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43.カイリの後悔
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「……人が犠牲になって守られる平和に何の意味がある?」
みさきを犠牲にして手に入れた国の平和。それを何も知らないで平然と人々は自分の悪しき心の浄化を請う
朝廷には、役人共が自分の地位と安全を守るためだけに人を貶め、水面下でのドロドロとした人の卑しい欲望が渦巻いている
にもかかわらず、何食わぬ顔で善を説くのだ
珍しく、ふつふつと怒りが込み上げる
「カイリ。その魔力はしまった方が良い」
トキの声でハッと我に返る
隣のソファーでパタリとみさきが倒れた姿を見て、やってしまった。と後悔したが、時はすでに遅かった
ルカがみさきの頭に触れ
「兄上の魔力の刺激が強すぎただけだと思う。少し休めば大丈夫じゃないかな?」
と言った
「はぁ~……」
ため息しか出ない
すると、トキが
「カイリさぁ、みさきちゃんの浄化って結局きちんとできないままなんだろ?違うかい?」
と聞いてきた
その通りだ
本来ならば、きちんとみさきの中の魔力を浄化しないといけない……だが…
「カイリの聞いた話だと、満月の夜に定期的に浄化してたらしいじゃないか?あまり悠長なこと言ってられないと思うけど?」
トキは、ソファーにみさきを寝かせると、手を握り、額に手を当てながら、状態を確認している
「僕が作った『睡眠の香』って結局直接使えなかったの?拡散でも使えるけど……」
「無理やりするのは違うだろう……?」
ただでさえ、触れると体を強ばらせ、目を合わせて貰えない……そんな相手にどうしろというのか……
「1度逃げられてるしな………」
「ん~~。それなんだけどね?僕が見た感じ、別に嫌がってる訳じゃないと思うけど?」
「恥ずかしがり屋なだけで、キスぐらいなら受け入れて貰えると思うけど?」
「……………。」
走り去られた側の気持ちにもなってみろ……
さすがに不安にもなる……
そうだ。そういえば、今日ここに来た本来の目的を忘れていた
「トキ。さっき話していた、調べて欲しいことなのだが……」
カイリは、ユミから聞いた過去の聞いた限りをトキに話した
「なるほど……。」
トキは記憶を遡りながら話し始めた
「カイリが国を離れてからは、僕は本当に幽閉されてたから、王宮内での出来事は細かくは分からないな……。ロイに少し聞いてみるとしようか。彼なら何らかのことを知っているかもしれない。でも、記憶操作がかかってるとしたら厄介だな……」
ロイは元々前王朝の調査執行部で他国のスパイ活動をしていたことがある
だが、濡れ衣を着せられ、自国に裏切られた挙句、敵国のスパイとして疑われた
拷問に次ぐ拷問で薬品漬けにされた後、牢獄に放り込まれて、死を待つばかりだった所をトキが助けたと聞いている
諜報は得意分野だろう。
「では、ロイに頼めるか?」
「後で伝えておくよ」
話が纏まったところで、
今まで扉の前で待機していたフェンが過去の真実を知って口を開いた
「殿下方。わたくしからもよろしいでしょうか?」
「ん?何だ」
「今は引退した身ではありますが、父が前国王陛下に使えておりました。それに、魔力特性が、封印関係の魔法に特化しておりますので、何かお役に立てるかもしれません」
「そうか」
確かにフェンの父親は国王の側近を勤めていた
なぜ、今まで忘れていたのか……
やはり、何かある
そうカイリは確信した
「フェン。頼んでも良いか?」
「もちろんでございます。お任せ下さい」
「僕達も宮廷の書庫を調べるよ」
「あぁ。頼む」
ルゥ達に任せれば、その周辺の人物からの聞き取りで新たなことが分かるかもしれない
「んじゃぁ、後は各々仕事に戻った方がいいかな?」
「「はーーい」」
「カイリ。とりあえず、みさきちゃんは僕が少し様子を見るよ。彼女のことも少し知りたいしね。良いかい?」
「ああ。任せてもいいか」
「帰りはロイに送らせるから安心して」
「トキ……いい加減外に出る気は無いか?」
「う~~ん。そうだね……」
あと1歩といったところだろうか
私が朝廷を言いくるめれば良さそうだな
