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第二部 新たな出逢い。そして――。
三十五発目 ビレッジ・アドベンチャーを真面目? にやってみるも……おや? おやおや?【前編】
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大して役に立たない俺であろうと、一応は見張りと皆んなの護衛を担っている身……体裁だけ。
そんな役割で馬車の中ではなく御者席に座っている以上、何もなくとも周囲に気を張って警戒し、退っ引きならない不測の事態にちゃんと備えている……つもり。
お隣で御者をやってくれているセバスちゃんにしても――否。警戒してる素振りも気配も全く感じさせないのな。
極自然体での相変わらずなマイペースで、時折、癖なのかは俺の知るところでは全くないですけども、口髭を摘んでは余裕のおっほっほですからねぇ、うん。
そんな道中、馬車の中では例のごとく、やんややんやの大騒ぎときた。
五人に増殖した幼乳神様ズの楽しそうな声が聞こえてくるのは言わずもがな。
時折、情操教育上好ましくない退っ引きならないヨメさんの謎の奇声や、仮称、カヒさんのヤバさテラMAXな悲鳴が木霊したりと実に平和そのものだった。
謎の奇声もだけども、悲鳴まであげるって……アンタら大人は中で何してんの?
そんな馬車から漏れるほどの大騒ぎをしながらでも、予期せぬ遭遇もなければ、人相や柄の悪い招かれざるお客さん、すれ違う馬車にすら遭遇しないって言うんだから……平和としか言いようがない。
実際、暗黒竜である仮称、カヒさんと幼乳神様ズのご降臨以降は、ずっと柔らかい日差しに気持ちの良い微風が吹く、気持ちの良い天候が続いている。
本当になーんにも起きないこの平和さが、実に摩訶不思議なんだけども。
◇◇◇
そんなこんなでオキイナ鎮峰の険しい峠道を楽々かつ簡単に抜け、続く平野部へと抜ける辺りで、村らしき一角がなんとなく見えてきた。
「え? 村? あれ? 村だって?」
そう。慌てふためいてる俺の記憶が正しければ、こんなところに村はない……筈。
「おやおや。実に摩訶不思議に御座いますな」
相変わらず口髭を摘んで飄々としているセバスちゃんにしても、不審に思った模様。
その村を目にするなり、独特の金眼を眼光増し増しにして細めていた。
「出来たばかりの村? と言うか……集落? 否。どっちかと言うと廃村っぽくないですか?」
村の入口付近に辿り着くも、なんとなくなんとなしに雰囲気も様子もおかしい気がする。あくまでもなんとなくだけど。
「少々、解せませんな。ワタクシにしても、この辺りに村はなかったと記憶して御座います。それに出来たばかりと言うには、些か寂れ過ぎに御座います」
セバスちゃんも俺と同じ考えなのか、そのまま中へと進まず、入口の脇へと静かに馬車を止めた。
「こんな所に唐突に村……」
俺はそう言いながら、御者席からちょっとばかり無駄に格好良く、華麗にとは言えないけども飛び降りた。
最初は遠目で見ていた所為もあり、住居たる家屋などが、全て建てかけなのかなぁとか安易に思ってた。
だがしかし。村の入口へと近付くにつれ全貌が明らかになってくると、なんとなく壊されたかのようにも見える。
魔物や獣避けである村を囲う柵にしても、住居たる家屋、そこらに散らばる農具などの道具にしても――。
「――やはり、少々、様子がおかしく思います」
怪訝そうに言うのも止むなし。だってこの雰囲気でかつ誰も居ないのであればそうなっちゃうって。
ちなみに。遺体に血痕、大きく争った形跡もない。
入口から直ぐ近くには、見張りの詰所のような小屋がぽつんと建っている。
「随分と早いですけど、到着したんでしょうか?」
馬車の窓を開けて、ひょっこり顔を出すヨメさん。
「主人様?」
同じく、ひょっこり顔を出す仮称、カヒさん。
「ついたの、です?」
ヨメさんと仮称、カヒさんのたわわを押し退けて、下からひょっこり顔を出すアルチチちゃん。
