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第一部 中二病とオタク。
八痛 結果、暗黒騎士に俺はなる。
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真野氏に仕える執事さんより差し出された、暗黒騎士とかなんとかな中二病くっさい名称の武具一式。
あらゆる角度から、何処からどのようにどう見ても、ただの変態然としたコント御用達の全身タイツにしか思えない。
これを着て香ばしいポーズからの『推して参る』とか『暗黒騎士、推参』とかな台詞を吐かしても、ただ痛いだけだと俺は思う。
だがしかし。
過去に体感したことのない、退っ引きならない有無を言わさぬ恐ろしい威圧に屈し、誠に遺憾ながらこの場で着用させらるハメに。
つまり、同級生たる超絶美少女にガン見されながら、素っパからの生着替えになる。
俺は良い仕事をなさる靄、或いは影、はたまた光る、更には謎のバンクシーンで誤魔化されるなどと言った青少年に配慮もない過酷な条件、状況下で、堂々と犬まるだし。
変態然とした着衣へと、絶賛、お召し替えナウに御座います……とほほ。
一体、誰得なんですか?
「アンタ、キモオタクで有名なクセに、意外にも良い身体……細マッチョなのね?」
真野氏。男子高校生の生着替えに、再び指チョンで恥じらう。
だが視線は釘付け。逸らす気も皆無。
「真野氏。ある日、突然、何のチート技能も貰えず異界に飛ばされ、我が身一つで魔物が彷徨く死地に赴く――そんな退っ引きならない過酷な緊急事態に備えて、日々の鍛錬を欠かさないようにしてますので」
不敵にメガネ、クイッ! っと。
「――あのさ? その理由はどうかと思うわよ? 私を中二病って、散々、馬鹿にしてくれちゃってるけどさ、アンタの方がよっぽどそれじゃなくない?……全く」
溜息を吐きつつ額に手を当て呆れる素振りをするも、視線は下目遣いでガン見。
「真野氏。飢えた野獣のような鋭い目で、喰い入るようにガン見しないで下さい。せめてチラ見で」
暗黒騎士の装備を半分ほど着込んだところで、メガネ、クイッ! っと。
「ごめん――じゃなくてっ⁉︎ ちょっと、失礼よねっ⁉︎ 私の方に向けて堂々と見せつけてくれちゃってるアンタの所為でしょうがっ⁉︎ 嫌でも……見ちゃうってのっ⁉︎」
真野氏。微妙にオコです。
ちょっと頬が赤らんでの絶妙にえっち臭いオコです。
「着替え場所も用意せず、この場で即座に着替えろと仰せの真野氏が悪いのでは? なので細やかな嫌がらせでもと思いまして」
意味不明に暗黒騎士をさせられるんだから、それくらいはやんないと。
「別にアンタの裸なんか見ても、なんとも思わないし。興味もないし。さっさと着替えてよねっ!」
真野氏、そう言いつつ未だガン見でオコです。
微妙にツンデレっぽくオコです。
「真野氏。辱められる俺は、メガネ、クイッ! からの『一思いに、くっ……殺せっ!』と、苦悶の表情で吐き捨てた方が良いですかね?」
言葉の通りに有言実行してからのメガネ、クイ! と。
「なんでよっ⁉︎ メガネ、クイッ! は要らないでしょっ⁉︎ キモオタ男子のくっ殺は誰得なのよっ⁉︎」
「――さぁ?」「アンタね……」
そんなやり取りを経て、俺は見事に暗黒騎士となった――。
流石の俺も、この退っ引きならない恥ずかしい姿に些かSAN値ピンチ、まぢピンチです。
もう帰っても良いですか?
――――――――――
これだから中二病ってやつは。
あらゆる角度から、何処からどのようにどう見ても、ただの変態然としたコント御用達の全身タイツにしか思えない。
これを着て香ばしいポーズからの『推して参る』とか『暗黒騎士、推参』とかな台詞を吐かしても、ただ痛いだけだと俺は思う。
だがしかし。
過去に体感したことのない、退っ引きならない有無を言わさぬ恐ろしい威圧に屈し、誠に遺憾ながらこの場で着用させらるハメに。
つまり、同級生たる超絶美少女にガン見されながら、素っパからの生着替えになる。
俺は良い仕事をなさる靄、或いは影、はたまた光る、更には謎のバンクシーンで誤魔化されるなどと言った青少年に配慮もない過酷な条件、状況下で、堂々と犬まるだし。
変態然とした着衣へと、絶賛、お召し替えナウに御座います……とほほ。
一体、誰得なんですか?
「アンタ、キモオタクで有名なクセに、意外にも良い身体……細マッチョなのね?」
真野氏。男子高校生の生着替えに、再び指チョンで恥じらう。
だが視線は釘付け。逸らす気も皆無。
「真野氏。ある日、突然、何のチート技能も貰えず異界に飛ばされ、我が身一つで魔物が彷徨く死地に赴く――そんな退っ引きならない過酷な緊急事態に備えて、日々の鍛錬を欠かさないようにしてますので」
不敵にメガネ、クイッ! っと。
「――あのさ? その理由はどうかと思うわよ? 私を中二病って、散々、馬鹿にしてくれちゃってるけどさ、アンタの方がよっぽどそれじゃなくない?……全く」
溜息を吐きつつ額に手を当て呆れる素振りをするも、視線は下目遣いでガン見。
「真野氏。飢えた野獣のような鋭い目で、喰い入るようにガン見しないで下さい。せめてチラ見で」
暗黒騎士の装備を半分ほど着込んだところで、メガネ、クイッ! っと。
「ごめん――じゃなくてっ⁉︎ ちょっと、失礼よねっ⁉︎ 私の方に向けて堂々と見せつけてくれちゃってるアンタの所為でしょうがっ⁉︎ 嫌でも……見ちゃうってのっ⁉︎」
真野氏。微妙にオコです。
ちょっと頬が赤らんでの絶妙にえっち臭いオコです。
「着替え場所も用意せず、この場で即座に着替えろと仰せの真野氏が悪いのでは? なので細やかな嫌がらせでもと思いまして」
意味不明に暗黒騎士をさせられるんだから、それくらいはやんないと。
「別にアンタの裸なんか見ても、なんとも思わないし。興味もないし。さっさと着替えてよねっ!」
真野氏、そう言いつつ未だガン見でオコです。
微妙にツンデレっぽくオコです。
「真野氏。辱められる俺は、メガネ、クイッ! からの『一思いに、くっ……殺せっ!』と、苦悶の表情で吐き捨てた方が良いですかね?」
言葉の通りに有言実行してからのメガネ、クイ! と。
「なんでよっ⁉︎ メガネ、クイッ! は要らないでしょっ⁉︎ キモオタ男子のくっ殺は誰得なのよっ⁉︎」
「――さぁ?」「アンタね……」
そんなやり取りを経て、俺は見事に暗黒騎士となった――。
流石の俺も、この退っ引きならない恥ずかしい姿に些かSAN値ピンチ、まぢピンチです。
もう帰っても良いですか?
――――――――――
これだから中二病ってやつは。
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