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前に進む勇気
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裕介の突然の告白に、沙優は一人になると頭が真っ白になり考えられなくなってきた。
シェアハウスに戻ると、美紅とりほがリビングで飲んでいて、男性陣はまだ誰も帰っていなかった。
「ただいまー」
元気のない沙優に、裕介と何か揉めたのかと美紅とりほは気になる。
「おかえりー。どーした?」
「おかえりなさい。何かありました?」
「うーん。実はさ」
沙優は裕介と飲んでいた時に、裕介と交際を前提に友達になったことと、離婚した理由も聞けたことを二人に話した。
「そっか。奥さんの不倫ね。でも逆じゃなくて良かったじゃん。志田さんが不倫して離婚したんじゃないんだし」
りほは、沙優が裕介と付き合う上で、裕介の離婚の原因はなにも問題なしと判断した。
「そうですよ!志田さん真面目だし、素敵だし、優しいし。沙優さんとお似合いだと思うけどな」
美紅も裕介を推す。
「うーん。確かに志田さんに問題は無さそうだけど、でも、志田さんが今まで付き合っていた人と真逆だからさ」
裕介が女性的な人とばかり付き合っていたので、本当に自分でいいのか自信がない。
付き合ううちに、性格的に合わなくなるのではと不安だと話す。
「そんなの、付き合ってみなくちゃ先のことは分からないじゃん。でもそう言うこと気にするって、沙優も志田さんをかなり意識してるわけ?」
りほに指摘されて沙優はハッとする。
好きだと真正面からダイレクトに告白されてはいないが、裕介が沙優に好意を持っているのは明白で、だからこそ付き合う方向で沙優も真剣に考えていた。
「あ、そうか。そうだね。好きになってるのかな」
沙優の返事に美紅とりほは目が点になる。
いったい裕介と、どんな話になっているのか訳が分からない。
「さすが2年も男がいないと恋愛感覚もズレたか?」
りほがクスクス笑う。
「……そうかも」
沙優は自信が無くなってくる。
「だったらお付き合いもありじゃないですか?もっとお互いを知り合うのっていいと思います。それでお互いの気持ちが好きってなったら、ちゃんとお付き合いすれば良いんだし」
力説する美紅は、恋愛に悩む沙優が可愛く見える。
「うーん。そうだよね」
「そんなに引っ掛かるなら、詠悟さんに志田さんのことよく聞いてみたら?」
煮え切らない沙優にりほは詠悟を出した。
「え?」
「知り合うきっかけになったのは詠悟さんだし、志田さんのこと一番分かってるのも詠悟さんじゃん」
確かにそうなのだが、叔父である詠悟に恋愛相談をするのは恥ずかしかった。
「まずは相手のことを知るのが一番!ほら、グズグズしてないで、詠悟さんに相談する!」
どんどんりほのペースで押し切られ、沙優は言われるがまま詠悟に電話をかけた。
シェアハウスに戻ると、美紅とりほがリビングで飲んでいて、男性陣はまだ誰も帰っていなかった。
「ただいまー」
元気のない沙優に、裕介と何か揉めたのかと美紅とりほは気になる。
「おかえりー。どーした?」
「おかえりなさい。何かありました?」
「うーん。実はさ」
沙優は裕介と飲んでいた時に、裕介と交際を前提に友達になったことと、離婚した理由も聞けたことを二人に話した。
「そっか。奥さんの不倫ね。でも逆じゃなくて良かったじゃん。志田さんが不倫して離婚したんじゃないんだし」
りほは、沙優が裕介と付き合う上で、裕介の離婚の原因はなにも問題なしと判断した。
「そうですよ!志田さん真面目だし、素敵だし、優しいし。沙優さんとお似合いだと思うけどな」
美紅も裕介を推す。
「うーん。確かに志田さんに問題は無さそうだけど、でも、志田さんが今まで付き合っていた人と真逆だからさ」
裕介が女性的な人とばかり付き合っていたので、本当に自分でいいのか自信がない。
付き合ううちに、性格的に合わなくなるのではと不安だと話す。
「そんなの、付き合ってみなくちゃ先のことは分からないじゃん。でもそう言うこと気にするって、沙優も志田さんをかなり意識してるわけ?」
りほに指摘されて沙優はハッとする。
好きだと真正面からダイレクトに告白されてはいないが、裕介が沙優に好意を持っているのは明白で、だからこそ付き合う方向で沙優も真剣に考えていた。
「あ、そうか。そうだね。好きになってるのかな」
沙優の返事に美紅とりほは目が点になる。
いったい裕介と、どんな話になっているのか訳が分からない。
「さすが2年も男がいないと恋愛感覚もズレたか?」
りほがクスクス笑う。
「……そうかも」
沙優は自信が無くなってくる。
「だったらお付き合いもありじゃないですか?もっとお互いを知り合うのっていいと思います。それでお互いの気持ちが好きってなったら、ちゃんとお付き合いすれば良いんだし」
力説する美紅は、恋愛に悩む沙優が可愛く見える。
「うーん。そうだよね」
「そんなに引っ掛かるなら、詠悟さんに志田さんのことよく聞いてみたら?」
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「え?」
「知り合うきっかけになったのは詠悟さんだし、志田さんのこと一番分かってるのも詠悟さんじゃん」
確かにそうなのだが、叔父である詠悟に恋愛相談をするのは恥ずかしかった。
「まずは相手のことを知るのが一番!ほら、グズグズしてないで、詠悟さんに相談する!」
どんどんりほのペースで押し切られ、沙優は言われるがまま詠悟に電話をかけた。
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