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第一部 中二病とオタク。
十九痛 魔界違いでやり直してみる。
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「こっちから開けないとね、失敗、失敗」
真野氏。血の気サーッなお顔から、瞬時にやっちゃったテヘペロです。切り替えマッハなスゲー可愛いテヘペロです。
メガネ、フキフキな俺は、そんな強かな真野氏の全てを赦そうと思います。
「なるほど。開ける側が反対ってわけですね?」
言わんとしてることを察してあげつつ、メガネ再装着からのメガネ、クイッ! と。
さて。これからどんな言い訳を吐かすのか、一応、聴くだけ聴いてみることに。
「そう言うこと。こっちは壁になってるの。壁なんだから、当然、誰も開けないってわけよ」
真野氏。横の壁を指し示し、何故か伏せ目がちにへへッです。当たり前のことをドヤ顔で騙ってのへへッです。
ならば扉を開けた意味がないのでは?
「なるほど。なんか推理小説のトリックを暴く探偵さんみたいですね。誠に遺憾ながらちょっと格好良いです」
当たり前のことをへへッと吐かす真野氏に、とりあえず相槌を打ちつつメガネ、クイッ!
「遺憾ながらなのね……はぁ。まぁ、開けるにしてもね、手順と言うかな法則ってのがあってね? こっちの扉の動かし方で別次元――世界の境目にある時空の狭間たる魔空間へと繋がるのよ」
真野氏。最初こそ肩を落とし溜息を吐くも、設定? そんなのを果敢に騙るパートになると素敵笑顔になってのドヤです。先ほど扉を開けた理由を果敢に騙ってのドヤです。
「それで扉を……。世界の境目ですか。それも時空の狭間で魔空間ですか。頭、大丈夫ですか」
真野氏。魔空間とほざきやがりました。
中二病くっさい字面っぽく、魔界に空間で魔空間と言うかな合わせ技。
果敢にもトリッキーに攻めてきましたね。
ここは現実世界の現代社会ですので、相槌は打つも内心では全否定のメガネ、クイッ! 当然です。完全否定です。
「まぁ見てなさいって。今度こそ……上、上、下、下、B、A、B、A――」
真野氏。何故か不敵にニヤリです。そして格ゲーのコマンドを口ずさんでの怪しいニヤリです。
そうやって、扉の開け閉めをすること数回――だがしかし。
「――だからなんの用件なんだと聴いている。真野君は覗きが趣味なのか?」
ほらね? 扉を数回ほどそれっぽい理由でそれっぽく開け閉めしたところで、壁は壁以外の何物でもないというのが世界の常識。
これが現実です。紛うことなき事実です。
魔界なんてのも、魔空間たるものも、ただの妄想に空想でしかないんです。
「あ、あれ⁉︎ おおお、おかしいな……」
真野氏。必死に扉を調べては首を傾げるオヨヨです。憮然と隙間から覗き見てを再び繰り返してのオヨヨです。
だから何もおかしくないと思います。
「おかしいのは君だろ? 邪魔をしないでくれたまえ。その駄肉が――」
向こう側から扉をガラッと開けて不機嫌な筋肉で登場する先ほどの魔人。
オヨヨする真野氏の果実に対し、罵倒しだした次第。
なので真野氏と魔人の間に割り込んで不敵にメガネ、クイッ! と、そっと扉を閉めて差し上げる優しい俺です。
「真野氏。言うに事欠いて魔空間ってのはいけませんね。そんな物は普通にあり得ないですよ?」
「そんな……おかしい――出入口がなくなってるなんて……そんなのあり得ない!」
真野氏。納得が行かないのかへたり込んでのオヨヨです。今にも泣きそうなオヨヨです。
現実世界の現代社会。
なくて当然。何もおかしくないのです。
「真野氏。現実と妄想の区別がつかなくなることは、オタクな俺にしても偶にあります。妄言を吐くなら、現実世界でまかり通る程度に留めておくことを強くお勧めしますよ? こんな場所から別次元に繋がる、その方法にしても、少々、無理があるかと。ただある意味では正しく魔界でしたけどね」
へたり込む真野氏の前にしゃがみ込んで、自分を棚上げして諭すメガネ、クイッ!
一応、俺もオタクなんで……。
「本当なのよ……ここから行き来できる筈なのよ……間違っていたのは私じゃない……壁の方よ」
真野氏。何処ぞの御方の台詞っぽく吐いてのベソです。肩ガックンなまぢなベソです。
「有名なルのつく魔眼持ちの王子様は、自分の知る世界の方が本来あるべき世界ではなかったと言う意味で、その台詞――世界の方が間違っている。と吐かしたんですよ? コンタクトな魔眼持ちの真野氏の場合、世界は間違っていない、間違ってるのはオツムの方だ。と吐かすのが実は正しい――げふぅ⁉︎」
メガネ、ポーンッ! と弾き飛び、俺自身もポーンッ! となって床に転がった。
「もう良いっ! だったら来させれば良いのよっ! 馬鹿にして……。ぐうの音も出ないほどの者を呼んでやるからっ! 連れてくるからっ!」
どうやら立ったフラグがボッキリと折れて、粉々に砕け散ったようです。
俺のメガネもボッキリ折れてます。
――――――――――
これだから中二病ってやつは。
真野氏。血の気サーッなお顔から、瞬時にやっちゃったテヘペロです。切り替えマッハなスゲー可愛いテヘペロです。
メガネ、フキフキな俺は、そんな強かな真野氏の全てを赦そうと思います。
「なるほど。開ける側が反対ってわけですね?」
言わんとしてることを察してあげつつ、メガネ再装着からのメガネ、クイッ! と。
さて。これからどんな言い訳を吐かすのか、一応、聴くだけ聴いてみることに。
「そう言うこと。こっちは壁になってるの。壁なんだから、当然、誰も開けないってわけよ」
真野氏。横の壁を指し示し、何故か伏せ目がちにへへッです。当たり前のことをドヤ顔で騙ってのへへッです。
ならば扉を開けた意味がないのでは?
