トライアングル

五嶋樒榴

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しほな・こじらせ

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そう言えば、なんで雅人が幸せそうだと思って、こんなにホッとしてるんだろう。
雅人は私とは違う人と向き合ってるのに。

『話逸れたな。俺と彼女のことはいいよ。俺はお前とのこと話してる』

雅人の真剣な声。

『悔しかったから言わなかったけど、俺はずっと、お前がずっと片思いしていた男に嫉妬してた』

雅人の言葉に私はびっくりした。

「何、言ってるの?私と久利は一度だって、特別な関係になってないよ」

私は焦って言った。

「もう随分前、お前、同窓会行っただろ?その時、何人か仲のいいやつと撮った写真見せてくれたじゃん。その写真見たとき、初めてお前の好きな男の顔見た」

私はそんな写真見せた記憶すら忘れていた。

『お前、そいつの話、すげー俺に語るのよ。すげー嬉しそうに、楽しそうに。好きだったとかそんな事は言わないけど、お前にしたら無意識だろうけど、俺は凄く嫌だった』

私は聞きながら呆然とした。

『だからあの写真見せられたとき、ああ、またこいつかって思ったら、すげー腹たったよ。俺はどんなにお前を好きでも、お前はいつまでもあいつを引きずってるんだなって』

「待ってよ!だから浮気してた?」

聞いていて腹が立ってきて、私は言った。
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