ! やめて、セルジュさんやめて……! どうして、どうして私なんですか……!」
セルジュの突き上げに翻弄されながら、アクアはずっと疑問に思っていたことを口にした。
身も蓋もない言い方になってしまうが、ただただ種を存続させたいだけならば、手当たり次第、数多くの女性と交わった方が効率的だろう。
それなのに、セルジュはなにがなんでもアクアを孕ませようとしている。ジェバイデッドの事情から考えるに、アクアひとりに執着するのは、あまりにも不毛な行いに思えた。
「……お前以外では、催せなくなった」
力無い返答だったが、それとは裏腹に、セルジュの抜き挿す勢いはいっさい衰えない。
「お前を抱いて以来、他の女では勃たなくなった。焦ったぞ、機能不全に陥ったのかと思ったからな。だが……お前は別だ。お前は、無性に鳴かせたくなってくる」
なるほど、アクアでしか臨戦態勢になれないというのであれば、セルジュが躍起になるのも頷ける。アクアを逃しては、それこそ死活問題だ。
「喜べ。母星でも幾人か抱いてはきたが……お前ほど優れた名器はいなかった。うねりも締まりも、絶品だ」
「そんな、こと言われてもっ……嬉しくな、ああっ! あっあっあッ! だめッ……おっきくならないで、中に出しちゃだめッッ……!」
苛烈さを増したセルジュの攻め立てに、アクアの声が一際高くなる。この肉棒の膨らみと、息も吐かせぬ連続の突きはゲームセンターでイヤというほど味わった。
セルジュのこの肉棒と動きの変位は、射精直前のそれだ。
「くっ、う……今度こそ孕んでもらう、孕め……!」
限界まで膨張した肉棒が大きく震え、パンクする。約二日もの間に溜め込まれた大量の精液が、びゅくびゅくと音を立てながらアクアの子宮を犯し尽くす。
「ふあぁっ、イクッ……イッちゃう……あんッ、あぁんっ……いやあぁッッ……!!」
セルジュが欲を吐き出すのと同時に、アクアもまた筆舌に尽くしがたいオーガズムに達し、甘い鳴き声を空に放った。
半壊し、人の気配が全くしないとはいえ、こんな街中で? しかも白昼堂々?
無理やり犯されるだけでも我慢ならないというのに、その上、野外でだなんてとんでもない。
「い、いやっ、離して! やだっ、やだぁ!」
アクアは足をバタつかせて拒絶を示すが、セルジュは意にも介していないようだった。熱く滾った己の欲望を尻肉に埋めたまま、いずこかへと歩いていく。
「抜かせ。発情しきっているくせに」
「はっ、発情なんて……! んっ、んんっ……!」
どこぞの路面店のショーウィンドウに背を押しつけられたかと思ったら、アクアの薄桃色した唇が、セルジュの唇で覆われた。始めは啄むように軽い口づけだったものが、次第に荒々しいものへ──言うなれば、情熱的なものへと移行する。上唇を食み、下唇を舐め、舌を舌で絡め取り。
逃れようと頭を動かしても、そうはさせないと言わんばかりにセルジュは追随してくる。執拗なキスにまともな呼吸をする間も与えられず、アクアの肺は酸素を求めて大きく上下していた。
まだ咥内を犯されているだけなのに、忘れかけていた性欲が沸々とぶり返してきた。このままでは、全身が快楽に溺れてしまう。
「ふぁ……やめ、てっ……」
アクアは蕩けた顔でセルジュに訴える。しかし当然、それでセルジュが止まってくれるわけもない。
大きな掌が、アクアの右胸をやわやわと揉みしだく。遠慮がちだったのは最初のほんの数秒だけで、すぐに指がバニースーツの中に忍び込んできた。無骨な指なのに、ぷっくりと熟れた乳頭の先端を、円を描くようにゆっくりとなぞる所作は繊細で、もどかしくすらある。
胸への愛撫が加わっただけなのに、脳が溶けていく。媚薬で昂った身体に追い打ちをかけられて、アクアは白い肌をぷるぷると震わせながら、願ってしまった。
(気持ち良くなりたい……)
口を塞がれているのは、ある意味幸運だったのかもしれない。
一度でも達することができれば、この生き地獄のような肉欲はきっと治まってくれる。そう思っても、自分の手ではどうしても果てることができなかった。それがいま間近にまで迫ってきている。
こんな青空の下だけど、相手は倒すべき敵だけど、今は一刻でもはやく解き放たれたかった。
そしてアクアの無言の願いは、聞き届けられた。
