雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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アナザーワールド

第166話

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 「なにが嬉しくてあんたとハグせなあかんねん」


 …えぇぇ

 千冬は俺の話、——いわゆる仮説を、まだ信じてくれてはいなかった。

 まあ、普通に考えてそうだよな。

 「別の世界」から来たなんて、ドラえもんの4次元ポケットじゃあるまいし…


 「とりあえず1回落ち着かん?」

 「あんたがな」

 「落ち着けるわけないやろ」

 「ハァ!?」

 「お前と再会できたんや。興奮せん方がおかしい」

 「興奮とか言うな気持ち悪い」

 「…別に変な意味ちゃうで?」


 …なんでそんな怒ってんだ?

 そりゃ千冬からしたら、事情もなにもわからない気がするけど


 
 ◇◇◇



 
 一旦落ち着こうってことで、リビングで色々話をした。

 さや姉も一緒に。

 説明しても中々理解してくれなかったが、聞くだけは聞いてくれた。

 俺ん家で説明したように、ありのままを伝えたんだ。

 というかそれ以外に、浮かんでくる言葉はなかった。

 「別の世界から来た」

 ただ、そのことをわかりやすく説明しようとして、奮闘した。

 かなり苦戦はしたが。


 「どう考えてもあり得んやろ」

 「嘘みたいな話やが、それしか考えられんのやって!」

 「病院連れてこか、姉ちゃん」

 「…そうやねぇ」

 「待て待て待て!早まるな!」


 雲行きが怪しくなりまくっているが、どうにかして納得させないと。

 ただ、これといって手がかりのようなものはなかった。

 憶測の域を出ていなかったし、ちゃんと説明できるものだって…
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