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第7章 木枯らしに抱かれて
エピソード41-7
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小泉撮影所―― Aスタジオ
シズムがらみの一件を終わらせた静流たちは、白黒ミサのいるAスタジオに様子を見に行った。
「ええと、控室は、ココね」カチャ
今日のオーディションに来た候補生たちがいる控室に、ネネが先に入る。
「ユズル君、アナタはココで待ってて」
「え? あ、そうですよね」
ネネに止められなければ、危うくひんしゅくを買う所だった。
この中は『女の園』である事を、ユズルは忘れていた。
しばらくして、白黒ミサが廊下に出て来た。
「お待たせしました。ユズル様」
「午前の部、滞りなく終わりました」
「お疲れ様です。先輩方」
「じゃあみんな、お昼にしましょう」
「「「「はぁい!」」」」
昼食を社員も利用する食堂で摂る事にした。
◆ ◆ ◆ ◆
社員食堂――
社員食堂で日替わり定食を注文する。
丁度空いているテーブルがあり、そこに座る。
ユズルとシズムが座ると、周りが少しざわめいた。
「あの子って、女神様の?」ざわ
「どこの事務所だろう? 営業に調べさせろ」ざわ
「写真、お願いしよっかな?」ざわ
「お隣の男子は、お兄さんかしら? よく見ると、かなり美形よね?」ざわ
とまあ注目度は高めの様だ。
「何か落ち着かないわね。見られてるって」
「先生も、ようやっとわかってもらえましたか。僕の場合、これに『グヒヒ』とか『ハグゥ』とかの効果音が入るんですよ」
「考えただけでも、ゾッとするわね」
ユズルたちが苦笑いで話していると、白黒ミサが言った。
「芸能人になれば、もっと多くの人目に触れるんだ。覚悟しておかないとな?」
「そうね。この業界で生き残る為には、この程度で動揺しててはダメよね」
そう言った二人は、話しを変えようと、ユズルに聞いた。
「ユズル様、聞きましたよ? シズムン上手くいったみたいですね?」
「しかも、ユズル様自らもバイトをなさる事になったんですって?」
「え、ええ。成り行きで……ははは」
「そうするとある意味、ユズル様とシズムンは事務所の『先輩』って事になるんですね?」
「困ります。そんな事、言わないで下さいよ」
ユズルは苦笑いを浮かべ、後頭部をわしゃわしゃと掻いた。
「もしかして、私たちのせい、ですか?」
「まさか、脅されて仕方なく、とか?」
白黒ミサの顔が次第に青くなっていく。
「ち、違います。そんなんじゃないです」
「本当、ですか?」
慌てて否定するユズルを、不安そうに見つめる二人。
「違うわ。この子が自分で決めたの。アナタたちのせいじゃないわ」
「先生。うう、良かった」
白黒ミサは、心底安堵していた。ユズルがネネの方を見ると、ネネは小さく手刀を切り、『スマン』のポーズをしていた。
ユズルは先生に「わかってます」と言う意味の頷きを返した。
「『化装術』の鍛錬にもなるしね。大いに利用しなさい」
「はい。頑張ります」
◆ ◆ ◆ ◆
食事を終え、ユズルたちはお茶を飲んでいた。
「午後の部はどんな予定なの?」
「この後はカメラテストでBスタに詰めます」
「じゃあ私はそっちに行く。ユズル君はどうするの?」
「ユズル様は、お待ちかねのアレ、観に行くんですよね?」
「ええ、まぁ。へへへ」
静流が今日、ココに来た本当の目的、それはこの撮影所で行われている『無免ライダー・レジェンド』の撮影を観覧する事であった。
この作品は、第一世代から現在の第四世代までの歴代ライダーが勢ぞろいという事で、静流には、またとない機会であった。
「いやぁ、ワクワクするなぁ」パァァ
「「ふぁぅぅん」」
白黒ミサは、至近距離でユズルのニパを食らい、思わずのけ反った。
「何、このあたたかいオーラは?」
「ああ。癒されるわぁ……」
よく見ると、一部の女性たちもユズルに釘付けになっている。
「シズムは目立つから、先生と一緒にいた方がイイな」
「うん。わかった」ニコ
そんな話をしていると、後ろから女性が声を掛けて来た。
「ミサミサちゃん? お疲れ様」
「あ、右京氏。お疲れ様です。丁度良かった」
右京氏と呼ばれた女性は、白ブチのメガネをかけ、ブラウンの髪をオカッパにして、薄手のスタッフジャンパーを羽織った小柄な女性だった。
「始めまして。映像制作会社のナマジカでADをやっています、小松右京と申します」
