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話が違くね!?

第190話

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 教室のドアをあけると、そこには知らない人たちばかりで埋め尽くされていた。

 みんな、俺の顔を見るなり挨拶を交わしてきた。

 どっからどう見ても部外者のはずなのに、俺がここにいることが当たり前のように接してくる。

 理屈ではわかってても、慣れなかった。

 どうやら本当に、俺は神戸高の生徒らしい。

 千冬に挨拶する横で、俺も色々声をかけられた。

 「亮」とか、「亮平」とか、「亮ーちゃん」とか。

 仕方なく挨拶を返した。


 …が、どうしてもぎこちなくなる。

 誰だよちゃん付けしてるやつ。

 別に構わないが、そんなふうに呼ばれたことがないからびびった。

 祐輔からは「亮ちん」と呼ばれてるが、あいつはそういうキャラだから。


 自分の席がどこかもわからずに彷徨っていると、一際大きな声で挨拶してくるやつがいた。

 短髪で、目尻にホクロ。

 ブレザーを椅子にかけて、膝を組んでいる。

 俺を見るなり「おっす!」と言って、男らしい腕を振ってきた。

 茶目っ気のある、涼しい笑顔が、健康的な肌の下で映えていた。


 「朝練サボんなや」


 ああ、そうだ。

 結局朝練には行かなかった。

 時間的に十分間に合ったんだが、ちょっと用事があって。


 「…すまん」


 ってことは、こいつは野球部なんだろうか?

 ってかそれ以外にないよな。

 見た目もそんな感じだし。

 
 
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