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Session.
第三回 僕は男の娘になる。
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奇妙な出会いを果たした僕とボクは、創造した世界を更に煮詰めていった。
流石に僕を知り尽くしたボク、そして悪魔なボクは、その知識を惜し気もなく披露してくれた。
僕だけではアイディアが乏しい所も、ボクが色々と提案してくれたお陰でなんとかなっていった。
そして一ヶ月もの長い期間、僕とボクは同じ目標に向かって突き進んだ――。
その間、閉じ込められたり身の危険を感じたりすることもなく、至って充実した毎日を過ごすことができた。
それと不思議なことに、グリモワールは僕以外に認識できないみたいだった。
度々、学校に持ち出して教室で開き、記載されたルールのチェックをしてた僕。
今日もキャラクターを作ってたけど、誰も気付かなかったから。
「遂に完成したよ、僕のキャラクターシート!」
メガネ、クイッ! と香ばしいポーズで、禍々しい筆記用具を机に置く。
『おめでとう。どれどれ――うっは、趣味丸出しじゃない』
後ろから被さるように覗き込むボクも、メガネ、クイッ! の香ばしいポーズで茶化してきた。
僕は今回、男の娘で参加する。
性別も変えれるとかなんとか言ってたけども、大事な部分がなくなるのはなんか嫌だ。
なので外見は女の子、中身は男の子の所謂、男の娘にした。
容姿は僕の大好きな電脳歌姫のあの子なTda式改変モジュールを参考に――と言うかまんま。
ツルペタだし、男の娘でも似合うもん。
身長150センチくらいの華奢な体躯で、足まで伸びた青味が強い黄緑色のグラデーションな髪はツインテール。
右目だけ魔眼と言う設定で色を赤くして、微妙にオリジナリティ感を出す。
『あははは~、魔眼って。どんだけ中二病? 僕はまだ小学六年生と違った? ワロスワロス! あははは~、流石は僕だ! あははは~』
僕のキャラクターシートの肖像画を覗き込んで、腹を抱えて容赦なく草を生やしまくって部屋を転げ回るボク。
「別に良いじゃん! 僕のキャラクターだし。文句を言われる筋合いはないし、ボクなら解るだろ!」
『嫌、解るけど。客観的に見ると――ぷ、あははは~』
駄目だ、こりゃ。放置しておこう。
「ダイス運に恵まれて、初期のステータス振り分けに余裕ができたのは幸いだったけど――なんの職業から始めるかが問題だよな~」
そう。僕が創造した世界はステータスが単純に設定してあるので、各パラメータは1が最低値、50で平均値、そして100が最高値となる。
パラメータの分を八回、HPとMP分で二回振って、更にボーナス分を一回振った合計を各パラメータに振り分けると言った、単純かつ解り易い仕様になってる。
これは成りたい職業の条件をクリアし易く、苦手を減らせる初心者に優しい親切設計を目指したから!
その分、基本パラメータは初期値から一切変動しない数値なので、シビアに振り分けなければならない……。
ちなみに百面体ダイスはその名の通り、出目が1から100までのパーセンテージを表すサイコロなので、単純に出目を記入するだけで良いんだね。
そしてズルをせず真面目に振って出た目。
僕は運が良いのか、結構、大きな数字が出まくった。
「笑い転げてないで見てよ!」
パラメータの数値振り分けが自由にできるルールに基づき、余った分は他に振り分けることができる仕様だから、結果こうなった。
ーーーーー
名前:ミックス / 種族:人種
性別:男の娘 / 年齢:12歳
特徴:青味が強い黄緑色の髪。
ツインテール。
特殊:左目は碧眼。右目は赤い魔眼。
職業:剣士。
LEVEL 1/10
HP 100/100
MP 100/100
STR(筋力)100
VIT(耐久)100
AGI(敏捷)100
DEX(器用) 90
INT(知力) 50
CHA(魅力)100
LUK(幸運) 80
MND(精神) 50
ユニーク:絶対命中、絶対防御 (レア)
:殺人的料理
ーーーーー
「ユニークスキル表で良いの出たから、散々、悩んだ末に、脳筋極振りの剣士でやる事にしたんだ。見た目可愛いらしい女の子がデカい武器を振り回すってのは鉄板中の鉄板! ――って、聴いてるの?」
ひたすら床を笑い転げて草を生やしまくっているボクに、キャラクターシートを見せつける僕。
『魅力をきっちり最大値にして、名前があの子を捩ってミックスって――しかも料理スキルナッシングって。あははは~、僕らしいや、あははは~』
ちゃんと見ながらも、ひたすら笑い転げる器用なボク。
「さて、パートナーを作らないと……そうだ! ねぇ、ボク。一緒に遊ぶNPCは作ってよ! 出会うイベント付きで!」
『――ふぅ。百万年分は笑った。笑い死ぬかと思ったよ。おっけ、NPCの件はボクに任せて! 僕に負けず劣らず素敵な痛い子を用意するから』
「痛い子って――まぁ、期待してるよ。さてと今日はもう切り上げよう。ボク、また明日で」
『ハイハイ、今からNPC作っておくよ。明日はプリプレイだからね! 忘れずに!』
「勿論! ああ、早く明日にならないかな……」
期待に胸を膨らまし、スキップで風呂に向かう僕だった――。
