田辺君はずるいから

五嶋樒榴

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38ずるい・ナニしてる

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「可愛いよなぁマジで」

スマホの写真を見ながらしみじみと遥加は言う。

「下手したら、今まで付き合ってきた女より可愛いかも」

「いくらなんでもそれは言い過ぎっしょ」

ゲラゲラ笑いながら八尋は言う。

「んじゃ、お前の彼女、内名先輩より可愛かったん?」

妙に絡む遥加。

「いえ、そう言う事じゃなくて、好みもありますよね?内名先輩みたいな可愛い系が好きならそうかもしれないけど」

八尋の好みは可愛い系よりも綺麗系だった。

「まぁな。そりゃ好みによりけりだけどさ。って言うか、あいつら、今ナニしてると思う?」

遥加の質問が下ネタと分かり八尋は赤面する。

「そりゃ、2人の問題で、俺達が想像することではないような」

逃げる八尋。
遥加はフッとため息。

「してるな。確実」

追い討ちをかける遥加。真っ赤になる八尋。

「ナニしてても良いじゃないですかッ!恋人同士なんだしッ!」

もうこの話は終わりにしたい八尋。

「なぁ。気持ちいいと思う?」

しつこい遥加に、酔ってるなと八尋は思った。

「分かりませんよ!って言うか、別にそんな事、思ったこともないしッ!」

これ以上は、居心地が悪くなりそうで八尋は立ち上がる。

「俺、もう帰ります!遥加さんも変なこと想像しないでさっさと寝てくださいね!おやすみなさい!」

八尋は逃げるように遥加の部屋を出た。
外に出てため息をつく。
諭が田辺とナニしてると想像しただけで、自分のナニが硬くなってしまったことが恥ずかしくなった。
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