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第参章 失いゆく、日常――秘密の花園編。
佰拾漆話 虚像。
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「貴女は――この海底遺跡何ぞを護っているか、管理している古くからの何ぞなのか?」
俺がハッキリさせたかったこと――。
ファーストが『ナニ』であるかと言う点。
『外見はイケメンなのに……残念なほどに爺むさい喋りなのね』
「ほっとけ! ……で、どーなんだ?」
そう。俺はファーストの埋まり方、埋まっている場所から、遺跡にはお約束の守護者ではないのかと推測した……ヒトではないけども。
流暢に喋れる点も、そう思った理由の一つ。
考えて導き出せる知恵っつーモノがないと、門番や管理者としてはNGだからな。
つまり、簡単に騙されて、問答無用に突破されるとかになってしまう――。
何処ぞのギャグアニメみたいにな。
『――意外に頭良いのね? 良く気付いたわね~、素直に褒めてあげる。どっかの誰かさんなんてさ、一生懸命にお門違いなことをやってるから、アタシ笑っちゃった』
「……喧しいのよ?」
冗談めかして宣うファーストに不機嫌になるアリサ。
ふむ。お門違いなことね……。
「実は俺が昔観たアニメでな、こんなパターンがあったんだ。そん時は余りにも長い時間を守護させられた所為で、護る理由そのモノを忘れるギャグだったんだが。……で、この場所が出入口で、中には重要な何ぞがあるんだろ? 更に言うと、ここを通るないし開けるのにも、何ぞな資格とかが要るってわけだよな?」
『――凄いわね、そこまで理解しているなんて。流石のアタシもビックリよ。――ま、いちいち説明する手間が省けて楽だけどさ。……そうね、だったらさ……必要な資格ってナニだと思う?』
俺が会話をしている間も、埋まっているファーストの像に動きはない。
だがしかし。
頭に響く喋り方が、悪戯っ子の嬉々とした感じに、突然、変わった。
「俺を試すか。ならば、コレじゃね? 更に言うと鍵はアリサのコレ」
「――え⁉︎ コレってKeyだったのよ⁉︎」
唐突に最妃の胸元に在る俺的ペンダントを指差し、続いてアリサの胸に在るソウルジェムを指差す俺。
ついでに言うと、指差したソウルジェムを手に取り、目を真ん丸に見開いて驚いているアリサだったり。
気付いてなかったんかい!
そりゃ『お門違い』って言われるわな。
俺が答えとして提示したモノ。
正しくは――中央に収まっている紫の神秘の珠玉と黄色の宝石っぽいヤツだけどな?
つまり、アリサの黄色いソウルジェム何ぞも、神秘の珠玉に連なる何ぞなモノで合ってる筈。
ファーストの言う、お門違いの意味。
アリサが必死になって調べていた、ファーストの像何ぞからは、絶対に答えを得るに至らないってことだ。
ま、俺に三色の神秘の珠玉を譲るくらいだ。
重要な文字通りのキーアイテムが、まさかの灯台下暗しだった何ぞ、アリサは夢にも思ってなかったんだろうな、きっと。
ご愁傷様。――と言うか、ザマァだ。
『――貴方……一体、ナニモノ?』
「ただのおやぢ……今はそうでもないかもだがな?」
『……そう。正解よ。付け加えると、紫、紅、碧の三つが揃った状態で、アリサの黄をアタシに提示する。――と、言うのが答えで一応の資格の条件よ。でもさ、どうして解ったのよ?』
言い当てた俺に驚きを隠せないのか、響く声が怪訝そうになるファーストは、答えに辿り着いた理由を尋ねてくる。
「ファーストが埋まっている壁っぽいモノに見覚えがあったのが大きい。その場所に入るのにも神秘の珠玉……碧が必要だった。そして、この階層に行き来する為にアリサの黄がその役目を担ってた。更に貴女を見た瞬間、俺は唐突に船首像を連想した――それは護るって意味を持つモノだ。で、このファンタジーな状況とくれば、全く無関係って筈がないだろ? 全てが必然で繋がっていると踏んだわけだ。その辺りは……まぁ、お約束ってヤツだがな」
と、不適切な笑顔で伊達メガネ、キラッ! な俺は、そう答えてやった。
「流石、私の彼方」
最妃が俺の隣で感心するかの如く、ウンウンと相槌を打っている。
「意味フ」「チンプンカンプン デス」
こーゆー難しいことの解らない未来とクモヨは、ぽかーんと呆けているけどな。
「アイは……アイは解ってた、ちゃんと解ってたよ! アイも解ってたから」
アイは……ま、俺の記憶を継承してるから、一応は解ってるっぽい素振り。
その引き攣った怪しい笑顔が、本当に解ってるのか怪しいけどな?
『貴方、伊達に爺むさいってわけではないのね。……じゃあさ、中にはナニがあると思う?』
更に試そうとしてくるファースト。
どうやら、ちょっとした娯楽に付き合わされるようだ……探偵推理モノかっての。
長い間、ヒトとの交流がなかったようだし、寂しかったのか? ……ま、いいけどな。
だがしかし。
上が危機的状況っての解ってんのかね?
