上 下
47 / 91
クラブケーキオランデーズソース・ビターピールの香り

2

しおりを挟む
貴彦のマンションで、村瀬はシャワーを浴びていた。

「透」

洗面所から貴彦が声をかける。

「……さっき、奥さんの話出た時、変な顔してごめん。透、気にしないって顔してたけど、怒ったか?」

村瀬は何も答えない。

「分かってるけど、つい、顔に出た。分かって付き合ってるのに、ごめん」

貴彦がそう言った後、村瀬はバスルームの扉を開け、貴彦をバスルームへ引き入れた。
直ぐにキスをすると、貴彦の髪を乱しながら激しく唇を貪る。

「んんッ!……んふ」

貴彦が村瀬に抱きつく。
シャワーが当たり、服を着ていた貴彦はびしょ濡れになった。

「……ばぁか。謝ることじゃねぇだろ。それより嫉妬すんな」

ニヤリと笑って村瀬は言う。
貴彦の首筋に歯を当てると軽く噛んだ。

「ッ……噛むなよッ」

「お前が可愛いから噛むんだよ」

村瀬はそう言うと、濡れて脱がしにくいシャツを無理やり剥ぎ取ると、貴彦の固くなった小さな乳首を噛んで引っ張る。

「痛ッ!……もう!痛いよ!」

貴彦がキレ気味に言う。

「お前が興奮させるからだろ」

村瀬の手が貴彦のジーパンを脱がし、貴彦のペニスを握った。

「あッ……んんんッ!」

村瀬の手で扱かれ、貴彦は喘ぎながら村瀬にしがみ付く。

「好きだよ、貴彦」

村瀬が耳元で囁く。貴彦は村瀬の愛撫と言葉に蕩ける。

「んんッ!とーる。ズルい……今、言うとか」

貴彦の身体が震える。

「可愛いね、貴彦は。今夜もいっぱい壊してあげる」

村瀬が言うと、貴彦は村瀬にキスをする。
お互いの舌を絡ませあっていたが、突然、貴彦がガクンと力を落とした。
村瀬の手の中で、貴彦は果てていた。
しおりを挟む

処理中です...