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第参章 失いゆく、日常――秘密の花園編。
漆拾陸話 襲撃、其の弐。
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俺嫁にめっさ構ってもらいご満悦状態の俺は、とりあえずご飯ができるまで自室に居ることにした。
そして、クローゼットの中からあるモノを取り出す――。
「ちょいと試着しておこう、きっと驚くぞ!」
今回の旅行は南国の秘湯。
更に言うと密林。
まぁ、アリサの魂胆も見え見えだったしな?
未来じゃないが……秘境探検何ぞの機会もあるやも知れん。
そんなこともあろうかとやっぱり色々と持ってきた、俺がありとあらゆる手を尽くして手に入れた、某国デルタ何某っつー特殊部隊の制服だぜ?
どう見てもパッと見は軍装だけどもな?
折角、用意してきてだな、ゲート調査の時に道具の準備に気を取られ過ぎて、着込むのをすっかり忘れてた。
本末転倒で大馬鹿野郎な俺……まぢ失敗したわ、うん。
だから今、思い出したんだけどもな?
アニメのコスプレ軍服の方にするか、散々、悩んだが、軍服はやっぱりスルーして軍装にすることにした。
万一、探索チーム何ぞが同行でもしよーもんならえらいことになるからだ。
俺は国際基準的に馬鹿の称号を得ることになる。
なので、今回は俺にしては真面な軍装にした。
ちなみに、本物じゃ~ない。
全部コスプレ用のだ!
なので、基本ただの服だな……形からってヤツだよ。
だが、ミリタリージャケットとかナイトヴィジョン、特殊警棒、無線機何ぞの一部装備品には手を加えてあるけどな?
俺はただのおやぢ……ではないけども。
無能力者……でもなくなったけども。
俺的痛カーゴパンツも使い易くて良いが、格好ぐらいはちと本格的にしておきたくてな?
「冒険するなら探検衣装がお約束。俺的に特殊部隊の軍装姿が、やっぱり一番しっくりくるわ」
早速、着替えた俺は鏡の前で香ばしいポーズだ。
若返った分、痛さが減って見ていて格好良い。
前は痛いおやぢの痛いコスプレだったしな。
格好良いのは勿論、俺じゃなくて装備の方だけども。
「彼方ー、できましてよー」
下の階から俺を呼ぶ最妃の声。
「さよかー、直ぐ行くー」
返事をして、この格好のままリビングへと向かう俺。
そしてリビングに着くなり、粗方の予想通りの反応が返ってきた。
「あのさ、パパ? どっかでドンパチでもやらかすの? そのミリタリーポリス的な痛い格好は、ナニ?」
「パパ、凄い格好良いー♪ アイも着たいー!」
ジト目で俺を見やる未来に、蘭々とした目で見るアイ。
「あらあら。良く似合ってらしてよ?」
いつも通りの和やかな笑顔で褒めてくれる最妃。
「俺って身体的にはただのおやぢじゃん? せめて見た目の格好くらいはなと思ってな? アイは身体能力がチート過ぎて、本物の特殊部隊も真っ青な隊員になるのな。まぢ洒落にならんからな? やめとけ」
「えー?」
「ならさ、ボクも駄目だよ。――用意してくれても痛過ぎて、絶対着ないけどさ」
「なんと!? この俺的素敵軍装を痛いと仰るか!?」
とかなんとか。
いつも通りのお約束的なノリで、斗家の面々は最妃の手料理に舌鼓を打ちつつ、ちょいと遅めの昼食を和気藹々と過ごすーー?
ん? ちょいと待つよろし。
「あれ? アリサと従僕共は?」
「あれ? そう言えば? 叔母さん来てないね?」
「アリサは研究室に戻ってらしてよ? 遂に開いたーとかで大騒ぎでしたわよ?」
そう。アリサは最妃の手料理が大好きだ。
好きすぎて前日から楽しみにして我慢するほどにだ。
ここに来てからも毎度毎回楽しみにしてて、どんだけ忙しかろうとも仕事を放り投げてきて、昼夜だけは欠かさずこっちに食べに来ていた筈。
どうしても抜けて来れない用事の線もあるが……。
だが、従僕、特にベロが居ないのは流石に異常だ。
ヤツは飯時は真っ先にやって来るからな。
さっきまでリビングに居た筈なのに?
何ぞおかしくないか?
妙な胸騒ぎがする――。
「アイ。俺的勘だが……嫌な胸騒ぎがする。飯時ですまんが緊急でアリサと従僕の居場所を特定してみてくれんか」
「うん、良いよ。パパ、ちょと待ってねっと。んー」
アイは目を瞑り意識を集中させて、アリサと従僕の居場所特定を急ぎ始めてくれた。
「パパ、いきなり、ナニ?」
未来も俺の様子に怪訝そうに軽口を叩くものの、ただならぬ焦燥感を感じ取ったのか、アイと同じく目を瞑り意識を集中させ始める。
「あらあら」
最妃は心配そうに皆を交互に見やっていた。
「チュイン!」
その中リペアだけがマイペースに食事をしていやがる……って。
おい! サラッと皆に溶け込んでんじゃねーよ!