「ついたみたい、なの」
同じくたわわをアルチチちゃんごと更に押し退けて、ひょっこり顔を出したナイチチちゃん。
「ほんと、じゃ!」「みたい、だわ!」「むら、にょ?」
今度はナイチチちゃんを含む無敵のたわわまでを更に押し退けて、同じくひょっこりと順番に顔を出してくるタレチチちゃん、ハミチチちゃん、シタチチちゃん。殆ど無理矢理です。
「ちょ、ちょっと、皆んなっ⁉︎ く、苦しいっ⁉︎ お、押し潰れて死ぬっ⁉︎」
皆に押し上げられた所為で、ヤバさテラMAXなほどに潰れたたわわの果実。最初に顔を出したヨメさんが特に。
「は、激しく同意……」「なの……」
仮称、カヒさんの褐色のたわわの潰れ方も、なまらけしからんほどに凄い。
「じゃ……」「だわ?」「にょ~」
ナイチチちゃんのだけでも窓を埋めちゃうほどになまらデカいからね……と言うか、乳に手が生えてる謎生物かってくらいだから、うん。
加えて同様の幼乳神様が御三方とくれば尚のこと。嬉しい圧迫死も冗談ではなく。
前にもあったな、こんな場面。
皆んな、馬車の中に残ってて――って、今回もそう言うだけ無駄なんだろうな。
「――わ、わたしもいく、なの! うぬぬ、なの!」
言おうとしてる側から身の丈もある大盾を投げ捨て、ナイチチちゃんご本人も皆を押し退けズリズリと這い出てくる始末。
「あふっ⁉︎ 死ぬ死ぬ死ぬ~⁉︎」「ア、アヒ~っ⁉︎」
「ねぇね! いたい、です!」
「いたくはない、じゃ」「くるしい、だわ」「にょにょにょ~」
最後はすぽんっと窓から抜けて、馬車を転がり落ちてのよっこいしょ。
「わたし、まえ、なの!」
パンパンと膝を払ってそう告げるナイチチちゃんは、身の丈もある大盾を軽々と背負って頬っぺたぷくりと微妙におこです。
「まって、ねぇね、です! あるもぱぱといく、です!」
「あああああ~っ⁉︎」「ううううう~っ⁉︎」
「やかましいの、じゃ」「だわ」「にょ~」
続いて馬車から身の丈もある専用の戦鎚を投げ捨て、続いて無理矢理に這い出てくるアルチチちゃん。
最後はやっぱりすぽんっと窓から抜けて、馬車を転がり落ちてのよっこいしょ。
「ままたちは、おるすばん、です!」
ナイチチちゃんそっくりにパンパンと膝を払ってそう告げるアルチチちゃんは、身の丈もある戦鎚を軽々と肩に担いで振り返ると、頬っぺたぷくりと愛らしい決め顔です。
「すーはー、すーはーっ! はぁはぁ……死ぬかと思ったっ! ……でも……中々にドS」
押しつぶされてスゲー苦しそうな酷い顔で成り行きを見守って――否。息ができず、青い顔で思考が停止してたヨメさんが深呼吸。
最後の台詞は聞かなかったことにしておく。
「主人様、私もご一緒致し――にゃふ⁉︎」
「おもい、だわ!」「やわらかい、だわ!」「いいにおい、にょ……まま……ぐすん」
ナイチチちゃんらを真似て、同じように窓から這い出ようとする仮称、カヒさん。
どうやら顔を出してる残りの幼乳神様御三方に、褐色のたわわが引っ掛かった模様。
あのさ? 無理に窓から出ようとせんでも、素直に扉を開ければ済む話しだと、俺は思うんですけども?
窓から出るのが、このパーティのルールだとか思ってません?
乗り込む際は至極普通に常識通り、扉を開けてすんなりと乗ってたけどもさ? そこら辺は華麗にスルーなん?
「えっと。とりあえず……三人で先行して、あそこだけでもチラ見してきますね。そのままで皆んなはちょっと待ってて」
「畏ま――ハックシュン。解りました」
「そのままで――なんと鬼畜な……」
青い顔で頷く二人に。
「じゃ?」「だわ?」「にょ?」
不思議そうに首を傾げる残りの幼乳神様御三方。
「そのままって言うそのままの意味が根本的に違うわっ! 馬車の中に戻って、ちょっと待機しててって言うことだつーのっ!」
「で、ですよね……」「……あ、なるほど」
顔を赤らめ、すごすごと引っ込むヨメさんと仮称、カヒさん。
何を期待してたのかは俺の知るところでは全くないですけども、実に勿体なさそうに、かつ残念そうにね?
