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バトルフェスティバル 地区予選編③
第128話
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思考が追いつかない距離へ——
元より互いの間に流れ出ている戦闘の局面は、互いのテリトリーの取り合い、すなわち、互いの魔力総量をぶつけ合える「領域」の内側にある。
フィールドの環境、——その側面を活かした地の利はカーティスにあると言えるが、それはあくまで“自らの手札が揃っている時”である。
状況は常に流転している。
大地が電気を通す以上、リンは常に環境の特性を活かせる状況にある。
リンが踏み出した一歩はこの戦闘に於いてもっとも素早い「足取り」を伴っていた。
大地を踏む電流。
その歩行力は単なる“一歩”よりも遥かに疾い。
カーティスは一瞥してしまった。
相手が動ける間合いの中で選択の順番を間違えてしまった。
ブレイブランサーに注いだ魔力の「流れ」が一時的な行動の“枷”になっていたとはいえ、この場面で意識するべきは後退する一歩への重心だ。
リンのネットワークは地面の立体平面上を闊歩する。
超電導が稼働している今、魔力流域を「外」に展開するのは時期尚早だった。
カーティスは見誤っていた。
リンが“捉えた“のは地面ではなく、「時間そのもの」であったということに。
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