「右京氏、こちらがウチの先生とご存じシズムン、そして……」
白ミサが紹介し終わる前に、右京はグイっとユズルの前に出た。
「承っております! グハァ、感激です静流様! 今日は『井川ユズル様』という設定でお越し頂いたのですね?」
「あ、はい、よろしくお願いします」
「はふぅ、勿体ない」ジュル
右京は、急に後ろを向き、垂れたよだれを袖で拭いている。
「この方は、ウチの『お得意さん』なんですよ」
「あ、ああ。ソッチの方ですか。うう、やっぱり……」
静流は自分を『様』呼びする時点で、『ソッチ方面』のひとだと理解している。
「いつもお世話になっています。お陰で毎晩のオカズには困る事はありません!」フーフー
「オカズ? 晩御飯ですか?」
「ええ。晩御飯、です」ハァハァ
右京が来た所で、午後の部の準備を始める時間となった。
「じゃあ、頼みましたよ? 右京氏」
「お任せください! 黒ミサちゃん」
「ユズル様、楽しんで来てくださいね?」
「ありがとうございます。先輩方も、頑張って下さい」
◆ ◆ ◆ ◆
白黒ミサたちと別れ、ユズルは右京と所内を散策していたが、右京は心ここに在らず状態だった。
「右京さん、先ずは装備品を……」
「はう、これは夢……なのかしら?」
「あの……聞いてます?」
「夢、じゃない。今、本当に静流様と並んで歩いてます。今にもとろけそうです。むふぅ」
「右京さんって、融点低すぎじゃないですか?」
「はひぃ、名前で呼んで下さった。幸せれす」
「僕はユズル、でお願いしますね?」
「そ、そうでした。すいません、舞い上がってしまって」
「気化して、飛んでっちゃわないで下さいね?」
「絶妙の返し。はぁ、素敵」
ユズルは、『薄い本』愛好家とは一線を引いており、上手くいなす事で、何とかトラブルを回避している。
「ええと、右京さん? まずは小道具とか装備品を見たいのですが」
「あ、はい! お任せください! こちらです! さぁ、行きましょう」
ユズルは道すがら、午前中にあった出来事をかいつまんで右京に説明した。
「……って事で、単発でバイトする事になったんですよ。参っちゃいますよね?」
「あのミフネで? って事は、ユズル様が銀幕デビュー!? ですか?」
「いえいえ。僕はあくまで、サポート要員ですから。」
右京は、少し歩いた先の、技術棟にユズルを連れて行った。
守衛に話を付け、中に入る。
「ここが、中映特撮エリアの美術装飾室です」カチャ
右京に通された部屋には、中映の特撮部門が手掛けた様々のヒーローや怪人の衣装や小道具が、所狭しと並んでいた。
「うわぁ、お、お宝だ!」
「スゴいですよね? 私が幼い頃にやっていたヒーローものとか、ココで撮影していたんですから」
「見て下さい! これ、『銀河刑事シリーズ』のスーツですよね? メタルヒーローものの」
「そうです! ユズル様は随分お詳しいのですね? 結構前の作品ですよ?」
「父さんの影響でしょうね。ウチにはそう言う昔のビデオがタンマリとあったもんですから」
「まぁ素敵。では、これなんかはどうです?」
「どストライクです! 兄妹で戦う『キョダイン』ですね? 昔、妹とその『ごっこ』をしたもんです」
「ほぉ。わりとマイナーな部類なんですけどね。素晴らしいです」
先程までポワンとしていた右京が、ユズルの豊富な知識に感心している。
「右京さんの見ていたヒーローものって、この中だと、どれだったりします?」
「んー、そうですね、『超人バビューン』とかでしょうか?」
「ああ!、『アナライザー3』の後番組ですね? 渋いとこ突きますね?」
「いやあ、よくご存じで。もし『特撮検定』があったら特級イケますよ?」
「この光景、佳乃さんにも見せてあげたいなぁ」
「この中でしたら、撮影もOKですよ?」
「本当ですか? 嬉しいなぁ」パァァ
「ぶっふぁぁぁぁん!」
右京は、今日イチのニパを浴び、大きくのけ反った。
「右京さん? 大丈夫ですか?」
「ら、らいりょうぶ、れす」
ユズルのニパを初めて浴びた右京は、恍惚の表情を浮かべている。
「グフフフ。これが同胞たちが言っていた『ハニカミフラッシュ』なのですね?」ブツブツ
「じゃあ勝手に撮影しますよ? おい、オシリス、起きて」
「んん? もう終わったの? 面接」
ユズルがオシリスを起こすと、不可視化を解いたオシリスが現れた。
「何です? この未確認生命体は?」
「僕の使い魔的な自律思考型ゴーレムです。オシリスって言うんです」
「なぁに? ココ。 静流の趣味、そのものじゃない」
