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食事が終わり、健達はリビングで寛いでいると、麗花がコーヒーとデザートを運んで来た。
蓮司とマドカはオセロを見つけて、物珍しがって遊び始めた。

「ワイン、とても美味しかったです。こちらは良いワインが多いですね」

健は夕飯に3本のボトルを開けた。どれも素晴らしいワインだったとの賞賛に麗花は笑顔で頷く。

「うちのワインは、全て清太さんの家で造られているワインなんです」

麗花は清太のワイナリーの話をする。

「そうなんですか。お2人はそれが縁でご結婚を?」

「いえ、元々幼馴染なんです。中学まで同じでした。私は普通の高校を出て、彼は農業高校を出た後、県の大学の農学部を卒業して実家のワイナリーを手伝っているので。正式に付き合い始めたのは、叔母達がここを出て行ってしまってからなんです。私だけではペンションの経営は無理なので、手伝わせて欲しいと言ってくれて」

確かにそこそこ広いペンションを、麗花1人では運営するのは無理だと健も思った。

「そうだったんですね。でも結婚して東京へ出て行かれるのですよね?ワイナリーの方は大丈夫なんですか?」

「清太さんは三男なので、それは許してもらえたんです」

幸せそうに微笑む麗花の笑顔に健も癒される。

「明日はどちらかに行かれるんですか?」

「ええ。せっかくなので少し遠いですが上高地へ行ってみようかと」

「それは良いですね。今の季節が1番良い時期ですから」

「そう言えば、清太さんのワイナリーはどちらですか?明後日東京へ帰る前に寄ってワインを買って行こうかと思いまして」

折角来たのだから、自分も楽しもうと健は考えた。

「隣の市にあります」

「ああ。あちらはワイナリーが多いですからね」

健はここまで運転しながら、ワイナリーの看板を多く見た事を思い出した。

「土壌が良いんですよ」

清太の声に、健はそちらに目を向けた。
奥の仕事が終わり、清太もリビングに顔を出した。
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