僕は世界の創造主として、僕の創った物語を僕自身で謳歌する――予定だったんだけど? どうしてこーなった⁉︎

 小学校六年生の僕は無類のゲーム好き。
但しゲームとは言っても、流行りのソーシャル、ヴァーチャルと言ったデジタルの物ではないんだ。

 会話で遊ぶゲーム――テーブルトークロールプレイングゲーム、略称はTRPG。

 ある日、学校の帰り道に立ち寄ったちょっと怪しい雰囲気のある古本屋で、今まで見たこともない豪華な装丁本に視線を奪われた僕。

 中身を確認してみると――TRPGのルールブックそのものだった。

 こんなの出てたんだと思いつつも速攻で購入……ちょっと高かったけど。
 逸る気持ちを抑えて帰宅すると、早速、読み解いた僕。
 とても自由度の高い基本ルール以外は、全てがゲームマスターの自由。

 なにこれ、めっさ面白い!

 それから数日間、学校から帰っては黙々と遊ぶ舞台となる僕だけの世界を、必死に創り上げていった――。

 そして、遂に完成した僕だけの世界。
 意気揚々と喜ぶのも束の間、重要なことに気付く。

 友達がいない。

 意気消沈しながらも、自分が遊ぶキャラクターを作ったりと準備を進める為、学校から帰って直ぐに自室に戻る僕。

 だけど、あり得ない事態に遭遇するのだった――。
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