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第肆章 終りゆく、日常――メフィスト編。
佰弐拾玖話 激戦。
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余りにも理解し難い状況に、突拍子もないことを考えて、絶賛、脳内大惨事中の俺を他所に区画に散開し、包囲を完了していた意思無き肉塊共。
その内の一体が遂ぞ発砲する!
ソレを合図に他の意思無き肉塊共も一斉に動き出した――。
「なん……だと⁉︎ 道具何ぞも使えんのかよ⁉︎」
その場から後退しつつ思わず叫んでしまった。
今までの意思無き肉塊は、単に動く死体程度の俺的敵だった。
つまり、ゾンビに等しく知性など皆無だった筈なのだ。
更に言うと、道具何ぞを使えるとは夢にも思ってもいない。
事実、一度も使ったところを見ていないのだからな。
だがしかし、目の前の意思無き肉塊共はどうだ?
各々が元から装備している専用の武装――自動小銃何ぞとか――を使って攻撃してきやがる。
見やる限りでは全く同じモノに見えるので、ナニがどう違うか何ぞは明確には解らない。
だがしかし、今までとは明かに何ぞかが違うのだ。
四方八方に散開している意思無き肉塊は多数。
当然、降り注ぐ銃弾の数も半端なかった。
「フ、フフン;」「ハッハ!」
索敵特化のスゥも攻撃特化のベロと前衛を交代し、アリサの側まで後退する。
迎撃に出た未来とベロ、やや後方のアイに銃弾の雨となって容赦なく降り注ぐ!
「ハッ! 銃弾なんて掴むか躱すか殴り返せば良いだけよ! ね、ベロ!」
およそヒトには出来っこないような無茶なことを、涼しい顔で宣う未来はベロに同意を求める。
「――ハッ⁉︎ ハー?」
そんな無謀な要求に『ま、まぢっスか?』と言わんばかりに鼻を鳴らしたベロも、未来の動きに易々と言うか、意外にもしれっとついていったり。
「余裕っ!」
まるで弾道予測でもしているのかと思うほど、適確に難なく躱していく未来。
掠めそうな銃弾は、尽くアイアンキャンディで粉砕しながら有言実行していく。
「ハッ!」
未来を援護しつつ続くベロも、四方八方から飛んでくる銃弾に一切擦りもせず、ケルの並の動きで撹乱しつつ、意思無き肉塊が構える銃火器を持つ腕ないし手首だけを捥いで無力化していく。
「うぉーい、出鱈目にも程度があんぞ……」
そんな漫画やアニメの様な、銃弾より速い動きがリアルで出来るヒト何ぞ、俺家族以外に俺は知らない……。
それに難なくついていけるワンコ?何ぞも、俺は従僕以外に知らない……。
「えーっ⁉︎ 無茶苦茶過ぎるって! そんな動きができるのは、人類では、お姉ちゃんだけだってっ! ――キャ⁉︎」
やや後方のアイも負けじと立体的に動き、未来ほどではないにしろ器用に躱していたが、雨霰と迫る銃弾には流石に対応が追い付かなくなってしまい、僅かに掠めだす。
「こんなのお姉ちゃんにしか無理だって⁉︎」
姉や従僕に遅れを取って心外なのか、頬っぺたをぷくっと膨らませて可愛い怒りんぼ顔になりつつ、やむなく応戦を捨てて回避に専念することにしたようだ。
「――アタシが盾になってあげるわ、よっと!」
言うな否や、ファーストの姿が黄色い液状の塊のようなモノに瞬時に変わる。
そして前に出ている未来とベロ、アイの更に前に滑り込むと言うか、ボールが跳ね回ると言う感じで跳び出ていった。
例えるとスライムがピョンピョン、みたいな?
『イッツ、ショウタイム! チャラリララーンってね!』
前に躍り出るとほぼ同時に、手品師が風呂敷でも広げるかのようにびろーんっと伸び広がり、前方の空間を覆い尽くす仮称スライム形態のファースト。
澄み切った静水のように美しい半球形状の防御壁を形成し、未来とアイを包み込むように護るのだった。
四方八方から降り注いでいた銃弾の全てが、風呂敷状のファーストの体内に吸い込まれ、液化した身体の中で静かに揺蕩り溶けていくときた。
「――ちょっ、ナニそれ⁉︎ 凄くないっ⁉︎」
目の前に迫る銃弾の尽くがファーストの防御壁へと取り込まれる様を間近で見た、近接戦闘しか手段のない未来は驚きの声を上げる。
「ハッハ?」
隣のベロも動きを止めて、首を傾げる素振りのあと軽いひと吠えを上げた。
「……ファーストさん、有難いけど大丈夫なの?」
回避する必要がなくなったアイは、右目のスカウターを下ろしライフルを構えて迎撃体勢を取り直す。
『貴女達……心配無用よ。この程度なら平気平気、バッチこいよ! アイちゃん、アイツら好きに撃っちゃって良いから! 銃口に合わせて空間を瞬間的に開放するから、何処を狙って撃っても良いわよ』
直後、念話のように頭に響くファーストの声。
「なら……遠慮なく――そこっ!」
体内に潜む生態組織的謎の何ぞの位置を特定し、正確にそこを撃ち抜き次々と鎮圧していくアイ。
「ボクらは応援でもしてよっか。アイ~、頑張れ~」
飛び道具のない未来はアイの手際に不安何ぞ一切ないようで、頭の後ろに手を組んでその様を余裕の表情で見やっていた。
「ハッハ~」
当然、噛み付く、体当たりするなどの獣的肉弾戦しかできない見せ場を奪われたベロは、ナニもできなくなったので未来の隣にちょこんとお座りし、大きな欠伸をしながら見やるのだった――。
―――――――――― つづく。
その内の一体が遂ぞ発砲する!
