すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第八話

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ボーリング場を出て、4人はハンバーガーショップのサンダーズに入った。

「臨、どれにする?」

4人は先に席を取り、テーブルにあったメニューを、一哉は甲斐甲斐しく臨に見せる。

「どれにしようかなぁ。迷うなぁ。ハンバーガーも良いし、エビフィレオも捨てがたいしぃ」

「両方頼んでも良いよ。食べ切れないなら手伝うし」

「うん。一哉、いっぱい食べるもんねぇ。あ、でも、アボカドとチーズのにする。あとぉチョコパイ」

「うん、チョコパイ食べたがると思った」

「エヘヘ。一哉はどれにする?」

「俺はダブルチーズとスパイシーチキン」

「どっちも一哉が好きそう。いっぱい動いたからお腹減ったでしょ?」

「そうでもないよ。臨がストライクばっか出してくれたから楽ショだった」

「一哉の足引っ張らなくて良かったぁ」

「大丈夫。臨がガーター連発でも全然腹立たないし」

「えー。それは僕がやだぁ」

「それだけ臨が何しても可愛いってことだよ」

ふたりのイチャイチャな会話を、見ている茉理の方が恥ずかしくなってきた。
絢斗はバカップルとしか思ってないので総無視だった。

「茉理はチーズバーガーか?」

絢斗が尋ねる。

「うん。あと、今日は期間限定のクリームチーズパイ」

「言うと思ったぜ」

ふふふと絢斗が笑う。

「絢斗はアイスコーヒーでしょ?俺は何にしようかなぁ」

「我慢しないで期間限定の自家製ジンジャーエールにすれば?」

茉理が期間限定に弱いのも良く分かっている。

「じゃあ、それにするよッ!」

恥ずかしそうに茉理が言う。
ふと視線を感じて、茉理は一哉と臨を見た。

「全くじゃれあっちゃって。ラブラブじゃねーか」
「本当だねー」

ラブラブオーラ満載の一哉と臨が言う。

茉理と絢斗は目を点にして真顔でふたりを見る。


どっちがだよ!


茉理と絢斗は同時にそう思いながら、イチャコラするふたりを冷めた目で見つめた。
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