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散りゆく想い
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栞は、知之からドライブデートに誘われて気持ちが揺れていた。
最近会ってない一夜を求める気持ちと、知之に安らぎを求める気持ち。
あれだけ一夜に翻弄されていたのに、放置され続けると、どこか気持ちが冷めてきていた。
あんなに快楽に溺れていた自分。
切なくて自分で慰めていた自分。
そんな自分が恥ずかしくも思った。
でもどこかでまだ、一夜に抱かれたいと渇望していた。
栞は一夜に電話をかけた。
声を聞いて確かめたかった。
コールがして、出ないので諦めようとした時、一夜が電話に出た。
「もしもし?」
久しぶりに聞く一夜の声に胸が締め付けられる。
『栞だけど』
怯え気味に栞は言う。
「分かってるよ。どうした?」
一夜は何も感じてないようだった。相変わらず涼しい声。
『最近、忙しくてなかなか会ってもらえないから。電話でも良いから声聞きたくて。ごめんなさい』
栞の気持ちを、一夜は受け止められなくて正直逃げていた。ズルい自分を情けなくも思った。
「ごめん。栞の気持ちまで弄んでたね。僕は本当に最低だ」
らしくない言葉に栞は動揺する。嫌な予感がする。
『どうしたの?いつもと違う。あたしの気持ちなんて、いつも置き去りだったくせに!』
不安が押し寄せ、つい栞は興奮気味に言ってしまった。
「もう、会うのはやめよう」
一夜は自分で言って、本当に最低だと思った。
『どうして?あたしの気持ちが重くなった?あたしが一夜を好きすぎて遊びで済まないから?でも一夜がそんな身体にしたんだよ!』
栞が怒るのは最もだった。今までしてきたことを考えれば、どんな罰を受けても仕方ない。
散々栞をおもちゃにしていたのは自分。今更由紀子を愛してるから栞を切り捨てるのは身勝手すぎる。
「栞が怒るのは当たり前だよね。今更、そんなこと言われても栞は納得いかないよね。僕がバカだったんだ」
何を言われても一夜は罰を受けるしかないと思った。
「栞が望むように受け入れるよ」
自分の蒔いた種だと自覚した。栞が望めば、栞の恋人になる。栞を傷つけた分、栞を愛そうと思った。
こんな最低な男が、由紀子に愛を告げるなんてと一夜は思った。
『どうしちゃったの?いつも俺様だったくせに。あたしのこと翻弄して、あたしを寄せ付けなかったくせに。本当にらしくない。会えなかった間、何があったの?』
栞の問いにそれは言えなかった。
自分はいくら蔑まされてもいいが、由紀子を巻き込みたくなかった。
「すまない」
それしか、一夜は返す言葉が無かった。
最近会ってない一夜を求める気持ちと、知之に安らぎを求める気持ち。
あれだけ一夜に翻弄されていたのに、放置され続けると、どこか気持ちが冷めてきていた。
あんなに快楽に溺れていた自分。
切なくて自分で慰めていた自分。
そんな自分が恥ずかしくも思った。
でもどこかでまだ、一夜に抱かれたいと渇望していた。
栞は一夜に電話をかけた。
声を聞いて確かめたかった。
コールがして、出ないので諦めようとした時、一夜が電話に出た。
「もしもし?」
久しぶりに聞く一夜の声に胸が締め付けられる。
『栞だけど』
怯え気味に栞は言う。
「分かってるよ。どうした?」
一夜は何も感じてないようだった。相変わらず涼しい声。
『最近、忙しくてなかなか会ってもらえないから。電話でも良いから声聞きたくて。ごめんなさい』
栞の気持ちを、一夜は受け止められなくて正直逃げていた。ズルい自分を情けなくも思った。
「ごめん。栞の気持ちまで弄んでたね。僕は本当に最低だ」
らしくない言葉に栞は動揺する。嫌な予感がする。
『どうしたの?いつもと違う。あたしの気持ちなんて、いつも置き去りだったくせに!』
不安が押し寄せ、つい栞は興奮気味に言ってしまった。
「もう、会うのはやめよう」
一夜は自分で言って、本当に最低だと思った。
『どうして?あたしの気持ちが重くなった?あたしが一夜を好きすぎて遊びで済まないから?でも一夜がそんな身体にしたんだよ!』
栞が怒るのは最もだった。今までしてきたことを考えれば、どんな罰を受けても仕方ない。
散々栞をおもちゃにしていたのは自分。今更由紀子を愛してるから栞を切り捨てるのは身勝手すぎる。
「栞が怒るのは当たり前だよね。今更、そんなこと言われても栞は納得いかないよね。僕がバカだったんだ」
何を言われても一夜は罰を受けるしかないと思った。
「栞が望むように受け入れるよ」
自分の蒔いた種だと自覚した。栞が望めば、栞の恋人になる。栞を傷つけた分、栞を愛そうと思った。
こんな最低な男が、由紀子に愛を告げるなんてと一夜は思った。
『どうしちゃったの?いつも俺様だったくせに。あたしのこと翻弄して、あたしを寄せ付けなかったくせに。本当にらしくない。会えなかった間、何があったの?』
栞の問いにそれは言えなかった。
自分はいくら蔑まされてもいいが、由紀子を巻き込みたくなかった。
「すまない」
それしか、一夜は返す言葉が無かった。
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