悠長に遊ぶ余裕があるほどに、ここは安全だとでも?
―――――――――― つづく。
俺がハッキリさせたかったこと――。
ファーストが『ナニ』であるかと言う点。
『外見はイケメンなのに……残念なほどに爺むさい喋りなのね』
「ほっとけ! ……で、どーなんだ?」
そう。俺はファーストの埋まり方、埋まっている場所から、遺跡にはお約束の守護者ではないのかと推測した……ヒトではないけども。
流暢に喋れる点も、そう思った理由の一つ。
考えて導き出せる知恵っつーモノがないと、門番や管理者としてはNGだからな。
つまり、簡単に騙されて、問答無用に突破されるとかになってしまう――。
何処ぞのギャグアニメみたいにな。
『――意外に頭良いのね? 良く気付いたわね~、素直に褒めてあげる。どっかの誰かさんなんてさ、一生懸命にお門違いなことをやってるから、アタシ笑っちゃった』
「……喧しいのよ?」
冗談めかして宣うファーストに不機嫌になるアリサ。
ふむ。お門違いなことね……。
「実は俺が昔観たアニメでな、こんなパターンがあったんだ。そん時は余りにも長い時間を守護させられた所為で、護る理由そのモノを忘れるギャグだったんだが。……で、この場所が出入口で、中には重要な何ぞがあるんだろ? 更に言うと、ここを通るないし開けるのにも、何ぞな資格とかが要るってわけだよな?」
『――凄いわね、そこまで理解しているなんて。流石のアタシもビックリよ。――ま、いちいち説明する手間が省けて楽だけどさ。……そうね、だったらさ……必要な資格ってナニだと思う?』
俺が会話をしている間も、埋まっているファーストの像に動きはない。
だがしかし。
頭に響く喋り方が、悪戯っ子の嬉々とした感じに、突然、変わった。
「俺を試すか。ならば、コレじゃね? 更に言うと鍵はアリサのコレ」
「――え⁉︎ コレってKeyだったのよ⁉︎」
唐突に最妃の胸元に在る俺的ペンダントを指差し、続いてアリサの胸に在るソウルジェムを指差す俺。
ついでに言うと、指差したソウルジェムを手に取り、目を真ん丸に見開いて驚いているアリサだったり。
気付いてなかったんかい!
そりゃ『お門違い』って言われるわな。
俺が答えとして提示したモノ。
正しくは――中央に収まっている紫の神秘の珠玉と黄色の宝石っぽいヤツだけどな?
つまり、アリサの黄色いソウルジェム何ぞも、神秘の珠玉に連なる何ぞなモノで合ってる筈。
ファーストの言う、お門違いの意味。
アリサが必死になって調べていた、ファーストの像何ぞからは、絶対に答えを得るに至らないってことだ。
ま、俺に三色の神秘の珠玉を譲るくらいだ。
重要な文字通りのキーアイテムが、まさかの灯台下暗しだった何ぞ、アリサは夢にも思ってなかったんだろうな、きっと。
ご愁傷様。――と言うか、ザマァだ。
『――貴方……一体、ナニモノ?』
「ただのおやぢ……今はそうでもないかもだがな?」
『……そう。正解よ。付け加えると、紫、紅、碧の三つが揃った状態で、アリサの黄をアタシに提示する。――と、言うのが答えで一応の資格の条件よ。でもさ、どうして解ったのよ?』
言い当てた俺に驚きを隠せないのか、響く声が怪訝そうになるファーストは、答えに辿り着いた理由を尋ねてくる。
「ファーストが埋まっている壁っぽいモノに見覚えがあったのが大きい。その場所に入るのにも神秘の珠玉……碧が必要だった。そして、この階層に行き来する為にアリサの黄がその役目を担ってた。更に貴女を見た瞬間、俺は唐突に船首像を連想した――それは護るって意味を持つモノだ。で、このファンタジーな状況とくれば、全く無関係って筈がないだろ? 全てが必然で繋がっていると踏んだわけだ。その辺りは……まぁ、お約束ってヤツだがな」
と、不適切な笑顔で伊達メガネ、キラッ! な俺は、そう答えてやった。
「流石、私の彼方」
最妃が俺の隣で感心するかの如く、ウンウンと相槌を打っている。
「意味フ」「チンプンカンプン デス」
こーゆー難しいことの解らない未来とクモヨは、ぽかーんと呆けているけどな。
「アイは……アイは解ってた、ちゃんと解ってたよ! アイも解ってたから」
アイは……ま、俺の記憶を継承してるから、一応は解ってるっぽい素振り。
その引き攣った怪しい笑顔が、本当に解ってるのか怪しいけどな?
『貴方、伊達に爺むさいってわけではないのね。……じゃあさ、中にはナニがあると思う?』
更に試そうとしてくるファースト。
どうやら、ちょっとした娯楽に付き合わされるようだ……探偵推理モノかっての。
長い間、ヒトとの交流がなかったようだし、寂しかったのか? ……ま、いいけどな。
だがしかし。
上が危機的状況っての解ってんのかね?
悠長に遊ぶ余裕があるほどに、ここは安全だとでも?
―――――――――― つづく。
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