1 / 9
序章
00. 最強の冒険者。
しおりを挟む
日の光が薄っすらとしか届かない、濃霧が立ち込める深い森の奥で繰り広げられていた戦闘。
「GHAAAAー!」
丸太のような巨大な棍棒で樹々を薙ぎ倒し、好き勝手に暴れ狂う単眼の巨人。
「くそったれが!」
振り下ろされる棍棒、倒れる樹々、舞い上がる土や石を必死に躱し、人の数十倍はあろうかと言う魔物に応戦するは、中等級の冒険者である四人のパーティ。
だがしかし。理不尽なまでの体格差に加え、純粋な力の差でも大きく負けていた。
なす術なく、次第に追い詰められていく冒険者達。
「ここは俺が防ぐっ! お前らは今の内に――」
重戦士風の重厚な甲冑に身を包んだ壮年の巨漢が、大盾で攻撃を受け流しつつ仲間へと撤退を叫ぶ。
「馬、馬鹿を言うなっ⁉︎ お前だけ置いていけるわけねぇってのっ⁉︎」
重戦士の直ぐ隣。
長剣と小盾を駆使して同様に凌ぐ、剣士風の軽鎧に身を包んだ優男がこれを拒否する。
「そう言うことよっ! どでかい花火をぶちかますから、アンタ達、なんとか耐えなさいよっ!」
その後方で呪文を唱えていた、黒い胸元の開いた衣服を扇情的に着込む、魔術師風の妙齢な女性。
呪文詠唱のあと杖を振るうと、巨大な魔法陣が宙に浮かんだ。
「ちょちょっ⁉︎ 防御結界がまだ――って、もう!」
それを見た白い祭服を身に纏った神官の少女が、大慌てで錫杖を翳し祈りを捧げる。
重戦士と剣士の二人、魔術師と自分が入る広範囲に、透明な球状の防御結界が生成されるのだった。
その直後、炎の渦が周囲を包み、轟音と共に大爆発が起きる。
「GHAAAAー!」
だがしかし。
爆炎と黒煙の中からゆっくりと現れる、単眼の巨人。
「――な、なんだと⁉︎ あ、あれを耐えるのかよっ⁉︎」
「なんてやつっ⁉︎ まさか手を抜いて――」
「そんなわけないでしょっ⁉︎ 唱えられる最上位の殲滅魔法よっ⁉︎」
「嘘っ⁉︎ 私の防御結界も消し飛んだ破壊力だってのにっ⁉︎」
各々に驚愕する声をあげるのも仕方ない。
爆煙をあげ周囲の何もかもが吹き飛んだ焦土のど真ん中で、全くの無傷で平然としていたからだ。
「おいおいおい、厄災級って伊達じゃねーってこっ――ガハァ⁉︎」
大盾を構え愚痴った直後、棍棒で薙ぎ払われた重戦士。軽く宙に浮き、そのまま吹き飛んた。
「――グハァ⁉︎」
更に剣士が魔術師と神官を飛び越えて、遥か後方へと吹き飛んでいく。
「GHAAAAー!」
相対する魔物――単眼の巨人は、あまりにも脆弱な冒険者に対し、威嚇の雄叫びを挙げた。
「これは……年貢の納め時ってやつね」
「し、死ぬのは嫌だ! 神よ救いを!」
顔面蒼白になりつつも、油断なく武器を構えて後退る魔術師と神官。
その直後、巨大な棍棒を振り上げて、小煩い羽虫を潰さんと叩きつける。
「――ヒィっ⁉︎」「――神よっ⁉︎」
咄嗟に魔術師は杖、神官は錫杖で受け止めようと頭上に翳し、その場で蹲る。
だがしかし。
巨躯の魔物が放つ丸太以上に太い棍棒を、女性の華奢な腕で如きで受け止められる筈もなく。
原型も留めず、跡形もなく、ただ惨たらしく潰れて、圧死してしまう――。
「――え?」「――な?」
そうはならなかった。何故なら――。
「えっと……大丈夫?」
振り下ろされた棍棒を右腕一本で鷲掴みにした、見ず知らずの誰かが助けてくれたから。
それは紅い外套から覗かせる幼い顔立ちに不似合いの、真っ黒な眼帯で右目を覆った銀目に銀髪の美幼女だった。
右腕を頭上に掲げている所為で、着込んでいる紅い硬鋼の半身鎧が窺える。
また背中に背負っている身の丈を優に超える大剣、腰に提げている長剣などが、見た目の幼さとはどうにも不釣り合いで妙な印象を受ける。
何よりも棍棒を掴んでいる右腕。
人のそれ、ましてや幼女のそれとは大きく異なった魔物に等しい異形の手首だった。
「――お姉さん達は実に運が良い。死んじゃう前にボクらと出逢えて、さ!」
「GHA⁉︎」
禍々しい手首で掴む巨大な棍棒ごと、人の数倍の巨躯である単眼の巨人を易々と持ち上げ、更には軽々と放り投げた。
「し、信じられないっ⁉︎」
「あわわ……身体強化系術式でしょうか……」
二人は腰を抜かしたのか、その場でへたり込み顔面蒼白で慄くだけ。
「お姉さん達、格好から察するに……真っ当な冒険者と違くね? それは些か……ちょっち情けなくね?」