『明日は楽しめると良いね、僕……』
――――――――――
続きは広告の後。
運命はサイコロのみぞ知る!(笑)
流石に僕を知り尽くしたボク、そして悪魔なボクは、その知識を惜し気もなく披露してくれた。
僕だけではアイディアが乏しい所も、ボクが色々と提案してくれたお陰でなんとかなっていった。
そして一ヶ月もの長い期間、僕とボクは同じ目標に向かって突き進んだ――。
その間、閉じ込められたり身の危険を感じたりすることもなく、至って充実した毎日を過ごすことができた。
それと不思議なことに、グリモワールは僕以外に認識できないみたいだった。
度々、学校に持ち出して教室で開き、記載されたルールのチェックをしてた僕。
今日もキャラクターを作ってたけど、誰も気付かなかったから。
「遂に完成したよ、僕のキャラクターシート!」
メガネ、クイッ! と香ばしいポーズで、禍々しい筆記用具を机に置く。
『おめでとう。どれどれ――うっは、趣味丸出しじゃない』
後ろから被さるように覗き込むボクも、メガネ、クイッ! の香ばしいポーズで茶化してきた。
僕は今回、男の娘で参加する。
性別も変えれるとかなんとか言ってたけども、大事な部分がなくなるのはなんか嫌だ。
なので外見は女の子、中身は男の子の所謂、男の娘にした。
容姿は僕の大好きな電脳歌姫のあの子なTda式改変モジュールを参考に――と言うかまんま。
ツルペタだし、男の娘でも似合うもん。
身長150センチくらいの華奢な体躯で、足まで伸びた青味が強い黄緑色のグラデーションな髪はツインテール。
右目だけ魔眼と言う設定で色を赤くして、微妙にオリジナリティ感を出す。
『あははは~、魔眼って。どんだけ中二病? 僕はまだ小学六年生と違った? ワロスワロス! あははは~、流石は僕だ! あははは~』
僕のキャラクターシートの肖像画を覗き込んで、腹を抱えて容赦なく草を生やしまくって部屋を転げ回るボク。
「別に良いじゃん! 僕のキャラクターだし。文句を言われる筋合いはないし、ボクなら解るだろ!」
『嫌、解るけど。客観的に見ると――ぷ、あははは~』
駄目だ、こりゃ。放置しておこう。
「ダイス運に恵まれて、初期のステータス振り分けに余裕ができたのは幸いだったけど――なんの職業から始めるかが問題だよな~」
そう。僕が創造した世界はステータスが単純に設定してあるので、各パラメータは1が最低値、50で平均値、そして100が最高値となる。
パラメータの分を八回、HPとMP分で二回振って、更にボーナス分を一回振った合計を各パラメータに振り分けると言った、単純かつ解り易い仕様になってる。
これは成りたい職業の条件をクリアし易く、苦手を減らせる初心者に優しい親切設計を目指したから!
その分、基本パラメータは初期値から一切変動しない数値なので、シビアに振り分けなければならない……。
ちなみに百面体ダイスはその名の通り、出目が1から100までのパーセンテージを表すサイコロなので、単純に出目を記入するだけで良いんだね。
そしてズルをせず真面目に振って出た目。
僕は運が良いのか、結構、大きな数字が出まくった。
「笑い転げてないで見てよ!」
パラメータの数値振り分けが自由にできるルールに基づき、余った分は他に振り分けることができる仕様だから、結果こうなった。
ーーーーー
名前:ミックス / 種族:人種
性別:男の娘 / 年齢:12歳
特徴:青味が強い黄緑色の髪。
ツインテール。
特殊:左目は碧眼。右目は赤い魔眼。
職業:剣士。
LEVEL 1/10
HP 100/100
MP 100/100
STR(筋力)100
VIT(耐久)100
AGI(敏捷)100
DEX(器用) 90
INT(知力) 50
CHA(魅力)100
LUK(幸運) 80
MND(精神) 50
ユニーク:絶対命中、絶対防御 (レア)
:殺人的料理
ーーーーー
「ユニークスキル表で良いの出たから、散々、悩んだ末に、脳筋極振りの剣士でやる事にしたんだ。見た目可愛いらしい女の子がデカい武器を振り回すってのは鉄板中の鉄板! ――って、聴いてるの?」
ひたすら床を笑い転げて草を生やしまくっているボクに、キャラクターシートを見せつける僕。
『魅力をきっちり最大値にして、名前があの子を捩ってミックスって――しかも料理スキルナッシングって。あははは~、僕らしいや、あははは~』
ちゃんと見ながらも、ひたすら笑い転げる器用なボク。
「さて、パートナーを作らないと……そうだ! ねぇ、ボク。一緒に遊ぶNPCは作ってよ! 出会うイベント付きで!」
『――ふぅ。百万年分は笑った。笑い死ぬかと思ったよ。おっけ、NPCの件はボクに任せて! 僕に負けず劣らず素敵な痛い子を用意するから』
「痛い子って――まぁ、期待してるよ。さてと今日はもう切り上げよう。ボク、また明日で」
『ハイハイ、今からNPC作っておくよ。明日はプリプレイだからね! 忘れずに!』
「勿論! ああ、早く明日にならないかな……」
期待に胸を膨らまし、スキップで風呂に向かう僕だった――。
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運命はサイコロのみぞ知る!(笑)
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