俺の嫌な胸騒ぎが気の所為であってくれよ……。
「えっと、あれ? 居場所が解らないよ? 嫌な気配もほんの少し研究施設からするけど、あそこって研究所だから……それの所為かな? 周囲からは……嫌な気配はなしっと。パパ」
「――ボクは駄目。やっぱりボクが危険に巻き込まれる時か、狙われる対象になってないとハッキリしないよ。特に広範囲だと余計に無理っぽい」
「存在を完璧に隠蔽してたノウも居たんだ! 少しでも危険性が否定出来なけば要確認だ! ちょっとした油断は大惨事に繋がる! 急ぎアリサに電話してみてくれ、最妃。ついで大好にもだ! ――念の為だ!」
「承知よ、彼方」
大急ぎでスマホを取り出して電話する最妃。
しかし状況は最悪の方向に傾いた――。
「――電波が届きません、と仰ってますわ」
「ママー、アンテナ立ってる?」
「――あ! ボクの圏外」
「私のもでしてよ?」
「固定電話で行け! 最悪は緊急回線を使え! アイは俺的玩具を急ぎ装備して索敵継続! 未来は急いで着替えて来い! んで、直ぐ戻れ!」
「ちょ、マジで!?」「承知ですわ」
「了解! 四〇秒で用意します!」
最妃は直ぐ様、電話口に行きアリサを呼び出す。
その間にアイは二階へ一気に跳んで自室に入った。
未来も渋々だが血相を変えて叫ぶ俺に従った。
従僕は必ず一匹は残る。
それが三匹共居ないだと?
索敵特化技能持ちのアイですら、居場所特定不可ってなんだ……。
「彼方、アリサは駄目ですわ、通じません!」
「大好に連絡は?」
「お待ちを!」
「呼び出し音は?」
「鳴ってませんわ…… 駄目ですわ!」
「大好専用の緊急秘匿回線で繋げ!」「承知!」
もう間違いない!
これはヒュービーの仕業だ!
知識が自由に引き出せないのが痛いな。
まさかゲートが開いたことで特定されたっ!?
……否、過去に開いてる以上、可能性としては低いな。
だとすればだ、可能性が最も高いのは……。
研究室のサンプルが生きていた場合ってヤツか!
アイも微弱に感じるって言ってたしな。
コッチが恐らく正解だな。
それで場所が特定されて取り返しにでも来たのか?
あるいは――お約束の実験中の暴走とかだな。
―――――――――― つづく。
そして、クローゼットの中からあるモノを取り出す――。
「ちょいと試着しておこう、きっと驚くぞ!」
今回の旅行は南国の秘湯。
更に言うと密林。
まぁ、アリサの魂胆も見え見えだったしな?
未来じゃないが……秘境探検何ぞの機会もあるやも知れん。
そんなこともあろうかとやっぱり色々と持ってきた、俺がありとあらゆる手を尽くして手に入れた、某国デルタ何某っつー特殊部隊の制服だぜ?
どう見てもパッと見は軍装だけどもな?
折角、用意してきてだな、ゲート調査の時に道具の準備に気を取られ過ぎて、着込むのをすっかり忘れてた。
本末転倒で大馬鹿野郎な俺……まぢ失敗したわ、うん。
だから今、思い出したんだけどもな?
アニメのコスプレ軍服の方にするか、散々、悩んだが、軍服はやっぱりスルーして軍装にすることにした。
万一、探索チーム何ぞが同行でもしよーもんならえらいことになるからだ。
俺は国際基準的に馬鹿の称号を得ることになる。
なので、今回は俺にしては真面な軍装にした。
ちなみに、本物じゃ~ない。
全部コスプレ用のだ!
なので、基本ただの服だな……形からってヤツだよ。
だが、ミリタリージャケットとかナイトヴィジョン、特殊警棒、無線機何ぞの一部装備品には手を加えてあるけどな?
俺はただのおやぢ……ではないけども。
無能力者……でもなくなったけども。
俺的痛カーゴパンツも使い易くて良いが、格好ぐらいはちと本格的にしておきたくてな?