やや呆れた口調で二人に告げる美幼女。
「本当に。それでも中等級の冒険者ですか?」
「――ひゃっ⁉︎」「――にゃっ⁉︎」
間髪入れず誰かが二人を抱きかかえ、叱責しつつも後方に飛んだ。
それは微かに油の混じった金属臭さと、汗くっさくも酸っぱい臭いが鼻につく、それでいて妙に甘ったるい香りも微かにする、姫騎士然とした白銀の鎧に身を包み、長い金髪を束ねた髪型の女性。
「貴女達。今から安全の為に防御結界を施します。術式には抵抗せず、素直に受け入れて下さい」
滑稽な目玉の描かれた布で、両目を隠すように覆っている顔を向け、やや艶のある甘い声でそう告げた姫騎士。
そっと二人に両手を翳すと、光り輝く衣に包まれる魔術師と神官。
「こ、これは……防御結界っ⁉︎ しかも範囲でない個別術式じゃないですかっ⁉︎」
自分より高位の術式を唱えられるのを目の当たりにした神官は、当然、驚く。
「嘘っ⁉︎ そんな高等な術式……え、上等級の冒険者っ⁉︎」
姫騎士の首から提げられる冒険者の証――身分証を目にして驚く魔術師。
「そうなん? ボクには凄いのかなんて良く解らないけど」
そう苦笑いで答える美幼女は、背中の身の丈もある大剣を軽々と抜き放ち、やや腰を落とした低姿勢で身構える。
「私も一応は上等級に身を置く身分の冒険者でもありますので。この程度なら――」
なんとなく自慢気に語り始める姫騎士。
「――話し長そう。色々と面倒臭いから、もうぶった斬って終わっちゃうね?」
そう軽口を告げた瞬間、美幼女が三人の目の前から掻き消えた。
「GHA――」
その直後、怒り狂って棍棒を振り翳す単眼の巨人が左右に真っ二つ――縦に両断されるのだった。
―――――――――― つづく。
「GHAAAAー!」
丸太のような巨大な棍棒で樹々を薙ぎ倒し、好き勝手に暴れ狂う単眼の巨人。
「くそったれが!」
振り下ろされる棍棒、倒れる樹々、舞い上がる土や石を必死に躱し、人の数十倍はあろうかと言う魔物に応戦するは、中等級の冒険者である四人のパーティ。
だがしかし。理不尽なまでの体格差に加え、純粋な力の差でも大きく負けていた。
なす術なく、次第に追い詰められていく冒険者達。
「ここは俺が防ぐっ! お前らは今の内に――」
重戦士風の重厚な甲冑に身を包んだ壮年の巨漢が、大盾で攻撃を受け流しつつ仲間へと撤退を叫ぶ。
「馬、馬鹿を言うなっ⁉︎ お前だけ置いていけるわけねぇってのっ⁉︎」
重戦士の直ぐ隣。
長剣と小盾を駆使して同様に凌ぐ、剣士風の軽鎧に身を包んだ優男がこれを拒否する。
「そう言うことよっ! どでかい花火をぶちかますから、アンタ達、なんとか耐えなさいよっ!」
その後方で呪文を唱えていた、黒い胸元の開いた衣服を扇情的に着込む、魔術師風の妙齢な女性。
呪文詠唱のあと杖を振るうと、巨大な魔法陣が宙に浮かんだ。
「ちょちょっ⁉︎ 防御結界がまだ――って、もう!」
それを見た白い祭服を身に纏った神官の少女が、大慌てで錫杖を翳し祈りを捧げる。
重戦士と剣士の二人、魔術師と自分が入る広範囲に、透明な球状の防御結界が生成されるのだった。
その直後、炎の渦が周囲を包み、轟音と共に大爆発が起きる。
「GHAAAAー!」
だがしかし。
爆炎と黒煙の中からゆっくりと現れる、単眼の巨人。
「――な、なんだと⁉︎ あ、あれを耐えるのかよっ⁉︎」
「なんてやつっ⁉︎ まさか手を抜いて――」
「そんなわけないでしょっ⁉︎ 唱えられる最上位の殲滅魔法よっ⁉︎」
「嘘っ⁉︎ 私の防御結界も消し飛んだ破壊力だってのにっ⁉︎」
各々に驚愕する声をあげるのも仕方ない。
爆煙をあげ周囲の何もかもが吹き飛んだ焦土のど真ん中で、全くの無傷で平然としていたからだ。
「おいおいおい、厄災級って伊達じゃねーってこっ――ガハァ⁉︎」
大盾を構え愚痴った直後、棍棒で薙ぎ払われた重戦士。軽く宙に浮き、そのまま吹き飛んた。
「――グハァ⁉︎」
更に剣士が魔術師と神官を飛び越えて、遥か後方へと吹き飛んでいく。
「GHAAAAー!」
相対する魔物――単眼の巨人は、あまりにも脆弱な冒険者に対し、威嚇の雄叫びを挙げた。
「これは……年貢の納め時ってやつね」
「し、死ぬのは嫌だ! 神よ救いを!」
顔面蒼白になりつつも、油断なく武器を構えて後退る魔術師と神官。