皆んなを駆り出すのは、現状把握に努めてからで良い。
セバスちゃんが目を光らせてくれてることだし。文字通りの意味でだけども。
こんな大所帯で一斉に押しかけ、何かあったら大惨事が確定だっつーの――村が。
暗黒竜な仮称、カヒさん一人でも、この地域一帯が更地になって地図から消えるとかな、退っ引きならない未来が訪れるわ。
それを率いてる俺は悪名が轟き、語り継がれる歴史に汚名を残すと。そんな未来になる前に甘んじて死を選ぶわ。
「タダヒト様、どうか油断召されぬよう」
そんな状況にはスルー。目を細めて村全体の周囲を見渡しつつ、そう忠告してくれたセバスちゃんだった。
「――り、了解です」
ご忠告通り、鋼の盾を脇へと絞り気味に構え、漆黒の宝剣の柄を握る。
「わかった、なの!」「おっけ、です!」
大盾を身構えるナイチチちゃん、戦鎚を担ぐアルチチちゃんは、例の如く元気よくにぱっ♪ です。
「何もなければ良いけど……って、この雰囲気で何もない筈は……流石にないよな」
昔のようにガチャガチャと金属鎧の擦れる音は殆ど立てずに、いつでも対応できるように身構えた状態で、静かに慎重に歩み寄っていく。
俺だってこの数年で最低限の僅かくらいは成長してますから、うん。
未だ初等級だけども。更にお二人の幼乳神様の真後ろから追従する位置取りでだけど。本来は子供を守って矢面に立つのが普通だけども……大人の立つ背がないな、うん。頑張らねば。
慎重に小屋に近付いて、どんな様子か中をそっと覗き見る……のだが。
「な、なんですと――」「なの?」「です?」
――――――――――
中を見て目がまん丸になるのはお約束。
だがしかし、果たして――⁉︎∑(゚Д゚)
そんな役割で馬車の中ではなく御者席に座っている以上、何もなくとも周囲に気を張って警戒し、退っ引きならない不測の事態にちゃんと備えている……つもり。
お隣で御者をやってくれているセバスちゃんにしても――否。警戒してる素振りも気配も全く感じさせないのな。
極自然体での相変わらずなマイペースで、時折、癖なのかは俺の知るところでは全くないですけども、口髭を摘んでは余裕のおっほっほですからねぇ、うん。
そんな道中、馬車の中では例のごとく、やんややんやの大騒ぎときた。
五人に増殖した幼乳神様ズの楽しそうな声が聞こえてくるのは言わずもがな。
時折、情操教育上好ましくない退っ引きならないヨメさんの謎の奇声や、仮称、カヒさんのヤバさテラMAXな悲鳴が木霊したりと実に平和そのものだった。
謎の奇声もだけども、悲鳴まであげるって……アンタら大人は中で何してんの?