ソレを合図に他の意思無き肉塊共も一斉に動き出した――。
「なん……だと⁉︎ 道具何ぞも使えんのかよ⁉︎」
その場から後退しつつ思わず叫んでしまった。
今までの意思無き肉塊は、単に動く死体程度の俺的敵だった。
つまり、ゾンビに等しく知性など皆無だった筈なのだ。
更に言うと、道具何ぞを使えるとは夢にも思ってもいない。
事実、一度も使ったところを見ていないのだからな。
だがしかし、目の前の意思無き肉塊共はどうだ?
各々が元から装備している専用の武装――自動小銃何ぞとか――を使って攻撃してきやがる。
見やる限りでは全く同じモノに見えるので、ナニがどう違うか何ぞは明確には解らない。
だがしかし、今までとは明かに何ぞかが違うのだ。
四方八方に散開している意思無き肉塊は多数。
当然、降り注ぐ銃弾の数も半端なかった。
「フ、フフン;」「ハッハ!」
索敵特化のスゥも攻撃特化のベロと前衛を交代し、アリサの側まで後退する。
迎撃に出た未来とベロ、やや後方のアイに銃弾の雨となって容赦なく降り注ぐ!
「ハッ! 銃弾なんて掴むか躱すか殴り返せば良いだけよ! ね、ベロ!」
およそヒトには出来っこないような無茶なことを、涼しい顔で宣う未来はベロに同意を求める。
「――ハッ⁉︎ ハー?」
そんな無謀な要求に『ま、まぢっスか?』と言わんばかりに鼻を鳴らしたベロも、未来の動きに易々と言うか、意外にもしれっとついていったり。
「余裕っ!」
まるで弾道予測でもしているのかと思うほど、適確に難なく躱していく未来。
掠めそうな銃弾は、尽くアイアンキャンディで粉砕しながら有言実行していく。
「ハッ!」
未来を援護しつつ続くベロも、四方八方から飛んでくる銃弾に一切擦りもせず、ケルの並の動きで撹乱しつつ、意思無き肉塊が構える銃火器を持つ腕ないし手首だけを捥いで無力化していく。
「うぉーい、出鱈目にも程度があんぞ……」
そんな漫画やアニメの様な、銃弾より速い動きがリアルで出来るヒト何ぞ、俺家族以外に俺は知らない……。
それに難なくついていけるワンコ?何ぞも、俺は従僕以外に知らない……。
「えーっ⁉︎ 無茶苦茶過ぎるって! そんな動きができるのは、人類では、お姉ちゃんだけだってっ! ――キャ⁉︎」
やや後方のアイも負けじと立体的に動き、未来ほどではないにしろ器用に躱していたが、雨霰と迫る銃弾には流石に対応が追い付かなくなってしまい、僅かに掠めだす。
「こんなのお姉ちゃんにしか無理だって⁉︎」
姉や従僕に遅れを取って心外なのか、頬っぺたをぷくっと膨らませて可愛い怒りんぼ顔になりつつ、やむなく応戦を捨てて回避に専念することにしたようだ。
「――アタシが盾になってあげるわ、よっと!」
言うな否や、ファーストの姿が黄色い液状の塊のようなモノに瞬時に変わる。
そして前に出ている未来とベロ、アイの更に前に滑り込むと言うか、ボールが跳ね回ると言う感じで跳び出ていった。
例えるとスライムがピョンピョン、みたいな?
『イッツ、ショウタイム! チャラリララーンってね!』
前に躍り出るとほぼ同時に、手品師が風呂敷でも広げるかのようにびろーんっと伸び広がり、前方の空間を覆い尽くす仮称スライム形態のファースト。
澄み切った静水のように美しい半球形状の防御壁を形成し、未来とアイを包み込むように護るのだった。
四方八方から降り注いでいた銃弾の全てが、風呂敷状のファーストの体内に吸い込まれ、液化した身体の中で静かに揺蕩り溶けていくときた。
「――ちょっ、ナニそれ⁉︎ 凄くないっ⁉︎」
目の前に迫る銃弾の尽くがファーストの防御壁へと取り込まれる様を間近で見た、近接戦闘しか手段のない未来は驚きの声を上げる。
「ハッハ?」
隣のベロも動きを止めて、首を傾げる素振りのあと軽いひと吠えを上げた。
「……ファーストさん、有難いけど大丈夫なの?」
回避する必要がなくなったアイは、右目のスカウターを下ろしライフルを構えて迎撃体勢を取り直す。
『貴女達……心配無用よ。この程度なら平気平気、バッチこいよ! アイちゃん、アイツら好きに撃っちゃって良いから! 銃口に合わせて空間を瞬間的に開放するから、何処を狙って撃っても良いわよ』
直後、念話のように頭に響くファーストの声。
「なら……遠慮なく――そこっ!」
体内に潜む生態組織的謎の何ぞの位置を特定し、正確にそこを撃ち抜き次々と鎮圧していくアイ。
「ボクらは応援でもしてよっか。アイ~、頑張れ~」
飛び道具のない未来はアイの手際に不安何ぞ一切ないようで、頭の後ろに手を組んでその様を余裕の表情で見やっていた。
「ハッハ~」
当然、噛み付く、体当たりするなどの獣的肉弾戦しかできない見せ場を奪われたベロは、ナニもできなくなったので未来の隣にちょこんとお座りし、大きな欠伸をしながら見やるのだった――。
―――――――――― つづく。
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