「冒険するなら探検衣装がお約束。俺的に特殊部隊の軍装姿が、やっぱり一番しっくりくるわ」
早速、着替えた俺は鏡の前で香ばしいポーズだ。
若返った分、痛さが減って見ていて格好良い。
前は痛いおやぢの痛いコスプレだったしな。
格好良いのは勿論、俺じゃなくて装備の方だけども。
「彼方ー、できましてよー」
下の階から俺を呼ぶ最妃の声。
「さよかー、直ぐ行くー」
返事をして、この格好のままリビングへと向かう俺。
そしてリビングに着くなり、粗方の予想通りの反応が返ってきた。
「あのさ、パパ? どっかでドンパチでもやらかすの? そのミリタリーポリス的な痛い格好は、ナニ?」
「パパ、凄い格好良いー♪ アイも着たいー!」
ジト目で俺を見やる未来に、蘭々とした目で見るアイ。
「あらあら。良く似合ってらしてよ?」
いつも通りの和やかな笑顔で褒めてくれる最妃。
「俺って身体的にはただのおやぢじゃん? せめて見た目の格好くらいはなと思ってな? アイは身体能力がチート過ぎて、本物の特殊部隊も真っ青な隊員になるのな。まぢ洒落にならんからな? やめとけ」
「えー?」
「ならさ、ボクも駄目だよ。――用意してくれても痛過ぎて、絶対着ないけどさ」
「なんと!? この俺的素敵軍装を痛いと仰るか!?」
とかなんとか。
いつも通りのお約束的なノリで、斗家の面々は最妃の手料理に舌鼓を打ちつつ、ちょいと遅めの昼食を和気藹々と過ごすーー?
ん? ちょいと待つよろし。
「あれ? アリサと従僕共は?」
「あれ? そう言えば? 叔母さん来てないね?」
「アリサは研究室に戻ってらしてよ? 遂に開いたーとかで大騒ぎでしたわよ?」
そう。アリサは最妃の手料理が大好きだ。
好きすぎて前日から楽しみにして我慢するほどにだ。
ここに来てからも毎度毎回楽しみにしてて、どんだけ忙しかろうとも仕事を放り投げてきて、昼夜だけは欠かさずこっちに食べに来ていた筈。
どうしても抜けて来れない用事の線もあるが……。
だが、従僕、特にベロが居ないのは流石に異常だ。
ヤツは飯時は真っ先にやって来るからな。
さっきまでリビングに居た筈なのに?
何ぞおかしくないか?
妙な胸騒ぎがする――。
「アイ。俺的勘だが……嫌な胸騒ぎがする。飯時ですまんが緊急でアリサと従僕の居場所を特定してみてくれんか」
「うん、良いよ。パパ、ちょと待ってねっと。んー」
アイは目を瞑り意識を集中させて、アリサと従僕の居場所特定を急ぎ始めてくれた。
「パパ、いきなり、ナニ?」
未来も俺の様子に怪訝そうに軽口を叩くものの、ただならぬ焦燥感を感じ取ったのか、アイと同じく目を瞑り意識を集中させ始める。
「あらあら」
最妃は心配そうに皆を交互に見やっていた。
「チュイン!」
その中リペアだけがマイペースに食事をしていやがる……って。
おい! サラッと皆に溶け込んでんじゃねーよ!
俺の嫌な胸騒ぎが気の所為であってくれよ……。
「えっと、あれ? 居場所が解らないよ? 嫌な気配もほんの少し研究施設からするけど、あそこって研究所だから……それの所為かな? 周囲からは……嫌な気配はなしっと。パパ」
「――ボクは駄目。やっぱりボクが危険に巻き込まれる時か、狙われる対象になってないとハッキリしないよ。特に広範囲だと余計に無理っぽい」
「存在を完璧に隠蔽してたノウも居たんだ! 少しでも危険性が否定出来なけば要確認だ! ちょっとした油断は大惨事に繋がる! 急ぎアリサに電話してみてくれ、最妃。ついで大好にもだ! ――念の為だ!」
「承知よ、彼方」
大急ぎでスマホを取り出して電話する最妃。
しかし状況は最悪の方向に傾いた――。
「――電波が届きません、と仰ってますわ」
「ママー、アンテナ立ってる?」
「――あ! ボクの圏外」
「私のもでしてよ?」
「固定電話で行け! 最悪は緊急回線を使え! アイは俺的玩具を急ぎ装備して索敵継続! 未来は急いで着替えて来い! んで、直ぐ戻れ!」
「ちょ、マジで!?」「承知ですわ」
「了解! 四〇秒で用意します!」
最妃は直ぐ様、電話口に行きアリサを呼び出す。
その間にアイは二階へ一気に跳んで自室に入った。
未来も渋々だが血相を変えて叫ぶ俺に従った。
従僕は必ず一匹は残る。
それが三匹共居ないだと?
索敵特化技能持ちのアイですら、居場所特定不可ってなんだ……。
「彼方、アリサは駄目ですわ、通じません!」
「大好に連絡は?」
「お待ちを!」
「呼び出し音は?」
「鳴ってませんわ…… 駄目ですわ!」
「大好専用の緊急秘匿回線で繋げ!」「承知!」
もう間違いない!
これはヒュービーの仕業だ!
知識が自由に引き出せないのが痛いな。
まさかゲートが開いたことで特定されたっ!?
……否、過去に開いてる以上、可能性としては低いな。
だとすればだ、可能性が最も高いのは……。
研究室のサンプルが生きていた場合ってヤツか!
アイも微弱に感じるって言ってたしな。
コッチが恐らく正解だな。
それで場所が特定されて取り返しにでも来たのか?
あるいは――お約束の実験中の暴走とかだな。
―――――――――― つづく。
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