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不出来オメガは子供が欲しい
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俺の両親が死んだのは12歳のころ。
水難事故だった。
俺は古くから続く商家の当主である。
「……は、ぁ……っ」
幸いにも商才はあるほうで、当時主であった父親が急逝して突然12で家を継ぐことになったわりにはうまくやれているほうだと思う。
もとより我が家が領主との関係が良好だったおかげで、少々揉めたお家問題もどうにかなったし、幼少期後継者教育も受けていたので当主業務も問題ない。
身体は弱いが魔法が存在するこの世界で魔力も申し分ないし、人生そこそこ順風である。
「……ンぅ、」
最近でいえば思い付きの新事業も軌道に乗ってきて、王都からひとつ領を挟んで位置する領の家にしては裕福な生活をしているはずだ。
「死ぬ……」
俺がΩである、ただこのひとつの問題をのぞいて。
この世には6つの性が存在する。
まず基本である女性、男性。これは単純に体の形として、ちんこがついているか子宮を持っているかだ。
そこからさらに、α、β、Ωの3つのバース性と呼ばれるものに分岐する。
バース性は単純に生物としてのヒエラルキーを意味している。ちんこだってアルファはでかいし、オメガは小さい。
ヒエラルキー頂点に君臨するアルファは権力者に多い。彼らは総じてみな能力が高く、大きく分けて肉体系、頭脳系、両方を併せもつハイブリットと、3つほどのタイプが存在する。これに関しては教育や環境に左右されている説もあるが、どうあったって変わらないのは顔がみないいということだ。
個人的にいろんなアルファを目にしてきたが、顔の良さが能力の高さと比例している気がする。
アルファをほかの生物で例えるならば、シャチだとかライオンだとか、生態系の頂点捕食者だ。
次にβ。ベータは異性と交配が可能である。
国民の大半をベータが占めていて、一般的に平民はほぼ全員がベータである。なぜなら平民の家に生まれたアルファなどはたいていが高い能力がゆえに権力者に引き抜かれるからだ。ベータはちんこのサイズも平均だし、能力もだいたい平均である。
優秀なベータももちろん存在するが、それはまあ個体差だ。
そしてヒエラルキーの最下層かつ最も稀少とされるオメガは、男性であっても唯一どの性とも交配が可能で、ようは孕み腹を持っている。
オメガは2か月から3か月にいちど訪れる発情期にフェロモンという誘惑香を発し、アルファを誘惑する。その際アルファにうなじを噛まれることでつがいを得ることができる。
個によってはその誘惑香はベータさえも誘惑するが、オメガのつがいとなれるのはアルファのみだ。ちなみにつがいを得たオメガは死ぬまでそのアルファ以外とは性交できない。体にそのアルファという存在が刻まれるため、無理にすれば本能からの拒否反応が出るし、最悪の場合死に至る可能性もある。
発情期にアルファの精を受ければ、ほぼ100パーセント子を成すし、アルファとオメガの交配でできる子はアルファである確率が高い。
古く人類が医療の知識を持たなかった時代は国の奴隷とされたり、人類をつくりし神の使いとされたり、各国の歴史を振り返るうえで欠かせない存在だ。ある国はオメガの誘惑香によって滅んだとか、オメガの王族が他国のものに犯されて戦争が始まったとか、とにかく人間として少し異なる要素を持つがゆえ諍いも多いため、自身をベータだと偽るオメガも少なくない。
身体的特徴としはほとんどが女性とほぼ変わらないような体格であり、庇護欲をくすぐるような美しい容姿である。あとちんこが小さい。
能力としては個体差があり、なにもできないようなものからアルファとも思えるような優秀なものなど、ベータより振れ幅がある。
奇しくも俺は後者の優秀なほうで、オメガにしては学業について覚えがよかったため、親族にはアルファだと思われていた。それがオメガだったものだから、アルファ主義の親は発狂、俺に生まれながらに与えていた跡取りの地位をはく奪し、早急に学園から退学させた。
基本、オメガはさまざまなバース性が所属する教育機関に身を置くことができない。能力的な問題もあるが、大きな理由は発情による不本意な性交、およびつがい成立を避けるためだ。
