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本日の気まぐれタパスとピンチョス
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一人暮らしのマンションに着くと、広重はスーツの上着を脱ぎネクタイを外すとドサっとベッドに倒れ込んだ。
疲れてもう動きたくなかった。
村瀬から、らいんが来ていてそれに目を通す。
【お疲れ。しょっぱなからとんでもねーもの見せて悪かったな。まぁ、俺に対して信用なくなったかもしれないけど、俺はマジで貴彦が好きだから。お前に見られてもこの関係をやめる気もねぇから。じゃあ、また来週な】
一方的な村瀬のらいんに返事をする気にもなれず、とりあえず次にオーシャンに行くまでには気持ちを切り替えて忘れようと思った。
スマホを枕元に置き目を瞑ると、スマホが鳴りビクッとする。
知らない番号。
夜中だし間違い電話かと思い無視をしていたが、もしかしたら家族に何かあったのかと思い広重はスマホに出た。
「はい。どなたですか?」
疲れ切った声で広重が出ると、相手はなんと貴彦だった。
名刺の裏に連絡先として個人の携帯番号を書いていたので、貴彦はそれを見てかけてきたのだった。
『犬神だけど。道明さん財布忘れて行ったでしょ。更衣室に置いてあったよ』
広重はハッとして、スラックスの後ろのポケットを触った。
オーシャンの制服のポケットに入れていたのを着替えた時に出して、制服だけ持ち帰り財布を持ち帰るのを忘れたんだと思った。
『免許証も入ってたから、明日使うならまずいかと思ってね。道明さん、明日は休みだろ?』
「はい。犬神さん、まだ店にいるんですか?」
時計を見るともう夜中の1時だった。
『もう帰るよ。財布どうする?』
広重は右手で頭を抱えた。
「明日、オーシャンに取りに行きます。17時に店から入って良いですか?」
『出来れば開店前が良いかな。明日は結婚式の二次会が入っているんだよ』
貴彦の言葉に広重はため息をついた。
「分かりました。では、16時過ぎに」
『うん』
電話を切ると広重はうつ伏せで枕に顔を埋めた。
まさか2日続けて貴彦に会うとも思ってなかった。
何してんだよ、俺。
会いたくないと思ってたのに、結局また会う羽目になって。
……ショックだった。
村瀬さんがそんな人だと思わなかった。
しかも、あんなにカッコいい人と。
奥さんの顔も知っている分、奥さんに同情してるんだろうな。
娘ちゃんだって、生まれたばかりなのに。
広重はぐちゃぐちゃ考えながら、結局疲れには勝てずそのまま深い眠りに落ちた。
疲れてもう動きたくなかった。
村瀬から、らいんが来ていてそれに目を通す。
【お疲れ。しょっぱなからとんでもねーもの見せて悪かったな。まぁ、俺に対して信用なくなったかもしれないけど、俺はマジで貴彦が好きだから。お前に見られてもこの関係をやめる気もねぇから。じゃあ、また来週な】
一方的な村瀬のらいんに返事をする気にもなれず、とりあえず次にオーシャンに行くまでには気持ちを切り替えて忘れようと思った。
スマホを枕元に置き目を瞑ると、スマホが鳴りビクッとする。
知らない番号。
夜中だし間違い電話かと思い無視をしていたが、もしかしたら家族に何かあったのかと思い広重はスマホに出た。
「はい。どなたですか?」
疲れ切った声で広重が出ると、相手はなんと貴彦だった。
名刺の裏に連絡先として個人の携帯番号を書いていたので、貴彦はそれを見てかけてきたのだった。
『犬神だけど。道明さん財布忘れて行ったでしょ。更衣室に置いてあったよ』
広重はハッとして、スラックスの後ろのポケットを触った。
オーシャンの制服のポケットに入れていたのを着替えた時に出して、制服だけ持ち帰り財布を持ち帰るのを忘れたんだと思った。
『免許証も入ってたから、明日使うならまずいかと思ってね。道明さん、明日は休みだろ?』
「はい。犬神さん、まだ店にいるんですか?」
時計を見るともう夜中の1時だった。
『もう帰るよ。財布どうする?』
広重は右手で頭を抱えた。
「明日、オーシャンに取りに行きます。17時に店から入って良いですか?」
『出来れば開店前が良いかな。明日は結婚式の二次会が入っているんだよ』
貴彦の言葉に広重はため息をついた。
「分かりました。では、16時過ぎに」
『うん』
電話を切ると広重はうつ伏せで枕に顔を埋めた。
まさか2日続けて貴彦に会うとも思ってなかった。
何してんだよ、俺。
会いたくないと思ってたのに、結局また会う羽目になって。
……ショックだった。
村瀬さんがそんな人だと思わなかった。
しかも、あんなにカッコいい人と。
奥さんの顔も知っている分、奥さんに同情してるんだろうな。
娘ちゃんだって、生まれたばかりなのに。
広重はぐちゃぐちゃ考えながら、結局疲れには勝てずそのまま深い眠りに落ちた。
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