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41.息の合った双子

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「で、この子がみさきちゃん?」
トキ殿下の紫色の瞳が私を見つめる
ルゥ君達までとは言わないが、カイリ殿下とそっくりな顔立ちにドキっとしてしまう

「カイリが、抱き上げたら嫌われて、キスしたら逃げ去られて、ハグしたら泣かれて、ようやく手を握るくらいは拒否られなくなったって、ウブな喜びを報告してきた、あの、みさきちゃん?」

え……?

なんて?!

すごい情報量多かった気がするんだけど

私がポカンとしていると、

「それ以上言うな………」
と、カイリ殿下が口元を隠しながら、恥ずかしそうに呟く


「あれ?違うのかな?」
「いつになったらもっと……モゴモゴ」
言いかけると、カイリ殿下がトキ殿下の口元を抑え、ソファーに押し倒す

「黙れっ!!トキっ!!」
「!……んーーんんーー!!!」

「言うなっ!!!」
「んーーん!!んんっ!!!」

手を解こうと暴れるトキ殿下に馬乗りになり押さえつけ、これ以上何もさせない言わせない!の姿勢のカイリ殿下

その2人の様子をニコニコと眺めるルゥ君たち

「と、止めた方が良いんじゃない?」
と、私が聞くと

「「大丈夫 大丈夫~」」
と、息のあった答えが帰ってきた

そうなのかな…

トキ殿下が顔を真っ赤にして、カイリ殿下の背中をパンパンと叩いて、腕をぎゅっと掴んだ。
ソートー苦しいらしい

「あの!ケンカはその辺で!!」
私は仲裁に入った

私の声が届いたのか、トキ殿下のギブアップを受けとったのか、カイリ殿下は手を緩め、口元を解放した

トキ殿下はゼーハーしながら呼吸を整え、ケホケホしながら「苦しいから!!」っと、涙目になりながら訴えた

カイリ殿下は、そっぽを見て無視した挙句、ソファーに座り直した

なんか、かわいい。兄弟ってこんな感じなのかぁ~

「兄弟っていいですね。私一人っ子なので、そういう経験無くって」

「あれ?お姉さんがいるんじゃなかったのかな?いつも、お姉さんのこと話す時は、自分と話してる時と違って柔らかい表…情……んんー!ん!!!」
トキ殿下が言いかけると、
カイリ殿下は、今度は息ができるように口だけを手で押さえつけ、小声で
「だから!それ以上喋るなっっっ!!!」
とトキ殿下を睨みながら囁いた

「兄上~話進まないからじゃれ合うの後でやってよ~」
ルイくんが呆れて声をかけた

ルカくんはわざとらしく
「みさきほっとかれて可哀想だねーー。僕が隣でスコーン食べさせてあげるよーー」
とセリフを棒読みしながら、隣にピッタリくっついて座り、スコーンをつまんで、はい、あ~ん。の姿勢を取った

それを見て、じゃれ合ってた2人はパッとこちらに視線を移し、カイリ殿下が

「二度とその口が何も喋れないようにしてやる……」
と、ポソリと吐き捨てた

何も知らなかったカイリ殿下の一面を垣間見た気がする

なんだかちょっと可愛い
二人の小競り合いを見てると
トキ殿下は楽しそうで、カイリ殿下は嬉しそうだ
仲睦まじい兄弟の姿がそこにはあった

私がニヤニヤしていると

それを見たカイリ殿下は表情を和らげ、ソファーに背中を預け、トキ殿下はカイリ殿下の肩に肘を乗せて頬杖をつき、2人は仲良くソファーに座った

ルゥ君達も息ぴったりだなと思ったけど、この2人もやっぱり特別な絆をかんじる

2人で1人。それがこの国の王家の血を継ぐ双子の兄弟なんだということを実感した
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