つがいを持たないオメガの誘惑香は、同じくつがいをもたないアルファを見境なく誘う。10代なんてよほどのことがない限りつがいを持たないのだから、当たり前といえば当たり前の措置である。
問題は、俺が普通より早く発情を迎えてしまったことだ。
バース性は生まれてすぐわかるものではない。というのも、バース性は魔力と大きく関わっていることが分かっている。生まれもつ魔力が安定し定まるのが大体13歳から15歳といわれていて、それまで人間は自分の最大の魔力量も、バース性もわからぬのだ。ここでバース性の診断をしても、まったくもってわからないらしい。
魔力は安定するまでゆらぎという日々自覚できる感覚として現れるので、その揺らぎがなくなれば安定したと判断される。そして神殿に向かい、洗礼を受ける。神によって与えられた洗礼名とともに、バース性がわかるのだ。
人間のさまざまなものがわかる人生の節目であることから、多くの国はバース性の判明、すなわち魔力の安定を迎えると成人とみなされる。よって、ひとによって成人年齢はまちまちだ。
中等部への入学の条件は、成人していること。
初等部は4歳から満12歳までの8年を過ごすが、中等部は年齢の制限が無く、みな成人を迎えた次の年から中等部に入学する。
つまり初等部と中等部のおおきな違いは、未成人か、成人しているかどうか。中等部に進むころにはΩはβやαとは別の中等学院にすすむので、事故つがいなどのリスクを避けることが可能なのだ。
しかし誰も成人していない歳に発情期を迎えた俺は、相当に珍しかった。
そもそもΩは数が少ないうえにほかのバース性と比べて成熟が遅く、国が把握している数百年のなかでも一番判明が早かったのは14歳だ。発情期もΩだとわかってからすぐ来るわけではなく、体内に子宮が完全に生成されてからとなるので平均だと15、16歳で初の開花を迎える。
行政も想定外の速さで開花してしまった俺に、親は絶望し激昂した。
親がどのようにして初等部を辞めさせたのかはわからない。初等部は行政が行っているから、向こうもきっと頭を抱えたはずだ。なんせ最年少より2年も早く判明し、しかも発情もしてしまったから。
発情したのが家でよかった。これが学園内であったなら、責任問題で恐ろしいことになっていただろう。よくわからないうちに発情して、それが収まるころには初等部から籍を外されていた。少なからずいた友人に、ろくに挨拶もできぬまま。
とにかく、俺はそのくらい異例中の異例だった。
両親が死んだのはそれからすぐで、弟を俺の代わりに初等部に入れるべく学園へ訪れた帰りだったらしい。
なんでも帰りに領の小島に何泊かの旅行を計画していたようで、その行きの船で荒波に飲まれて死んだそうだ。俺の代わりに後継者となった弟もそのままみつからなかったため、発情期を終えて部屋を出たら初等部を退学させられていて両親が死んでいて、当主になっていた。親族連中曰く血縁が最も重要なのだそうだ。
発情期のΩは記憶がだいたい飛ぶし、実際俺も飛んでいたから、気を失って起きてきたら世界が変わっていたようなものだ。
それからの俺は当主として生きてきたわけだが、ひとつだけ大きな問題があった。
そう、その発情期問題だ。12で初めての発情期が来て3年ほどは次が来なかったから、これ幸いと仕事や襲名行事をこなしていたのだが、15になってすぐのころようやく2回目の発情期がやってきた。
その発情期はそれはそれは重く、約1か月続いた。倒れる直前はとても暑い猛暑だったのに、意識がはっきり戻って外にでたら涼しくなっていたものだから本当に驚いた。それ以降、今まで忘れていたとばかりに頻繁に発情期が来るようになった。発情期の周期は平均は2,3か月にいちどだが、俺は3週間にいちどやってくるのだ。
こればかりは本当に困った。当主業があるからだ。
王都への顔合わせや領の仕事は直前の断りを入れることが多いため軒並み「体の弱い坊ちゃん当主」として浸透しているし、その間はしっかり誘惑香を垂れ流すため有事の対応すらできない。
かかりつけの医師は「身体が特異なので、症状が特異でも仕方がない」と、ろくに効きもしない抑制剤をよこしてくるばかりでようはお手上げなのだ。
この頻繁な発情期と付き合うこと2年、最初は誘惑香も症状も軽いものだったが今やひどいものだ。
記憶は残るし、飯もろくに食えないほど体は熱い。肛門から垂れ流しの液はベッドシーツを濡らし、腹部はαの熱を欲し続けている。
本当に、もう限界だ。
水難事故だった。
俺は古くから続く商家の当主である。
「……は、ぁ……っ」
幸いにも商才はあるほうで、当時主であった父親が急逝して突然12で家を継ぐことになったわりにはうまくやれているほうだと思う。
もとより我が家が領主との関係が良好だったおかげで、少々揉めたお家問題もどうにかなったし、幼少期後継者教育も受けていたので当主業務も問題ない。
身体は弱いが魔法が存在するこの世界で魔力も申し分ないし、人生そこそこ順風である。
「……ンぅ、」
最近でいえば思い付きの新事業も軌道に乗ってきて、王都からひとつ領を挟んで位置する領の家にしては裕福な生活をしているはずだ。
「死ぬ……」
俺がΩである、ただこのひとつの問題をのぞいて。
この世には6つの性が存在する。
まず基本である女性、男性。これは単純に体の形として、ちんこがついているか子宮を持っているかだ。
そこからさらに、α、β、Ωの3つのバース性と呼ばれるものに分岐する。
バース性は単純に生物としてのヒエラルキーを意味している。ちんこだってアルファはでかいし、オメガは小さい。
ヒエラルキー頂点に君臨するアルファは権力者に多い。彼らは総じてみな能力が高く、大きく分けて肉体系、頭脳系、両方を併せもつハイブリットと、3つほどのタイプが存在する。これに関しては教育や環境に左右されている説もあるが、どうあったって変わらないのは顔がみないいということだ。
個人的にいろんなアルファを目にしてきたが、顔の良さが能力の高さと比例している気がする。
アルファをほかの生物で例えるならば、シャチだとかライオンだとか、生態系の頂点捕食者だ。
次にβ。ベータは異性と交配が可能である。
国民の大半をベータが占めていて、一般的に平民はほぼ全員がベータである。なぜなら平民の家に生まれたアルファなどはたいていが高い能力がゆえに権力者に引き抜かれるからだ。ベータはちんこのサイズも平均だし、能力もだいたい平均である。
優秀なベータももちろん存在するが、それはまあ個体差だ。
そしてヒエラルキーの最下層かつ最も稀少とされるオメガは、男性であっても唯一どの性とも交配が可能で、ようは孕み腹を持っている。
オメガは2か月から3か月にいちど訪れる発情期にフェロモンという誘惑香を発し、アルファを誘惑する。その際アルファにうなじを噛まれることでつがいを得ることができる。
個によってはその誘惑香はベータさえも誘惑するが、オメガのつがいとなれるのはアルファのみだ。ちなみにつがいを得たオメガは死ぬまでそのアルファ以外とは性交できない。体にそのアルファという存在が刻まれるため、無理にすれば本能からの拒否反応が出るし、最悪の場合死に至る可能性もある。
発情期にアルファの精を受ければ、ほぼ100パーセント子を成すし、アルファとオメガの交配でできる子はアルファである確率が高い。
古く人類が医療の知識を持たなかった時代は国の奴隷とされたり、人類をつくりし神の使いとされたり、各国の歴史を振り返るうえで欠かせない存在だ。ある国はオメガの誘惑香によって滅んだとか、オメガの王族が他国のものに犯されて戦争が始まったとか、とにかく人間として少し異なる要素を持つがゆえ諍いも多いため、自身をベータだと偽るオメガも少なくない。
身体的特徴としはほとんどが女性とほぼ変わらないような体格であり、庇護欲をくすぐるような美しい容姿である。あとちんこが小さい。
能力としては個体差があり、なにもできないようなものからアルファとも思えるような優秀なものなど、ベータより振れ幅がある。
奇しくも俺は後者の優秀なほうで、オメガにしては学業について覚えがよかったため、親族にはアルファだと思われていた。それがオメガだったものだから、アルファ主義の親は発狂、俺に生まれながらに与えていた跡取りの地位をはく奪し、早急に学園から退学させた。
基本、オメガはさまざまなバース性が所属する教育機関に身を置くことができない。能力的な問題もあるが、大きな理由は発情による不本意な性交、およびつがい成立を避けるためだ。
つがいを持たないオメガの誘惑香は、同じくつがいをもたないアルファを見境なく誘う。10代なんてよほどのことがない限りつがいを持たないのだから、当たり前といえば当たり前の措置である。
問題は、俺が普通より早く発情を迎えてしまったことだ。
バース性は生まれてすぐわかるものではない。というのも、バース性は魔力と大きく関わっていることが分かっている。生まれもつ魔力が安定し定まるのが大体13歳から15歳といわれていて、それまで人間は自分の最大の魔力量も、バース性もわからぬのだ。ここでバース性の診断をしても、まったくもってわからないらしい。
魔力は安定するまでゆらぎという日々自覚できる感覚として現れるので、その揺らぎがなくなれば安定したと判断される。そして神殿に向かい、洗礼を受ける。神によって与えられた洗礼名とともに、バース性がわかるのだ。
人間のさまざまなものがわかる人生の節目であることから、多くの国はバース性の判明、すなわち魔力の安定を迎えると成人とみなされる。よって、ひとによって成人年齢はまちまちだ。
中等部への入学の条件は、成人していること。
初等部は4歳から満12歳までの8年を過ごすが、中等部は年齢の制限が無く、みな成人を迎えた次の年から中等部に入学する。
つまり初等部と中等部のおおきな違いは、未成人か、成人しているかどうか。中等部に進むころにはΩはβやαとは別の中等学院にすすむので、事故つがいなどのリスクを避けることが可能なのだ。
しかし誰も成人していない歳に発情期を迎えた俺は、相当に珍しかった。
そもそもΩは数が少ないうえにほかのバース性と比べて成熟が遅く、国が把握している数百年のなかでも一番判明が早かったのは14歳だ。発情期もΩだとわかってからすぐ来るわけではなく、体内に子宮が完全に生成されてからとなるので平均だと15、16歳で初の開花を迎える。
行政も想定外の速さで開花してしまった俺に、親は絶望し激昂した。
親がどのようにして初等部を辞めさせたのかはわからない。初等部は行政が行っているから、向こうもきっと頭を抱えたはずだ。なんせ最年少より2年も早く判明し、しかも発情もしてしまったから。
発情したのが家でよかった。これが学園内であったなら、責任問題で恐ろしいことになっていただろう。よくわからないうちに発情して、それが収まるころには初等部から籍を外されていた。少なからずいた友人に、ろくに挨拶もできぬまま。
とにかく、俺はそのくらい異例中の異例だった。
両親が死んだのはそれからすぐで、弟を俺の代わりに初等部に入れるべく学園へ訪れた帰りだったらしい。
なんでも帰りに領の小島に何泊かの旅行を計画していたようで、その行きの船で荒波に飲まれて死んだそうだ。俺の代わりに後継者となった弟もそのままみつからなかったため、発情期を終えて部屋を出たら初等部を退学させられていて両親が死んでいて、当主になっていた。親族連中曰く血縁が最も重要なのだそうだ。
発情期のΩは記憶がだいたい飛ぶし、実際俺も飛んでいたから、気を失って起きてきたら世界が変わっていたようなものだ。
それからの俺は当主として生きてきたわけだが、ひとつだけ大きな問題があった。
そう、その発情期問題だ。12で初めての発情期が来て3年ほどは次が来なかったから、これ幸いと仕事や襲名行事をこなしていたのだが、15になってすぐのころようやく2回目の発情期がやってきた。
その発情期はそれはそれは重く、約1か月続いた。倒れる直前はとても暑い猛暑だったのに、意識がはっきり戻って外にでたら涼しくなっていたものだから本当に驚いた。それ以降、今まで忘れていたとばかりに頻繁に発情期が来るようになった。発情期の周期は平均は2,3か月にいちどだが、俺は3週間にいちどやってくるのだ。
こればかりは本当に困った。当主業があるからだ。
王都への顔合わせや領の仕事は直前の断りを入れることが多いため軒並み「体の弱い坊ちゃん当主」として浸透しているし、その間はしっかり誘惑香を垂れ流すため有事の対応すらできない。
かかりつけの医師は「身体が特異なので、症状が特異でも仕方がない」と、ろくに効きもしない抑制剤をよこしてくるばかりでようはお手上げなのだ。
この頻繁な発情期と付き合うこと2年、最初は誘惑香も症状も軽いものだったが今やひどいものだ。
記憶は残るし、飯もろくに食えないほど体は熱い。肛門から垂れ流しの液はベッドシーツを濡らし、腹部はαの熱を欲し続けている。
本当に、もう限界だ。
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