そんな馬車から漏れるほどの大騒ぎをしながらでも、予期せぬ遭遇もなければ、人相や柄の悪い招かれざるお客さん、すれ違う馬車にすら遭遇しないって言うんだから……平和としか言いようがない。
実際、暗黒竜である仮称、カヒさんと幼乳神様ズのご降臨以降は、ずっと柔らかい日差しに気持ちの良い微風が吹く、気持ちの良い天候が続いている。
本当になーんにも起きないこの平和さが、実に摩訶不思議なんだけども。
◇◇◇
そんなこんなでオキイナ鎮峰の険しい峠道を楽々かつ簡単に抜け、続く平野部へと抜ける辺りで、村らしき一角がなんとなく見えてきた。
「え? 村? あれ? 村だって?」
そう。慌てふためいてる俺の記憶が正しければ、こんなところに村はない……筈。
「おやおや。実に摩訶不思議に御座いますな」
相変わらず口髭を摘んで飄々としているセバスちゃんにしても、不審に思った模様。
その村を目にするなり、独特の金眼を眼光増し増しにして細めていた。
「出来たばかりの村? と言うか……集落? 否。どっちかと言うと廃村っぽくないですか?」
村の入口付近に辿り着くも、なんとなくなんとなしに雰囲気も様子もおかしい気がする。あくまでもなんとなくだけど。
「少々、解せませんな。ワタクシにしても、この辺りに村はなかったと記憶して御座います。それに出来たばかりと言うには、些か寂れ過ぎに御座います」
セバスちゃんも俺と同じ考えなのか、そのまま中へと進まず、入口の脇へと静かに馬車を止めた。
「こんな所に唐突に村……」
俺はそう言いながら、御者席からちょっとばかり無駄に格好良く、華麗にとは言えないけども飛び降りた。
最初は遠目で見ていた所為もあり、住居たる家屋などが、全て建てかけなのかなぁとか安易に思ってた。
だがしかし。村の入口へと近付くにつれ全貌が明らかになってくると、なんとなく壊されたかのようにも見える。
魔物や獣避けである村を囲う柵にしても、住居たる家屋、そこらに散らばる農具などの道具にしても――。
「――やはり、少々、様子がおかしく思います」
怪訝そうに言うのも止むなし。だってこの雰囲気でかつ誰も居ないのであればそうなっちゃうって。
ちなみに。遺体に血痕、大きく争った形跡もない。
入口から直ぐ近くには、見張りの詰所のような小屋がぽつんと建っている。
「随分と早いですけど、到着したんでしょうか?」
馬車の窓を開けて、ひょっこり顔を出すヨメさん。
「主人様?」
同じく、ひょっこり顔を出す仮称、カヒさん。
「ついたの、です?」
ヨメさんと仮称、カヒさんのたわわを押し退けて、下からひょっこり顔を出すアルチチちゃん。
「ついたみたい、なの」
同じくたわわをアルチチちゃんごと更に押し退けて、ひょっこり顔を出したナイチチちゃん。
「ほんと、じゃ!」「みたい、だわ!」「むら、にょ?」
今度はナイチチちゃんを含む無敵のたわわまでを更に押し退けて、同じくひょっこりと順番に顔を出してくるタレチチちゃん、ハミチチちゃん、シタチチちゃん。殆ど無理矢理です。
「ちょ、ちょっと、皆んなっ⁉︎ く、苦しいっ⁉︎ お、押し潰れて死ぬっ⁉︎」
皆に押し上げられた所為で、ヤバさテラMAXなほどに潰れたたわわの果実。最初に顔を出したヨメさんが特に。
「は、激しく同意……」「なの……」
仮称、カヒさんの褐色のたわわの潰れ方も、なまらけしからんほどに凄い。
「じゃ……」「だわ?」「にょ~」
ナイチチちゃんのだけでも窓を埋めちゃうほどになまらデカいからね……と言うか、乳に手が生えてる謎生物かってくらいだから、うん。
加えて同様の幼乳神様が御三方とくれば尚のこと。嬉しい圧迫死も冗談ではなく。
前にもあったな、こんな場面。
皆んな、馬車の中に残ってて――って、今回もそう言うだけ無駄なんだろうな。
「――わ、わたしもいく、なの! うぬぬ、なの!」
言おうとしてる側から身の丈もある大盾を投げ捨て、ナイチチちゃんご本人も皆を押し退けズリズリと這い出てくる始末。
「あふっ⁉︎ 死ぬ死ぬ死ぬ~⁉︎」「ア、アヒ~っ⁉︎」
「ねぇね! いたい、です!」
「いたくはない、じゃ」「くるしい、だわ」「にょにょにょ~」
最後はすぽんっと窓から抜けて、馬車を転がり落ちてのよっこいしょ。
「わたし、まえ、なの!」