「なるほど。なんか推理小説のトリックを暴く探偵さんみたいですね。誠に遺憾ながらちょっと格好良いです」
当たり前のことをへへッと吐かす真野氏に、とりあえず相槌を打ちつつメガネ、クイッ!
「遺憾ながらなのね……はぁ。まぁ、開けるにしてもね、手順と言うかな法則ってのがあってね? こっちの扉の動かし方で別次元――世界の境目にある時空の狭間たる魔空間へと繋がるのよ」
真野氏。最初こそ肩を落とし溜息を吐くも、設定? そんなのを果敢に騙るパートになると素敵笑顔になってのドヤです。先ほど扉を開けた理由を果敢に騙ってのドヤです。
「それで扉を……。世界の境目ですか。それも時空の狭間で魔空間ですか。頭、大丈夫ですか」
真野氏。魔空間とほざきやがりました。
中二病くっさい字面っぽく、魔界に空間で魔空間と言うかな合わせ技。
果敢にもトリッキーに攻めてきましたね。
ここは現実世界の現代社会ですので、相槌は打つも内心では全否定のメガネ、クイッ! 当然です。完全否定です。
「まぁ見てなさいって。今度こそ……上、上、下、下、B、A、B、A――」
真野氏。何故か不敵にニヤリです。そして格ゲーのコマンドを口ずさんでの怪しいニヤリです。
そうやって、扉の開け閉めをすること数回――だがしかし。
「――だからなんの用件なんだと聴いている。真野君は覗きが趣味なのか?」
ほらね? 扉を数回ほどそれっぽい理由でそれっぽく開け閉めしたところで、壁は壁以外の何物でもないというのが世界の常識。
これが現実です。紛うことなき事実です。
魔界なんてのも、魔空間たるものも、ただの妄想に空想でしかないんです。
「あ、あれ⁉︎ おおお、おかしいな……」
真野氏。必死に扉を調べては首を傾げるオヨヨです。憮然と隙間から覗き見てを再び繰り返してのオヨヨです。
だから何もおかしくないと思います。
「おかしいのは君だろ? 邪魔をしないでくれたまえ。その駄肉が――」
向こう側から扉をガラッと開けて不機嫌な筋肉で登場する先ほどの魔人。
オヨヨする真野氏の果実に対し、罵倒しだした次第。
なので真野氏と魔人の間に割り込んで不敵にメガネ、クイッ! と、そっと扉を閉めて差し上げる優しい俺です。
「真野氏。言うに事欠いて魔空間ってのはいけませんね。そんな物は普通にあり得ないですよ?」
「そんな……おかしい――出入口がなくなってるなんて……そんなのあり得ない!」
真野氏。納得が行かないのかへたり込んでのオヨヨです。今にも泣きそうなオヨヨです。
現実世界の現代社会。
なくて当然。何もおかしくないのです。
「真野氏。現実と妄想の区別がつかなくなることは、オタクな俺にしても偶にあります。妄言を吐くなら、現実世界でまかり通る程度に留めておくことを強くお勧めしますよ? こんな場所から別次元に繋がる、その方法にしても、少々、無理があるかと。ただある意味では正しく魔界でしたけどね」
へたり込む真野氏の前にしゃがみ込んで、自分を棚上げして諭すメガネ、クイッ!
一応、俺もオタクなんで……。
「本当なのよ……ここから行き来できる筈なのよ……間違っていたのは私じゃない……壁の方よ」
真野氏。何処ぞの御方の台詞っぽく吐いてのベソです。肩ガックンなまぢなベソです。
「有名なルのつく魔眼持ちの王子様は、自分の知る世界の方が本来あるべき世界ではなかったと言う意味で、その台詞――世界の方が間違っている。と吐かしたんですよ? コンタクトな魔眼持ちの真野氏の場合、世界は間違っていない、間違ってるのはオツムの方だ。と吐かすのが実は正しい――げふぅ⁉︎」
メガネ、ポーンッ! と弾き飛び、俺自身もポーンッ! となって床に転がった。
「もう良いっ! だったら来させれば良いのよっ! 馬鹿にして……。ぐうの音も出ないほどの者を呼んでやるからっ! 連れてくるからっ!」
どうやら立ったフラグがボッキリと折れて、粉々に砕け散ったようです。
俺のメガネもボッキリ折れてます。
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これだから中二病ってやつは。
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