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第八話
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茉理の部屋に絢斗が寄っていた。
「ボーリング楽しかったねー。臨があんなに上手とか黙っててずりーし」
楽しそうに茉理が言うと、絢斗が茉理を背後から抱きしめる。
「ちょッ!絢斗ッ!」
真っ赤になって茉理の声が上擦る。
「疲れたー。癒せ」
耳元で絢斗は言う。絢斗の吐息が熱くて、茉理はゾクゾクする。
「疲れたなら、家で、ゆっくりしたほうが、良いかと?」
しどろもどろの茉理。
「ゆっくりしてんじゃん。茉理とこうしてると疲れが取れるのー」
絢斗の言葉に言い返せない。
絢斗はそのまま茉理をベッドに押し倒す。
「絢斗ッ!何ッ!ナニナニッ!」
焦りまくる茉理。
絢斗は茉理の胸に顔を埋め、抱きしめて目を瞑っている。
「すげーな。心臓バクつかせてる。ビビってる」
クスクス笑う絢斗。
仲直りしてから、こんな風になるのが初めてで茉理は固まる。
「なんだよッ。甘えるなんて珍しいしッ」
「あいつら見てたら当てられたー。俺も茉理とイチャイチャしてーし」
素直すぎる絢斗が逆に怖い。
あ、でも疲れてるってことは、体力奪われてるってことだよな。
うん、大丈夫だ。
茉理はそう思うと、絢斗の髪をナデナデする。
「んー。気持ちいい」
絢斗はそう言いながら、茉理のシャツの中に手を入れる。
素肌に絢斗の手が触れて茉理はビクッとすると、つい絢斗の頭をピシッと叩いた。
「ッて!何すんだよ!」
ムッとする絢斗。
「それ、こっちのセリフ!何、手、突っ込んでんだよ!」
真っ赤になって自分を抱きしめて防御する茉理の姿に、絢斗はドクンドクンと興奮してくる。
「っとに、イチイチ可愛いなぁ、おいッ!」
絢斗はそう言うと、素早く茉理の前髪を上げておでこにキスをする。
ぷにっと柔らかい絢斗の唇の感覚に、茉理は動けなくなる。
「茉理。可愛い」
絢斗はそう囁くと茉理の頬に唇をずらしてきた。
茉理は恥ずかしくて目をギュッと瞑る。
「好き。大好きだよ」
絢斗の甘い声が茉理を刺激する。
恥ずかしくてどうしていいか分からず、目をギュッと瞑ったまま茉理は固まっている。
チュッチュッとほっぺに何度も絢斗はキスをする。
「けん、とぉ。ストップ……………恥ずかしい」
真っ赤になって目を潤ませて、茉理は両手で絢斗の胸を押さえる。
「茉理。1回だけキスさせて。それでダメならマジ諦める。友達に戻る。いつまでもこんなんじゃ、マジ、俺の身がもたねぇ」
真剣な顔で絢斗は言う。
「ず、ずりーよ。ダメ、じゃないこと、分かってる……………くせに」
「茉理?」
「ダメじゃないのッ!この前のカラオケで本当は良く分かったの!でも恥ずかしいの!絢斗が好きだけど、キスはもう少し待って!」
真っ赤になって訴える茉理。
「それって、お前も俺を、恋人として好きで良いわけ?」
絢斗はびっくりして茉理を見る。
茉理はコクコクと頷く。
「…………………複雑。両思いになれてお預け喰らうとか」
はぁとため息を絢斗はつく。
「ごめん。唇はもう少し待って」
可愛い顔で茉理は言う。
こいつッ!
絶対、この顔計算だろッ!
いつもより可愛く見せようとしてんだろッ!
両思いになれたはずだが、複雑な絢斗だった。
「ボーリング楽しかったねー。臨があんなに上手とか黙っててずりーし」
楽しそうに茉理が言うと、絢斗が茉理を背後から抱きしめる。
「ちょッ!絢斗ッ!」
真っ赤になって茉理の声が上擦る。
「疲れたー。癒せ」
耳元で絢斗は言う。絢斗の吐息が熱くて、茉理はゾクゾクする。
「疲れたなら、家で、ゆっくりしたほうが、良いかと?」
しどろもどろの茉理。
「ゆっくりしてんじゃん。茉理とこうしてると疲れが取れるのー」
絢斗の言葉に言い返せない。
絢斗はそのまま茉理をベッドに押し倒す。
「絢斗ッ!何ッ!ナニナニッ!」
焦りまくる茉理。
絢斗は茉理の胸に顔を埋め、抱きしめて目を瞑っている。
「すげーな。心臓バクつかせてる。ビビってる」
クスクス笑う絢斗。
仲直りしてから、こんな風になるのが初めてで茉理は固まる。
「なんだよッ。甘えるなんて珍しいしッ」
「あいつら見てたら当てられたー。俺も茉理とイチャイチャしてーし」
素直すぎる絢斗が逆に怖い。
あ、でも疲れてるってことは、体力奪われてるってことだよな。
うん、大丈夫だ。
茉理はそう思うと、絢斗の髪をナデナデする。
「んー。気持ちいい」
絢斗はそう言いながら、茉理のシャツの中に手を入れる。
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「ッて!何すんだよ!」
ムッとする絢斗。
「それ、こっちのセリフ!何、手、突っ込んでんだよ!」
真っ赤になって自分を抱きしめて防御する茉理の姿に、絢斗はドクンドクンと興奮してくる。
「っとに、イチイチ可愛いなぁ、おいッ!」
絢斗はそう言うと、素早く茉理の前髪を上げておでこにキスをする。
ぷにっと柔らかい絢斗の唇の感覚に、茉理は動けなくなる。
「茉理。可愛い」
絢斗はそう囁くと茉理の頬に唇をずらしてきた。
茉理は恥ずかしくて目をギュッと瞑る。
「好き。大好きだよ」
絢斗の甘い声が茉理を刺激する。
恥ずかしくてどうしていいか分からず、目をギュッと瞑ったまま茉理は固まっている。
チュッチュッとほっぺに何度も絢斗はキスをする。
「けん、とぉ。ストップ……………恥ずかしい」
真っ赤になって目を潤ませて、茉理は両手で絢斗の胸を押さえる。
「茉理。1回だけキスさせて。それでダメならマジ諦める。友達に戻る。いつまでもこんなんじゃ、マジ、俺の身がもたねぇ」
真剣な顔で絢斗は言う。
「ず、ずりーよ。ダメ、じゃないこと、分かってる……………くせに」
「茉理?」
「ダメじゃないのッ!この前のカラオケで本当は良く分かったの!でも恥ずかしいの!絢斗が好きだけど、キスはもう少し待って!」
真っ赤になって訴える茉理。
「それって、お前も俺を、恋人として好きで良いわけ?」
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茉理はコクコクと頷く。
「…………………複雑。両思いになれてお預け喰らうとか」
はぁとため息を絢斗はつく。
「ごめん。唇はもう少し待って」
可愛い顔で茉理は言う。
こいつッ!
絶対、この顔計算だろッ!
いつもより可愛く見せようとしてんだろッ!
両思いになれたはずだが、複雑な絢斗だった。
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