パンパンと膝を払ってそう告げるナイチチちゃんは、身の丈もある大盾を軽々と背負って頬っぺたぷくりと微妙におこです。
「まって、ねぇね、です! あるもぱぱといく、です!」
「あああああ~っ⁉︎」「ううううう~っ⁉︎」
「やかましいの、じゃ」「だわ」「にょ~」
続いて馬車から身の丈もある専用の戦鎚を投げ捨て、続いて無理矢理に這い出てくるアルチチちゃん。
最後はやっぱりすぽんっと窓から抜けて、馬車を転がり落ちてのよっこいしょ。
「ままたちは、おるすばん、です!」
ナイチチちゃんそっくりにパンパンと膝を払ってそう告げるアルチチちゃんは、身の丈もある戦鎚を軽々と肩に担いで振り返ると、頬っぺたぷくりと愛らしい決め顔です。
「すーはー、すーはーっ! はぁはぁ……死ぬかと思ったっ! ……でも……中々にドS」
押しつぶされてスゲー苦しそうな酷い顔で成り行きを見守って――否。息ができず、青い顔で思考が停止してたヨメさんが深呼吸。
最後の台詞は聞かなかったことにしておく。
「主人様、私もご一緒致し――にゃふ⁉︎」
「おもい、だわ!」「やわらかい、だわ!」「いいにおい、にょ……まま……ぐすん」
ナイチチちゃんらを真似て、同じように窓から這い出ようとする仮称、カヒさん。
どうやら顔を出してる残りの幼乳神様御三方に、褐色のたわわが引っ掛かった模様。
あのさ? 無理に窓から出ようとせんでも、素直に扉を開ければ済む話しだと、俺は思うんですけども?
窓から出るのが、このパーティのルールだとか思ってません?
乗り込む際は至極普通に常識通り、扉を開けてすんなりと乗ってたけどもさ? そこら辺は華麗にスルーなん?
「えっと。とりあえず……三人で先行して、あそこだけでもチラ見してきますね。そのままで皆んなはちょっと待ってて」
「畏ま――ハックシュン。解りました」
「そのままで――なんと鬼畜な……」
青い顔で頷く二人に。
「じゃ?」「だわ?」「にょ?」
不思議そうに首を傾げる残りの幼乳神様御三方。
「そのままって言うそのままの意味が根本的に違うわっ! 馬車の中に戻って、ちょっと待機しててって言うことだつーのっ!」
「で、ですよね……」「……あ、なるほど」
顔を赤らめ、すごすごと引っ込むヨメさんと仮称、カヒさん。
何を期待してたのかは俺の知るところでは全くないですけども、実に勿体なさそうに、かつ残念そうにね?
皆んなを駆り出すのは、現状把握に努めてからで良い。
セバスちゃんが目を光らせてくれてることだし。文字通りの意味でだけども。
こんな大所帯で一斉に押しかけ、何かあったら大惨事が確定だっつーの――村が。
暗黒竜な仮称、カヒさん一人でも、この地域一帯が更地になって地図から消えるとかな、退っ引きならない未来が訪れるわ。
それを率いてる俺は悪名が轟き、語り継がれる歴史に汚名を残すと。そんな未来になる前に甘んじて死を選ぶわ。
「タダヒト様、どうか油断召されぬよう」
そんな状況にはスルー。目を細めて村全体の周囲を見渡しつつ、そう忠告してくれたセバスちゃんだった。
「――り、了解です」
ご忠告通り、鋼の盾を脇へと絞り気味に構え、漆黒の宝剣の柄を握る。
「わかった、なの!」「おっけ、です!」
大盾を身構えるナイチチちゃん、戦鎚を担ぐアルチチちゃんは、例の如く元気よくにぱっ♪ です。
「何もなければ良いけど……って、この雰囲気で何もない筈は……流石にないよな」
昔のようにガチャガチャと金属鎧の擦れる音は殆ど立てずに、いつでも対応できるように身構えた状態で、静かに慎重に歩み寄っていく。
俺だってこの数年で最低限の僅かくらいは成長してますから、うん。
未だ初等級だけども。更にお二人の幼乳神様の真後ろから追従する位置取りでだけど。本来は子供を守って矢面に立つのが普通だけども……大人の立つ背がないな、うん。頑張らねば。
慎重に小屋に近付いて、どんな様子か中をそっと覗き見る……のだが。
「な、なんですと――」「なの?」「です?」
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中を見て目がまん丸になるのはお約束。
だがしかし、果たして――⁉︎∑(゚Д゚)
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