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第参章 失いゆく、日常――秘密の花園編。

漆拾壱話 調査、其の参。

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「どーよ?」

Unbelie信じられないvableなのよ!? Trulyホントになのよ?」

「流石です。マスター。アイも驚嘆」

「フ、フフンッ!」

 未来譲りの伊達眼鏡、クイッ! に続き、不適切な笑顔で伊達眼鏡、キラッ! 更に香ばしいポーズを決めてドヤ顔な俺。

 索敵継続中のアイが抑揚なく驚くのに対して、顎が外れんばかりに驚きまくっているアリサ。

 スゥについてはソッポを向くも珍しく俺の側で『ほ、褒めてあげても良いんだからね』的な態度で、俺に向かって顎を持ち上げ鼻を鳴らしやがった。
 スゥも謎生物以外のナニモノでもないな。


 ほどなくして静かに開く門のようなモノ。


 中は真っ暗である。
 単なるミニライトでは光量不足だった。

「アイ。中を照らしてくれ」

「了解」

 仮称、アイライトを再び点灯させ、中を照らすアイ。

 かなり奥に長い通路のようなモノであることが、俺達側から見て取れた。

 流石に罠とかはないだろうが、一応は警戒だな。
 開いた門のようなモノから何ぞかが出てきたり、場合によっては奇襲を喰らうかも知れない。

「アイ。周囲の警戒。何ぞ感知したら頼む。スゥもアイのフォロー頼んだぞ」

 俺は真顔に戻って皆を見やると、少し真面目な声でもう一度注意を促した。

「了解。敵勢力無し。有害物質なし」

 抑揚なく返事をしたアイは索敵警戒モードになり、俺的ビームライフルを構えて待機。

「フフンッ」

 スゥも頷いて兎耳レーダーをクルクルと動かし、油断なく周囲の状況を見張り警戒に当たる。

 アリサは門のようなモノを興味津々に調べていた。

 気になる所を細かく一通り触ってみたりしながら、持ってきた林檎印のタブレットに次々に入力していく。

Fantasy未知のモノなのよ?」

 一通り作業が終わると、肩を竦めて呆れ声で呟いた。

「アリサ。ここから先へは俺とアイの二人で行く。スゥと一緒に待機か皆の所へ戻ってくれ」

「アリサ様。ナニがあるか不明。アイも推奨」

「え!? 一緒に行きたいのよ?」

 俺の指示に納得のいかない表情で異議を唱えるアリサ。

 門のようなモノを開けるまでについては、正直に言うと大丈夫だろうと確信していた。
 実際に思った通りの結果だったわけだしな。


 だがしかし。
 ここから先は完全に未知の領域だ。
 想定外の危険に巻き込まれる可能性だってある。


「駄目だ! 先ずは安全確認が先だ!」

 断じてアリサを連れて行くわけにはいかん。
 アイも置いて行きたいところだが、情けない話、流石に俺一人では難しい。

「肯定」「そんなのよ?」

「安全性が確認ないし確保したら連れて行く。今だけは納得しておいてくれ、な? アリサ。格好つけるわけではないが、もしもアリサの身にナニかあったら…… 」

「アリサ様……マスターはアイが必ずお護り致します。アリサ様を優先してお護りするとなると、マスターをお護りすることに支障が出ます。故にどうかここはご納得なさって下さい」

「Understaわかったnd――なのよ?」

 俺とアイの説得に渋々応じるアリサ。

 項垂れて元気のないアリサの両手を取ると、決意を込めて優しく微笑むアイ。

 俺は横からアリサの頭をグシャグシャと撫でて、いつもと同じ精一杯の笑顔で見やった。

 二人を交互に見て大きく頷いたアリサは、スゥを伴って洞窟温泉から出ていった――。


「さて。ナニが出るかな?」

「不明。不安ですが楽しみでもあります」

「だよな?」「肯定」

 アイを見やり頭をグシャグシャと撫でたあと、門のようなモノに向き直る俺とアイ。

 仮称、アイライトと単なるミニライトで照らしつつ、通路のようなモノを慎重に奥に進んで行った――。



 ―――――――――― つづく。
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