「人語を話せるんですか? 素晴らしい」
「先に言うケド、分解はお断りよ?」
「う。心も読めるんですか? なんてハイスペックな使い魔さんですこと」
シズムがらみの一件を終わらせた静流たちは、白黒ミサのいるAスタジオに様子を見に行った。
「ええと、控室は、ココね」カチャ
今日のオーディションに来た候補生たちがいる控室に、ネネが先に入る。
「ユズル君、アナタはココで待ってて」
「え? あ、そうですよね」
ネネに止められなければ、危うくひんしゅくを買う所だった。
この中は『女の園』である事を、ユズルは忘れていた。
しばらくして、白黒ミサが廊下に出て来た。
「お待たせしました。ユズル様」
「午前の部、滞りなく終わりました」
「お疲れ様です。先輩方」
「じゃあみんな、お昼にしましょう」
「「「「はぁい!」」」」
昼食を社員も利用する食堂で摂る事にした。
◆ ◆ ◆ ◆
社員食堂――
社員食堂で日替わり定食を注文する。
丁度空いているテーブルがあり、そこに座る。
ユズルとシズムが座ると、周りが少しざわめいた。
「あの子って、女神様の?」ざわ
「どこの事務所だろう? 営業に調べさせろ」ざわ
「写真、お願いしよっかな?」ざわ
「お隣の男子は、お兄さんかしら? よく見ると、かなり美形よね?」ざわ
とまあ注目度は高めの様だ。
「何か落ち着かないわね。見られてるって」
「先生も、ようやっとわかってもらえましたか。僕の場合、これに『グヒヒ』とか『ハグゥ』とかの効果音が入るんですよ」
「考えただけでも、ゾッとするわね」
ユズルたちが苦笑いで話していると、白黒ミサが言った。
「芸能人になれば、もっと多くの人目に触れるんだ。覚悟しておかないとな?」
「そうね。この業界で生き残る為には、この程度で動揺しててはダメよね」
そう言った二人は、話しを変えようと、ユズルに聞いた。
「ユズル様、聞きましたよ? シズムン上手くいったみたいですね?」
「しかも、ユズル様自らもバイトをなさる事になったんですって?」
「え、ええ。成り行きで……ははは」
「そうするとある意味、ユズル様とシズムンは事務所の『先輩』って事になるんですね?」
「困ります。そんな事、言わないで下さいよ」
ユズルは苦笑いを浮かべ、後頭部をわしゃわしゃと掻いた。
「もしかして、私たちのせい、ですか?」
「まさか、脅されて仕方なく、とか?」
白黒ミサの顔が次第に青くなっていく。
「ち、違います。そんなんじゃないです」
「本当、ですか?」
慌てて否定するユズルを、不安そうに見つめる二人。
「違うわ。この子が自分で決めたの。アナタたちのせいじゃないわ」
「先生。うう、良かった」
白黒ミサは、心底安堵していた。ユズルがネネの方を見ると、ネネは小さく手刀を切り、『スマン』のポーズをしていた。
ユズルは先生に「わかってます」と言う意味の頷きを返した。
「『化装術』の鍛錬にもなるしね。大いに利用しなさい」
「はい。頑張ります」
◆ ◆ ◆ ◆
食事を終え、ユズルたちはお茶を飲んでいた。
「午後の部はどんな予定なの?」
「この後はカメラテストでBスタに詰めます」
「じゃあ私はそっちに行く。ユズル君はどうするの?」
「ユズル様は、お待ちかねのアレ、観に行くんですよね?」
「ええ、まぁ。へへへ」
静流が今日、ココに来た本当の目的、それはこの撮影所で行われている『無免ライダー・レジェンド』の撮影を観覧する事であった。
この作品は、第一世代から現在の第四世代までの歴代ライダーが勢ぞろいという事で、静流には、またとない機会であった。
「いやぁ、ワクワクするなぁ」パァァ
「「ふぁぅぅん」」
白黒ミサは、至近距離でユズルのニパを食らい、思わずのけ反った。
「何、このあたたかいオーラは?」
「ああ。癒されるわぁ……」
よく見ると、一部の女性たちもユズルに釘付けになっている。
「シズムは目立つから、先生と一緒にいた方がイイな」
「うん。わかった」ニコ
そんな話をしていると、後ろから女性が声を掛けて来た。
「ミサミサちゃん? お疲れ様」
「あ、右京氏。お疲れ様です。丁度良かった」
右京氏と呼ばれた女性は、白ブチのメガネをかけ、ブラウンの髪をオカッパにして、薄手のスタッフジャンパーを羽織った小柄な女性だった。
「始めまして。映像制作会社のナマジカでADをやっています、小松右京と申します」
「右京氏、こちらがウチの先生とご存じシズムン、そして……」
白ミサが紹介し終わる前に、右京はグイっとユズルの前に出た。