セルジュの右手が、アクアの陰部に伸びてくる。骨ばった指が迷った風もなくクロッチをずらし、陰核を掠めながら蜜で溢れかえった膣内に忍び込んできた。
「んッ……! んぁ……ふあぁっ」
秘裂のごく浅いところと、張り詰めた肉刺を容赦なく嬲られて躰が跳ねる。腰が砕けて崩れ落ちそうになるのを、セルジュが許さない。その立派な体躯とショーウインドウでアクアを挟み、しっかと支えている。それでいてアクアの全身を愛でる性戯は続けたままなのだから、逞しすぎる。
前頭葉が痛い。目の前が白くなってきた。それは、込み上げてくる絶頂感に、脳と視界が圧迫されていく証拠に他ならない。
そしてそれは、予想以上の快楽を伴ってもたらされた。
「んぐっ……んん────!!」
達する瞬間、アクアはセルジュの黒装束をぎゅっと握りしめていた。快感にびくんびくんと打ち震える自分の身体がどこかへ行ってしまいそうで、必死に縋りつく。
アクアが昇りつめたのを察してか、セルジュの手はようやく止まったが、唇だけは長いこと解放してもらえなかった。オーガズムの余韻で脳が痺れているのに、舌は激しいキスに応えようと勝手に蠢いてしまう。
永遠にも感じる口づけが終わった頃、アクアは戦慄いた。
確かに、最高の快感を得たと思ったのに。アクアの躰が、再び情欲の火に炙られ始めた。
躰の奥底から、じりじりと熱が迫ってくる。それは血流に乗り、あっという間にアクアのすべてを蝕んだ。肉体も脳漿も、更なる絶頂を与えてくれと主張して淡く疼いている。
「躰が疼いて堪らんのだろう」
セルジュの声に、アクアは気だるげに頭をもたげた。
囚われてからセルジュの顔をまともに見るのは、これが初めてだったように思う。
世にも美しい男のその顔は、欲情した雄そのものだった。熱に浮きつつも、未だ瞳だけは猛獣のような荒々しさに満ち、まっすぐにアクアを捉えている。
「お前は、身籠るまでずっとそのままだぞ」
そう告げられて、アクアは頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。言葉そのものは理解できても、その意味を受け入れることを脳が全力で拒否している。
「な、なにを言って……」
「お前に飲ませた薬だ。あれを服用すると、子を成すまで強制的に発情し続ける」
セルジュに飲まされた薬。催淫効果と、妊娠を促進させる効果があるという、あの。
薬のせいで身体に異変が起きているのはわかっていたが、それが妊娠するまで続く?
「そ、そんなのウソ。ん……はぁ……だって、私、今日のお昼まではなんともなかったのに……」
アクアは初めてセルジュに犯された日から現在までを、つぶさに思い返してみた。確かに薬を飲んだ直後は、今と同じように抗いがたい性欲に支配されていたが、そこから約二日間は普段と変わらぬ日常を過ごしていた。
(あれ、でも、今は……?)
達したのになぜか満たされなくて、身体は熱くなる一方で。セルジュの言う通り、発情しっぱなしだ。
「あんッ」
肩で息をしていたところに、突然セルジュに下腹部を──子宮の表面を擦られて、嬌声が漏れてしまった。おまけに腹を擦っているのは、セルジュの陰茎だ。今にも暴発してしまいそうなほどに膨れ上がった、窮屈そうに黒装束を押し上げている怒張。その先端で撫でられて、アクアの膣襞が忙しなく収縮し始めた。セルジュを内に納める準備が整っているのだと、そう主張するように。
「精液を注がれれば、一時的に発情が治まると聞いている。どういう仕組みかは知らんがな。どのみち、孕まなければ根本的にはなにも変わらん」
セルジュから明かされた事実の、なんとおぞましいことか。
だが、腑に落ちることもいくつかあった。
ゲームセンターで膣内に精液を出された直後は、確かに性欲が治まっていたように思う。今日、セルジュがアクアと出会うや否や、受精に至ってないだの孕ませるだの口走っていたのも合点がいく。
しかし、到底受け入れられる事柄ではない。避妊なしに性行為をしなければ、身を焦がすような淫欲を解消する方法がないなどと。
妊娠するか、しなかったとしても、膣で精液を受け止めなければならないなんて、まるで淫魔ではないか。
