子飼-秘密の共有-

五嶋樒榴

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春の夜の夢

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懸命に真騎士を気持ち良くしようとする晋の姿を見ながら、時折春夜が浮かぶのが真騎士はゾクゾクし背徳感があった。

俺はどこかで春夜を自分の物にしたいと思ってるのか?
まだ4歳の、しかも甥っ子なのに。

春夜の顔を浮かべるだけで、真騎士のモノは再び硬さを復活させた。
「はぁ。真騎士、また大きくなった……………凄い」
真騎士のモノに舌を這わせながら、恍惚とする晋の顔が春夜に見えてきた。

『真騎士お兄ちゃん。気持ちいい?お兄ちゃんの、僕の中に挿れてぇ。僕のこと、いっぱい気持ち良くして』

春夜におねだりをされる姿を想像して真騎士は堪らなく興奮する。
実の甥を、しかもまだ4歳の春夜に欲情する自分に興奮する。
若い性欲は止まることを知らない。
いけないことが、蜜の味として味わいたくなる。
ダメだと思えば思うほど発情する。
「……………んんッ!真騎士!激しいッ!」
晋を再び責めながら、晋に『お兄ちゃん』と言わせたい。

『お兄ちゃん、しゅごいッ!お兄ちゃんの、僕の中で、こすれりゅう』

『春夜!春夜!…………俺の春夜!』

春夜を浮かべながら、真騎士は晋の中で二度目の射精をした。
そんな風に思いながら、晋と肉体を貪り合うことが異常だと気がついた真騎士は、大学入学を機に家を出て一人暮らしを始めた。
自分の邪な思いを春夜に向ける自分が怖かった。
一度、春夜が一緒に寝ているときに、おねしょをした時があった。
未知瑠が亡くなってすぐの時で、春夜が情緒不安定な時期でもあった。
「大丈夫だよ。とりあえず着替えようね」
春夜はいつも自分以外と風呂に入っていたので、春夜の小さな性器を見ることはなかった。
真騎士はそれを見つめ、つい口に含んでしまった。
もちろん春夜がそれに反応することはない。
「何してるの?お兄ちゃん」
春夜の声に真騎士はハッとした。
「ッ!……………綺麗にした、だけだよ。それと、今のことは内緒だよ。お兄ちゃんも春夜がおねしょをしたことは内緒にしてあげるからね」
春夜と秘密を共有した。
春夜は笑顔で素直に頷いた。
真騎士はその笑顔に心が痛んだ。

二度と春夜に対して、こんなことはしない!
二度と春夜をそんな目で見ない!
姉さん、ごめん!
ごめんなさい!

その夜の事は、真騎士にとっても拭えない過去となった。
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