「承っております! グハァ、感激です静流様! 今日は『井川ユズル様』という設定でお越し頂いたのですね?」
「あ、はい、よろしくお願いします」
「はふぅ、勿体ない」ジュル
右京は、急に後ろを向き、垂れたよだれを袖で拭いている。
「この方は、ウチの『お得意さん』なんですよ」
「あ、ああ。ソッチの方ですか。うう、やっぱり……」
静流は自分を『様』呼びする時点で、『ソッチ方面』のひとだと理解している。
「いつもお世話になっています。お陰で毎晩のオカズには困る事はありません!」フーフー
「オカズ? 晩御飯ですか?」
「ええ。晩御飯、です」ハァハァ
右京が来た所で、午後の部の準備を始める時間となった。
「じゃあ、頼みましたよ? 右京氏」
「お任せください! 黒ミサちゃん」
「ユズル様、楽しんで来てくださいね?」
「ありがとうございます。先輩方も、頑張って下さい」
◆ ◆ ◆ ◆
白黒ミサたちと別れ、ユズルは右京と所内を散策していたが、右京は心ここに在らず状態だった。
「右京さん、先ずは装備品を……」
「はう、これは夢……なのかしら?」
「あの……聞いてます?」
「夢、じゃない。今、本当に静流様と並んで歩いてます。今にもとろけそうです。むふぅ」
「右京さんって、融点低すぎじゃないですか?」
「はひぃ、名前で呼んで下さった。幸せれす」
「僕はユズル、でお願いしますね?」
「そ、そうでした。すいません、舞い上がってしまって」
「気化して、飛んでっちゃわないで下さいね?」
「絶妙の返し。はぁ、素敵」
ユズルは、『薄い本』愛好家とは一線を引いており、上手くいなす事で、何とかトラブルを回避している。
「ええと、右京さん? まずは小道具とか装備品を見たいのですが」
「あ、はい! お任せください! こちらです! さぁ、行きましょう」
ユズルは道すがら、午前中にあった出来事をかいつまんで右京に説明した。
「……って事で、単発でバイトする事になったんですよ。参っちゃいますよね?」
「あのミフネで? って事は、ユズル様が銀幕デビュー!? ですか?」
「いえいえ。僕はあくまで、サポート要員ですから。」
右京は、少し歩いた先の、技術棟にユズルを連れて行った。
守衛に話を付け、中に入る。
「ここが、中映特撮エリアの美術装飾室です」カチャ
右京に通された部屋には、中映の特撮部門が手掛けた様々のヒーローや怪人の衣装や小道具が、所狭しと並んでいた。
「うわぁ、お、お宝だ!」
「スゴいですよね? 私が幼い頃にやっていたヒーローものとか、ココで撮影していたんですから」
「見て下さい! これ、『銀河刑事シリーズ』のスーツですよね? メタルヒーローものの」
「そうです! ユズル様は随分お詳しいのですね? 結構前の作品ですよ?」
「父さんの影響でしょうね。ウチにはそう言う昔のビデオがタンマリとあったもんですから」
「まぁ素敵。では、これなんかはどうです?」
「どストライクです! 兄妹で戦う『キョダイン』ですね? 昔、妹とその『ごっこ』をしたもんです」
「ほぉ。わりとマイナーな部類なんですけどね。素晴らしいです」
先程までポワンとしていた右京が、ユズルの豊富な知識に感心している。
「右京さんの見ていたヒーローものって、この中だと、どれだったりします?」
「んー、そうですね、『超人バビューン』とかでしょうか?」
「ああ!、『アナライザー3』の後番組ですね? 渋いとこ突きますね?」
「いやあ、よくご存じで。もし『特撮検定』があったら特級イケますよ?」
「この光景、佳乃さんにも見せてあげたいなぁ」
「この中でしたら、撮影もOKですよ?」
「本当ですか? 嬉しいなぁ」パァァ
「ぶっふぁぁぁぁん!」
右京は、今日イチのニパを浴び、大きくのけ反った。
「右京さん? 大丈夫ですか?」
「ら、らいりょうぶ、れす」
ユズルのニパを初めて浴びた右京は、恍惚の表情を浮かべている。
「グフフフ。これが同胞たちが言っていた『ハニカミフラッシュ』なのですね?」ブツブツ
「じゃあ勝手に撮影しますよ? おい、オシリス、起きて」
「んん? もう終わったの? 面接」
ユズルがオシリスを起こすと、不可視化を解いたオシリスが現れた。
「何です? この未確認生命体は?」
「僕の使い魔的な自律思考型ゴーレムです。オシリスって言うんです」
「なぁに? ココ。 静流の趣味、そのものじゃない」
「人語を話せるんですか? 素晴らしい」
「先に言うケド、分解はお断りよ?」
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