あまりにも酷い現実に呆然としていたアクアだったが、それもすぐさま性的興奮へと上書きされてしまった。セルジュが下衣から取り出した、雄々しい剛直に目が釘付けになって。
晴天の下だと、その凶悪さがより際立って見える。張り出す亀頭は赤黒く、天に向かってびくびくと跳ねる竿には数多の血管が浮かび、ガマン汁がしとどに流れ。
アクアは知っている。セルジュのこの肉槍で貫かれたら、それこそ天に召されるほどの快感を味わえるということを。
期待からなのか、愛液がとめどなく溢れ、白い腿を伝って落ちていく。それをセルジュの陰茎に掬い上げられて、背筋に電流が走った。
そしてそのまま、先端を秘密の入り口に這わされ──アクアが我に返ったときにはもう、なにもかもが手遅れだった。
膣口を割り開いた雁首が、肉襞を激しく擦りながら子宮口を突き上げる。
「……っあッッ!!」
アクアは瞬時に弾けた。脳全体に火花が散っている。痛いような気持ちいいような、それでいて熱いような。全身の骨が溶ける錯覚に侵されている。もはやショーウインドウに寄り掛かるだけでは立っていられなくなり、アクアはセルジュの首に両腕を回した。セルジュもアクアの両膝裏に腕を通し、身体を抱えて腰を打ち付けてくる。
図らずとも、駅弁の体位になってしまった。自分の体重による負荷と、セルジュの力強い腰使いが相乗効果となって、達したばかりの身体を再び絶頂へと導いていく。
「いやぁっ、ふかいっ……! 抜いてっ、おねがいっ……セルジュさん、やだぁっ……!」
「……そんな顔と恰好で、よくいう」
セルジュの瞳に映るアクアは、相も変わらず発情しきっている。それは男からすれば、優秀な遺伝子との交わりを待っているように見えるだろう。不可抗力とはいえセルジュに抱き着いている様からして、精液を注いでもらうことを望んでいるようにしか思えない。
「誰彼構わず誘うような顔をぶら下げているお前に、俺以外の種なんぞ植えられては堪ったものではない」
絶対にアクアを孕ませる。セルジュの無遠慮な抽挿からは、そんな確固たる意志さえ感じられた。
「んっ、やあぁっ……! あんっ、あっ、あっ! やめて、セルジュさんやめて……! どうして、どうして私なんですか……!」
セルジュの突き上げに翻弄されながら、アクアはずっと疑問に思っていたことを口にした。
身も蓋もない言い方になってしまうが、ただただ種を存続させたいだけならば、手当たり次第、数多くの女性と交わった方が効率的だろう。
それなのに、セルジュはなにがなんでもアクアを孕ませようとしている。ジェバイデッドの事情から考えるに、アクアひとりに執着するのは、あまりにも不毛な行いに思えた。
「……お前以外では、催せなくなった」
力無い返答だったが、それとは裏腹に、セルジュの抜き挿す勢いはいっさい衰えない。
「お前を抱いて以来、他の女では勃たなくなった。焦ったぞ、機能不全に陥ったのかと思ったからな。だが……お前は別だ。お前は、無性に鳴かせたくなってくる」
なるほど、アクアでしか臨戦態勢になれないというのであれば、セルジュが躍起になるのも頷ける。アクアを逃しては、それこそ死活問題だ。
「喜べ。母星でも幾人か抱いてはきたが……お前ほど優れた名器はいなかった。うねりも締まりも、絶品だ」
「そんな、こと言われてもっ……嬉しくな、ああっ! あっあっあッ! だめッ……おっきくならないで、中に出しちゃだめッッ……!」
苛烈さを増したセルジュの攻め立てに、アクアの声が一際高くなる。この肉棒の膨らみと、息も吐かせぬ連続の突きはゲームセンターでイヤというほど味わった。
セルジュのこの肉棒と動きの変位は、射精直前のそれだ。
「くっ、う……今度こそ孕んでもらう、孕め……!」
限界まで膨張した肉棒が大きく震え、パンクする。約二日もの間に溜め込まれた大量の精液が、びゅくびゅくと音を立てながらアクアの子宮を犯し尽くす。
「ふあぁっ、イクッ……イッちゃう……あんッ、あぁんっ……いやあぁッッ……!!」
セルジュが欲を吐き出すのと同時に、アクアもまた筆舌に尽くしがたいオーガズムに達し、甘い鳴き声を空に放った。
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