「わかった。役人共を黙らせるから待ってろ」
そう言ってカイリは王宮に帰って行った
みさきを犠牲にして手に入れた国の平和。それを何も知らないで平然と人々は自分の悪しき心の浄化を請う
朝廷には、役人共が自分の地位と安全を守るためだけに人を貶め、水面下でのドロドロとした人の卑しい欲望が渦巻いている
にもかかわらず、何食わぬ顔で善を説くのだ
珍しく、ふつふつと怒りが込み上げる
「カイリ。その魔力はしまった方が良い」
トキの声でハッと我に返る
隣のソファーでパタリとみさきが倒れた姿を見て、やってしまった。と後悔したが、時はすでに遅かった
ルカがみさきの頭に触れ
「兄上の魔力の刺激が強すぎただけだと思う。少し休めば大丈夫じゃないかな?」
と言った
「はぁ~……」
ため息しか出ない
すると、トキが
「カイリさぁ、みさきちゃんの浄化って結局きちんとできないままなんだろ?違うかい?」
と聞いてきた
その通りだ
本来ならば、きちんとみさきの中の魔力を浄化しないといけない……だが…
「カイリの聞いた話だと、満月の夜に定期的に浄化してたらしいじゃないか?あまり悠長なこと言ってられないと思うけど?」
トキは、ソファーにみさきを寝かせると、手を握り、額に手を当てながら、状態を確認している
「僕が作った『睡眠の香』って結局直接使えなかったの?拡散でも使えるけど……」
「無理やりするのは違うだろう……?」
ただでさえ、触れると体を強ばらせ、目を合わせて貰えない……そんな相手にどうしろというのか……
「1度逃げられてるしな………」
「ん~~。それなんだけどね?僕が見た感じ、別に嫌がってる訳じゃないと思うけど?」
「恥ずかしがり屋なだけで、キスぐらいなら受け入れて貰えると思うけど?」
「……………。」
走り去られた側の気持ちにもなってみろ……
さすがに不安にもなる……
そうだ。そういえば、今日ここに来た本来の目的を忘れていた
「トキ。さっき話していた、調べて欲しいことなのだが……」
カイリは、ユミから聞いた過去の聞いた限りをトキに話した
「なるほど……。」
トキは記憶を遡りながら話し始めた
「カイリが国を離れてからは、僕は本当に幽閉されてたから、王宮内での出来事は細かくは分からないな……。ロイに少し聞いてみるとしようか。彼なら何らかのことを知っているかもしれない。でも、記憶操作がかかってるとしたら厄介だな……」
ロイは元々前王朝の調査執行部で他国のスパイ活動をしていたことがある
だが、濡れ衣を着せられ、自国に裏切られた挙句、敵国のスパイとして疑われた
拷問に次ぐ拷問で薬品漬けにされた後、牢獄に放り込まれて、死を待つばかりだった所をトキが助けたと聞いている
諜報は得意分野だろう。
「では、ロイに頼めるか?」
「後で伝えておくよ」
話が纏まったところで、
今まで扉の前で待機していたフェンが過去の真実を知って口を開いた
「殿下方。わたくしからもよろしいでしょうか?」
「ん?何だ」
「今は引退した身ではありますが、父が前国王陛下に使えておりました。それに、魔力特性が、封印関係の魔法に特化しておりますので、何かお役に立てるかもしれません」
「そうか」
確かにフェンの父親は国王の側近を勤めていた
なぜ、今まで忘れていたのか……
やはり、何かある
そうカイリは確信した
「フェン。頼んでも良いか?」
「もちろんでございます。お任せ下さい」
「僕達も宮廷の書庫を調べるよ」
「あぁ。頼む」
ルゥ達に任せれば、その周辺の人物からの聞き取りで新たなことが分かるかもしれない
「んじゃぁ、後は各々仕事に戻った方がいいかな?」
「「はーーい」」
「カイリ。とりあえず、みさきちゃんは僕が少し様子を見るよ。彼女のことも少し知りたいしね。良いかい?」
「ああ。任せてもいいか」
「帰りはロイに送らせるから安心して」
「トキ……いい加減外に出る気は無いか?」
「う~~ん。そうだね……」
あと1歩といったところだろうか
私が朝廷を言いくるめれば良さそうだな
「わかった。役人共を黙らせるから待ってろ」
そう言ってカイリは王宮に帰って行った
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