その直後、巨大な棍棒を振り上げて、小煩い羽虫を潰さんと叩きつける。
「――ヒィっ⁉︎」「――神よっ⁉︎」
咄嗟に魔術師は杖、神官は錫杖で受け止めようと頭上に翳し、その場で蹲る。
だがしかし。
巨躯の魔物が放つ丸太以上に太い棍棒を、女性の華奢な腕で如きで受け止められる筈もなく。
原型も留めず、跡形もなく、ただ惨たらしく潰れて、圧死してしまう――。
「――え?」「――な?」
そうはならなかった。何故なら――。
「えっと……大丈夫?」
振り下ろされた棍棒を右腕一本で鷲掴みにした、見ず知らずの誰かが助けてくれたから。
それは紅い外套から覗かせる幼い顔立ちに不似合いの、真っ黒な眼帯で右目を覆った銀目に銀髪の美幼女だった。
右腕を頭上に掲げている所為で、着込んでいる紅い硬鋼の半身鎧が窺える。
また背中に背負っている身の丈を優に超える大剣、腰に提げている長剣などが、見た目の幼さとはどうにも不釣り合いで妙な印象を受ける。
何よりも棍棒を掴んでいる右腕。
人のそれ、ましてや幼女のそれとは大きく異なった魔物に等しい異形の手首だった。
「――お姉さん達は実に運が良い。死んじゃう前にボクらと出逢えて、さ!」
「GHA⁉︎」
禍々しい手首で掴む巨大な棍棒ごと、人の数倍の巨躯である単眼の巨人を易々と持ち上げ、更には軽々と放り投げた。
「し、信じられないっ⁉︎」
「あわわ……身体強化系術式でしょうか……」
二人は腰を抜かしたのか、その場でへたり込み顔面蒼白で慄くだけ。
「お姉さん達、格好から察するに……真っ当な冒険者と違くね? それは些か……ちょっち情けなくね?」
やや呆れた口調で二人に告げる美幼女。
「本当に。それでも中等級の冒険者ですか?」
「――ひゃっ⁉︎」「――にゃっ⁉︎」
間髪入れず誰かが二人を抱きかかえ、叱責しつつも後方に飛んだ。
それは微かに油の混じった金属臭さと、汗くっさくも酸っぱい臭いが鼻につく、それでいて妙に甘ったるい香りも微かにする、姫騎士然とした白銀の鎧に身を包み、長い金髪を束ねた髪型の女性。
「貴女達。今から安全の為に防御結界を施します。術式には抵抗せず、素直に受け入れて下さい」
滑稽な目玉の描かれた布で、両目を隠すように覆っている顔を向け、やや艶のある甘い声でそう告げた姫騎士。
そっと二人に両手を翳すと、光り輝く衣に包まれる魔術師と神官。
「こ、これは……防御結界っ⁉︎ しかも範囲でない個別術式じゃないですかっ⁉︎」
自分より高位の術式を唱えられるのを目の当たりにした神官は、当然、驚く。
「嘘っ⁉︎ そんな高等な術式……え、上等級の冒険者っ⁉︎」
姫騎士の首から提げられる冒険者の証――身分証を目にして驚く魔術師。
「そうなん? ボクには凄いのかなんて良く解らないけど」
そう苦笑いで答える美幼女は、背中の身の丈もある大剣を軽々と抜き放ち、やや腰を落とした低姿勢で身構える。
「私も一応は上等級に身を置く身分の冒険者でもありますので。この程度なら――」
なんとなく自慢気に語り始める姫騎士。
「――話し長そう。色々と面倒臭いから、もうぶった斬って終わっちゃうね?」
そう軽口を告げた瞬間、美幼女が三人の目の前から掻き消えた。
「GHA――」
その直後、怒り狂って棍棒を振り翳す単眼の巨人が左右に真っ二つ――縦に両断されるのだった。
―――――――――― つづく。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
スキル【海】ってなんですか?
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
スキル【海】ってなんですか?〜使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女の鍵を握るスキルとして追われています〜
※書籍化準備中。
※情報の海が解禁してからがある意味本番です。
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは、謎のユニークスキル──〈海〉だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子ども以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父さまの弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
……まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていたし、僕が好きだったのは、幼なじみで我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有り難いかも。
それに〈海〉があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海につながってたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
──時空の海、って、なんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父さまのアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど……。ここにつながってたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人のアイテムボックスにつながっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと……、伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って……。
おまけに精霊の宿るアイテムって……。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者って……。ムリムリムリ!
そっとしておこう……。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!
そう思っていたんだけど……。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
──情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
転生したら死にそうな孤児だった
佐々木鴻
ファンタジー
過去に四度生まれ変わり、そして五度目の人生に目覚めた少女はある日、生まれたばかりで捨てられたの赤子と出会う。
保護しますか? の選択肢に【はい】と【YES】しかない少女はその子を引き取り妹として育て始める。
やがて美しく育ったその子は、少女と強い因縁があった。
悲劇はありません。難しい人間関係や柵はめんどく(ゲフンゲフン)ありません。
世界は、意外と優しいのです。
もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~
鐘ケ江 しのぶ
ファンタジー
第15回ファンタジー大賞、奨励賞頂きました。
投票していただいた皆さん、ありがとうございます。
励みになりましたので、感想欄は受け付けのままにします。基本的には返信しませんので、ご了承ください。
「あんたいいかげんにせんねっ」
異世界にある大国ディレナスの王子が聖女召喚を行った。呼ばれたのは聖女の称号をもつ華憐と、派手な母親と、華憐の弟と妹。テンプレートのように巻き込まれたのは、聖女華憐に散々迷惑をかけられてきた、水澤一家。
ディレナスの大臣の1人が申し訳ないからと、世話をしてくれるが、絶対にあの華憐が何かやらかすに決まっている。一番の被害者である水澤家長女優衣には、新種のスキルが異世界転移特典のようにあった。『ルーム』だ。
一緒に巻き込まれた両親と弟にもそれぞれスキルがあるが、優衣のスキルだけ異質に思えた。だが、当人はこれでどうにかして、家族と溺愛している愛犬花を守れないかと思う。
まずは、聖女となった華憐から逃げることだ。
聖女召喚に巻き込まれた4人家族+愛犬の、のんびりで、もふもふな生活のつもりが……………
ゆるっと設定、方言がちらほら出ますので、読みにくい解釈しにくい箇所があるかと思いますが、ご了承頂けたら幸いです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる