75 / 85
第十四話
2
しおりを挟む
臨の家に初めて来た茉理と絢斗は、家が大きいのも執事がいることも分っていたので、驚きはしたがそんなに気後はなかった。が、臨の母に捕まって生気を吸い取られた気がした。
「………………強烈だった。臨のお母さん」
グッタリしながら茉理が言う。
「だから前に言ったでしょ。茉理が来たらそうなるって分かってた」
ベッドの上で力なく臨は微笑んでそう言う。
「一哉と何があったの?」
遠回しに言っても仕方ないので、茉理はズバリと尋ねた。
臨はポロポロと涙を流す。
「一哉がアメリカにホームステイに行って、僕も両親とヨーロッパからアメリカにも行ったんだ。それで、一哉とアメリカで会う約束したの」
デートもグローバルだな!と茉理は思った。
「待ち合わせの場所で一哉を待っていたら、一哉が女の子と腕組んで歩いてて。僕、ビックリして一哉とその女の子の前に出て行ったのね」
修羅場の話かと絢斗は思った。
「その女の子は、ホームステイ先のお嬢さんで、一哉に一方的に好意を持ってるようで。でも彼女が言ったんだ。一哉と一緒に寝て、キスしたって」
臨はそう言うと布団に顔を埋める。
茉理と絢斗はあちゃーと言う顔で顔を見合わせる。
「一哉はキスはアクシデントだったって言うんだけど、僕、すごく許せなくて。一緒に寝たのも彼女が勝手に一哉のベッドに忍びこんできたって言うけど、僕、信じることが出来なかった。だって一哉、僕とのことでずっと我慢してたから。考えたくないけど、疑ってしまって」
その後、一哉は一生懸命臨に説明したようだったが、臨が聞く耳を持たなかったようだった。
「結局そこで僕たちは喧嘩別れになって、そのまま僕は日本に帰ってきたんだ。一哉とはそのまま連絡取ってない。僕が信じなかったのが悪かったって反省してるよ!でも、一哉と連絡取れないんだもん!きっと一哉はもう僕と会いたくないんだ!そう思ったら、学校行きたくなくて、熱まで出てきちゃって……………。一哉、もしかしてまだアメリカなのかなッ!」
わーんと臨は大泣きする。
茉理と絢斗は臨の背中を撫でる。
「でもおかしくないか?なんで一哉と連絡取れない?あいつ、いったいどこにいるんだ?」
絢斗が冷静に言うと、絢斗はスマホを出して電話を掛ける。
「ああ、俺。あのさ、一哉の家の連絡先知らない?」
どうやら母親に連絡をしているようだった。
「うん。分かった。サンキュー」
絢斗は今聞いた番号に電話を掛ける。
幼稚舎から茉理と絢斗、一哉は一緒なので、親も付き合いがあったのだ。
「あいつの両親共働きだからこの時間いるか分からねーけど、かけてみるしかねーだろ」
絢斗は茉理と臨にそう言うと、コール音を聞いている。
「やっぱりいねーか。ったく、一哉の野郎、どこで何してんだ」
結局一哉とその日は連絡が取れなかった。
「………………強烈だった。臨のお母さん」
グッタリしながら茉理が言う。
「だから前に言ったでしょ。茉理が来たらそうなるって分かってた」
ベッドの上で力なく臨は微笑んでそう言う。
「一哉と何があったの?」
遠回しに言っても仕方ないので、茉理はズバリと尋ねた。
臨はポロポロと涙を流す。
「一哉がアメリカにホームステイに行って、僕も両親とヨーロッパからアメリカにも行ったんだ。それで、一哉とアメリカで会う約束したの」
デートもグローバルだな!と茉理は思った。
「待ち合わせの場所で一哉を待っていたら、一哉が女の子と腕組んで歩いてて。僕、ビックリして一哉とその女の子の前に出て行ったのね」
修羅場の話かと絢斗は思った。
「その女の子は、ホームステイ先のお嬢さんで、一哉に一方的に好意を持ってるようで。でも彼女が言ったんだ。一哉と一緒に寝て、キスしたって」
臨はそう言うと布団に顔を埋める。
茉理と絢斗はあちゃーと言う顔で顔を見合わせる。
「一哉はキスはアクシデントだったって言うんだけど、僕、すごく許せなくて。一緒に寝たのも彼女が勝手に一哉のベッドに忍びこんできたって言うけど、僕、信じることが出来なかった。だって一哉、僕とのことでずっと我慢してたから。考えたくないけど、疑ってしまって」
その後、一哉は一生懸命臨に説明したようだったが、臨が聞く耳を持たなかったようだった。
「結局そこで僕たちは喧嘩別れになって、そのまま僕は日本に帰ってきたんだ。一哉とはそのまま連絡取ってない。僕が信じなかったのが悪かったって反省してるよ!でも、一哉と連絡取れないんだもん!きっと一哉はもう僕と会いたくないんだ!そう思ったら、学校行きたくなくて、熱まで出てきちゃって……………。一哉、もしかしてまだアメリカなのかなッ!」
わーんと臨は大泣きする。
茉理と絢斗は臨の背中を撫でる。
「でもおかしくないか?なんで一哉と連絡取れない?あいつ、いったいどこにいるんだ?」
絢斗が冷静に言うと、絢斗はスマホを出して電話を掛ける。
「ああ、俺。あのさ、一哉の家の連絡先知らない?」
どうやら母親に連絡をしているようだった。
「うん。分かった。サンキュー」
絢斗は今聞いた番号に電話を掛ける。
幼稚舎から茉理と絢斗、一哉は一緒なので、親も付き合いがあったのだ。
「あいつの両親共働きだからこの時間いるか分からねーけど、かけてみるしかねーだろ」
絢斗は茉理と臨にそう言うと、コール音を聞いている。
「やっぱりいねーか。ったく、一哉の野郎、どこで何してんだ」
結局一哉とその日は連絡が取れなかった。
0
お気に入りに追加
49
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる