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寝台で寝ているシェリーの髪を触りながらマイクは小さな声で言う。
「シェリー、僕がシャレル国から帰って仕事中に倒れた日、僕は前世がベルナルドだとわかった。
そしてシェリーが言わなくても、あの刺繍の紋章を見た時に本当はわかってたんだ。だってあれはカラマン国のフーミリアの部屋に残されてたハンカチの模様だったからね。
でも、シェリーの前世がフーミリアなら僕の前世がベルナルドだと言わないよ。そのせいでシェリーが僕の事を嫌いになったら……今の僕たちが大切だからね」
「シェリーおやすみ、良い夢を」
「わぁー、おとうしゃま、おかあしゃま、ここどこ?」
「ここはね自然がいっぱいで、ミリーナやキーガンが沢山走って遊ぶところよ」
「「わーい」」
「マック、ここがフーミリア様とベルナルド国王がであった場所ね」
「あぁ、そうだね。」
「あなた、子供と遊んで来てくれる?子供がお昼寝したら一緒にテラスでお茶を飲みましょう」
「子供達寝たよ」
「ありがとう。あなた、お茶を飲みながら話しましょう。
実はね、あなたが私の寝ている時に自分はベルナルドだって言ったの聞こえてたのよ。
きっと、あなたは私の気持ちを想って内緒にしようとしたのね」
「起きてたのか……そう、だってベルナルドのせいでフーミリアは死んでしまったんだ」
「そうね、確かに相当辛かったんだと思うわ。でもね、フーミリア様が何故命を絶ったと思う?キーガン様を取られてしまう恐怖、それとベルナルド様に愛されない恐怖。両方よ」
「いや、ベルナルドはずっとフーミリアのことを想ってた。だから自分を許せなかった。
シェリー、僕の前世のせいでシェリーに嫌われたくない」
「なぜ?私は貴方を愛してるわ。
そして、たぶんフーミリア様もベルナルド様を愛してた。
貴方と私が会ったのは運命なんじゃない?」
「僕はよくわからない。だがシェリーを失いたくない。だから……知られないようにと思った」
「いえ、私は嬉しい。だって、私たちは一緒になれた。そして前世の私達も今一緒にいるのよ。そうでょ?だから、私は幸せよ」
「………」
「私たち巡り会わされたと思ってる」
「そうだね。シェリー、ベルナルドの想いが、後悔の想いが俺達を巡り会わせたのかもしれないね。」
「そっ、2人のねっ!」
「絶対離れないし、幸せになりましょう」
「あぁ、シェリー、愛してる」
「マイク、私もよ」
「よし、3人目作っちゃう?」
「うーん、そうね!」ふふふっ
その夜、シェリーの夢の中に幸せそうなフーミリアの笑顔が………
完
番外編を少し書く予定です。
覗いてみてください。
「シェリー、僕がシャレル国から帰って仕事中に倒れた日、僕は前世がベルナルドだとわかった。
そしてシェリーが言わなくても、あの刺繍の紋章を見た時に本当はわかってたんだ。だってあれはカラマン国のフーミリアの部屋に残されてたハンカチの模様だったからね。
でも、シェリーの前世がフーミリアなら僕の前世がベルナルドだと言わないよ。そのせいでシェリーが僕の事を嫌いになったら……今の僕たちが大切だからね」
「シェリーおやすみ、良い夢を」
「わぁー、おとうしゃま、おかあしゃま、ここどこ?」
「ここはね自然がいっぱいで、ミリーナやキーガンが沢山走って遊ぶところよ」
「「わーい」」
「マック、ここがフーミリア様とベルナルド国王がであった場所ね」
「あぁ、そうだね。」
「あなた、子供と遊んで来てくれる?子供がお昼寝したら一緒にテラスでお茶を飲みましょう」
「子供達寝たよ」
「ありがとう。あなた、お茶を飲みながら話しましょう。
実はね、あなたが私の寝ている時に自分はベルナルドだって言ったの聞こえてたのよ。
きっと、あなたは私の気持ちを想って内緒にしようとしたのね」
「起きてたのか……そう、だってベルナルドのせいでフーミリアは死んでしまったんだ」
「そうね、確かに相当辛かったんだと思うわ。でもね、フーミリア様が何故命を絶ったと思う?キーガン様を取られてしまう恐怖、それとベルナルド様に愛されない恐怖。両方よ」
「いや、ベルナルドはずっとフーミリアのことを想ってた。だから自分を許せなかった。
シェリー、僕の前世のせいでシェリーに嫌われたくない」
「なぜ?私は貴方を愛してるわ。
そして、たぶんフーミリア様もベルナルド様を愛してた。
貴方と私が会ったのは運命なんじゃない?」
「僕はよくわからない。だがシェリーを失いたくない。だから……知られないようにと思った」
「いえ、私は嬉しい。だって、私たちは一緒になれた。そして前世の私達も今一緒にいるのよ。そうでょ?だから、私は幸せよ」
「………」
「私たち巡り会わされたと思ってる」
「そうだね。シェリー、ベルナルドの想いが、後悔の想いが俺達を巡り会わせたのかもしれないね。」
「そっ、2人のねっ!」
「絶対離れないし、幸せになりましょう」
「あぁ、シェリー、愛してる」
「マイク、私もよ」
「よし、3人目作っちゃう?」
「うーん、そうね!」ふふふっ
その夜、シェリーの夢の中に幸せそうなフーミリアの笑顔が………
完
番外編を少し書く予定です。
覗いてみてください。
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