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霊術院出のエリート
第169話
しおりを挟むキョウカは「正職員」の立場でありながら、酒場に行き来していた。
「正職員」とは、魔法省内でシリアルナンバーを発行している天使たちのことで、正規で働いている天使たちのことである。
真琴たちも、この「正職員」に該当する。
ほとんどの天使がシリアルナンバーを発行されているが、個人事業主がいるように、魔法省との契約を打ち切って独自に「職」を持つ天使たちがいる。
キョウカが酒場に入り浸るようになったのは、地上での暮らしが嫌になっていた時だった。
霊術院で“ある過ち”を犯してしまった彼女は、しばらく自暴自棄になっていた。
“赤松トオル”に出会ったのは、彼女にとっては一つの転機だった。
彼は当時名古屋ジェッツを率いるリーダーでありながら、ある禁止薬物を売買する「売人」でもあった。
バレれば即『監獄』行き。
そんな裏の顔を持つ彼に惹かれ、人間界での「過ごし方」を学ぶようになった。
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